米空軍は30日、調達中の最新空中給油機KC-46A「ペガサス」に新たな技術的欠陥が見つかったことを明らかにした。
また空中給油機KC-46Aにカテゴリー1の不具合が発覚、今度は燃料漏れか
ボーイングが開発した空中給油機KC-46A「ペガサス」は老朽化したKC-135やKC-10を置き換えるため2019年に量産機の引き渡しが始まった最新鋭の空中給油機だ。2021年度には15機の調達が予定されており、日本が発注した航空自衛隊向けのKC-46Aも2021年引き渡しに向けボーイングのエバレット工場で組み立てが始まっている。
しかし、このKC-46Aには未解決な「カテゴリー1(安全に重大な危険を及ぼす問題)」に分類される3つの不具合に悩まされており、ボーイングはこの問題の解決に取り組んでいるが何時までに修正が完了するのか誰にも分かっていない。
補足:KC-46Aが抱えるカテゴリー1の不具合は特定条件で映像が歪む給油用リモートビジョン(2024年までに修正予定)、フライングブームのパイプラインが給油を受けている機体から外れ擦れる(原因は給油用リモートビジョンらしい)、攻撃機A-10にフライングブームのパイプラインを押し込む空力的な抵抗力の不足(フライングブーム自体の再設計が必要)
そんなKC-46Aで新たに「燃料漏れ」の不具合が見つかった。
米空軍の発表によれば、この問題が初めて確認されたのは量産機の引き渡しが行われた2019年で、なぜ今になって「カテゴリー1」の不具合として発表したのか謎だ。ボーイングによればこの「燃料漏れ」はKC-46Aの燃料システムに施してある2層の保護層の間で漏れた燃料が見つかったと話しており、この問題を修正するには10日の修理が必要らしい。
米空軍は16機のKC-46Aで燃料漏れが発見され内7機は修理が完了している話しているが、新型コロナウイルス「COVID-19」に感染した従業員が死亡した影響でボーイングのエバレット工場が閉鎖されているため、残りのKA-46Aに対する修理は目処がたっていない。
しかも、この問題の修理費用はボーイング負担で行われる。KC-46Aプログラムの費用は最大でも49億ドル(約5,310億円)に固定されているため、これを超える部分についてはボーイングが負担しなければならず不具合の修正費用としてボーイングは35億ドル(約3,800億円)以上の自己資金を投じている。
墜落事故の影響で737MAXが生産停止に追い込まれ、新型コロナウイルスの影響で民間旅客機の需要が落ち込み、自己資金を食いつぶす空中給油機KC-46Aに手を焼き、最近のボーイングには本当に良いニュースがない。
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force Photo by Tech. Sgt. John Wilkes KC-46A
日本にはこんな言葉がある、自業自得
だが、自衛隊に納入する予定があるから笑えない
出荷した機体の中に、工具やゴミを放置していたのだから、さもあらん
その昔、自動車のビッグスリーで同じようなことがありましたね。
737MAXもそうだけど、最近露骨にボーイングの設計とか製造の能力が落ちて来ているような…。
そもそも財政的にも危ないし、こんな状態から立て直せるんだろうか?
歩留まり0って聞いたことがある。つまり加工ミスは許されない。ミスったら同じ材料調達して再加工すればと思うが、それも許されないらしい。腕のあるところがどこもやらなくなるに決まってる。で、結局腕の無いところに発注して不良品の山。設計にもその思想(ミスは許さない)が反映されているから、ある意味どうにもならない。
と、思う。
>設計にもその思想(ミスは許さない)が反映されている
すいません、純粋に疑問なのですが、
ミスを許さない設計思想って、具体的のどのような「ミス」を指すのでしょうか?
交差ナシの類いなんて物作りではあり得ないし、
交差の範囲から外れた物とかの製造上のミスなら、設計と言うより検査の対象だろうし、
検査ミスの類いなら、設計に考慮しろと言うのも酷だろうし、
﹙設計検証とか五月蝿い業界でしょうから﹚「設計フェーズのミス」を想定しないなどあり得ないだろうし、
仮に設計検証などが不十分でミスが流出したとしても、「ミスを許さない設計思想」とは趣が異なるし。
また空中給油機KC-46Aにカテゴリー1の不具合が発覚、今後は燃料漏れか
この見出し、誤字ですよね。
今後⇒今度ではありませんか?
そんな聞き返すようなことか?
良いじゃないか。内容が修正されて後の人に役立っているし。
修正はコソットやって、あえてコメント欄に表示せずとも宜しいかと、オーサー様
少しでも貢献できれば大抵の読者さまは満足かと。
また空中給油機KC-46Aにカテゴリー1の不具合が発覚、今後は燃料漏れか
この見出し、誤字ですよね。
今後⇒今度ではありませんか?
ボーイングよ。どこにいく…。
ロッキードに吸収されたりしてな
LMは、中国と揉めた時の事を考えると、民生部門は持たない方が良いかも。
技術って突然喪失し得るんだな。
最近のボーイングを見てるとそう思う。
その手の話、「主任設計者が明かすF-2戦闘機開発」で紹介されてた設計検討資料の扱いが連想されます。
そのエピソードでは、着陸滑走距離の計算根拠をGDに問合せた所、
①GDに該当資料が無い
②GDの該当箇所の設計担当者に直接問合せ
③担当者は、自身のジャンクファイルを用いて説明
といった流になった様です。
ちなみに日本側が「会社の資料として残さないのか」と質問した所、
「自分のノウハウなので、この手の資料は皆自分で持っている」との回答がきた様です。
ここから伺えるのは、設計ノウハウが会社ではなく担当者個人に留まっている事で、
担当者が職場を去ると、ノウハウを簡単に失いそうな体質だと思いました。
日本でもノウハウの伝承が問題になってる昨今ですが、米国はより酷いのかな、と。