米国関連

XQ-58Aヴァルキリーをポーランドの防衛産業展示会に出展、海外輸出を見据えたアピール?

米国のクラトスは自律的飛行が可能な戦闘機随伴型のステルス無人機「XQ-58Aヴァルキリー」を国際市場の展示会でデビューさせたと報じられている。

参考:Kratos unveils XQ-58A Valkyrie unmanned aircraft at MSPO 2021

XQ-58Aヴァルキリーをポーランドの展示会に出展したクラトス、F-35Aを導入するポーランド空軍への売り込みが目的?

米空軍の無人戦闘機プログラム「Skyborg(スカイボーグ)」においてプロトタイプ製造契約を授与されたクラトスは7日、ポーランドで開幕した国際防衛産業展示会「MSPO 2021」に自律的飛行が可能な戦闘機随伴型のステルス無人機「XQ-58Aヴァルキリー」を展示して注目を集めている。

このXQ-58Aは有人戦闘機とのチーミングと損耗しても経済的なダメージ(200万ドル~300万ドルで調達可能と言われている)が少ない点が特徴の無人戦闘機で、ボーイングのロッキード・マーティンやゼネラル・アトミックスのアベンジャーと共にSkyborgの候補として選ばれている可能性(公式な発表ではない)が高いのだが、XQ-58Aはクラトスの単独開発ではなく米空軍研究所と共同で開発した機体なので海外輸出できるのか良く分かっていなかった。

しかし国際市場の展示会にXQ-58Aを持ち込みアピールを始めたということは「海外輸出が可能」と解釈することが出来るので、クラトスはF-35Aを導入するポーランド空軍にXQ-58Aをアピールしているのかもしれない。

因みにXQ-58Aヴァルキリーの仕様は全長9.1m、全幅8.2m、機体重量1.1トン、最大離陸重量2.7トン、ウェポンベイ内への兵器搭載量272kg、最大速度マッハ0.72、航続距離4,800km以上で思っていたよりも小さいため米空軍のSkyborgにはXQ-58Aではなく別の機体をプロトタイプとして提供しているかもしれないと管理人は思っている。

どちらにしてもMSPO 2021は開幕したばかりなので今後詳しい情報が判明するかもしれないので注目していきたい。

関連記事:米空軍、ステルス無人戦闘機「XQ-58Aヴァルキリー」から小型UAVを分離することに成功

 

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Ty Greenlees

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コメント

    • 匿名
    • 2021年 9月 08日

    日本も、西側無人機プラットフォームの一つとして、なにかしらの無人機を輸入する可能性は高いけれど、これはその中でも有力候補のひとつだね

    11
    • 匿名
    • 2021年 9月 08日

    兵器搭載量272kg程度しかないなら、巡航ミサイルに離着陸と随伴機能持たせた方が安上がりな気がする…

    3
      • 匿名
      • 2021年 9月 08日

      >巡航ミサイルに離着陸と随伴機能持たせた方が…
      その結果がこの機体なのでは?

      23
      • 匿名
      • 2021年 9月 08日

      敵機の空対空ミサイルを消費させたりロックオンされた有人機との間に割り込んで身代わりにできるかも

      3
    • 匿名
    • 2021年 9月 08日

    AIM-120の重量が150㎏強なので2発搭載できないのか

      • 匿名
      • 2021年 9月 08日

      そもそもAIM-120を積めるほどのウェポンベイ長は無いだろう
      GBU-39やGBU-53/BといったSDBを2発積むのがやっとかと

      1
    • 匿名
    • 2021年 9月 08日

    無人機は何に利用するかってレベルで試行錯誤なんだろうな

    5
      • 匿名
      • 2021年 9月 08日

      あれもこれもと多機能にすると価格に反映され今度は無人戦闘機の価値が上がってくる
      シューター&囮の安価で喪ってもいい無人戦闘機とセンサーの高価な喪いたくない無人戦闘機に別れて来そうな気がする

      12
        • 匿名
        • 2021年 9月 08日

        家庭用バーベキューコンロみたいなもんだ、ブランド品でも使い捨てでも間違いなく肉は焼けるし
        それぞれ採用国の戦術思想が反映されるね
        輸出OKって話も議会承認次第だろうし、いろんな意味で不確定な話題

        1
        • 匿名
        • 2021年 9月 08日

        ひとつの機体をベースにして派生系を造るとコストが下がると考えそうだけど機体が小さいから難しそう。
        やっぱり目的別に開発するしかないだろうな。そうすると運用がとても煩雑になりそう。

        • 匿名
        • 2021年 9月 08日

        「試行錯誤」が何で「あれもこれもと多機能にすると」って話になるのか分からん。

        てかセンサー機でも空中投射型の安価タイプはあるだろうし、
        ウェポンベイを備えたステルスシューターならそれほど安価とは言えない。
        先日ここにも記事のあがったAkıncıみたいな数十億からもうちょい安いくらいの「ミドルクラス」の機体も出てくるだろうし。

        1
    • 匿名
    • 2021年 9月 08日

    日本もF-3と連携する無人機の開発を行う計画だけど
    海外の開発ペースはずっと早くて現行機とチーミング可能な機体が登場しつつあるよね
    日本もF-35とチーミング可能な無人機を導入するつもりはないのかな

    1
      • 匿名
      • 2021年 9月 08日

      多分F-35用は買うんじゃないかな

      7
      • 匿名
      • 2021年 9月 09日

      F-Xと連携する戦闘支援型無人機については国内開発が確定してるわけではないです。
      防衛装備庁においてF-X就役時期に合わせて実用化が可能なスケジュールでの技術実証を計画し開始した段階。国内開発を選択肢とし得る一連のUAV技術の研究開発推進が承認・予算化されたということ。
      並行して要求仕様が検討されていくと思われます。

      F-35用の支援型無人機については米側の動向を見た上で費用対効果の面も含め導入の是非が検討されると思います。

    • 匿名
    • 2021年 9月 09日

    思うんやがペイロード250kgならヘルフィア5発は詰めるやろ?
    こいつらをMQ系の操縦システムで飛ばして軽攻撃に使う事はせんのか?
    過大費用化したリーパーの機体消耗を阻止するチーミングも必要かと思うんやが

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