バイデン政権は3.75億ドル相当のウクライナ支援パッケージを25日に発表、この中に含まれる空対地弾薬が何なのかは今のところ不明だが、kyiv Independentは「F-16で運用可能なAGM-154 JSOWが含まれ、これをウクライナに提供する初めてのケースだ」と報じている。
参考:Biden Administration Announces Additional Security Assistance for Ukraine
参考:White House announces $375 million in military assistance to Ukraine
参考:US prepares $8 billion in arms aid packages for Zelenskiy visit, sources say
もし変更されていれば26日の会談後に何らかの発表があるかもしれない
バイデン政権は3.75億ドル相当のウクライナ支援パッケージを25日に発表、この中には空対地弾薬、HIMARS向け弾薬、155mm砲弾、105mm砲弾、TOW、AT-4、M1117、MRAP、戦術車輌、架橋システム、小口径火器などが含まれており、具体的に空対地弾薬が何なのかは明かされてないが、kyiv Independentは「F-16で運用可能なJoint Standoff Weapon(AGM-154 JSOW)が含まれ、これをウクライナに提供する初めてのケースだ」と報じている。

出典:U.S. Marine Corps photo by Sgt. Sean Potter
Politicoは20日「月曜に発表される3.75億ドルのウクライナ支援パッケージにAGM-154=JSOWが含まれる可能性がある」と報じていたことがあり、JSOWはJDAM-ERよりも射程(高高度からの投下で最大70マイル/低高度からの投下で12マイル以上)が長く、事前に座標が判明している静止目標への攻撃に有用で、特に自律誘導機能を備えた赤外線画像照合シーカーを使用するAGM-154Cは電子妨害の影響を受けない。
WARZONEも「JSOWはストームシャドウほどの長距離攻撃能力はなく、JASSMほどの破壊力もステルス性も備えていないが、それでもロシア軍の物資集積地、防空システム、その他の目標に対して安全な距離から攻撃できる」と指摘し、ウクライナが手に入れたF-16にとって「有力な攻撃手段」になるものの、これが長距離攻撃兵器の追加提供に関する回答だった場合「ATACMSの射程距離(約300km)を超える攻撃手段は提供しない」という意味になる。

出典:Lockheed Martin
逆にJSOWではなくJASSMだった場合「ATACMSと同等の長距離攻撃兵器を提供した」と、JASSM-ERだった場合のみ「ATACMSやストームシャドウを超える長距離攻撃兵器を提供した」と解釈できるが、何を提供していたとしても「ロシア領に対する使用制限が変更されたかどうか」は不明で、もし変更されていれば26日の会談後に何らかの発表があるかもしれない。
因みにターボジェットエンジンを追加してJSOWを巡航ミサイル化する計画(JSOW-ER/射程560km)も存在し、米海軍はOASuW Increment1の要求要件を満たすため2019年の開発契約を締結したが、LRASM=JASSM-ERの派生型取得に方針を変更したためJSOW-ER開発は2022年に中止されている。

出典:President of Ukraine
追記:バイデン政権は議会に会計年度末に失効するウクライナ支援資金(56億ドル)の権限延長を要請中で、ロイターは「これが不発に終わった場合に備えプランBを準備中だ」「木曜日にはUSAI経由で24億ドル相当の支援を発表する予定」「米国はゼレンスキー大統領が訪問中に80億ドル以上(内訳不明)の軍事支援を発表する予定」と報じている。
関連記事:米国が間もなくウクライナ支援を発表、JASSMではなくJSOWを提供か
関連記事:米報道官、ATACMSならロシア軍機を地上破壊できるというのは間違い
関連記事:米国はATACMSの制限を変更しない、ロシア領内への攻撃は国産兵器で
関連記事:英国、赤外線シーカーを国産化したASRAAMの最新バージョンが間もなくデビュー
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Marine Corps photo by Sgt. Sean Potter
少しのお土産持たせてお帰り頂いた様子。
とはいえ日本円で600億は結構な額だけど、お布施金額としてはゼレンスキーは不満だろうね。
民主党にとっても最早ゼレンスキーは選挙戦に使える顔ではなくなったからな
波風立てず静かにお引き取り願いたいのが本音でしょう
ウクライナ軍の問題は、前線歩兵が足りていない事ですからね。
ウクライナの動員は、内政問題に起因しており、外交ならば海外ウクライナイ人の帰還問題でしょうか。
ヨーロッパも、難民ウェルカムだったのが掌返しをしており、生活保護だらけのため帰還問題がでていますからね。
ウクライナ人難民が、(仮に)ウクライナ国内に強制帰還したとしても、士気は期待できないかなと…
結局、JSOWを落とし所にしたんですね
600億円規模のうちJSOWを何発提供するのかわかりませんが、「ゲームチェンジャー」的なものにはならないでしょうね
まあ、まだ憶測の段階なので26日の正式発表とその後の詳細報道待ちですわな
それより勝利計画の内容とアメリカの認否が知りたいんだ
やはりと言うべきか、AGM-154 JSOWでしたね。
記事にある後付けターボジェットエンジンは、当面、無い様子です。
JSOW-ERが制式にはなっても、生産はされていないので。
一説には、生産のための3Dプリンターのデータはあるようですが。
米国は、ターボジェットの製品は渡すつもりは無いのでしょうね。
自前でターボジェットを付ける改造は黙認でしょうか。
それと、これは、F16から投擲するもので、現在、F16は5機しかありません。
ウクライナは、運用方法を工夫する必要がありますね。自前のターボジェットも必要です。
あるいは、爆弾倉の中身を取り出して、たとえば、Tu-141で運用するか。
Tu-141ならば、運用距離は1,000kmになります。何機を保有しているか判りませんが。
MRAPで気になったけど、もうウクライナ軍が敵の地雷を気にしないといけなくなるような情勢になり得るんだろうか。
単にもう米軍でも要らなくなったので、ポイしただけか?
ウフレダルで撤退が始まってるみたいだけど退路にロシア軍がドローンで地雷を設置してるみたいよ
ドローンで地雷敷設かあ。
「爺ちゃんが戦争行った頃は、道路に203mm榴弾と携帯電話繋いで戦車をぶっ飛ばしたもんだよ!」
「なにそれ?ずっと見張ってたの?昔の兵隊さんは大変だったのねえ」
とか言われていそう。
フーシ派とロシアがイランの仲介で会合を持ったというのがあったな
おそらくウクライナ支援を続けるならロシアがフーシ派に対艦ミサイルを提供するという話になるのではなかろうか
そうなると米軍は紅海を通れなくなる
ウクライナが勝手に越境攻撃した俺は止めたからねとか言い張るなら、ロシアも似たような事をするのではなかろうか
満額回答ではないけど最終的に80億ドルに達するならバイデン政権としては強力に軍事支援を行い続けるつもりなのかなあ。