F-35 Block4の能力向上はエンジンの発電能力(ECU)と電子機器の冷却能力(PTMS)に依存しており、政府説明責任局2025年9月「ECUとPTMS改良に依存するBlock4の一部機能は将来のアップグレードまで延期される」と報告していたが、改良型PTMSの生産は2033年まで予定されていないらしい。
もうBlock4の遅延に慣れ過ぎてECUとPTMS改良に依存する機能のアップグレードが10年後になっても大して驚かないだろう
F-35 Block4はシステムインフラストラクチャーを刷新するTechnology Refresh3=TR3、F135の能力を強化するEngine Core Upgrade=ECU、電力・冷却システム=Power and Thermal Management System(PTMS)の改良、AN/APG-85への換装、AN/ASQ-239、EOTS、DASの強化、ウェポンベイへのサイドキック搭載、新たな兵器の統合などの66の新能力(具体的な内容は非公開)などで構成され、当初予定では106億ドルの費用で2026年までに開発を完了する予定だったのだが、開発遅延と開発コストの高騰を繰り返して当初予定のBlock4計画は完全に崩壊している。

出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Eduardo Otero TR2仕様のコックピット
現時点での開発コストは165億ドルまで膨らみ、開発完了は2026年から2031年以降へと変更され、シュミット中将は2024年4月「Block4で予定されている多くの能力は2030年代まで実現しないためBlock4自体を再構築する」「再構築されたBlock4は産業界が本当に提供可能なもので構成されなければならず、必須能力の提供のみに焦点を当てる」と明かし、政府説明責任局(GAO)は2025年9月「Block4はECUとPTMS改良を必要とせず、2031年までに実現可能な機能に重点を置く」「ECUとPTMS改良に依存する機能の一部は将来のアップグレードまで延期される」と言及した。
TR3はLot15から量産機への組み込みが始まっているもののソフトウェアが未だに未完成で、AN/APG-85は予定していたLot17からの組み込み開始に間に合わず、2026年秋以降から米軍に納入されるF-35は全てレーダー未搭載の状態で引き渡される始末で、下院軍事委員会では2031年以降に延期されたPTMS改良について「将来の電力・冷却要件を策定して12月までに報告せよ」と空軍と海軍に指示している。

出典:U.S. Air Force photo by Brian G. Rhodes
戦術航空・陸上部隊小委員会は「これ以上の遅延が生じた場合、より高度で効果的な戦闘ミッションシステムの搭載と運用に対応するための機体アーキテクチャ近代化に支障をきたすことを懸念している。F-35JPOはBlock4およびそれ以降の将来機能が依存する重要なサポート・サブシステムを含め、Block4の能力を開発および実戦配備する責任を適切に管理しなければならない。国防総省はF-35の運用寿命を2070年代までと想定している。したがって、将来の冷却需要に向けた能力拡張の余裕を最大化することが極めて重要である」と指摘。
要するに「Block4や将来のBlock5で追加が予想される指向性エネルギー兵器や新型センサーに対応するため、62kW~80kWの電力を供給するための冷却能力強化=PTMS改良の分析を12月までに報告せよ」という意味で、現行のPTMSはHoneywellとP&Wが共同で独占供給してきたものの、P&WはCollins Aerospaceと共同でPTMS改良に独自の強化型電源・冷却システム(EPACS)を、Honeywellは現行のPTMSを改良したものを提案しており、2024年3月「改良型PTMSが80kwの冷却能力を達成した」「改良型PTMSが冷却能力80kwを達成するのに新たなブリードエアを必要としない」と発表。
Honeywellは「改良型PTMSに使用された全技術は技術成熟度レベル(Technology readiness levels)7以上を達成している」と述べているものの、この改良型PTMSはデジタル・ツイン=仮想空間上に再現したモデルなので主張する性能が本物かどうかは分からない。
ちなみに、Block4向けのPTMS改良の生産は2033年まで予定されていないため「ECUとPTMS改良に依存する機能のアップグレードは最低でも7年後にならないと実現しない」という意味で、もうBlock4の遅延に慣れ過ぎてECUとPTMS改良に依存する機能のアップグレードが10年後になっても大して驚かないだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:PHOTO BY Staff Sgt. Kaitlyn Ergish





















