ロシア関連

機体に描かれた「75」の意味、ロシアの新しい第5世代戦闘機は本当に「Su-75」になるのか?

ロシアが発表した第5世代戦闘機「チェックメイト」は設計を担当したスホーイ設計局を示す「Su」と発表された機体に描かれていた数字「75」を組み合わせてSu-75だと呼ばれているが、これは正式名称ではないので注意が必要だと報じられている。

参考:New Sukhoi ‘Checkmate’ Jet May not get Su-75 designation

チェックメイトの正式なモデルナンバーは不明で「75」以外になる可能性もある

先週に発表された第5世代戦闘機「チェックメイト」は機体に75という数字が描かれていたため「Su-75 チェックメイト」だと呼ばれることも多いが「75」という数字自体はスホーイ設計局にとってのラッキーナンバー(75という数字をひっくり返すと57という意味もあると開発関係者が明かしている)であり、2011年に公開されたロシア初の第5世代戦闘機Su-57のプロトタイプも尾翼に「075(前部胴体には52)」という数字が書き込まれていた。

参考:Стало известно название Checkmate на внутреннем рынке

さらに別の開発関係者によれば「75」という数字はロシアの航空機開発の過程で「プロトタイプ」を示す場合に用いられることがあると明かしているので、チェックメイトの機体に「75」という数字が書き込まれたのは「発表した機体は展示用モックアップではなく飛行可能なプロトタイプだと強調するためではないか」と予想されており、75という数字と将来取得するかもしれない正式なモデルナンバーの間には関係性がないと報じられている。

出典:Rostec

因みにスホーイ設計局の親会社にあたる統一航空機製造会社(UAC)は075や52という数字が書き込まれていたT-50(PAKFA)が2017年に「57」というモデルナンバーを取得したのは「F-22とF-35の能力を兼ね備えているという意味「22+35=57」が込められている」と明かしているのでロシアの軍用機命名規則も柔軟性を取り入れてきた可能性が高く、米国のF-35や中国のJ-31を意識=競合するため設計されたチェックメイトは双発機のSu-57よりも軽量なことを示すため「57」よりも小さく競合関係を意識しやすい35や31に近い数字を採用してくるかもしれない。

勿論、ロシア空軍向けに「Su-75という名称を取得する可能性がある」とも開発関係者は言及しているので、わざわざ異なるモデルナンバーを取得せず「75」をそのまま採用してくるかもしれないが、少なくとも現時点で「Su-75」というモデルナンバーは正式取得されていないのでシンプルに「チェックメイト」と呼んでおく方が無難なのだろう。

※ロステックの正式なプレスリリースでは「LTS チェックメイト」と呼んでおり「Su-75 チェックメイト」と呼んでいるのはメディアだけ

関連記事:最も安価な第5世代戦闘機チェックメイト、調達コストは2,500万ドル~3,000万ドルを想定
関連記事:ロシアの新型戦闘機「チェックメイト」は最初の顧客を獲得済み、推定需要は300機前後

 

※アイキャッチ画像の出典:Rostec 

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コメント

    • A
    • 2021年 7月 26日

    初飛行前からいろいろとにぎやかなことで結構結構。
    さて飛んでみたらどうなることやら。

    8
    • 匿名
    • 2021年 7月 26日

    技本で研究用に試しに買ってみないかな。

    1
      • 匿名
      • 2021年 7月 26日

      そういう買い方をする国は、リバースエンジニアリングが疑われるので、お断りしています。

      5
      • 匿名
      • 2021年 7月 26日

      ロシアが実質敵国に何故売らねばならんのか

      4
        • 匿名
        • 2021年 7月 26日

        いえいえ、ロシアは日本と仲良くしたくてうずうずしてるし
        こちらとしては得るものよりも失うもののほうがずっと大きいんで時期尚早ですがw

        1
          • 匿名
          • 2021年 7月 26日

          アメリカに情報が流れるとロシアも考えてるから日本に売らない

          8
            • 匿名
            • 2021年 7月 27日

            現状では無いですが、ソ連崩壊の頃並みの経済破綻したら売るかも。
            過去の売り込みから判断して。

            3
    • 匿名
    • 2021年 7月 26日

    いきなり75とか、よく飛ぶナンバーだな

    3
    • 匿名
    • 2021年 7月 26日

    >2017年に「57」というモデルナンバーを取得したのは
    >「F-22とF-35の能力を兼ね備えているという意味「22+35=57」が込められている」と明かしているので
    これ全く知らない人が聞いたらとっさに考えた嘘だと思われるんだろうな
    嘘みたいなほんとの話

    5
      • 匿名
      • 2021年 7月 26日

      つまり「75-35=40」でアメリカのデジタルセンチュリーシリーズの一発目はF-40と逆算できるわけでs(ry

      3
    • 匿名
    • 2021年 7月 26日

    チェックメイト
    個人的にはこの名前は若干ダサイ気がするけど。
    みんなどう?

