戦略国際問題研究所は17日に発表した報告書(トマホークはウクライナを救えるか?)の中で「米国が保有するトマホークは推定3,360発」「1つの兵器システムだけで戦争全体の行方を変えることは出来ない」「それでもロシアのエネルギー産業攻撃に役立つだろう」と指摘した。
参考:Will the Tomahawks Save Ukraine?
切り取り方を変えれば「ウクライナに最大3,360発のトマホークを移転可能だ」と言えなくもないが、こんな数字を信じる人は誰もないだろう
ウクライナは自爆型無人機による長距離攻撃でロシアの戦争継続能力=経済基盤を直接攻撃し、特に石油精製所、石油備蓄施設、石油パイプラインへの攻撃は燃料供給に問題を引き起こし、トランプ大統領もプーチン大統領に和平交渉を迫るための手段として「私はロシアに『この戦争を解決しないのならウクライナにトマホークを送る』と言うだろう」と言及、そのため17日に行われるトランプ大統領とゼレンスキー大統領の会談で「トマホーク提供に関する何らの決定が下される」と予想されていたが、ハンガリーでの米ロ首脳会談開催が決まったため何も起きなかった。

出典:President of Ukraine
トランプ大統領はプーチン大統領と米ロ首脳会談開催で合意後、ウクライナへのトマホーク提供に関するトーンを一気に引き下げ「米国にとってもトマホークは必要だ」「我々は沢山もっているものの自らを疲弊させるわけにはいかない」「トマホークは非常に強力なので我々も必要としている」と、ゼレンスキー大統領との会談後も「我々はトマホークを必要としているし、ウクライナに送っている他の兵器もたくさん必要だ」「トマホークなしで戦争を終わらせることを願っている」と述べ、ウクライナへのトマホーク供給問題はハンガリー会談後に先送りされる格好だ。
戦略国際問題研究所は17日に発表した報告書(トマホークはウクライナを救えるか?)の中で「トランプ大統領は16日に行われたプーチン大統領との電話会談中『ウクライナに数千発のトマホークを配備する』と警告した」「一部のアナリストらは『米国がウクライナに供給できるトマホークは20発~50発程度に留まる』と試算している」「正確なトマホークの保有数は機密情報だが、大まかな保有数を算出するための情報は十分公開されている」と述べ、ウクライナに移転可能な現行型のトマホークは約1,000発だと推定している。

出典:Center for Strategic and International Studies
“これまでに米国はトマホークを約9,000発調達したものの、BlockI、BlockII、BlockIIIは退役済み、実弾訓練や信頼性の試験に年20発ほど使用し、2025年のイラン攻撃を含む過去の作戦で約2,166発を消耗している。米海軍は艦艇と潜水艦に8,000基以上のVLSを配備しており、この内2,000基が平時稼働し、有事の際は5,000基まで増強される。VLSに装填されるミサイルは各艦が遂行する任務の種類によって異なり、インド太平洋地域に展開する艦艇のVLSには対空ミサイルが多く搭載されている”
“海軍はVLSにトマホークを装填する割合について「10~50%」と報告しており、平均25%で計算するとウクライナに移転可能なトマホークの予備備蓄量は推定1,000発だ。さらに一部のBlockIIIは再稼働可能な状態で保管されているためウクライナに移転可能かもしれない。米国がウクライナにトマホークを移転を行う場合「上記の範囲内」で行われるものの、調達ペースの遅さと他戦域での需要が「備蓄枯渇への不安」を生じさせるだろう。それでもトランプ政権が戦争終結の機会がリスクに見合うと判断すればトマホークを数百発規模で供給するかもしれない”
CSISの言及をまとめるとBlockIとBlockIIは完全に退役済み、BlockIIIの取得数は1,000発、内700発を作戦で消耗、内200発を訓練と試験で使用、退役した200発が再稼働可能な状態で保管中、BlockIV(4,735発)とBlockV(65発)の取得数は4,800発+、内1,200発を作戦で消耗、内440発を訓練と試験で使用、内2,000発が艦艇と潜水艦のVLSを埋めるの必要な数で、残り1,160発が消耗分を補填する予備備蓄分になり、これを全てウクライナに送れば艦艇と潜水艦に装填されているトマホークが消耗しても補充できなくなる。
