米国のシンクタンク「民主主義防衛財団(FDD)」がB-52Hの後継機を開発すべきだと発表して注目を集めている。
参考:The Air Force Needs a New Non-Stealthy Bomber
ステルス戦闘機B-21と新型の非ステルス爆撃機は米空軍に攻撃のオプションを与えてくれる
米空軍は現在、爆撃機B-2スピリットやB-1Bランサーの後継機としてステルス爆撃機「B-21レイダー」を開発中で約100機調達すると言われているが、これとは別に米空軍は爆撃機を装備した飛行隊を現行9から14(+5個飛行隊)に増やすことを検討しており、B-21の調達数は最大で180機まで増加する可能性を秘めている。

出典:U.S. Air Force Courtesy graphic by Northrop Grumman
一方でB-2やB-1が退役した後も引き続き現役に留まるのが「成層圏の要塞」と呼ばれる老兵「B-52H」で、同機は2050年まで運用を続けるためエンジン換装が予定されている。これは新型エンジンに換装することで燃費を改善してB-52H運用に必要な空中給油の回数を少なくする=運用コスト削減が最大の目的だと言われているが、このエンジン換装作業は非常にリスクが高く予算の見積もりが困難だと指摘されている部分だ。
現在運用されているB-52Hは、どれも1960年代に製造されたものなので機体構造にどのような問題が隠れているのか全く把握できておらず、個々の機体よって蓄積したダメージにも差があるため機体を分解してみるまで何が必要で幾ら予算が必要なのか正直分からないらしい。
このような懸念を抱くのには理由があり、米空軍は輸送機C-5のエンジン換装で同じような問題に直面したためだ。

出典:Pedro Aragão – Gallery page / CC BY-SA 3.0 輸送機C-5
C-5のエンジン換装の際、機体の一部を分解すると予想もしていなかった機体構造の腐食や配線の劣化が見つかり、これを補修するため少なくない追加コストが発生した。結局C-5のエンジン換装に割り当てられていた予算には限りがあったため全てのC-5を改修するのが不可能になり、米空軍は初期型C-5のエンジン換装を諦め退役させる決断を強いられたのだ。
要するに同じ用な問題がB-52Hでも浮上すれば76機全てにエンジン換装を施すことが出来なくなるという意味で、そうなるとB-21を更に追加調達する必要がでてくるのだが、最近浮上してきたのが非ステルス爆撃機B-52Hの後継機を用意しないのかという問題だ。
B-1BやB-52Hなどは非ステルス爆撃機だが戦闘機では運搬不可能な大型の巡航ミサイル「AGM-86D」による敵防空網圏外からの攻撃や、アフガニスタン等の非対称戦争における大量の非精密誘導兵器運搬などで力を発揮しており、B-1Bが退役してもB-52Hが2050年まで現役に留まる予定がその後は何も決まっていない。
米空軍の将校でB-52Hの兵器士官として出撃経験を持つシェーン少佐は、B-52Hのエンジン換装は実行可能でも費用対効果には優れておらず本当に2050年まで飛行できるのか保障がないと主張、さらにB-52Hが退役した2050年以降はステルス爆撃機B-21のみになり米空軍の爆撃機戦力は大幅に低下すると警告している。

