米ジェネラル・アトミックス(GA-ASI)は10日、強襲揚陸艦で運用可能なMQ-9Bの短距離離着陸バージョン「MQ-9B STOL」を発表して注目を集めている。
参考:GA-ASI Grows Mojave Line With New MQ-9B STOL Package
GA-ASIは新たな顧客に浮上した米海兵隊向け狙いを定めたMQ-9B STOL、バイラクタルTB3とコンセプトは同じ
GA-ASIが披露した「MQ-9B STOL」はMQ-9Bの主翼と尾翼を変更するオプションキットで構成されており、24時間以内にMQ-9BをMQ-9B STOLに変更することができるらしい。さらにMQ-9B STOLの主翼は折りたたむことが可能でカタパルトやアレスティングワイヤーが装備されていない強襲揚陸艦で運用可能だと説明している。
Presenting MQ-9B’s new short takeoff and landing capability: MQ-9B STOL
With this developing capability, MQ-9B will be the first #UAS in its class to enable big-deck amphib takeoff and landing, unlocking unlimited potential at sea. #MDM2022
Learn more: https://t.co/uJDDaWgOZJ pic.twitter.com/tLV7TGtXWo
— GA-ASI (@GenAtomics_ASI) May 10, 2022
米空軍は2023会計年度予算で100機のMQ-9を退役(スクラップにするのではなく別組織に移管)させる方針を発表済みで、MQ-9を「ステルスに対応した新型UCAV」か「安価な商用UAVベースの改造機」に置き換えることを検討中だが、非ステルスのTB2がロシア軍相手に通用したことを受けて「MQ-9も運用方法を工夫すれば大国間の戦いで通用する」という声が上がり始めており、米海兵隊は部隊構造の変更「Force Design 2030」に基づきMQ-9の導入を開始した。
つまりGA-ASIは新たな顧客に浮上した米海兵隊向けに「強襲揚陸艦で運用可能なMQ-9B STOL」を発表したという意味だが、このコンセプトはトルコのBAYKARが発表したバイラクタルTB3と強襲揚陸艦の組み合わせと同じだ。
BAYKARはバイラクタルTB2をベースに開発中のTB3を今年中に初飛行させる予定で、NIKKEI ASIAに対して「日本は一刻も早くUCAV(武装可能な無人機)を手に入れるべきで、いずも型護衛艦にTB3はぴったりだ」と述べており、中東・アフリカや欧州で採用が広がるトルコ製UCAVのアジア進出=特に強襲揚陸艦を保有する国(日本、韓国、オーストラリアなど)にTB3を売り込むことを狙っている。
要するにGA-ASIはMQ-9のプラットフォームを延命させるため「BAYKARがTB3で狙う潜在的な顧客」に狙いを定めてMQ-9B STOLを用意してきたとも解釈できるが、MQ-9は非常に高価なので安価なTB2ベースのTB3にコストパフォーマンスで太刀打ちできるのかは謎だ。
因みにMQ-9B STOLはGA-ASIが開発を進めている短距離離着陸に対応した新型UCAV「Mojave=MQ-1C ERの再設計機」から派生した構想と主張しているが、トルコのTB3を意識していることだけは確かだ。
関連記事:バイラクタルTB2開発企業、日本は一刻も早くUCAVを手に入れるべき
関連記事:GA-ASIが新型UCAV「モハベ」を公開、支援装置なしで軽空母や強襲揚陸艦からの運用も可能
※アイキャッチ画像の出典:GA-ASI
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値段によるかな。日本なら、MQ9だろうが。世界的にはバイラクタルの方が多いだろうが。
いずも型はF-35にスペース出来るだけ割きたいしひゅうが型で安定運用出来るだけの能力があるならかなり魅力的だな
さらにいうと、日本には滑走路が山ほどありますからね…
TB-2ならまだしもって感じもします。
おっしゃる通り、ひゅうが型で使えるんだったら話はかわってくるんだろうけど
いや、おおすみ型で運用できないとね。
ひゅうが型には、いずも型とセットで機動部隊を編成してもらわないといけない。
Canonのカメラと斎藤のエンジンを使えば安価な国産制作も可能です。そうロシアが教えてくれました。
オルラン10はスキャンイーグルと同クラス
それならSONYのカメラとプレーステーションとYAMAHAのエンジンの組み合わせにしましょう♪
どっちも使えるようにして、配備は少数にする。
事が起こった時に、協力国から補給をもらう時、どちらかが入手できればいいように。
言い方は悪いが、どちらも消耗品だから。
主翼メチャクチャはみ出してて草
母艦の艦首が切り裂いた風洞の安全圏に入るのか影響が出るのか、興味が湧きますね
強襲揚陸艦と艦載無人機の組み合わせは潮流としてこれから流行りそうですね。導入のハードルも低そうですし。ブラジルあたりも検討中だそうですが、あんな国やこんな国も?みたいに驚くケースも現れそうです。
既にMQ-9Bを持っている国の改良案としては魅力的でしょうね。
今から輸入するのは費用がかかりすぎでしょうが。
俺の魂は着艦できる肉体が行方不明で困ってます
TB2が通用したのはロシアの舐めプとNATO領空からE-3がフォローしてたりするから、そのまま太平洋に当てはめられないんじゃ?
