イスラエル国防省は2024年11月「次世代F-15購入に関する巨額な契約を締結した」と発表したが、国防総省は29日「Boeingにイスラエル空軍向けF-15IAの契約を授与した」「Boeingに授与された契約の上限額は85億7,770万ドル=約1.3兆円だ」と発表した。
参考:Contracts For Dec. 29, 2025
参考:Royal Netherlands Air Force and Lockheed Martin Skunk Works® Achieve Breakthrough F-35 Interoperability at Ramstein Flag
参考:Boeing to build F-15s for Israel
Boeingは追加オプションが行使された場合「約1.3兆円に跳ね上がる契約」を獲得したことになり、恐らくBoeingの株価はポジティブな反応を示すはずだ
イスラエル国防省は2024年11月「次世代F-15購入に関する巨額な契約を締結した」「F-15IA×25機を52億ドルで購入する」「この契約には25機の追加購入オプションが含まれている」「納入開始は2031年で年4機~6機のペースで引き渡される」と発表。
העסקה נחתמה: משרד הביטחון רוכש טייסת של 25 מטוסי F-15 מתקדמים עבור חיל האוויר בשווי של 5.2 מיליארד דולר.
— משרד הביטחון (@MoDIsrael) November 7, 2024
DefenseNewsは契約成立の背景について「F-15IAはAESAレーダー、ミサイル警報システム、デジタルコックピット、ヘルメットディスプレイ、フライ・バイ・ワイヤシステム等が採用される予定(F-15EX構成)だが、今回の契約で有利に働いたのは遠距離まで大量の武器を運搬する能力だ」と指摘し、イスラエル国防省も声明の中で「F-15IAには画期的な独自システムを含む最先端の兵器システムが搭載され、航続距離やペイロードの拡張、あらゆる運用状況に対応した能力向上に関するアップグレードが施される予定だ」と述べており、イスラエルだけに許された特権を再び駆使するようだ。
イスラエルの安全保障にとって「周辺国に対する軍事的優位の確保」は至上命題で、米国もイスラエルに「Qualitative Military Edge=質的軍事優位性」の維持を約束しているため、中東諸国の友好国が「最新の米国製兵器」を望んでもイスラエルの同意が必要と言われており、オイルマネーが豊富なサウジアラビアやUAEにF-35Aを売れないものQMEの影響が大きく、1期目のトランプ大統領がUAEへのF-35A輸出を実現寸前まで進めることが出来たのは「イスラエルに米軍の宇宙配備赤外線システムやF-35搭載のコンピュータシステムへのアクセス権等を認めたため」と噂されている。

出典:U.S. Air Force photo by William R. Lewis
UAEへのF-35A輸出はバイデン政権が凍結したため実現しなかったものの、イスラエルがF-15IやF-16Iに独自システムを統合したり、Boeingに依存しないアップグレードを実行できるのはソースコードが開示されているためで、米国はF-35Iの基本ソフト上に独自ソフトウェアをインストールすることも認めているため、イスラエルは独自のC4システムをF-35Iに搭載でき、同機のレーダーが収集した情報をイスラエル全軍で共有することが可能らしい。
要するに「F-15IAには画期的な独自システムを含む最先端の兵器システムが搭載され、航続距離やペイロードの拡張、あらゆる運用状況に対応した能力向上に関するアップグレードが施される予定だ」という言及は「オリジナルのF-15EXとF-15IAは別物になる」と強く示唆しており、このあたりが「イスラエルだけに許された特権(イスラエル空軍から退役する米国製戦闘機を売却する際“オリジナルに戻せ”と要求されるのもそのため)」と言われる部分なのだろう。

出典:Elbit Systems
因みにF-35とC4システムのシームレスなデータ共有についてLockheed Martinは今年4月「Ramstein Flag Multi-Domain Operations Exercise中にオランダ空軍のF-35Aがオランダ軍のC4システムにリアルタイムでデータを送信することに成功した」「オランダ軍のC4システムはF-35Aのデータをロケット砲システム(恐らくPULS)に中継して地上目標を破壊することに成功した」「データ共有から目標への攻撃までにかかった時間は数分だった」「米国以外のF-35が機密情報=F-35が収集したデータを米国以外のC4システムとデータを共有したのは初めてだ」と発表。
これはF-35に採用されているLink16よりも秘匿性が高いMADL経由の通信をLockheed MartinのOpen Systems Gatewayを介してオランダ軍のC4システムに共有したという意味で、F-35を購入しても収集データの活用に自由がないこと、如何に軍事分野のデータ主権が制限的で、米国と同盟国の間でもF-35が収集したデータ活用で大きな差があることを浮き彫りにしており、これをバイパスできるイスラエルが如何に優遇されているかを物語っている。

