Lockheed Martinが9月に発表した輸出向けCCA=Vectisには15ヶ国が関心を示し、Aviation Weekは19日「Lockheed MartinはVectis向けの代替エンジンを検討中で、Hanwhaが開発中のHAF4500が候補に上がっている」「HAF4500に変更すれば可用性と速度の向上が見込める」と報じた。
参考:Hanwha Emerges As Re-Engine Option For Lockheed Vectis
Aviation WeekはVectis購入協議における主導的な立場の国とは「韓国とポーランドではないか」と示唆している
米空軍は有人戦闘機に随伴可能な無人戦闘機のことを協調戦闘機(Collaborative Combat Aircraft=CCA)と呼んでおり、CCA Increment1=第一弾調達の競争試作には伝統的な防衛企業(Boeing、Lockheed Martin、Northrop Grumman)も参加していたものの勝者に選ばれたのはAndurilとGeneral Atomicで、Lockheed Martinは「現行のCCAはサバイバビリティを重視しておらず、何れ財政的に破綻するだろう」と指摘したことがある。

出典:General Atomic
“我々の提案は「空軍にとって本当に価値のあるもの作る」という信念から生まれ、空軍が提示した要件よりもレベルの高いステルス性を備えていた。しかし空軍はサバイバビリティを重視していなかったため、我々の提案は必要のない部分に金メッキを施したことになる。General AtomicのCCA=YFQ-42Aは適度なステルス性と他のシステムとの相互運用性がサバイバビリティを高めている”
“サバイバビリティを高める方法はステルス以外にもあるものの、EWシステムなど他の対抗手段は高度なステルスを補完するためのもので代替手段ではない。空軍はCCA調達に1機あたり1,500万ドル~2,000万ドルを費やす予定だが、運用分析の結果『80%以上が未帰還になる』というシナリオに直面すれば現行のCCAを精算する時が来るだろう”
要するにLockheed Martinは「CCAのコンセプトが『消耗を前提にした安価なシステム』から『手頃な価格で消耗も可能なシステム』に変更され、調達コストもF-35の25%~50%になるのにサバイバビリティが軽視されているため、実戦で使用すれば未帰還率が高くなり費用対効果が悪い=財政的に赤字だ」と訴えているのだが、今年9月「米空軍への提案を想定していない国際市場向けの独自CCA=Vectisを2027年末までに飛行させる」と発表し、どうやらVectisには15ヶ国の潜在的な顧客が関心を示しているらしい。
Lockheed Martinは「Vectis購入について協議中の国が15ヶ国あり、その中でも2ヶ国が購入交渉において主導的な立場にある」と明かし、Aviation Weekは19日「Lockheed MartinはFJ44-4Aを搭載したVectisを初飛行させる予定だが、生産の可用性が高く無人機やCCA向けに設計された代替エンジンを検討しており、Hanwhaが2028年までに開発を完了させるターボファンエンジン=HAF4500(推力4,000~4,500ポンド/発電能力100kW)がVectisのエンジン交換候補になっている」「HAF4500に変更すればVectisは可用性の向上だけでなく速度の向上も見込める」と報じている。

出典:Lockheed Martin
さらにAviation Weekは「HanwhaによるHAF4500供給はVectisに最も関心を寄せている顧客の手がかりになるかもしれない」「Lockheed Martinは韓国に加えてポーランドとも次世代無人機に関する協議を開始した」と指摘し、Vectis購入協議における主導的な立場の国とは「韓国とポーランドではないか」と示唆しているのだろう。
因みにLockheed MartinはVectisの飛行速度について「FJ44-4AではM0.8~0.85が限界だ」と述べている。
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※アイキャッチ画像の出典:Lockheed Martin





















F35の50%もの価格で協調戦闘機とか言っておいて音速出ないとか、やる気あんのか?それで多くの国が関心を寄せている?投資家向けのコメントにしても酷いなあと。
いや買えるステルス機がF-35しかない、しかも中々納入されない状況では手に入るステルスというだけで大きな価値がある
とにかくF-35頼みの状況が不味すぎる
消耗を前提としたCCA大量投入は、予算に余裕がある国なら可能かもしれないが、そうじゃない空軍には厳しいって事だろうか
消耗前提の100機のCCAより、そこそこ強い20機のVectisの方が、財布に優しいという考えかな?
その国によって航空戦力の考えは違うから、戦闘機のお供のCCAには、考えが大きく反映されて、これからもっと数が増えそうだなぁ
開発コストやリスクは有人機より低いので、それまで戦闘機を開発出来なかった国でも、開発参入しようって考える国は多くなりそう
最大離陸重量3tくらいのクラトスヴァルキリーは9kNエンジンで超音速飛行はできなかったけど
この機体は4tくらいの規模感なのかな?
未帰還が高くなるというが、未帰還でも構わんというコンセプトで進めてる筈なのでは。空軍の中でまた意見が変わったのを聞きでもしたのか。
てか「我々の提案は必要のない部分に金メッキを施したことになる」ってどういうことだい。日本みたいに安全係数高めにしたという意味なのか、顧客の意向を無視した付加価値ビジネスしたのか。
X-BATの方が使い勝手よさそう
だいぶ強いエンジン積んでるX-BATこそ、VTOL必要なければ無駄に強力なエンジン積んでてコスパ悪いという見方もできますし。
使い捨て前提で安く上げようってのが無人機分野の流れなのに
せっかくなのでもうちょい生存性上げよう→価格高騰→高くなったからもうちょい高性能に…→価格高騰
気が付きゃ開発予算が青天井って
あれこれ盛りまくって価格高騰した米国の各種新兵器の二の舞じゃんよ…
毎回初期コンセプトからブレて失敗してんのにまた同じ事繰り返すの?
以前から空中戦闘用UAVは使い捨て可能な価格には収まらないと考えてたので生存率向上=高価格=損耗忌避にならざるを得ないだろう。
仮に強引に使い捨て運用を行ったとして未帰還80%では早晩機材を消耗し尽くすのは必定で、機材の生産が消耗に追いつくはずもはずもなく、CCA戦術は開戦数日で破綻する羽目になる。
結局、損耗を許容出来ない以上は高度な生残性を有するそれなりに高価格な機体になるか、さもなくば有人機の外付け弾薬庫といった機能に絞ったCCAとは呼べない機材に落ち着くかだろう。
ドライ2tで発電100kWは盛り過ぎじゃ
中国の「出来ました」と
韓国の「出来ます」と
本邦の「出来ません」は、
信用せん方が良いのだが……どうなんでしょうね?数年後を待ちましょうか……
※数年後に極東の国境線が変更されてたり国が無かったりも含めて。
「損耗可能で安価に量産可能なCCA用のターボファンエンジン」は勝者総取りになるくらい潜在市場が大きいと思われますが、HAF4500の推力はF-5/T-38のJ85エンジン1基と同じくらいの性能ですね。
同様の研究は防衛省でもやってて、「島嶼防衛用新対艦誘導弾用のXKJ301エンジン(300kgf)を10kN級(=約3倍)まで引き上げて100kWの発電能力を目指す」となってますから、HAF4500を双発にすれば実現できるレベルなのかもしれません。
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「生存性の高い何でもできる単一の機体」より「個々の生存性は低くても適切にチーミングされたセンサー(できたら複数種類)とシューター」の方が総合的な生存性は高いと思うし、特に実戦で複数セットを運用してて損失が出た時の機能維持性は後者の方が圧倒的に上だと思うけどなぁ。
もちろん適切なチーミング運用ができればの話なのでLMや15の顧客はそれができると思ってない、ってことだろうけど。