Boeingは第3四半期の業績見通しの中で「T-7AとKC-46Aで計16億ドルの損失が発生し、防衛部門は計20億ドル=約3,000億円の損失を計上する」と明かし、T-7AとKC-46Aの累積損失額は100億ドル=1.4兆円を突破する可能性が高い。さらにBoeingはKC-46Aのベース機体=767生産中止も発表した。
参考:Boeing Reports Preliminary Third Quarter Results
参考:Boeing’s defense unit logs massive $2 billion in losses for third quarter
Boeingにとって固定契約は悪夢としか言いようがない
Boeingは11日に発表した第3四半期の業績見通しの中で「固定契約のT-7Aは2026年以降の生産契約で推定コストが上昇するため約9億ドル、KC-46Aはストライキとベース機体=767生産中止の影響を受けて約7億ドルの損失が発生し、防衛部門は固定契約のT-7A、KC-46A、MQ-25、Starlinerで計20億ドルの損失を第3四半期に計上する見込み」と明かし、最高経営責任者に就任したオートバーグ氏も「固定価格で受注したプログラムの業績は期待されたパフォーマンスは全く届いていない」「今期は商業機の生産停止、継続プログラムの課題、767貨物型の生産停止によって大規模な損失が発生する」と述べた。

出典:PHOTO BY Rev Hess
Boeingは第2四半期でも固定契約のT-7A、KC-46A、MQ-25、Starlinerで10億近い損失(第2四半期全体の損失額は14.4億ドル)を計上しており、T-7Aの累積損失額は20億ドル、KC-46Aの累積損失額は80億ドルを突破する可能性が非常に高く、第3四半期におけるMQ-25、Air Force One、Starlinerの損失額は不明だが、これまでにMQ-25プログラムは最低でも数億ドルの損失、Air Force Oneプログラムは20億ドル以上の損失、Starlinerは10億以上の損失を計上しており、Boeingにとって固定契約は悪夢としか言いようがない。
最高経営責任者から退任したカルホーン氏は固定契約の損失について7月「入札で勝利したいという熱意が過度なリスクの受け入れに繋がった」「今後は同アプローチによる契約を避ける」と、米空軍も「今後は入札価格と実際のコストが一致するかどうかも検討しなければならない」と述べている。

出典:JetZero
因みに767の旅客機型は既に生産が中止されており、貨物型は民間企業の発注とKC-46Aの採用によって受注残を伸ばしたものの2027年の生産中止が確定し、Boeingは767貨物型の代わりに787貨物型の生産を開始すると予測されているものの、KC-46Aがベース機体を変更するには追加の開発コストがかかる上、不具合問題、海外市場での低評価、ブリッジタンカーやKC-Zの絡みもあって同機の将来性は予測困難だ。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Joshua J. Seybert
このまま行けば「堕天使」だそうで
まぁどうせ国有化されて腐敗し続けるんだろうけど
透明性の問題があるけど、入札価格を安くしてアフターサービスで儲けようするのは三菱もやってるしな
まぁ物が出来ないとどうにもならんわな
ボーイングちゃんリストラを発表したね。1.7万人(全従業員の10%)もやるそうだ。
倒産に向かって全速前進してるように見えるが大丈夫ですかね?
倒産したら軍事部門だけほかの会社に買わせたりしそう
正直従業員の質問題あるから治具と設備と設計図などだけしか継承したくないのでは?
労組がストしまくりなのもあるので、経営層としては建て直しのためにもやらざるを得ないのでしょう
次は不採算部門の閉鎖・事業部門売却でしょうけど、残すべきものの取捨選択を誤ると最終的には身売りに
そりゃラーメン一杯数千円
「ウサギ小屋」の家賃が何十万になってるのがアメリカ都市部
見合う賃金だすと時給五千円でも足りない
そこで作られた物の価格はヤバいことになる
文字通りもう物売るレベルじゃねーぞになってる
今この状況でも経営者が40億円もの報酬を受け取ってればそりゃ労組もストの一つも起こすでしょうよ
経営者のモラルが崩壊してれば現場のモラルが崩壊するのは当然ですからね
魚は頭から腐る
魚は内臓から腐るからな
魚は頭から腐るってのは慣用表現(イディオム)だよ
中国語では「上樑不正下樑歪(上の梁(はり)が正しくなければ、下の梁も歪む)」というらしいけど
“魚は頭から腐る(さかなはあたまからくさる)とは? 意味や使い方 – コトバンク
魚は頭から腐るの用語解説 – 魚は頭から腐り、悪臭を発する。社会の腐敗が上層部や上流社会から進行することのたとえ。[解説] 古代ギリシア時代からの表現で、ヨーロッパなどで広く使われてきました。 ”
リストラって優秀な人材から出ていく傾向にあるよね。
T-7AとKC-46Aってどちらも自衛隊が絡んでいるから、大金を要求されそう。
T-7Aは現状関係ないけど?
