米POLITICO紙は「ドイツとって英国の動き(ウクライナへのチャレンジャー2提供計画)は頭痛の種になるが、米国主導による西側製戦車の提供が始まらない限りドイツは動かないだろう」と報じている。
参考:Never mind Britain: Germany looks for US to lead the way on battle tanks to Ukraine
過去の実績を見ても「米国さえ動けばドイツは必ず追従する」ので、本当に動かすべき相手はショルツ首相ではなくバイデン大統領
NATO加盟国を含む42ヶ国が参加するラムシュタイン会議(ウクライナへの武器支援を協議する枠組み)の開催が間近に迫っており、英国のスナク首相が「チャレンジャー2提供を含むウクライナ支援」を加速させるようウォレス国防相に指示、フィンランドのハッカネン国防委員長も「国際的な枠組みによる決定があればレオパルト2を提供する」と、ポーランドのドゥダ大統領も「国際的な枠組みの下でレオパルト2を提供する」と明かしたが、POLITICO紙は「米国主導による西側製戦車の提供が始まらない限りドイツは動かないだろう」と報じている。
ドイツ政府の報道官は11日「チャレンジャー2提供の動きは我々の立場を変えるものにはならない」と述べ、フィンランドやポーランドの動きについても「パートナー国からレオパルト2のウクライナ提供について公式の要請(装備移転に伴う承認)はない」と明かしており、匿名の独政府関係者はPOLITICO紙に対して「ショルツ首相の武器支援に関する立場はバイデン大統領の決断に大きく依存している」と明かしたらしい。
スナク首相の狙いは「西側製戦車をウクライナに提供するなら単独ではなく国際的な枠組みの下で行われるべき」というドイツの主張を崩すのが目的で、英国が「チャレンジャー2のウクライナ提供」をラムシュタイン会議で発表すれば「レオパルト2提供(自国・運用国を含む)を拒否するドイツの表向きな根拠は無効化される」とPOLITICO紙は指摘しているが、PzH2000、MLRS、IRIS-TSL、マルダー、パトリオットと言ったドイツの武器提供は常に米国と歩調を合わせてきたので「英国の動きは決定的なものにはならない」という意味だ。
米国が主導する形での西側製戦車提供プラン=シンプルに言えば「米国とドイツがエイブラムスとレオパルト2を提供する形」をショルツ首相は望んでおり、レオパルト2のウクライナ提供を実現するならドイツではなく米国を動かした方が合理的なのだが、米国もウクライナが要請するエイブラムス提供に否定的なため「チャレンジャー2提供(10輌)」が正式に発表されても象徴的なもので終わる=欧米諸国が最も多く保有するエイブラムスとレオパルト2の提供が実現しないと「まとまった数」の西側製戦車提供は難しい。
つまり英国、フィンランド、ポーランドは何とかしてドイツの立場を翻意させようと政治的な駆け引きを試みているが、過去の実績を見ても「米国さえ動けばドイツは必ず追従する」ので、本当に動かすべき相手はショルツ首相ではなくバイデン大統領の方なのだろう。
関連記事:ポーランドがウクライナへのレオパルト2提供を発表、但しドイツ承認がネック
※アイキャッチ画像の出典:Bundeswehr/Ralph Zwilling
イギリスもドイツも戦車は300台も無いのに他国に提供する分はあるのだろうか。
そもそも資料上(GFP)ではロシアの戦車保有台数は12000台を超えるのだが、焼け石に水では…?
レオパルト2についてはドイツ本国じゃなくて、スペインとか他国が保有するレオパルト2の供与に関する許可ね。
かき集めればかなりの数になるけど、製造国の許可がないと所有権を移転できないのよ。
チャレンジャー2については、一昨日のプライムニュースに出てた防衛研究所の方の説明を借りると、
チャレンジャー2を10両程度供与したところで軍事的な意味はない(むしろライフル砲を装備する同戦車は補給面では負担になる)けど、
政治的には西側戦車を供与した実績を作ることで米独が動きやすくなるんじゃないか、そのための呼び水にしようとイギリスはしてるんじゃないか、と話してたので、なるほどど思ったわ。
まあ、この記事だとドイツは予想以上に慎重なんだろうけど。
>焼け石に水では…?
「象徴」が示す真意って、そういうことでしょう。
まあ、もちろん、大活躍するとは思いますよ。報道発表では。神兵器、ゲームチェンジャー、ロシアは地獄行きと讃えられることでしょう。
書類上は大量の装甲戦力を保管していることになっていますが実際は殆ど腐食や部品取り等により再生不可能と分析されてます
それでも2000.3000と言う数は出てくるかもしれませんが
どんだけ保有してても戦車兵がいないと動かないし、
日本や中国に備えると一定数は他管区に残さないといけない。
それに1方面に投入する数も補給とかの関係で上限があるから焼け石に水と言われてもなぁ。
ちなみにゼレンスキー大統領は西側戦車300両の供与が必要と言ってる@NHK ので、
ロシアの攻勢を受け止めるのに当面はそれで何とかなると判断してるのでしょう。
実はGFP等に出ているロシア軍の戦車保有台数は可動台数と同じじゃないのですよ
2020年のデータですが、その当時ロシア軍は約13000輌の戦車を持っていたものの、実際に部隊配備して運用していたのは2800輌で、残りの戦車は保管状態だったとの事です
ウクライナへの侵攻後、保管状態だった戦車は順次整備されて実戦部隊への損耗補充用として投入されている訳ですが、問題は保管状態の戦車の多くが「野外で放ったらかし」だった為、もう使えない車輌が結構有るのです
例えば、約7000輌が保管状態にあるT-72初期型の多くは状態が悪過ぎて使えないと言う説が流れています
その一方で2008年頃まで現役に有り、その後保管されていたT-62Mの方が状態が良いので現役復帰していると言う現象が起きています
そうは言ってもEUの軍縮っぷりを見るとヨーロッパの現状はロシア未満の可能性が濃厚なわけで
では、何もせずに見てれば良いということでしょうか?
