下院議長を狙う共和党のマッカーシー議員は「中間選挙で共和党が過半数を占めればウクライナへの白紙の委任状を支持しない」と公言しており、バイデン政権は共和党主導の下院が誕生する前にウクライナ支援に必要な資金377億ドルをペロシ下院議長に要請した。
参考:Biden asks for over $37 billion in emergency Ukraine aid
新たな白紙の委任状をバイデン政権が手に入れても、400億ドルもの資金が約9ヶ月間で消費されたことを考えると来年の夏頃までには新たな資金が必要
バイデン政権が議会承認の手続きをパスして迅速に必要なウクライナ支援を次々と実行できる法的根拠は「下院がウクライナ支援向けに承認した約400億ドルの資金」がベースになっており、この資金の一部はバイデン大統領が必要と判断すれば議会承認なしに米軍在庫から何でも当該国に提供できる大統領権限(Presidential Drawdown Authority=PDA)の上限解放(1億ドル→110億ドル)にも割り当てられているのだが、この資金の3/4以上が支出済みだ。

出典:U.S. Air Force photo by Mauricio Campino
つまりバイデン政権は下院から「ウクライナ支援のためならノーチエックで400億ドルの資金を自由に使っていい」という白紙の委任状を手に入れており、中間選挙後に誕生する共和党主導の下院では「これを認めない=ウクライナ支援に必要な支出を個別にチェックする」と主張しているので、今の内に新たな白紙の委任状=377億ドル(防衛関連に217億ドル、人道支援やウクライナ政府の機能維持に145億ドル、米国在住のウクライナ人向け支援に9億ドルなど)を手に入れたいのだろう。
ただ新たな白紙の委任状をバイデン政権が手に入れても、400億ドルもの資金が約9ヶ月間で消費されたことを考えると来年の夏頃までには新たな資金が必要になり、民主党は「共和党支配の下院ではウクライナ支援向けの資金調達が困難になる」と予測、新たな下院の指導者(下院議長)が民主主義を維持し「ロシアの勝利を阻止するため資金援助を続けて欲しい」と呼びかけている。

出典:Angela Perez
因みに上院は民主党の過半数維持が確定的だが、予算関連の先議権は下院が有しているのでウクライナ支援に必要な資金確保は今後難しくなる(白紙の委任状を認めない方針なので毎回議会で審議→承認が必要になるという意味)可能性が高いが、軍事関連だけに限ればウクライナ・レンドリース法で凌ぐことも可能だ。
まぁウクライナ支援は軍事支援と財政支援の両輪で成り立っているのでウクライナ・レンドリース法だけで何とかなる問題ではない。
追記:上院は共和党の過半数維持→上院は民主党の過半数維持に訂正
関連記事:クレムリンを擁護するプロパガンダ、ロシアは勝利するため変化している
※アイキャッチ画像の出典:The White House
>>因みに上院は共和党の過半数維持
民主党の書き間違いと推定される
上院過半数は民主党ですね(書き間違いですね)
まあ特におかしい事もあるまいって思いますね。権限を大統領に渡したくないだけで、白紙委任でなくとも必要な事は大体通るでしょ。
追加の377億㌦が持つのは来年夏ごろまで
来年の夏までには戦争が終わって、ヒマワリが咲き誇る平和なウクライナに戻ってもらいたい
共和党内でもペンスあたりが、このマッカーシーの主張に真っ向から反対しそうなもんだけども
共和党もウクライナへの支援では一致してますがここが政党政治たる民主国家の宿命ですね
二年後までロシアが国力を保っているとは思えませんが負けを認めるとも思えないので…
仮に二年後の選挙で共和党代表が大統領になったときに対ロシア政策を一貫できるといいですが
国防省は戦争終結後も制裁は続けると発言してますね
かつて民主党ガーとか言ってた連中は何なのかと、アメリカと日本の左派を混同してる反知性なのかと回顧する今日この頃。今はまるで共和党のほうが世界平和に水を差してるように見えるし
果たしてトランプ政権が続いていたら、ウクライナはどうなっていたのか、こんな戦争は起きていたのか、事情通の声聞きたいわ
米民主党もサンダースとかあの辺はヤバいよ、ベネズエラのチャビスタ政権とか毒ガス使ったアサド政権擁護したしロシアのプロパガンダに親和的なんで保守派の親露派の左版といった感じ。
ネットのコメントなんざ間に受けちゃいけませんぜ
ふざけてるくらいがちょうど良くて真面目な議論など期待するだけ無駄
集合知(笑)