高高度から低高度まで空中目標をレーダーの最大探知距離で一律的に捕捉できる訳じゃないということを理解できないなら、舐めプーと一生バカにしてたらいいと思うよ。
E-3のフォローがあるのとTB2の活躍は関係なかろーよ
敵戦闘機が出張ってこれない環境下でこそTB2が活きるという意味で、「中国が真面目に制空権を得ようとしてきたらMQ-9に損失を前提に出番はあるのか?」って思ったんですがそれでも的外れなんですかね?
ウクライナはS-300が破壊されないように移動を繰り返すとか普段の努力の上にTB2の戦果がついてきてるように思えるのですが、
実際ロシアに水増しされてるとはいえ撃墜戦果もあるわけですし
使いやすいUCAVが出てくるまでの繋ぎなんじゃないのかな
今回のは海兵隊がすぐにもらえるのがコレだったというだけで
元々の使用用途であった非対称戦争では十二分に性能を発揮するわけだし対中国とは限らないし
艦上運用ノウハウ貯めるようなのかもね
無人機運用に特化した「いずも」の3番艦か、ファン・カルロスやキャンベラみたいな強襲揚陸艦が発表されないかな
おおすみ型輸送艦の後継に期待しよう。
って、いつになることやら。
水上監視じゃなくて対空監視のできるレーダー積んで簡易AEWにできないかなあ。
うまくいけばSM-6やA-SAMの目になれそうな予感。
対水上レーダーにソノブイを積んだ哨戒機型と対空レーダーを装備したAEW型みたいにしていずも・かがで運用できれば護衛隊群の能力を飛躍的に向上できそう。
> MQ-9も運用方法を工夫すれば大国間の戦いで通用する
これは安価なTB2だから成り立ってる側面も無視できないような…?
ロシアからの戦果報告が目立たないからあれだけど、そこそこの数(二桁とか?知らんけど)落とされてるし
そのペースで落とされるのはMQ-9みたいな高価な機体では耐えられなさそうだけど……
数億のTB2と20〜30億するMQ-9では無茶させられる限度も変わってきそうですしねー
自己レス
oryx Japanの記事によれば確認されたTB2の被撃墜は7
ユニットコスト100億オーバーのMQ-9Bでこの損害被るのは許容できるんだろうか
まあ、何機かは越境攻撃に使おうとして撃破されてるから「もっと慎重に使えば良い」と言ったらそうなんだけど
MQ-9はTB2と比べて運用高度で約5割(最高高度で2倍くらい)差がある分、対地対艦の見通しも距離で約2割長く範囲で3割以上広くなるし、
速度も3倍以上の差があるし、ペイロードや電力に余裕がある分観測機器の性能も上げられるから、まさしく「もっと慎重な運用」が可能なんじゃないかな。
>MQ-9も運用方法を工夫すれば大国間の戦いで通用する
この考えで行けば4世代機でも大型AWACSも十分な戦力となるよなぁ。RCSが低いと言われるTB2だからこそ、ロシアがNATOに直接ケンカ売れないあの体たらくだからこそって感じで条件かなり特殊すぎませんかね。
RCS低いと言っても精々4〜4.5世代機レベルだし、割と新しめのレーダーだと普通に探知されそうなんだよなぁ
いずも型護衛艦を、米空母と別行動で運用する場合、
AEW機が必要なのは間違いないと思う。F35は他にすることがあるだろう。
英海軍はAEWヘリを運用しているけれど、運用高度が3000mくらいで限界と思う。
MV22を改造しても、運用高度は6000mくらいと思われる。
E2Dは運用高度が10000m、E767は12000mで捜索範囲が違いすぎる。
MQ-9のAEW型が解答になるのかもしれないが、実績はない。
素人の妄想だけれども、E2DをRATOを使ってでも、いずも型で運用できないだろうか。
パイロットの方には大変な負担とは思うけれども。
いずも型でF-35Bを運用する場合、
F-35BがAEW以外にすることってほぼないと思われます。
あっても、揚陸支援のための地対空、対地攻撃が主で、メインにはなりえないかと。
むしろ、F-35BからAEW任務を取り上げたら、いずも型で運用する意義そのものを失うに等しい
領土周辺での戦闘しか想定しない自衛隊の場合、究極的には母艦は必要ないように思う。小型の艦艇や道路に着陸できるUCAVが使えるようになったら、必要に応じて飛行甲板付きの補給艦や陸に降りて補給するような運用にして、基本は滞空させておいた方が、大きな航空母艦にたくさん抱えて移動するよりは効率が良さそう。