    5
      • A
      • 2021年 7月 26日

      NATOはどういう名前つけるのかな?

      2
        • 匿名
        • 2021年 7月 26日

        NATOは明らかにしていないが、米国はScreamerなんだろう?
        パックリ口を開けて、金魚か鯉みたいだが…

        • 匿名
        • 2021年 7月 27日

        基本戦闘機だから、向こうが言っても”F”で始まるコードになるんじゃないの?
        “Checkmate”だとCだから輸送機と勘違いすることになりかねない。

      • 匿名
      • 2021年 7月 26日

      ロシア人のセンスまでは理解しなくてもいいかなと。たぶんクリミア半島問題以後、西側から圧迫されてる現状から生じた対抗意識をそのまんま出してるような
      よくわからん謎の国のままでいいよ
      ミグ39とかなると好きだけど

      2
      • 匿名
      • 2021年 7月 26日

      ゴロが悪い感じはする
      「ミグ○○」「スホーイ○○」と比べると「チェックメイト75」だとスーパーの名前みたいになる

      2
      • 匿名
      • 2021年 7月 26日

      今から、40年前にアニメか特撮の決め台詞になかったか?間違って王手の意味で使ってたような。
      それ以来、ダサい感じを受ける。

      • 匿名
      • 2021年 7月 26日

      カッコいいと思う。
      というか戦闘機の名前だって聞いたらどんなにイントネーションが悪くてもそういうものだって脳内補正が掛かる。

      • 匿名
      • 2021年 7月 27日

      日本でいえば王手の”詰み”と言う所だろ?

    • 匿名
    • 2021年 7月 26日

    やっぱりステルス機のトレンドに合わせて翼の後縁に前進角が付いてるな、MIG21のような直線になっているのに対して後ろからのレーダーに対するステルス性が良くなるらしい。
    本当はYF23のように前後が同じ角度がいいんだが、それだと運動性や航続力に問題が出てくるから今程度の角度が最適解だなのだろう。
    ちなみにF-16は(多分運動性能に全振りして)後縁が直線になっているがF-2は僅かに前進角を付けた設計になっている。
    F-2はF-16に対して翼面荷重が小さいから運動性はカバーできると判断したのだろう。
    当時から日本もステルスの研究はしていたという証拠だな。

    7
    • 匿名
    • 2021年 7月 26日

    F35じゃなくデジセンとかなら、意外と好敵手になるんじゃないかなコンセプト的に

    3
    • 匿名
    • 2021年 7月 26日

    KF-Xの時もそうだったが、展示会の時にきれいな状態で人目を浴びるけど、この後倉庫に引っ張り込まれて、設計限界を超える加圧試験とか、衝突実験とか、翼の荷重試験とか散々ズタボロにされて研究結果を吸われるだけ吸われて、倉庫の肥やしになる末路を考えると、どうしようもなく胸の高まりを感じてしまう。

    3
    • 匿名
    • 2021年 7月 26日

    どうせやるなら「F-35の10倍の性能」というハッタリを込めて「Su-350」にすればいい。

    1
      • 匿名
      • 2021年 7月 26日

      ネタにマジレスするのもなんだがロシア戦闘機の命名規則的に偶数はない。

        • 匿名
        • 2021年 7月 26日

        Su-30(ボソッ

        5
          • 匿名
          • 2021年 7月 26日

          忘れてたよ…。
          でもそうなるとやっぱりもう命名規則とかどーでも良くなってんのかねぇ。

          1
          • 匿名
          • 2021年 7月 27日

          マルチロールの戦闘爆撃機型だから多少はね?

          1
        • 匿名
        • 2021年 7月 26日

        ミグは原則奇数番号があてられますよ
        例外が思いつかない

    • 匿名希望
    • 2021年 7月 26日

    水平尾翼が無いのか
    双発にして大型になるとF-3になるのか

      • 匿名
      • 2021年 7月 27日

      F-3のポンチ絵の下部にある謎突起部、チェックメートと同様なモノなのかな?
      などと考えていますけど

    • 匿名
    • 2021年 7月 26日

    スホーイ主導なら社内の試作ナンバーとかじゃないの?T-75。Su-57がT-50だったみたいに。
    フランカー以降主力機(候補)にSu-x7の型番振りたがるから輸出向けのチェックメイトに67付けるのは無さそう。制式採用されたらSu-59とかでない?

    2
    • 匿名
    • 2021年 7月 26日

    「LTS チェックメイト」はあくまでロステックの社内名称かつ現状唯一の公式名称でしょ。
    恐らく、LTSはPAK FAと同様な開発計画名の略称なのかと。チェックメイトは計画の通称のようなものじゃないですかね。
    例えばATD-Xと神心のような関係じゃないでしょか。神心はあくまで部内通称だったようですが。

    2
    • 匿名
    • 2021年 7月 27日

    ステルスというだけで第5世代というならいまどき意味なし

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