出典:航空自衛隊
欧州ではF-35導入時にデータ主権(広義では武器主権)の問題が取り上げられるものの、日本では軍事分野のデータ主権についてほぼ言及されることはないため、一般人の多くは「F-35と自衛隊のC4システムがシームレスなデータ共有をできる」と誤認しているかもしれない。
ここから今回の本題なのだが、国防総省は29日「イスラエル空軍向けF-15IA×25機の契約をBoeingに授与した」「この契約にはF-15IA×25機の追加オプションも含まれている」「Boeingに授与された契約の上限額は85億7,770万ドルだ」と発表し、Janesは「イスラエル国防省の発表額と金額が異なるは25機の追加オプションが契約に含まれているためだ」「初期購入に関連する非反復費用を除いても契約額が2倍に跳ね上がった」「2031年から年4機~6機のペースでF-15IAが引き渡される見込みだ」と報じている。

出典:U.S. Air Force photo by Michael J. Hasenauer
Boeingは追加オプションが行使された場合「約1.3兆円に跳ね上がる契約」を獲得したことになり、恐らくBoeingの株価はポジティブな反応を示すはずだ。
因みにイスラエルには米国から累計3,100億ドル以上(経済援助と軍事援助の合計)の援助が流れ込んでおり、さらにオバマ政権は「2028年まで年38億ドルの軍事援助を提供する」と約束、この資金の大半はイスラエルが対外有償軍事援助を通じて調達する米国製兵器の支払いに充てられている。イスラエル国防省が声明の中で「F-15IAの購入は米国の援助で実施される」と言及したのもそのためで「イスラエルは米国の援助で支払ったF-15IAを手に入れるだけ」とも言える。
関連記事:イスラエルがF-15IA購入を発表、52億ドルの支払いは米国の軍事援助
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※アイキャッチ画像の出典:Israel Defense Forces





















ここまでやれなくても、日本はもっとアメリカに働きかけるべきだな。FMSのナメられっぷりとか
ベイルート空爆(ヒズボラ司令部)で、F15の投射力などの魅力が、大きく発揮されてましたね。
シリア・イエメン・イランなど、イスラエルの空爆により、改めて魅力が再認識されたなと感じています。
大型のバンカーバスターを使える機体は買わないんですかねえ
そもそも周りが敵だらけで国土の小さいイスラエルに大型のバンカーバスターを運用出来る純粋な爆撃機なんて使いづらいでしょう。F-15IAなら西側で2番目に威力のあるGBU-72が運用出来るからそれで十分では?それ以上ならバンカバスター機能を持つ弾道弾でも作った方が良いのでは。
…それはいいけど、空自の改修分はどうなっとるんや?🙄
今のBoeingに新規の契約取っとる余裕あるんけ?🤔…
JSIの改修どうなってるのと
ソースコードに関しては日本にもそろそろ公開してもらえませんかねー
本当にねぇ。
F-15Cのコードやら改修権利やら今更日本に売って失うものなんかないでしょうに。
※JSI売り上げ、っていうならさっさと納品しろ、と
第4世代機にもまだまだ使い途はあるんですね
しかしF-15は本当に息が長い
半世紀前の機体なんですが
(積載量が)デカイ、速い、(機動で)使い易い、だけでいつまで経っても使えますからね。B-52、M2みたいに完成しすぎると変わりはなかなか出来ませんし。
低空で侵入して爆撃って超機体寿命消耗するらしいね
やっぱり新しい機体がないと厳しいのか
これを基にF-15EXの製造ラインを何とかしてほしいものですね。
嘉手納の18WG用の機体が何時になったら揃うのやら…
F-15神、いあ、いあ!!
充分、名機なのに、A-10程の神話感がないのはなぜなんだろう。