つまり保管中のBlockIIIと予備備蓄分のBlockIV/BlockVを合わせた1,360発がウクライナに提供できる上限値で、ここから何発送るかは「備蓄枯渇に対するリスクをどれだけ容認できるか」「リスクに見う成果が得られるか」を最終判断するトランプ大統領次第で、海上の移動目標に対応したBlockVaは1発410万ドル、地上攻撃用のVbは1発220万ドルもするため、現実的には保管中のBlockIIIが上限値になる可能性が高い。

出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Jonathan Sunderman/Released
勿論、CSISの分析は概算なので正確な数字ではないし、政治判断は軍事的合理に基づかない場合もあるため、切り取り方を変えれば「ウクライナに最大3,360発のトマホークを移転可能だ」と言えなくもないが、こんな数字を信じる人は誰もないだろう。
因みにCSISは「トマホークはウクライナに大きな変化をもたらすだろうか?」という問いに「1つの兵器システムだけで戦争全体の行方を変えることは出来ない」「それでもトマホークはロシアに弱点=エネルギー産業を攻撃するに役立つだろう」「問題は提供する数で数十発程度なら何も変わらない」「もし提供数が数百発なら違いを作り出せるかもしれない」と述べており、ここに一言付け加えるなら「トマホークがもたらす脅威と破壊力を持続できなければ敵が回復してしまう」という点だろう。
関連記事:ウクライナへのトマホーク提供問題、これまでに学んだ教訓を思い出すべき
関連記事:どんなナンセンスな話でも大きなストレスに晒されると信じてしまう
関連記事:日本メディアが煽るウクライナ軍の反転攻勢、誰もそんなことは言っていない
関連記事:ロシアもウクライナも同じ、一部の興奮しすぎたアナリストが期待感を煽った
関連記事:戦争情報との付き合い方、立場が異なる視点を組み合わせ判断するのが無難
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Jonathan Sunderman/Released






















これ400発取得する日本に幾らかトマホーク提供を打診される可能性もありそうなんだよな
前倒しで200発分はIVだから、ここから何割か回せって言われるかも
そうすると前倒した意味が無くなるが
極東からの引き抜きは、極東情勢に余裕がなくて危ないので、本当に勘弁して欲しいですね…
今年から米国は格安巡航ミサイル千発単位で調達予定だから……
極東情勢は言う程数年以内にデカい戦争があるか?というと日台韓の大規模軍拡、ドローンによる戦略の大幅な見直しもあって中国としても大きな動きをする可能性は低いでしょうし
いや、ドローンによる戦場の変化に日本は付いてけてないから、寧ろ何かを起こすなら早い方がいいってなるかも
政治体制も大幅に変わるし、わざわざ相手の変革を待って事を起こす国はない
楽観的になるよりは危機感持っとく方がいいと思うよ
俺らに出来ることは選挙でちゃんと準備してくれる人に投票するくらいだけど
大阪万博でも、(中国本土ほどではないですが)中国企業のドローンショーが注目を集めましたよね。
(単純比較するものでもないですが)DJIの売上規模だけでも、三菱重工の防衛部門と変わらないくらいになっており、とんでもない規模にまで成長しています。
ドローンの製造部品~製品~ソフトウェア・サービスまで中国企業が極めて強いということですから、仰るように、危機感を持っておくのが無難かなと思います。
日本の金でウクライナに兵器提供するなら断るべき話、取得分予定枠の何割かをウクライナに回せと言うなら受入れるべき。トマホークのみで全体の流れが変らないのはウクライナだけの話ではなく日本も同じ、採用を決定した時と状況がかなり変化していると思う。
14基のトマホーク武器管制システム(TTWCS)を取得するがイージスシステム搭載艦しかトマホークを載せないのが既定路線。米海軍みたいに1艦に30発搭載するみたいなのはイージス艦が少ない日本では有り得ないし400発有ったとして攻撃にしても抑止として当初想定したみたいに有効に機能するかは疑問。
当初想定て何のこと言ってるんだろう?
