F-35を開発したロッキード・マーティンは、F-35A/C型のウェポンベイに携行可能な対空ミサイル「AIM-120 AMRAAM」の数量を、現在の4発から、6発に引き上げることが出来る新型ラック「Sidekick」を開発した。
参考:Lockheed Martin ‘Sidekick’ development offers six internal AIM-120s for F-35A/C variants
F-35の対空戦闘能力を50%も引き上げる新兵器「Sidekick」
F-35のようなステルス戦闘機の場合、ステルス性を優先するため、携行する兵器を機外のハードポイントに搭載せず、全て機内のウェポンベイに収納するため、F-15等の第四世代機に比べ、携行できる兵器の数に制限がつく。対空兵器の場合、F-15は最低でも8発は携行できるが、F-35は4発しか携行できない。

Attribution: Dammit / CC BY-SA 2.5 NL F-35モックアップのウェポンベイの様子
もちろん、ステルス性を捨て、機外のハードポイントにも兵器を搭載すれば、第四世代機に劣らない対空兵器を携行できるが、レーダー反射断面積が大きく増え、より遠方から敵レーダーに補足されるだろう。
これはF-35を含む、第5世代機に共通する大きな欠点だ。
しかし、ロッキード・マーティンが開発した新型ラック「Sidekick」は、この問題を大きく改善することに成功した。
新しく開発された「Sidekick」を使えば、F-35のウェポンベイに変更を加えることなく、2発までしか携行できなかった「AIM-120 AMRAAM」を3発まで携行出来るようになり、ステルス性を犠牲にすることなく、胴体下部に設けられた左右のウェポンベイに計6発まで「AIM-120 AMRAAM」を携行できるようになる。

出典:public domain F-35B
この新型ラック「Sidekick」は、空軍型のF-35Aと、海軍型のF-35Cに搭載可能だが、A/C型のウェポンベイに比べて、一回り小さいウェポンベイを持つ、米海兵隊や英国が採用したF-35B(日本が導入予定)には、取り付けることが出来ない。

出典:public domain ウェポンベイの大きさの違い
それでもF-35の対空戦闘能力を50%も引き上げる、この新型ラックは、F-35Aを運用する多くの国にとって非常に価値のあるものになるだろう。
問題は、この新型ラックは、現在開発されているF-35のミッションソフトウェア「ブロック4」以降に統合される予定で、現在の「ブロック3F」に対応していない。
そのため、今後もしばらくの間は、ウェポンベイ内への兵器搭載量の制限に悩まされることになるだろう。
※アイキャッチ画像の出典:public domain ウェポンベイを開けた状態のF-35A
これは是非自衛隊に導入してほしいところです。4発では1目標に2発使ったら2回のチャンスいかないですから。
一方、ミサイルを細く小さくするアイデア、CUDAはどうなったんでしょう、最近聞きませんが。