米国関連

General Atomics、LRMPをGMLRSやPrSMに組み込む構想を披露

General Atomicsは最近「ラムジェット砲弾と同じ射程距離150kmを実現する主翼付き155mm砲弾=LRMPの試射に成功した」と発表したが、LRMPを子弾頭としてGMLRSやPrSMに組み込む構想を披露し「米海兵隊が関心を示している」と明かした。

参考:General Atomics Pairing GMLRS, PrSM With Multi-Packed LRMP Submunitions

LRMPとER-GMLRS/PrSMの組み合わせは「緊急性の高い移動可能な高価値の標的を短時間で攻撃できる」という利点をもたらす

General Atomics Electromagnetic Systemsは2023年のAUSAで「ラムジェット砲弾と同じ射程距離を実現する主翼付き155mm砲弾=Long Range Maneuvering Projectile(LRMP)を開発中だ」と、Sea Air Spaceでも「標準的な155mm砲弾は毎秒約200回転の速度で砲身から飛び出すが、LRMPは小型の制御フィンで猛烈なスピンを毎秒約20回転まで減速し、主翼を展開し、目標まで飛行コースを操縦することができる」と明かしたことがある。

出典:General Atomics

BoeingとNammoが開発に取り組んでいるラムジェット砲弾(155MM HE-ExR)は52口径155mm榴弾砲と組み合わせると最大150kmの射程を実現できるが、LRMPは標準的な39口径155mm榴弾砲との組み合わせで155MM HE-ExRと同じ射程距離を実現でき、しかも静止目標だけでなく移動目標への攻撃にも対応しており、General Atomicsは13日に開幕したAUSAで「GA-EMSがユマ試験場でLRMPの試射に成功した」「M777から複数発射されたLRMPはサボ分離、高速スピンからの減速、主翼展開、降下制御が設計通り行われることを実証した」「今回の試射でシミュレーション結果と一致するデータが得られた」と発表した。

さらにGA-EMSはNaval Newsの取材に「LRMPをHIMARSやM270で使用するER-GMLRSやPrSMの子弾頭として組み込めば、より遠くまでLRMPを飛ばすことができる」「米海兵隊がLRMPの子弾頭化に関心を示している」「2026年末までにLRMPの最終テストが完了して納入準備が整う」「米海軍は米海兵隊向けに子弾頭化コンセプトを検討する資金供給を行うと予想している」と明かし、ER-GMLRSには3発のLRMPを搭載でき、分離後のLRMPはそれぞれ異なる目標に向けて独立して飛行し、最大250km先の目標を攻撃できるらしい。

出典:U.S. Army Combat Capabilities Development Command

Lockheed Martinも今年5月「米陸軍はPrSM Increment3に(従来とは)異なる弾頭を搭載したと考えている」「まだ陸軍は最終決定を下しておらず様々な選択肢を検討している」「陸軍がIncrement3の弾頭としてCoyoteやHatchetなどを検討したことは知っている」と述べたことがあり、米陸軍戦闘能力開発司令部も過去資料の中で「PrSMから放出されるCoyote Block1のイラスト」を公開しているため、米軍ではロケット弾や戦術弾道ミサイルを使用して「移動目標を攻撃可能な子弾頭を遠く離れた戦場に送り込む」というアイデアに関心があることを示唆している。

因みにLRMPとER-GMLRS/PrSMの組み合わせがもたらす利点は「緊急性の高い移動可能な高価値の標的を短時間で攻撃できる」「これを既存のインフラで実現できる」という点にあり、無人機やLRMPの射程を延長するためだけにロケット弾や戦術弾道ミサイルを使用するなら割に合わないだろう。

関連記事:General Atomics、M777の射程を150kmに拡張する主翼付き砲弾が試射に成功
関連記事:主翼を備えた155mm砲弾が登場、標準的な39口径で150km先を攻撃可能
関連記事:米陸軍、戦術弾道ミサイルで徘徊型弾薬や精密誘導兵器の投射を検討中

 

※アイキャッチ画像の出典:General Atomics

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コメント

  • コメント (5)

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    • リンゴ
    • 2025年 10月 21日

    アーマードコアみたいだな
    拡散した弾頭が個々に獲物を狙いに行く、ってのはロマンあって好き

    2
    • 弾速は遅くなる?
    • 2025年 10月 21日

    弾速がどのくらいになるか興味があります。
    遅くて迎撃されやすくなるのかも。
    また、やはり誘導能力への電子攻撃も可能になるでしょう。
    それでも、安くて長距離が狙えれば充分とは思いますが、おいくらになるのかしら。

    1
    • 匿名希望
    • 2025年 10月 21日

    >ER-GMLRSには3発のLRMPを搭載でき、分離後のLRMPはそれぞれ異なる目標に向けて独立して飛行し、最大250km先の目標を攻撃できるらしい

    説明だけ見るとまんま弾道ミサイルのMIRVですな。
    アイデアはいいとして結局はお値段次第になるのでしょうね。

    2
    • 名無し
    • 2025年 10月 22日

    ならGMLRの存在意義無いんじゃ…
    なんならSDBだってこの砲弾で置き換えてしまったほうがいいよな
    数積めるし

    • daishi
    • 2025年 10月 22日

    アメリカはクラスター爆弾規制条約に署名していませんが、10発未満の子弾頭なら現在の条約にも抵触しないため国際世論の批判に対して反論できる条件も満たせそうです。
    一方で管理人さんのご指摘通り通常砲弾より高価な砲弾を安くはないPrSMなどで打ち込むのは標的のコストに見合うのかどうかが悩ましいようにも見えます。

    アメリカ海兵隊の即応性を考えると必要な選択肢だとは思いますが、どのような標的を想定しているかによって評価が変わりそうですね。

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