米空軍の地球規模攻撃軍団(AFGSC)で司令官を務めるティモシー・レイ大将は開発を進めているB-21について「従来とは異なる斬新な開発・取得プロセスを採用しているため初期作戦能力(IOC)の獲得にかかる時間を大幅に短縮できる」と明かした。
参考:B-21 Speeds To IOC; ARRW Test Slated For Next Month: Ray
B-21プログラムは開発予算の超過もなく予定通りにインテリジェントな方法で開発が進んでいる
米空軍が開発中のB-21レイダーは現在カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地でプロトタイプ1号機が組立中で、空軍関係者によれば1号機組み立ては完了していないものの爆撃機としての形は見え始めおり2号機組み立ても始まっているらしい。
さらにビジネスジェットをアビオニクスのテストベッドに仕立て搭載するハードウェアとソフトウェアの事前チェックも同時並行で進められて、2022年に予定されている初飛行に向けて順調に作業が進捗しているのだが、米空軍の地球規模攻撃軍団(AFGSC)で司令官を務めるティモシー・レイ大将は「従来とは異なる斬新な開発・取得プロセスを採用しているためB-21の初期作戦能力(IOC)獲得にかかる時間を大幅に短縮できる」と明かして注目を集めている。
レイ大将はB-21にJASSM-ERを統合する例を持ち出して「B-2にJASSM-ERを統合するのかかる時間や手間の1/10でB-21はJASSM-ERを統合可能だ」と主張しており、このような素早い開発・取得プロセスは複雑で時間ばかりかかるF-35プログラムの反省に基づきサブシステム統合に関する事前承認をB-21開発を管理するAFGSCが得ているためで、これによりB-21は各種サブシステムを統合する度に複雑で手間のかかる国防総省の手続きをスキップすることが出来るらしい。
さらにB-21の開発を担当しているノースロップ・グラマンが採用したデジタル・エンジニアリングを用いた設計も素早い開発・取得プロセスに貢献しており「これまで用いられてきたブロック毎による大掛かりなアップグレードはよほどのことがない限り行うつもりはなく、B-21のアップグレードは大掛かりなデポに送り返して行うのではなく運用部隊の現場で適時に行う」とレイ大将は語っている。
要するに長年に渡る兵器開発の過程で失敗やミスを防ぐため設けられた国防総省管轄の各種の手続きや検証・認証プロセスを省略するか開発現場に一任することでB-21の開発・取得プロセスが簡略されたという意味で、この成果について肥大化した兵器開発に批判的なことで有名な下院軍事委員会のアダム・スミス委員長も「F-35プログラムで学んだ教訓を生かしたB-21プログラムは開発予算の超過もなく予定通りにインテリジェントな方法で開発が進んでいる」と称賛しているほどだ。
勿論、失敗やミスを防ぐため設けられた手続きや検証・認証プロセスを省略するか開発現場に一任してしまうのは問題かもしれないが、肥大化した手続きを見直して無駄なものをカットしたり技術の発展に見合った検証・認証プロセスを採用すること自体は必要不可欠な部分なので、バランスさえ上手く取れれば米軍主導の兵器開発は実用化までにかかる時間やコストを大幅に削減することが出来るのかもしれない。
因みにB-21プログラムに関する情報は完全にトップシークレットに分類されているので対外的に情報開示は行なわれていないが、予算権限をもつ軍事委員会のメンバーにはB-21プログラムに関する詳しい報告が行なわれておりF-35プログラムを無慈悲にこき下ろしたスミス委員長が「インテリジェントな方法で開発が進んでいる」と称賛しているぐらいなのでB-21の開発は相当順調に進んでいるのだろう。
関連記事:2機目の製造も開始、初飛行に向けて順調な開発が続く米空軍のB-21
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force Courtesy graphic by Northrop Grumman
空軍のやり方として改善したってことはNGADもうまくいっちゃう?
