NBC Newsは4月25日「イランのF-5がクウェート国内の米軍駐留基地を攻撃した」と、イラン国営メディアも6月18日「イラン空軍機が3月上旬にクウェート国内の米軍駐留基地を攻撃した」と報じていたが、米空軍のヴァンハーク元大将も「イラン空軍のF-5が米軍基地に爆弾を投下した」と認めた。
参考:Iran caused more extensive damage to U.S. military bases than publicly known
参考:Iranian Air Force personnel recount high-risk precision operation against US base in Kuwait
参考:Iranian F-5s Bombing U.S. Forces In Kuwait Should Be A Wake-Up Call: Ex-USAF General
高度な防空システムを完璧な壁のように考えるのがいかに危険かをよく分かる事例だ
米国は2月28日にイランへの大規模な攻撃=エピック・フューリー作戦を開始し、3月1日にクウェート空軍のF/A-18Cが米空軍のF-15E×3機を撃墜するという前代未聞の友軍誤射事件が発生、元F/A-18のパイロットも「どうしてこんなミスが起こるか全く理解できない。手順上にミスがあったのかもしれないが、それでもほとんどあり得ないことだ」と述べていたが、NBC Newsは4月25日「イランのF-5がクウェート国内の米軍が駐留するキャンプ・ビューリングを攻撃した」と報じ、イラン国営メディア=PressTVも6月18日「イラン空軍機が3月上旬にクウェート国内の米軍駐留基地を攻撃した」と報じた。

出典:Photo by Staff Sgt. Taylor Drzazgowski
PressTVの報道を要約すると「3機のF-5が綿密に調整されたルートを地表すれすれの超低空(15m以下)で飛行し、完全な無線封鎖環境下でパトリオットシステム、AWACS、戦闘機などで構成された多層式防空網をくぐり抜けてキャンプ・ビューリングを空爆した」「米空軍やクウェート空軍はキャンプ・ビューリングからイラン領空に帰還するF-5を追跡することも迎撃することも出来なかった」「この過程で米空軍のF-15E×3機が誤射で失われた」というもので、この話には視覚的な裏付けや信憑性が欠けていたため大きな関心を集めることはなかった。
8月11日に開幕した宇宙・ミサイル防衛シンポジウムのパネルディスカッションに登壇した米空軍のグレン・ヴァンハーク元大将は「前方展開部隊と空軍基地の防衛について少し話がしたい。はっきり言えば、我々は無人機やその他のプラットフォーム、つまり航空宇宙兵器(Aerospace vehicles)によって手痛い打撃を受けた。その中にはイランから離陸して低空飛行で空軍基地に爆弾を投下した3機のF-5も含まれている。このような事態が起きたと口にするのは一人の空軍軍人として恥ずべきことで、米軍がこの種の航空攻撃を受けたのは過去数十年で初めてのことだ」と発言し、キャンプ・ビューリングに対する空爆が事実だと確認された格好だ。
Iran’s Air Force conducted sorties to strike US bases in Iraq, Kuwait, Qatar early in war: Armyhttps://t.co/cV42Jhleap
— Press TV 🔻 (@PressTV) April 28, 2026
さらに「多くの人々は『どうしてこんな事が起きたのか?完全に不意を突かれた』と言うが、これは不意を突かれたわけではない。陸軍と空軍が互いに責任をなすりつけ合い、基地防空が誰の任務なのか、誰の役割で誰の責任なのか、誰も決断を下さなかったために起きた事件だ。国防総省は基地防空が陸軍と空軍のどちらに責任があるのかを明言する必要がある。私はどちらかの肩を持つつもりはないが、今この瞬間も決断を下さず、リスクを許容しているため代償を払っている」と指摘し、以下のように述べている。
“パトリオットミサイルとTHAADが上空で運用され、対ドローンシステムが地上で運用され、それらのデータを統合せず指揮統制の連携や情報を共有しないという分断された事態は絶対に避けなければならない。我々は団結して、そのような事態を起こさないようにしなければならない”