日本のトマホーク400発だけで攻撃や抑止が十分なんて最初から誰も考えてないだろう所詮繋ぎでしかないのに
国産を急ピッチで整備してるのとか知らんのかな?
FCSは14隻分買ったが載せるフネが無いって噺だと思う。私も400発と聞いた時にソレは考えた。
DDもFFMもアスロックとESSMで埋まってるし、潜水艦には載らないタイプだ。
イージス艦一隻に40発載せると今度はミサイル防衛に支障がでる。こんごうをアーセナルシップに種別変更するにしても代艦建造の予算も立ってない。
海自が米海軍みたいなことをしたいなら、イージス艦8+1隻体制ではとても足らんですよねえ。
かといって、潜水艦みたいに除籍を伸ばして、隻数を増やそうにも今度は乗員が足りないでしょう。
相当無人化を進めないと。
FCSは14隻分買ったけど載せるフネが無いって意味では?
DD、FFMはアスロックとESSMでVLSが一杯だし、イージス艦に40発積むとミサイル防衛に問題が出る。
対中が控えてるのに大量にウクライナにくれてやる訳にも行かないでしょうね。
陸上基地、艦隊共にロシアより圧倒的に分厚い防空網が構築されているのは明らかで、それを突破するには相当数のトマホークが必要な筈です。
日本が購入した400発も台湾有事には恐らく1か月も経たずに射耗してしまう筈で、その時になってから慌てて追加取得するとしても在庫が無ければ話になりません。(国産ミサイルはそもそもお話にならない数しか取得は間に合わないでしょう)
そうなった場合、不足した分は自衛隊員と一般市民の血で贖う事になります。
日本としては購入した分からウクライナに絶対に渡してはいけませんし、アメリカに追加購入と台湾・フィリピン等への供与を打診すべきかと思います。
呑気に遠い他国の為に、継戦能力と抑止力の低下は受け入れられません。
細かい話ですが、エネルギー産業が弱点なのはどこのくにでも、一緒では?
その通りですが、ロシアは特にエネルギー産業への依存度が高いということかと思います。貴重な輸出品ですので、被害を被った場合には自国需要を満たせないだけでなく、広い範囲の経済的な影響がありそうです。
これの根本的問題はトマホークそのものよりも発射システムの方でどうするつもりなのかと
米軍向けのものすら配備が遅れに遅れているタイフォンシステムをウクライナに転用するとなれば一番煽りを食らうのは東アジア防衛であり本邦としては喜べる事ではありません
ですね。発射プラットフォームを何らかの形で用意する必要があり、それを無視して「トマホークを何発供与できるか」を論じても意味がないのですが、CSISのレポートではその点が抜け落ちてしまってますね。
その辺りはそれこそ交渉次第では有益になる可能性も
代わりに米国装備の値引きとか、あるいはウクライナからドローンのデータやノウハウの提供を受けるとか
寧ろこの手の恩を着せられる機会にどれだけ益を毟れるかってのが外交なのでは
陸上発射型は本国でも数が少なく供与できない、できたとしても極少数。
海上型は積める艦艇がウクライナ海軍には存在しない。
ただの交渉を有利に進める為の外交カードに過ぎないでしょうね。
『ゲームチェンジャー!』みたいに、有用だとしても期待値を上げすぎない方が無難でしょうね。
トランプ大統領=プーチン大統領、米露会談で何が決まるのか、終わってからどうなるのか帰結に注目でしょうか。
トマホーク提供トーンダウンも、米露会談を成立させるために1度取り下げただけかもしれないですし、会談終了後どういった流れになるのか注目したいと思います。
トランプにとって会談は、停戦交渉の場でしょうが、プーチンにとっては時間稼ぎに過ぎないでしょう。
結果、激おこトランプがトマホーク供与を進めるのでは。
まずはいつものように「会談は大成功だった」って言って、トランプの頭ではあと数週間で戦争が終わると妄想する