出典:public domain B-52H
その解決方法としてシェーン少佐が挙げたのは非ステルス爆撃機B-52Hの後継機を用意することで、ステルス戦闘機B-21と新型の非ステルス爆撃機は米空軍に攻撃のオプションを与えてくれるだろうと説明したが、シェーン少佐の主張は米国のシンクタンク「民主主義防衛財団(FDD)」のアナリストとして発表されたもので国防総省や米空軍の主張を代弁したものではない。
特に米空軍は輸送機C-130やC-17を必要に応じて攻撃兵器の運搬機に変身させる「アーセナルプレーン構想」を検討中で、今年1月には実際の兵器に似せて作られた模擬弾薬を特殊作戦機MC-130Jの後部ハッチから投下する実証実験まで行っており、B-52Hの後継機を開発する気はなさそうだ。
それでもB-52Hの後継機、非ステルス爆撃機の開発というのはロマンがあるので管理人的には見てみたい気がする。
関連記事:2050年まで飛行可能に! 米空軍、爆撃機「B-52H」エンジン換装プログラム始動
関連記事:米空軍、空飛ぶ弾薬庫「アーセナルプレーン構想」実現に一歩近づく
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo/Staff Sgt. Trevor T. McBride
わざわざ新規開発するんじゃなくて新規製造じゃだめなのかな
まるっと一機作るラインは残ってないかもしれないけど設計や技術は確立されてるし、ボム・ミサイルキャリアーとしての後継をわざわざ開発するくらいならほとんどそのままでも良い気がするけど
今どきの製造技術で作れるよう再設計するだけでも手間は新規開発とそう変わらないと思うぞ
世代的には、確かB-707と同じだろう。
新規で作った方がマシでは?
後継はドローンになるのかな?
爆装量や航続距離の点でドローンは無理でしょ
??「B-52が、実際に艦船から飛び立ち、攻撃をするわけです」
もう、巡航ミサイルが空軍基地から離陸して無人機から給油受けつつ命中しろ
そうすっと大陸間を渡れるエンジンとか航法装置も必要だなぁ
それなら、ICBMに通常弾頭載せるだけでいいじゃん。
米空軍、つらいなぁ。日本に頼ってみるのも一案ではないか?
実績皆無な日本より頼るなら韓国なんじゃないか?
こと兵器開発に関しては日本は韓国の足元にも及ばない事実
>実績皆無な日本より頼るなら韓国なんじゃないか?
>こと兵器開発に関しては日本は韓国の足元にも及ばない事実
今日のオッペケw
旅客機サイズの軍用機ならP−1やC−2の開発実績がある日本の方が遥かに勝っている。
半島はせいぜいT−50サイズ。
え?B-52新造は?コストが高いの?理由がよく分からない…
圧倒的ボーイング救済策!
あーなるほどね・・・
どう考えてもボーイング救済策ですね。
この少佐、数年後にボーイングへ天下りしていたりして。
既に数百機生産してるF15Eを追加で100機生産するとかならまだしも、大型爆撃機を開発費固定で新規開発して50機やそこらの生産数で救済になるんですかね。
この主張に論理的な部分がないと思ったけど、それがあったか
B-52がダメなら、B-21を増産したほうが量産効果で安くなるし維持費も下がるんだから
B-52の後継を開発して少数量産とかどんだけ予算がかかることやら
P-8が作れたんだ。経験値積んだし今度は爆撃機に改造だ!
P-8はともかく爆撃機となると胴体設計が決定的に違うから改造じゃあ難しくないか?
B-52Jの退役は40年代以降でその頃にはB-21は100〜200機程生産されている予定なので
B-21がB-52相当のワークホースとなりB-52後継は先進技術を投入したハイエンド機になるのでは?
機体にそんなダメージがあったら、エンジン換装しなくても2050年を待たずして顕在化するんじゃないですか?
確かにC-130やC-17を爆撃機化した方が確実だし金もかからんしいい事づくめな気がするな
B52はクソ頑丈そうに作られてて2050まで耐えることを祈ろうw
最悪砂漠で寝転がってる機体を改修だな
結局これが現実解な気がするなぁ。
問題はC-17の生産が終了しちゃってる事か。
C-130だとちょっとキャパがもの足りない気がする。
ジャンボジェットの747がコロナの影響でだいぶ退役したから
中古を改造してB747を作れば安上がりかと思ったんだが
操縦系の電子機器全部やり変えないと、核戦争では使えないな
あと輸送機と爆撃機を兼用したら、明日の輸送よりも今の味方の危機を救え となって
今度は兵站にしわ寄せが来るかと
シンクタンクの名前が物凄いですね…
にしても爆撃機は美しいから新規で作ってくれないかなぁ
最先端と組み合わせで旧式が再評価されるか、面白い。
おそらくB21の生産価格が高騰して調達数が減らされるのを見越して、より安価な長距離攻撃力で補完したい目論見があるんでしょ、
ボーイングの救済か?
あの欠陥旅客機に爆弾積んで爆撃機にする魂胆だろ
何時落ちるか分らん欠陥機が、爆弾積んで飛んで来たら敵は2重の意味で怖えな
ダブルパンチだ!
乗組員はたまったもんじゃないがなHAHAHA!
そのうち非ステルスの新型爆撃機の開発始まるだろって思ってたが
米空軍てその気まったくなかったのか
B-21のダウングレード版じゃダメなのかな。
習得コストはそこまで下がらないにしてもステルス性や電子機器の一部をオミットしてパイロン付ければ良いわけだし、B-21含めたトータルの運用コストも下げられると思うんだけど?
全翼機に吊るしものって安定が悪すぎるような気がするけど。どうなんでしょう?
最新技術で作るのではなく、B-52Hと同世代の技術で新型機を作って欲しいなあ…と密かに思っていました。
一体どんな作品ができるのだろうと。
対中国で制空権が確保できて最後の最後に絨毯爆撃が前提だろうから、中国へのプレッシャーになる・・・のか?
いずれにしてもボーイングファイティン
B−21を増やせばいいじゃん
その予算確保に自信がないんだよ、これもアメリカの現実
あとは、ボーイングだろね(笑)
予算はクラウドファウンディングであつめる。
金額に応じての特典があればそこそこ集まるかも?
2050年ともなれば間違いなく国際情勢は変わっております。どの国も対空火器を完備し、迎撃の飛行部隊を持っているでしょう。自力で持てない国はアメリカ以外の国(中国やロシア)の軍が駐屯しているかもしれません。その上宇宙衛星の監視能力も上がっていると思います。
非ステルス爆撃機が呑気に地球の反対側へ「出張」する時代は過去のものとなっているでしょう。
そうはならないね、国家間の軍備、テクノロジーの格差はむしろ拡大する。
これからもアフガンのような民兵、テロリスト相手の戦場はなくならないと想定して、ステルスでない運搬手段のほうがむしろ気軽に安価に使用できるよ
非ステルスの新型爆撃機となると、B-52の後継機というより、B-1を固定翼にしたような機体(B-11)になるのでは。