block4なんかもうどうでもいい。
とにかく空を飛んでミサイルが撃てて無人機と連携できればそれ以上は求めないから早く使えるF35を寄越せと言いたい。
アップグレードが問題になってるだけで、基本は十分に使える機体だと思うが…
レーダー載っけてない機体はさすがに難があると思うよ
それはAN/APG-85搭載器の話では?
FCASは解体、F-35は足踏み、F-47は輸出時ダウングレードが濃厚、GCAPは資金が不明瞭
どう考えてもGCAPを持ち直すのが一番簡単で確実に思えるんだけどなぁ、英国さん
半導体技術の向上で解決てきるよ、きっと。
80kwの熱量は288,000kJ/hなので水の蒸発潜熱を2200kj/㎏とすると
1時間当たり131㎏の水を蒸発させる必要があり、水蒸気引いて飛行させるわけにいかないので
これが1097kj/㎏のメタノールだと約2倍になり、軽油だと251kj/㎏のようなので、
航空燃料の気化で放熱させると大体1時間約1tの燃料が余分に必要になるのかな?
戦闘機の冷却放熱能力って結構重要になりますね。
80kwって言っても2リッター車のラジエターで冷やせる程度のエネルギー量。十分に導風できれば問題ない。
その充分な導風はどこから取り出すんですかね……
ブリードエアでしょうね、従来相当の。
「『新たな』ブリードエアを必要としない」なのだし。
4.x世代機だったら、吸気口を追加して対応だったのでしょうが。
単にブリードエアで空冷してるだけでなく、ガス冷凍機みたいな感じでエンジンとは別のターボファン動かして空気を冷やしてます。そしてこのターボファンが APU としても機能するのが PTMS です。検索するだけでも F-35 関連の資料とか中国の論文とか出てきて楽しいです。
PTMS のサイクルで冷媒となるのは F-35 でも空気(Air Cycle System)のはずですが、別の人が書いているように普通のエアコンや冷蔵庫みたいに気化熱を使える冷媒を使うサイクル(Vapor Cycle System)もあるんですね。
最終ヒートシンクが燃料になるか空気になるかは熱サイクルとは直接関係ないはずで、F-35 ではファンダクトに空気が流れてない始動時だけ燃料をヒートシンクにするようです。Vapor Cycle では熱の移動が大きいので燃料になりやすいんですかね。
ターボファンなわけないです、単にタービンですね。念の為
戦闘機の冷却システムは主にAir Cycle Systemで、
F-22の様なVapor Cycle Systemとの併用タイプは少ないのではないかな。
今後は、装備の発達による発熱量の増大と共に、ステルスの弊害でもある気密化により、併用タイプが増えるかもしれないけど。
あと気化熱だけど、
蒸発により熱源から熱を奪う方向だけでなく、
液化により冷却システムから空気への熱移動にも使うのでなかな。
まるでスポーツカーエンジンの燃料冷却(完全燃焼し切れないほど濃い燃料を噴いて、気化熱でバルブやピストン、シリンダーを冷却する)みたいですね。
当然ながら燃費はだだ下がりになりますね…。
もうBlock 4 を Block 6 か 7 かなんかに改名したほうがよくないか?
(1) F135+PTMS: ブリードエア抜きまくって高温運転、オーバーホール期間が25%短くなる (F135EEP + 新型PTMSで改善予定)
(2) TR3ハードウェア: まだTR2と同等のミッションをこなせない
(3) APG85: LMとJPOの無理強いで遅延。専用バルクヘッドになってしまいAPG81両対応バルクヘッドが出るまでどちらか片方のレーダーしか対応しない。APG81バルクヘッド搭載機のアップグレードパスは不明
(4) Block 4ソフトウェア: 機能縮小、兵器統合も遅延。
これであと50年近く使うつもりならどこかで完成はするでしょうが、今のところ実戦はTR2機に依存するためTR2のサプライチェーンが適切に維持されるのか不安になりますね。
あれBlock 3Fは?とググるとTR2なBlock3Fと、TR3のBlock3Fの二種類あったのね
ディスコンにされたらしいTR2復活となれば話は早いんだけどな・・
>F-35の量産は「Tech Refresh2を適用したBlock3F構成」から「Tech Refresh3を適用したBlock3F」に移行しており、この機体にBlock4のソフトウェア、F135の能力強化=Engine Core Upgrade、電力・冷却システムの改良=Power and Thermal Management Systemを組み込んだものがBlock4仕様で、全要素が組み込まれた量産機は2029年以降に登場すると予想されていたが、残念ながら開発が順調に進んでいる要素は1つも見当たらない。
2024.05.31「F-35量産機の納入停止問題、2024年7月の引き渡しにはリスクがある」航空万能論GF
日本ととしては、プロペラントタンクの開発、JSMの統合あたりは何とかしてほしいところ。
とにかく空対空ミサイルと爆弾だけでは、マルチロールファイターの意味が薄い。
日本では、そのせいで空戦用の戦闘機に位置づけられてるし。
最新のTR3機はまだ空戦能力やらがオミットされたままのような
正直、詳しい状況は分からないけど(検証されてないから表向き非対応なだけで実際は撃てる可能性とか)米軍も受け取り拒否するぐらいだから、なかなか擁護しずらい状況
基本のソフトウェアが完成した後に。
色んな装備・武器を実装する開発、開発後にテストして。
テスト後に、アップグレード版を実戦配備できるという考え方であってますかね?
そうすると、基本ソフトウェアが完成していないのであれば、ドンドン後ろにズレしていくことになるのかなあと…。