米海軍は2025年7月「フォード級3番艦の引き渡し時期が2029年9月から2030年7月に延期された」と発表していたが、FY2027調達予算文書の中で「3番艦は2030年7月から2031年3月に、4番艦も2032年2月から2034年2月に延期された」と言及し、4番艦の引き渡しは2年も遅れる格好だ。
参考:Future Aircraft Carrier Doris Miller Delayed by 2 Years
フォード級空母の建造に必要な資材や機器の納入が遅れること=サプライチェーンの問題で建造順序が大幅に狂って遅延に繋がったらしい。
米海軍はフォード級空母2番艦=ジョン・F・ケネディの引き渡し時期について「2024年6月」とアナウンスしていたが、議会がF-35C運用能力の後付けを認めなかったため「ニミッツ退役による戦力の空白を最小限に抑える構想」は御破算となり、2段階方式を1段階方式に改めたジョン・F・ケネディの引き渡し時期は「2025年以降」に変更されたものの、海軍当局者は2025年4月「フォード級空母の建造も兵器エレベーターやカタパルトのクリティカルパス問題が解消されておらず、2番艦は2025年から2026年に、3番艦は2029年から2030年に変更された」と言及。

出典:Official U.S. Navy/Public Domain
USNI Newsも2025年7月「2番艦ジョン・F・ケネディの引き渡しは2025年7月から2027年3月に、3番艦エンタープライズの引き渡し時期も2029年9月から2030年7月に延期された。2024年に実施された『包括的な造船計画の見直し』で艦艇建造には18ヶ月~24ヶ月の遅延リスクがあると判明したが、このリスクは最大28ヶ月まで悪化している」と報じた。
ニューポート・ニューズ造船所も建造遅延について「2番艦ジョン・F・ケネディの建造がかなり進んでいたため1番艦ジェラルド・R・フォードの建造で得られた教訓をタイムリーに反映できなかった」「3番艦エンタープライズと4番艦ドリス・ミラーは建造プロセスの早い段階で1番艦の教訓を取り入れている」と説明していたが、また3番艦と4番艦で遅延が発生したらしい。

出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Kristopher Ruiz
米海軍はFY2027調達予算文書の中で「3番艦エンタープライズは進水に必要な重要工程の遅れにより、引き渡し時期が2030年7月から2031年3月に延期された」「4番艦ドリス・ミラーも3番艦の建造遅延を受け、造船所内の建造スペースが制約を受けて船体モジュール建造が制限されたため、引き渡し時期が2032年2月から2034年2月に延期された」と言及し、USNI Newsは8日「4番艦ドリス・ミラーの引き渡し時期が2年延期された」「調達予算文書に記載された新しいスケジュールによれば3番艦エンタープライズの建造期間(契約・起工からの通算期間)は12年間、4番艦ドリス・ミラーの建造期間は15年間になる計算だ」と指摘。
これほどフォード級空母の建造が遅れるのはニューポート・ニューズ造船所の能力不足や労働者の技術不足ではなく、フォード級空母の建造に必要な資材や機器の納入が遅れること=サプライチェーンの問題で建造順序が大幅に狂って遅延に繋がったらしい。

出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist Seaman Cory J. Daut
ちなみに2番艦ジョン・F・ケネディの引き渡し時期=2027年3月に変更はなく、2番艦の建造期間は16年間だ。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Navy photo courtesy of Huntington Ingalls Industries by Matt Hildreth/Released





















