米国のジェネラル・アトミックスは27日、無人航空機「MQ-9リーパー」の後継機と推定されるステルス無人航空機のイメージCGを公開して注目を集めている。
参考:General Atomics releases new image of its next-generation combat drone
GS-ASIが公開したステルス無人航空機は本当にMQ-9の後継機として設計されたのだろうか?
米空軍は調達コストが高価で運用に手間のかかる無人航空機「MQ-9リーパー」に見切りをつけ商用機を改造した低コストの無人航空機調達を検討していると噂されているが、一部の米メディアが「次期MQ-X(もしくはMQ-Next)と呼んでいるMQ-9後継機開発計画は公式上存在していない。

出典:public domain MQ-9リーパー
それにも関わらずジェネラル・アトミックス、ノースロップ・グラマン、ロッキード・マーティンなどがMQ-9の後継機だと言って様々なコンセプトアートを次々と発表しており、本当に次期MQ-Xが始まっているのではないかと錯覚してしまいそうだがジェネラル・アトミックスは27日、ステルス無人航空機の新しいイメージCGを公開して注目を集めている。
ジェネラル・アトミックス(GS-ASI)は公開したイメージCGと共に「当社の堅牢なデジタル・エンジニアリングと高度な製造技術は圧倒的な競争力を維持するために必要なスピードと威力を備えており、手頃なコストの兵器システムを軍に提供できる」と述べたがステルス無人航空機の正体について何も言及していない。
しかし複数の米メディアはGS-ASIが公開した全翼機タイプのステルス無人航空機は米空軍のMQ-9の後継機として設計されたものだと報じている。
Our robust digital engineering and advanced manufacturing practices deliver affordable dominant weapon systems to the #warfighter with the speed and lethality required to maintain overmatch. https://t.co/kA3iaI8fcP#vAWS2021 #UnmannedandUnmatched pic.twitter.com/bg8bzA2ruo
— GA-ASI (@GenAtomics_ASI) February 26, 2021
本当にGS-ASIが公開したステルス無人航空機がMQ-9の後継機として設計されたものなのかは不明だが、ここまで米防衛産業が必死に専用機開発をアピールしているということは米空軍のMQ-9廃止や大幅削減、新規調達の打ち切りが現実味を帯びている証拠で「MQ-9の後継機需要を商用機の改造機に持っていかれることを何としても阻止したい」という熱意だけは嫌でも伝わってくる。
米空軍はMQ-9調達予算をキャンセルして同機の製造ライン閉鎖のため1億7,200万ドル(約178億円)を要求していたが、議会は米空軍の計画を拒否して2021会計年度予算=つまり国防権限法(NDAA)にMQ-9調達予算を復活させたため、少なくともあと1年は米空軍の資金によってMQ-9の製造ラインは維持される見込みだが2022年以降については何も決まっていない。
果たして米防衛産業界の熱意は米空軍に届くのか?それとも米空軍は高性能で高コストな専用機開発を捨て商用機を改造した低コストの無人航空機調達に舵を切るのか?今年の夏頃までに何かしらの方針が示されるだろうと管理人は思っている。
補足:今回公開されたステルス無人航空機は昨年9月に初公開したものの別アングルカットだと管理人は思っており、強烈な驚きこそないが前回公開されたものよりも独特なエアインテーク周りがハッキリと確認できるので興味深く、若干だがエンジンの排気口周辺に関するデザインが異なって見えるので昨年9月公開時よりも設計が進化しているのかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:GS-ASI
フェラーリだのポルシェ乗ってた物好きが、やがてそこそこ国産車に落ち着いてる理由は?
飽きるし、維持費やあんがい多いトラブルに疲れて手放すという、見栄や趣味よりも実用性が勝る結果
高度で複雑な兵器って、登場してもいつの間にか消えてしまうの繰り返し
戦前の日本もチャレンジして実用化出来なかったスマート爆弾、今では比較的安価な兵器と化しています。
技術進歩で、かつては複雑だったものが、機能を絞った部類に格下げとなり普及帯に入ってくる事もありました。
立場を変えて、或は、似たような機能を安価に代替えするような代物が登場して、何れ極ありふれた物になるかも。
無人航空機といえば自衛隊が導入予定のグローバルホークはどうなっているのでしょうね。日本が購入するブロック30はアメリカでは退役予定でこのままだと運用国が日本と韓国のみで維持費高騰の恐れがある上に、そもそも同機はイランに対空ミサイルで撃墜されていることから航空優勢と海上優勢を確保されたエリアでないと使えないという弱点もあるように思います。購入決定された2014年から色々と状況が変わっているとはいえどういう決断を下すのか気になるところです。
ここ最近、イージスアショアの中止と代替案のイージス艦増強の実現や米空軍のF-15FX調達に伴う部品分捕りによるF-15JSI改修の事実上中止と言う日本政府の判断の流れからすると、グローバルホークの調達も中止になる可能性はあると思う(但し費用の支払いは続いているので、ブロック30では無くより新しいブロック40か発達型のトライトンに切り替える可能性は有る)
後余談だけど、今自衛隊がドローンや無人機に対する関心が低い事を嘆いている人が居るけど、この分野はまだまだ揺籃期で、下手に装備化を急ぐと妙なガラクタを買ってしまう恐れが高いので、もうちょっと技術上の発展を見守る必要があるんじゃないだろうか?
ドローンの発展を見守る→「自衛隊は世界から大きく遅れている」
ドローンを国産化する→「国産は高い。安い海外製を買え」
ドローンで海外製を買う→「海外依存だ。国産化しろ」
とかどこぞの軍事論評家が書くと予言しておく。
ああ、清谷信一と文谷数重ですね
勿論、そう書かれる事を想定して書いています
実は以前、この二人にネットで誹謗中傷された経験が有るので、敢えて実名を書きました
「F―15FX」ではなく
「F―15EX」です
ああ御免、書き間違えていました
ご指摘有難う
どうせグロホ買っても3機とかだし
硫黄島で飛ばしてる無人機を大型化して色々研究すればいいのに
勉強した結果は無駄にならんよ
アメリカから買うのが手っ取り早くはあるんだろうけど
一瞬無人化B-21に見えた、用途が違うのにけっこう似てるね
だから、QF-4で運用研究をしたらいい。
元々RF-4Eが退役した後は、同じくF-35に更新で余剰になったF-15PreMSIPをRE-15に転用して偵察任務に充てる計画だったのが、「グロホ(無人機)買うんならもう有人偵察機なんて要らないよね」ってことで偵察部隊が廃止になったんだよね
じゃあQF-4を使うより、元の計画通りPreMSIPを改造してRF-15じゃなくてQF-15(無人偵察機型)にして運用したらいいと思う
QF-15かぁ。ロマンがあるけどF-15を偵察用に使うなんて何かもったいない気がするなw