Block4の構成要素としてLot15生産機から組み込みが始まったTech Refresh3はソフトウェア開発が遅延し「戦闘可能なバージョンのリリースは2026年にずれ込む」と発表されていたが、Lockheed Martinは「戦闘可能なソフトウェアのリリースに目処がついた」と明かした。
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ディフェンスメディアがF-35関連のポジティブなニュースを報じたのは何時ぶりだろう
F-35Block4で予定されているアップグレードはソフトウェア、レーダー、電子戦、エンジン、冷却システム、コンピュータ等の刷新・改良で構成され、全要素を組み込んだBlock4の量産機は2029年以降に出てくると予想されていたが、下院の公聴会に出席したシュミット中将は昨年4月「Block4で予定されている多くの能力は2030年代まで実現しない」「そのためBlock4自体を再構築することになった」「再構築されたBlock4は産業界が本当に提供可能なもので構成されなければならず、必須能力の提供のみに焦点を当てる」と明かした。

出典:U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Zachary Rufus
Block4の構成要素としてLot15生産機から組み込みが始まったTech Refresh3=コアプロセッサやメモリユニットなどのシステムインフラストラクチャー刷新はソフトウェア開発が遅延し、シュミット中将は「停止していたTR3構成機の受け入れを開始するものの、当面は戦闘に不可欠な機能が含まれていない暫定バージョンになる。戦闘が可能なソフトウェアのリリースは1年以上先になるだろう」と述べ、Lockheed Martinも今年1月「戦闘可能なソフトウェアのリリース時期が2026年にずれ込む」と発表していたが、この状況について久々にポジティブなニュースが登場した。
16日に開幕したパリ航空ショーでLockheed Martinは「TR3のソフトウェアが新しい戦闘能力をサポートするのに十分な安定性を確保できたと信じている」「まだソフトウェアの戦闘能力に関しては検証作業が残っているものの、その判断については米国政府との合意を待っている状態だ」と、このプロセスの具体的な完了時期についても「その段階が非常に近づいている」と述べて注目を集めているが、TR3のソフトウェアがF-35にどのような追加能力をもたらすのかついては謎に包まれている。

出典:Forsvaret
例えば戦闘可能なソフトウェアがTR3構成機にインストールされることでJoint Strike Missile=JSMの運用能力を獲得できるのかどうかは公式なアナウンスがなく、英国政府は公式に「F-35へのMeteorやSPEAR-3の統合時期はBlock4の開発遅延に関連して2030年代初頭になる」と述べており、JSMの運用能力はTR3のソフトウェアに依存しているのか、MeteorやSPEAR-3と同じようにBlock4の他の要素に依存しているのか、どれだけ情報を漁っても出てこない。
それでも戦闘可能なTR3のソフトウェアについて「遅れる」ではなく「目処がついた」という話はポジティブなニュースで、ディフェンスメディアがF-35関連のポジティブなニュースを報じたのは何時ぶりだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Matthew Arachik
LM「ごめん、やっぱ無理そうw」
今まで基本これじゃないか?
実際にリリースされるまで信用できない
F-35最近ボロクソ言われてるけどとりあえずイランで活躍してるらしいしやっぱり性能は本物じゃないの?
事前にモサドが防空網ボロボロにしたとか言われたら知らんが
生産ロット14以前に生産されたTR-2世代なら使用できるんだよ
問題はなぜか検証が終わってないものを生産に組み込んで、後に開発が大炎上してる生産ロット15以降のF-35であるから
中間意見が消えてゴミか完璧無欠かの二元論になってるのが残念ですね
Twitterで的外れなF-35ポンコツ論を主張する左巻きの方々がいましたから、それへのカウンターでF-35を称賛せざるを得なくなったのが原因かと
イスラエルの上澄みのF35と日本のF35は違うからね…
ゴミ押し付けられそう(諦め)
F-35iは、独自仕様だからなあ。
もうイスラエルに外注出しら良いのに、と思ってしまう >F-35のソフト開発
マルチロール機として、使えるようになるならばよかったなと。
イスラエルF-35のエンジニアが優秀なだけかもしれませんが、ロッキードも頑張ってほしいですね。
当面の間西側で主力を担う第5世代機なのでLMにはがんばってほしいです
戦闘機の出来はともかくイラン空軍の掩体がSDBに叩き潰されたことで
まーた米軍内の掩体意味ない派が盛り返すだろうね。
この新しいF-35もきっと野ざらしだろう…
SDB叩き込まれる状況になったのが悪いだけで、掩体意味ないわけない
今の米軍はなにしでかすかわからんことだけは不安だけど
ボーイングの迷走とは違って、本当に難しい開発を着実に進めているようには感じます。しかし元はと言えば曲りなりにもF-35を使い物にして量産できてしまったことが、米軍だかLMだかの間違った成功体験になってるのかもと妄想するんですよね。みずほ銀行のシステムを力づくでどうにか動かしたみたいな話じゃないかと……。
構想から、かなりしっかり作り込んでますからね。
西側の戦闘機は、F-35くらいしか、上手く行かなそう。
「ソフトが(十年くらい先に)完成する目処がついた」だったりして…
別件ですが、海に囲まれた日本としてはイスラエルのステルス性ありの燃料タンクも気になります。
投棄した後もステルス性能が維持出来るだけで、ぶら下げている間は駄目と思う。
ありがとうございます
コンフォーマル・フューエル・タンクじゃないんですね…
米軍は調達再開するかな?
管理システム含め、ソフト周りがF-35の鬼門ですね
どれも同じ。
今のTR-3機は「TR-3ハードウェア上で動くソフトウェアと飛行を訓練するための機体」なので、少なくともブロック3F相当の兵器が使用可能になれば戦闘可能と言って良いと思います。
少なくとも「戦闘に使えない文鎮」ではなくなりますから。
とはいえ、Block 4ソフトウェアで統合予定の兵装が「いつ」実装されるかは問題ですね。
特にJSMなどの対艦・対地・巡航ミサイルは「今の戦訓で必要とされている兵器」なのに変わりはないため、早めに統合したいでしょう。
あとはアメリカ核シェアリングホスト国向けのF-35でB61-12も使えるようにならないと現在の任務機体の維持にもコストがかかるのである程度は優先されそうです。
もうF-35Iを制式採用すればいいのでは?
ここのコメント欄でF-35がボロクソの書かれる度に自分を含めた少数の人達がF-35を擁護(というかコメントが穿ちすぎ)してきた甲斐があったよ
F-35Bだけは、代わりが効かないからね。
逆にCはキャンセルしていいと今でも思う
検証中か済んだスタンドオフ兵器の機外搭載機能ぐらいならソフトウェアアップデートでなんとかして貰えませんかね。
投下した後も目標変更出来るとか、システムをややこしくし過ぎたからでしょう。
ちっとも、打ちっ放しじゃ無いよ。