こうなると後はどれぐらい進化したかですね。楽しみです。
B21はB2があまりに高価になり過ぎた反省から既存の技術でコストダウンを計ろうというコンセプトなんで、B2に比べてそれほど能力は高くなくステルス性などはむしろ低下してると思われ
B-21は詳細が一切明かされないのに良く適当な事が言えるね。
コスト抑えようというコンセプトは計画発表時に公表されているのによく適当な事が言えるな
その中ではステルス性を維持する為のメンテ費用が膨大とも言及されているんだが
F22のステルス性を維持する費用が膨大すぎたのでF35ではメンテの手間を簡易にした分ステルス性は劣る
B21でも同じようにしても不思議じゃないね
ステルス塗料というのは多くの周波数帯の電波を吸収するために何種類も塗り重ね、かつ滑らかさを維持していかなければならい
F35はそれを簡易にしたと言うこと
ただB21では長波数帯でのステルス性も意識されているのでそっちではよりステルス性は高いかもしれんね
他の能力面でも新しい技術には挑戦せず今あるもので手堅くまとめて安く済まそうってのがコンセプト
F-35は途中から「ファイバーマット」なる機体表面被覆素材を適用しレーダーステルス性を大幅に向上させたというLM関係者の証言があります。更に「Z13オーバーコート」なるトップコート技術を2017年後半生産機から導入し、ステルス性維持コストの大幅削減を成し遂げたと主張しています。
LMの主張を信じるならばですが、現状F-35のRAMコーティング技術はF-22のものより大きく進歩しており、相対的にレーダーステルス効果が高く維持コストは低いことになります。
もし既存化しているこのRAMコーティング技術がB-21に適用されているならば、レーダーステルス性がB-2に勝るか劣るかはさておいて、少なくとも大幅な運用コスト削減に貢献していると思われます。
やっとノウハウが蓄積したってところじゃね?
F-35、F-22はIT化前の時代でしょ
これが大きいような気がする
今度は失敗しないでくれよ・・・
F-35の場合はCTOLとSTOVLとCATOBARを各国の要求を満たして開発しろっていう無茶振りだしな
A型とC型はまだわかるけどB型混ぜるのは明らかに無茶ぶりだったよな
そのくせハリアーとの置き換えを急ぎたいアメリカとイギリスの圧力もあってB型の優先度は高めだったし
いや、Bが本体だから
なんでA/BかB/Cでの共有ならそこそこうまくいってた。
勘違いしてるようだけどもともとはVTOL機を開発したいって計画からスタートして、そこからあとからA型案とC型案が相乗りしてきたんだぞ
JSFって呼ばれてた頃は垂直離着陸してるの見てハリアーの後継機だと思ってたよ
リフトファンの蓋が観音開きでかっこよかった
なんかいつの間にか3機種統合とか言い始めてなんじゃそれ?ってなった
リフトファンの蓋が便座の蓋になり俺は悲しみに暮れた
順調そうで何より。
人間無駄に仕事を作りたがるものだからプロジェクトが無駄に肥大化してしまう
きちんと改善されるあたり流石アメリカだと思う
これがノースロップとロッキードの技術力の差か…
ALISもODINもノースロップに開発させた方がよかったのでは…
そんなに開発が順調なら
そのインテリジェンスな開発手段で
期待していたのに段々と残念な存在になったF35に応用して活かせないだろうか?
他人の仕事を引き継ぐのはつらいぞ…ましてトラブってる巨大システムとかデスマーチだ
F-35を引き合い出すのってどうなのかな。単純に比較して良いものなのかね。
かたや大量導入前提の性能を欲張ったマルチロールで、もう一方は性能次第では新たな活用法有るかもしれないが純粋にアメリカだけが使う前提の製造もオールアメリカンだろう数百機の爆撃機じゃ条件があまりにも違いすぎないかな。素人目にはB-21は当然の結果が出ているだけで済ますべきだとは思うが。
開発が順調に進んでいるならなによりだけど
プロトタイプの組み立て段階で関係者から順調順調というコメントが出てくるのは
F-35の時だってそうだったし
>ブロック毎による大掛かりなアップグレードはよほどのことがない限り行うつもりはなく、
>B-21のアップグレードは大掛かりなデポに送り返して行うのではなく運用部隊の現場で適時に行う
これもそっくり同じセリフがF-35の開発の常套説明文句になっていた筈なので未だ信用は出来ないな
とはいえB-21に関しては、輸出を前提としない純爆撃機という条件だけで、炎上する要素の半分くらいは解決してるような気がするから
開発が順調だからって理由で途中からB-21ベースの給油機やら偵察機やら輸出型やら無駄に高度な無人化やらの派生コンセプトがねじ込まれない限りは大丈夫なんだろうと信じたい
> プロトタイプの組み立て段階で関係者から順調順調というコメントが出てくるのは
F-35の時だってそうだったし
ロッキード関係者はそうかもしれんが監督する側の空軍からはぼろくそ言われてたぞ
記事にも登場する人物がそれだろ
適当な嘘つくなよ
空軍関係者がプロトタイプの組み立て段階からボロクソなんてどこの世界線だよ
試験飛行が始まってからの遅延が相次ぐようになってから議会関係者が文句言うようになって
資金の追加投入で空軍の管理プロジェクトチームが追及されるようになってから
渋々空軍もF-35の問題を認め始めるようになったんだろうが
そして君の言ってる関係者は空軍では無く、議会側に当たる関係者だ
> これもそっくり同じセリフがF-35の開発の常套説明文句になっていた筈なので未だ信用は出来ないな
いや全然。
最初からロッキードマーチンが世界各地に専用デポ作って行う事になっていた
適当すぎひん君?