出典:Photo by Jason Cutshaw
統合防空ミサイル防衛という理想の有効性を説くのは非常に簡単だが、技術的な問題に加えて組織間の縄張り問題もあるため、単純な合理性だけでは見えてこない落とし穴があり、キャンプ・ビューリングの防空について誰が責任を負っていたか曖昧だったというのも非常に人間的で組織的な落とし穴だと言える。
TWZも「今回の事件は低空域においてパトリオットシステムに交戦限界があると裏付けられたことに価値がある。何らかのルックダウン・センサー能力による支援がなければ、地上配備型防空システムは水平線や地形による死角を見通すことが出来ないのだ」と、ヴァンハーク元大将の言及についても「イラン空軍のF-5によるクウェート空爆には依然として多くの疑問が残っているものの、ヴァンハーク元大将の見解はこの件を真剣に受け止め、米軍の防空システムが抱えるより大きな問題への対処の緊急性を物語っている」と指摘しており、高度な防空システムを完璧な壁のように考えるのがいかに危険かがよく分かる事例だ。
Iranian Pilots Shocking Revelation:
– During recent Iran-US war, Iranian Pilots used decads old F-5 aircraft to bomb US Base in Kuwait.
– F-5 flew about 15m above the surface to avoid detection and the pilots already had done homework regarding the engagement envelope of US… pic.twitter.com/EYsqxz9iHA
— AM Raad (@Raad_Pak) June 18, 2026
ちなみに、米軍のマコンヴィル大将はウクライナ戦争について2022年に言及した中で「安価でシンプルな技術がインパクトを残せると証明した。高度な防空システムを『隙間のない壁』のようにイメージして『脅威はこれをすり抜けることが出来ない』と考えるかもしれないないが、実際にはこれを回避する方法もあるし突破する戦術もある」と指摘したことがあり、戦場には利用されてこなかった隙間がたくさん存在し、このギャップを高度な防空システムが全てカバーしているわけではない。
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※アイキャッチ画像の出典:Khashayar Talebzadeh/GFDL





















まぁ超低空飛行してレーダーや防空システムを逃れるのはこの手の定石ではあるから理解は出来る
その辺りの死角は本来早期警戒機辺りが補う役割なんでしようが敵味方の航空機無人機ミサイル諸々が飛び交う交通渋滞のために不用意に飛ばせなかったか意識が向かなかったって所ですかね?ヒューマンエラーは湾岸諸国との連携不足もありそう
個人的には開戦時のトランプの根回し不足も祟ってる気もします
映画化してくれ
絶対見に行く
超低空を飛行し、防空システムを避けて、敵基地を爆撃せよ!
ACE Combat並に無茶なミッションですね。
そういえば、もうすぐ8が発売なのを思い出しました。
爆弾の効果はどうだったんですかね
管轄と責任の隙間…
どんな組織でも天敵ですからね…
この方ですけど、就任していた時期が2024年03月01日付で米空軍を退役されていて、2026年02月28日からのイランに対する壮絶なる怒り作戦やそれに関する情報を詳しく知る立場にないんですよ。だって、現役の時から2年も経過していて、彼は詳細を知る立場にいないのだから。
で、2026年08月時点、彼は「この作戦事実を公式確認する権限」を持ってません。
ですから、彼が記事にあるように発言したのは事実でも、彼が話したことが事実かと言えば、正しいとする根拠がありません。上手く主語をすり替えて事実であるかのように語ってはいますけど。彼が語る防空に関する問題点は正しい。でも対イラン戦については知り得ない筈の情報なので、それについては正しいとする根拠がない、と。
旧型機で侵略者への反撃に成功!
非常に面白いから飛び付きたい気持ちは分かります
でも事実ならイラン側が発表しそうな気がしますね
特に示されたストーリーだと、前日(2026/2/28)に上層部が消し飛んだイラン国軍が、旧型機のF5を使い、壮絶なる怒り作戦の全力遂行中の米軍に対して、探知されず既知攻撃言成功、さらに無事3機とも生還するという奇跡のバーゲンセールみたいな話ですからね。それをあのタイミングのイランが戦果として黙っている筈がないとは思います。
イラン・イラク戦争でイラン空軍はH-3作戦という超低空飛行と空中給油を組み合わせたもっと難易度が高い奇襲作戦を成功させた実績もあるからね
イラン空軍は普段からペルシャ湾の海面スレスレでの飛行訓練を繰り返していたという映像記録も残っているしこの手の作戦を行う蓋然性は高いよ
現場か地域司令部独断の作戦で実施後その部隊・司令部壊滅してて上は把握してないって所なのかも
トップガンマーベリックをイランにやられた…ってコト!?
IFFとデータリンクがあってこんな事あるのかと調べてみたら米軍どうしでの誤射も結構あるので、ヒューマンエラーは当然として技術的限界もあるんでしょうね。
日本はMiG25亡命事件の時に低高度侵入の脅威とルックダウン能力の必要性を痛感して、それがAWACS導入にきっかけとなったり、F-2が低高度飛行を想定した設計となっていたりと教訓となってます。
当時、米軍とクウェート軍の体制がどうなっていたかは分かりませんが、おそらくイランからの戦闘機の低高度侵入を考慮してなかったんだと思います。それ故の混乱だったのでは。
3/1の攻撃だとドローン攻撃が着弾した日でもあり連携が取れた上での攻撃成功なのかも気になる所。
イランのF-5Eは探知を回避する為に燃費悪化覚悟でLo-Lo-Loで攻撃したと思うし片道特攻で無ければ使用したと思われる航続圏内にある空港や基地は3カ所。ATACMSでも2カ所は狙えるしPrSMなら全て狙えるが滑走路の攻撃をしてなかったかのかね。
キャンプ・ビューリング攻撃を受けた理由はやるべき事をしなかった米軍の慢心でしかないと思う。
F5Eで超危険なミッションを完遂ってエリア88みたいですね
イランにも風間真みたいなパイロットがいたのかと胸熱