中国の004型空母は2024年半ばに起工して、2027〜2028年には進水しそうな勢い。
進水から2〜3年で就役したら、中国初の原子力空母は起工から6〜7年(アメリカの約半分)で就役することになります。
お隣さんは商用造船のシェアがあれなので、技術もシステムも米国とは成長、新陳代謝レベルが違いすぎますよね…。
米国、このスピードだと作る先から錆びていきそうな…
中国の方が早いのは間違いありませんが、中国の場合は起工が起点となってるのに対して、アメリカは鋼材切断(起工前の製造)が起点なので、中国はそこに+2~3年追加したのが建造期間になります
SBさん、ありがとうございます。勉強になりました。
それでも早いんで、中国の製造力はやっぱりすごいなぁ
フォード級もだけど、アメリカ級も遅れてる
もう何も驚きとか無い…
やっぱりか、と
先進国はどこも都市化が進んで現業職を軽んじた末に色んなところで成り立たなくなっていくのが共通してるね。
人間はソフトウェア上の存在じゃなくて物理的な世界に存在する動物なんだからブルーカラーを軽んじたら成り立つわけないし、軍事分野はそれが顕著なのに。
ニミッツ級ジョージ・H・W・ブッシュの発注から就役までのマイルストーンが発注から8年、起工から5.5年と考えると2倍近く延期されてますね。
発注:2001年 1月26日
起工:2003年 9月6日
進水:2006年 10月9日
就役:2009年 1月10日
2隻ずつ発注して効率化するつもりが1番艦でコケた、COVID-19以降国際サプライチェーンが不安定な状況が続いているので西側の納期遅延は改善が難しそうです
ニミッツ級航空母艦を原子炉をアメリカが供給で日本と韓国に製造委託したら?
フォード級は改設計を考えると安定してなさそうだし。
アメリカ原子力空母の原子炉は今も機密情報が多いのですが、長期間の燃料交換なし運用のために濃度90%以上の兵器級ウラン235を使用していると言われています。
日本や韓国で建造するには、原子力空母を建造しているニューポートニューズのノウハウだけでなく、NPTやIAEAといった国際条約・機関との連携など明確に核武装が疑われない状態・体制を作る必要があります。
そのため日本や韓国で建造するには根回しが足りず、フォード級建造遅延の改善は簡単ではなさそうです。
サプライチェーンの問題ばかりは仕方ないなあ。どこも辛い。
『ボトルネック』どこなのかという話しですよね。
空母くらいの巨大な船であれば、サプライチェーンのどこかが詰まれば、次の工程に進めなくなるからです。
『人件費は発生し続ける』工程通りを想定していれば、現場作業員は確保しているはずでしょうし、工期が伸びれば伸びるほど色々な追加コストが発生していきますね(日本の大型プロジェクトなどと同じ原理でしょうね)。
サプライチェーンの問題は造船所の技術や能力不足より深刻だな
アメリカナンバーワン政策で解消する術はあるのか?
建造期間16年とか、軍艦の寿命の半分くらいドックの中か……
せめてトイレだけは改良設計であってほしいですね
空母はまだ数を増やすわけじゃないから退役のローテーションを調整すればなんとかなるのかもしれないですが、問題は軍全体にこの状況が当て嵌まる事ですかね。
大体、ハンティントン・インガルス・インダストリーズのニューポート・ニューズ造船所の能力不足ではないって信じてる人どれ位いるんだよ。原子力空母は最初から最後まで全部ここで作業しているはずだし明らかに集中させ過ぎじゃないか?
規模的に中国の江南造船所の半分以下を遙かに下回るレベルで別にニューポートと同規模レベルの大連造船所まで抱えてるんだから、サプライチェーンの問題が無かろうが根本的に良くてトントンで物が入ってきたとしても加速させるような余力を持っていないとしか思えないが。
少なくともハンファ・フィリー造船所強化をハンファにさせて空母作業の一部でも分散させる位の事はすべきでしょうよ。日本の潜水艦建造みたいに、作業員が両社の拠点間や関連する下請け企業間を移動させて回すのと、空母産業基盤連合に何かしらのサポートするかして人員を増やすとかしないと挽回なんて出来ない気がする。
そして需給の問題で効率の悪い仕事しか出来ない1800社有るならば整理して多少の効率化は図るべきではないだろうか?日本の国防企業の効率の悪さを散々言うジャーナリストさんがいるけど米国だって同じようなもんじゃないか。
HII(日本でいう証券コード)上場してまして、独占寡占による売上・利益を安定して見込めるため、自社株買いを継続して行ったことが株式市場で評価されてきたという過去があります。
トランプ大統領が、防衛予算増額=配当・自社株買いの制限を同時に行ってましたが、HIIがまさにその通りの内容だったなあと。
仰る点、本当に構造的な問題であり、日本の安全保障にも関わりますから何とか改善して欲しいものですね…。
10年もかかるなら、停滞している間に小改良を加えよう→この際欠陥の修正や戦訓の反映も同時に行うべし→変更しすぎてさらに建造が遅延→遅れを取り戻すためにテストを省略→重大欠陥が判明し・・・
ある程度はそういうものだと分かってはいますが……
サムネ画像、錆だらけのブロックの組み上げで、ちょっと不安を感じてしまいます。
工期が短ければもう少しマシなのかな?
潮風が当たるので2、3週間もすればどんな船もこんな感じになるから大丈夫
組み上がった部分から表面の錆を落として本塗装します