適当な嘘つくなよ
計画段階ではF-35のデポは最終組み立てとメンテ目的だった
デポに持ち込まなくても通常アップグレードは可能という売り込みで
通常のアップグレート目的でのデポの使用は想定されてなかったし
大規模アッグレートはそもそもしなくて良いという説明だった
適当過ぎんだろ君w
アメリカ空軍がF-35のブロック1,2の初期型未完成版の機体を200機近くも買いこんだのは
完成版(ブロック3)へのアップグレードがソフトのアップデートもしくは現場での簡単で格安な手順で可能という前提があったからなんだよな
それがいざブロック3へのアップグレードが机上に上がったら、何故かFACOに持ち込んでの高額な作業を要求されたから
さしもの空軍も切れて200機近い初期型F-35のアップグレードを放棄して、実戦には投入しないまま廃棄するって方針にされたんだよ
最初からデポで高額な改修を行う事になってたらアメリカ空軍だって初期型を200機近くも買ったりはしないっていう常識問題
>B-21のアップグレードは大掛かりなデポに送り返して行うのではなく運用部隊の現場で適時に行う
能力向上・拡張は基本的にソフトウェアのバージョンアップと追加で行うてことでしょ。
例えば将来的な無人機との連携等はソフトの追加で対応できるとか。
ハード面は(事前構想の範囲で)それが可能なものを最初から適用してあるてことかと。
運用も保守も改良プロセスもB-21とF-35では大きく異なる。前者はシンプル後者は複雑。
出だし好調とトラブル要因の少なさで、F-35の二の舞的な心配は無用に思います。
>能力向上・拡張は基本的にソフトウェアのバージョンアップと追加で行うてことでしょ
これがまさにF-35の開発当初に喧伝されていたコンセプトの一つだったのだから
心配は無用とまで言い切るのはどうだろうか?
F-117を開発したベン・リッチが著書で、開発には手続きやら書類やらの無駄が多すぎて、余計に金がかかると嘆いていたけど、ようやく解消される日が来たのかな
戦闘機と爆撃機では技術的な難度のレベルがかなり違うのでは?
同世代の機体同士で比較するなら一般的に爆撃機の方が要求が高いよ
重量物である大量の爆弾を抱えながら生存性を確保しなきゃいけないので
わたしゃただの飛行機オタなのでノースロップとかグラマンの名のついた機体が
飛ぶだけで嬉しいっす
どれだけ絡んでくるかわからないけどF-3のお手伝いもヨロシクお願いします
まぁ完成してみてのお楽しみってことで…お茶を濁すのがよろし
B21は空自の最後のパズルになることがあります。F15Jのアップグレードを放棄しても、B-21は必ず導入しなければならない。
何で???
自衛隊とは運用思想がちゃうで。
日本は降りかかる火の粉は払うが、策源地以外の相手国領土を攻撃する事は無い。
次期戦闘機についての要求を突き詰めてくと、実は「B-21にAAM満載」が現実解なんじゃないかと思えなくはないよ。
まあ導入自体が限りなく非現実的な訳だけど。
戦後にアメリカの戦略爆撃機を導入できた国あるの?
アスランがB-1Aを…というボケはさておき
一応オーストラリアがB-29を朝鮮戦争より後に運用してるから
「戦後にアメリカの戦略爆撃機を導入」といえるかな。
まぁF-35もX-35~F-35の開発初期には同じようなことを言っていた。