→いつまで経っても動きなし
→周囲やメラニアの説得→
トランプ「プーチンには失望した、トマホーク供与するかも」
→すかさずプーチンが電話して次の米露首脳会談の約束を取り付けて停戦への期待を持たせる。
以下繰り返し。この堂々巡りにいつかトランプは気づくのか、それとも気づかないのか。
日本も他人事ではなく、ロシア産天然ガスの輸入停止を求められていて、そこまで付き合うのかでしょうね。
広島ガス(岸田さん地元)が、サハリンから半分を輸入しており、スポットに切り替える事になれば暴騰するリスクは指摘されています。
日本の他地域でも、電気代ガス代にも影響がでてくるわけですから、日本国民も自分達の生活を犠牲にしてまでやる気があるのかは興味があるんですよね(自分はありません)。
>>トランプ大統領はプーチン大統領と米ロ首脳会談開催で合意後、ウクライナへのトマホーク提供に関するトーンを一気に引き下げ
いつものTACOですな
コレだからトランプは信用できない
EUやNATOに反抗的なハンガリーで米露首脳会談やる、ってのがもうEU官僚やNATO上層部達にとっては屈辱だろうな
取り敢えずトランプのトマホーク供与はロシアのお土産待ちだろうけど、
絶対数が足りない訳で、やっぱりウクライナが自給するのが最善なんだわな。
そもそもどうやってトマホークを撃つの?
トマホークの大半はイージス艦や潜水艦から発射されるし 一応MRCタイフォンがあるけど あれは一昨年配備されたばっかりで デカいし移動に向かないし そもそも数が少ない
過去に地上発射型があったけど 20年以上前に破棄
実は地上発射機材を準備する為に会談で時間稼ぎしたいのは米ウ!?
な訳ないか。
数十発程度しかトマホークが供与されないならそもそも発射機も数台で良いのでは?
その数台って具体的に何?って話かと。
タイフォンの発射機とか。最悪試験用の機体でも良い。
> 一応MRCタイフォンがあるけど あれは一昨年配備されたばっかりで デカいし移動に向かないし そもそも数が少ない
と書いてありますでしょ。
「数は少なくてもいい」だけではタイフォンを候補にするには弱いかと。
それは承知しています。しかしいくら数が少ないって言っても1~2機は出せると思いますけどねぇ…。
現時点でも少なくとも4機以上米軍は保有していることは確定していますし。
クレムリンに撃ち込めばゲームチェンジする可能性はあるが
「供与」と言いますが、実際はEU・NATO諸国が買ってそれを供与という形になるので、誰かが金を出さないと話になりません
仮に資金をだすとして、売られるのがBlockⅢだとしても1発100万ドル以上(日本向け価格で2億円以上)なのを、1000発供与したらそれだけで2000億円
これに発射システムと運用費用も乗っかるので、ドイツさんのお財布がまた酷いことに
弾頭が強力になるので、より多くの軍用施設が狙えるようになるのでしょうが、数が足りませんね。
そろそろ西側の155mm砲弾と迫撃砲弾の増産は軌道に乗らないのか?
トマホークつながりだけなんだけど、日本がトマホークを導入するって発表したら、トマホークなんて古い兵器をアメリカから買わされる!!
なんて言ってた左派言論人がいましたね。
つい思い出してしまった。笑
それだけです。ごめんなさい。
トマホークつながりだけなんだけど、日本がトマホークを導入するって発表したら、トマホークなんて古い兵器をアメリカから買わされる!!
なんて言ってた左派言論人がいましたね。
つい思い出してしまった。笑
それだけです。ごめんなさい。
トマホークつながりだけなんだけど、日本がトマホークを導入するって発表したら、トマホークなんて古い兵器をアメリカから買わされる!!
なんて言ってた左派言論人がいましたね。
つい思い出してしまった。笑
それだけです。ごめんなさい。