空自T4練習機の後継として、ATT対応機を日米合同の開発事業化方針です
この事業は選択肢少なさから、白紙化しない場合はT7Aベースになることがほぼ既定路線となっています
これだけ損失出しても潰れないのは流石は国策企業といった所ですよね。
ただボーイングの仕事ぶりには不安しか感じないのはアメリカも同じだと思っているので、税金注入してまで助けるのかどうか見物ですね
大変だね
と言いたいところですが
ボーイングは我が国もガッツリ関わっていますからね…
属国の悲しさでツケだけ回されそう
ボーイングは株価ボロボロな上に、ジャンク債に格下げが検討されており、ダウ除外も視野に入っています。
防衛産業・重厚長大産業は、資金の回収期間が極めて長いことに特徴があり、分割・買収も視野に入る水準です。
リストラ・組合との協定破棄を行うようですが、重厚長大産業は経営改善のための特効薬がなかなかないんですよね。
三菱重工が、(種類は違いますが)三菱航空機のリストラに多額の損失を出していましたが、ボーイングは手の付け所が分からないためマシなのかなと感じてしまいました。
(2024年10月10日 ボーイングがジャンク債に堕ちる?ダウ採用銘柄が投資不適格に? 朝日新聞 マイベストプロ東京)
(2024/10/12 苦境のボーイング、世界で人員1割減 大型機の投入延期 日経)
ボーイングのインテル化か、インテルのボーイング化か。
三菱重工は客船、航空機と立て続けに新規事業に大失敗したけど、それでもボーイングよりは経営状態はよさそう。
アメリカは、インテルを見ていても、新陳代謝の激しい国ですね。
そんなKC-46Aを日本は買い増すって発表したけど大丈夫なの?
全然大丈夫じゃない。今から契約全部白紙にしてエアバスを買い直すのと、このままKC-46買うの、どっちが損失額的にマシなんだろうか
A330MRTTはKC-46より100億円ぐらい高いらしいし、既存の設備を流用できず基地の改修も必要になるからトータルではさほど安くならなそうな感じはする。
あとA330だと受け入れ準備に年単位で時間かかるだろうから調達を急いでそうな自衛隊が許容できるかどうか。
導入決定時は問題が顕在化していなかったのが悔やまれるな。
テキトーを言いますが。
KC-46Aの給油装置の手直しに時間がかかるなら、
空自のKC-46Aの給油装置は、当面、旧型の主導式にしてもらったら?。
退役するKC-135のそれを外してもらって購入したら?。本命までの繋ぎで。
機体の方に問題があるなら、例えば、P-1を基に改装をして、
給油機を作ってみたら?、などと思います。
マッチングテストに時間かかるから余計にヤメロかな?
kc-46の給油システムは手動ですよ
これまでオペレーターがブームの根本に座って肉眼で操作していたものが、もっと落ち着いた席からモニターを通して遠隔操作できるというのがkc-46のウリです
ところが遠隔操作のための映像周りに不具合が山積みと(それとは別にブームの構造上の欠陥がある)
多分kc-46には肉眼操作のための席が設けられてないので、旧来の方式を採用するにはまぁまぁ込み入った設計変更が必要になるかと
KC-135の給油システムは直視・オペレーターが腹ばいになって操作なのでポン付けできないですし、KC-10は座席型ですが直視方式なのでこちらも同様にポン付けできるものではないですね。
KC-767はKC-46Aの前世代の遠隔モニター方式でイタリアや空自が使ってますが、大きな問題にはなっていないため、KC-767で裏取引スキャンダルやリース方式など余計なことをやってなければKC-767とほぼ同等の仕様で10年は納入が早まってた可能性はあります。
ただ、当時のアメリカ軍は「せっかくだから病」で仕様盛り盛りにしてしまった可能性が高いので結果的にはKC-46Aと同じ道だったかもしれませんが。
補足です。
KC-767も納期遅延を起こしてますが、空自とイタリア空軍の納入が終わってたら製造納期の遅れはあっても、問題解決は難しくなかったでしょうし、KC-46Aのような技術的問題による損失もなかった可能性はあります。
だからこそリース提案とか裏取引なしでやってれば今のような問題にはならなかったはずです。
KC-46Aが安定してミッションをこなせて外販できるようになる前にKC-10が全機退役とかB767-Fの製造終了とかかなりヤバい状況ですね。
連邦政府としては軍用機のコンペができる企業を二つ以上残す必要がありますが、旅客機の777Xも納期遅れですし民間部門も怪しい状況では国策で残すのも難しそうです。
チャプター11で経営陣一掃くらいはやらないとダメでしょう
軍需的にもだけど、旅客事業でボーイングの代わりは中々出てこないのが辛いところ
今からでもMRJやり直せないかなぁ
日本製鉄がUSスチールを買収するように
ここは三菱重工がボーイングを買収へ…
無理だなw
欧米的な合理的発想っていうのは時に大きな無駄を生み出す事もあるんですよね。
というか、本来ならばもっと安定した生産が確立されて余剰があるものを流用して安く済ますべきプランになるべきなのですが…最初から織り込み済みで利益を上げる前提で合理的という文言を振りかざし、見切り発車してラインを潰して合理性を台無しにするなんてのがちょくちょく出てくるというか…大して安くもない上に信用出来ない、更には問題だらけという難産化してしまう。まあ、自業自得なのでしょうけども…
リース契約汚職(購入した方が安い)に入札確定を差し止めて無理やり復活、削りカスや工具の置き去り問題すら出るとかなんかもうどこらへんが合理的だったのかという…まじめにやる気あったの?みたいな感じだよねこの話。