Andurilはパーマー・ラッキー氏がAIと無人技術に特化した防衛分野のスタートアップ企業として2017年に設立し、たった9年間で米防衛産業界の一角を占めるようになり、何もかもが規格外の巨大な兵器製造施設=アーセナル1の一部が完成して無人戦闘機FURY(YFQ-44A)の生産が開始された。
参考:Anduril: new factory will start making drone wingman in just ‘days’
参考:High-speed combat drone production starts at new US Anduril plant in days
兵器生産は伝統的な大規模生産からハイパースケール生産へと移行する
Andurilはパーマー・ラッキー氏がAIと無人技術に特化した防衛分野のスタートアップ企業として2017年に設立し、たった9年間の間に戦術ドローンのBolt、Altius、Ghost、超大規模生産と大量使用を前提にした低コスト巡航ミサイルのBarracuda、米空軍が無人戦闘機の第一弾調達候補に選定したYFQ-44A、世界で初めてXLUUVタイプの無人潜水艦として量産化が始まった豪海軍向けのGhost Shark、各国が関心を寄せる無人潜水艦のDive-LDとDive-XL、重魚雷としても使用可能な多目的水中プラットフォームのCopperhead、自律型海底監視ネットワークを実用化。
さらにカウンタードローンシステムとして小型ドローンを直撃方式で排除する迎撃ドローンのAnvil、迎撃ミサイルを空中に徘徊させて自律的に交戦させ、もし脅威と会敵できない場合は自律的に帰還して再使用が可能な垂直離着陸方式を採用したジェットドローンのRoadrunner、AIを活用して陸、海、空の自律的な状況認識を提供できるSentry、新たな脅威に数ヶ月~数年ではなく数時間~数日で対応可能なソフトウェア定義型の電子戦システムのPulsarも実用化し、この製品群のほぼ全てが自社資金で独自に開発され、それを米軍や西側諸国が購入している。
ここまで短期間でAndurilが躍進した理由は大まかに3つあり、1つ目はアイデアを素早く形にして見せるため自社資金でプロトタイプを開発し、国防総省にアイデアを持ち込んで開発予算を確保したり、要件の取りまとめに時間を浪費しない、2つ目は海外輸出に足枷になる軍事技術ではなく商用技術=デュアルユース技術を積極的に採用したオープンアーキテクチャを採用して各システムを構築する、3つ目は戦場の優位性がハードウェアではなくソフトウェアによって定義されるようになったためだが、Andurilは大手防衛企業の製造能力にも追いつくため2035年までにアーセナル1を建設する予定だ。

出典:Anduril
Andurilはオハイオ州のリッケンバッカー国際空港の滑走路に隣接する広大な敷地(2.02km²)に自社資金9億ドル以上=約1,430億円を投資し、専用エプロンまで完備した巨大な兵器製造施設=アーセナル1(総床面積46.5万㎡)を建設中で、これはテキサス州フォートワースにあるF-35最終組み立てライン(総床面積14.8万㎡)の3倍以上の広さになり、さらにAndurilはソフトウェア定義型の製造プラットフォーム=Arsenal OSを開発し、設計→開発→生産の全行程をデジタル通貫制御することで「1年間に数万機の自律型兵器を量産可能」と主張している。
もう何もかもが規格外なアーセナル1だが、Defense Oneの取材に応じたAndurilは「製造施設の一部が予定よりも早く完成し、2026年7月を予定したFURY(YFQ-44A)の生産ラインを数日以内に稼働させる」と明かし、Reutersも19日「年末までにRoadrunner、Barracuda、機密扱いのプログラムなどの生産も開始される」と報じた。
Andurilの製品は全てハイパースケールを前提に設計されており、これを実現する4つの法則は「モジュール化による大量生産が可能なシンプル設計」「構成部品の90%に商用規格を採用した強靭なサプライチェーン」「AI、デジタルツイン、ロボットで全工程を最適化したソフトウェア定義の生産」「生産リソースの人、機械、材料を集中管理する巨大な生産施設」で、ラッキー氏も「兵器生産は伝統的な大規模生産からハイパースケール生産へと移行する」と明言している。
AndurilやShield AIなどの新興企業は「ソフトウェア定義型の兵器開発」と「シリコンバレー流のスピード開発」を掲げ、伝統的な大手防衛企業とは異なるアプローチで兵器生産を近代化しようとしており、10年後までにLockheed Martin、Boeing、Northrop Grummanといった主要防衛企業は各分野に分社化されて消えるという予測まで登場している。
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※アイキャッチ画像の出典:Anduril





















第二次世界大戦の時みたいなスパンで新兵器がバンバン出せるって事か……凄いな
今年のビックリドッキリメカは〜って感じか
ヤッター、ヤッター、ヤッターマンですね!
真に凄いのは開発スピードではなく商用規格を9割使っても軍の認証が通るその設計能力と設計思想だと思うわ
作るだけなら伝統的な大企業でもできる
自社資金で開発って採用も決まっていない状態でスポンサーを捕まえる営業力も凄まじいですね。投資家を呼び込むやり方も上手いんでしょうか?
創設者のパーマーは自宅のガレージでOculus VRを開発し20億ドルで売却した天才だ
これまで軍事産業を忌避していたシリコンバレーには競合が少なく昨今の情勢変化でカネが一気に流れ込む
既に企業価値は200億ドルを超えるとみられる
創業から9年になるが5年近くはAI監視塔の販売を行っていて航空機の開発には新参中の新参
自身はソフトウェア開発に集中し買収と提携でハードの開発能力を急速に獲得している
日本に来て、リゼロのレムの格好して例のプールで泳いだ変態でもあります。
天井クレーンが、トップ画像に見当たらないのも興味深いなと。
YFQ-44A重量2.3トンと見かけましたから、軽くしたことで量産性を高めているのかもしれません。
アメリカ企業は、ドカンと投資するというのを聞くわけですが、施設の規模がとんでもなく大きいですね。
前世紀から名機を生み出してたロッキードやボーイングに比べたら若く見えるけど、9年て結構長いよ
それだけ真っ直ぐに必要な物に向き合い続けた証拠でもあるけど、新興企業がこの帰還で高性能な無人機を大量生産出来る体制を整えたところに米国の底力を感じる
30年以上前からスカンクワークスに『無駄な書類が多過ぎる』だの『官僚主義』だの言われてきたのに、ようやく方針転換できただけでも凄いんじゃないの。理由はともかく。
パーマー・ラッキーがオキュラスにいる頃に作ったoculous rift CV-1は非常に使いやすいVRだった
有線ではあるが軽く、音質がよく、トラッキング精度が良かった
典型的なナードだが良いものを作る印象
問題の本質がわかる人だと個人的には思ってる
先日、中国空軍がまとまった数のJ-6無人化ドローンを台湾対岸に配備したという公開情報があった。
Andurilの無人戦闘機も同じ用途を想定しているんだと思う。