まあ、所詮は対岸の火事ですもんね…でも、これで日本がパンダ人民に攻められたら〜非同盟国にも援助要請するんですよね?
平時にODAを途上国にばら撒いて恩を売っても…そんな途上国にはまともな兵器なんて持ってないし、持ってる限られた国でもくれるかは不明ですけどね。
もっとも、同じ日本人でも意見が分かれるのに〜国家間でまとまる方が難しいか(´Д` )
なけなしの戦車を振り絞っての10台は評価するが、果たして潤沢な120mmライフル砲弾は有るのだろうか。訓練用とか、首都防衛用というの名の置物にしかならんような。
チャレンジャーは砲弾に、M1はエンジンに問題があるから面倒でもドイツを動かしてレオ2を供与させるしかないよね
個人的には戦車等による反抗作戦で占領地域を奪還するより、ゼレンスキー大統領が希望しているように長距離(70〜100km程度)のミサイルを大量に供与してロシア軍を一方的に叩いて被害を拡大させ、プーチン大統領の失脚を狙った方が効果的な気がするのですがいかがでしょうか?まあ、あまり追い詰めて核兵器を使われても困るので難しいのかもしれませんが…
ロシアが提供しないで下さいって言ってる兵器を提供しなくても劣勢になれば最終的には核で脅してくるに決まってるわ
最終的に核の話は避けて通れないし、その前振りとしてウクライナとの戦争から西側との代理戦争に話をすり替えてるように思える
クリミア王手したぐらいでこれ以上我々の土地を侵略するなら核を撃つぞと言ってくる
戦車が何故必要なのか分かってるのか?
ぶっちゃげ対戦車戦闘はドローンで充分
戦車の存在意義は敵の防衛網を突破する事
予備保管があるレオ2はドイツ含む欧州3ヶ国で状態は知らない。イギリスはチャレンジャー3にアップデートしない物から出すだろうしウクライナ侵攻を受けて戦車保有に変化が無ければ出せる物はあると思う。
ただ数十両だとかなり運用制限が出るからのちに繋げるトレーニング用にしかないと思う。
こりゃあもう、ドイツは「事実上のロシア支援国」と見做してしまった方が良いと思いますね
先の記事「ポーランドがウクライナへのレオパルト2提供を発表、但しドイツ承認がネック」へのコメント欄でmakumakuさんが『レオ2のウクライナ提供に反対の与党SPD所属の連邦議員が、”レオ2は戦場の動向を左右しかねない”とメディアに親露的なコメントを行い、物議を醸している』と書かれていらっしゃいましたが、これがドイツの本音でしょう
米国主導で無いと駄目と言うのは後付けの言い訳だと思います
何故なら、M1戦車のガスタービンエンジンは大飯喰らいで有名であり、ウクライナヘ供与しようものなら兵站部隊に壊滅的な負担を与えかねない為、送ってもメリットが少ないからです(だから、M1をポーランドへ供与したと言える)
口では簡単だけど、実際に核や第三次世界大戦の引き金になるかもしれないという責任は凄く重いと思う
本気でドイツを動かしたいなら英・仏(米)はさっさと現役の戦車を提供したうえでドイツに迫ればいいわけで、今の状況は誰も引きたくないババを、体よくドイツに押し付けようとしてるだけに思える
そう言う一面も有りますね
只、ドイツの場合は駄々をこねているだけの気もしますが
ドイツはロシア支援国ダーって本当にしつこいなお前
弾薬一つよこさない国の人間が良くもまあそこまで偉そうに他国に物申せるな
弾丸一つ寄越さない国の人間だから発言権が無いと言うのは、今のロシアの政治体制と何ら変わりませんけど?
それと、今日本は防衛装備品の紛争当事国への供与を条件付きで認める法案の準備をしているから、その辺も考えなさいよ
ああそうだ、確かウクライナの周辺国には武器輸出を堂々とやって居るのに、ウクライナヘは弾丸一つ寄越さない国がもう一カ国有りましたね、大韓民国と言うのですが
アメリカが動かないと自分たちも動けないって・・・
さんざんフランスと一緒にアメリカに頼らないEU軍作ろうぜって旗振ってたくせに
有事になったらこの体たらくかいな
ドイツ「考えはもっともだが言ってる奴が気に食わない」
ドイツの動きは良くも悪くも一貫してますね(ヽ´ω`)
米が出さないなら出さないけど米が出すなら出す、つまり口説き落とす相手は明確ではある
未だにNATO弾の一発も出していない本邦が言えたことじゃないですが戦車供与への道が一刻も早く開いてほしいとこですね
ドイツは支援額で米英に次ぐ3位(まあアメリカが圧倒的すぎて他はどんぐりの背比べみたいなものですが)。ポーランドより多いしフランスの数倍は出している。それなのにこの不人気ぶりは流石に開戦当初、2日で負ける国に支援してどうなると大臣が言い放った国だけのことはありますね。まあ西側が出せるほぼ唯一の西側製MBTを持っていたという不幸もありますが。
米国の”共同行動” は、ドイツにとって”ガイアツ” なのでしょうか。
日本には”指示” だけみたいですけど(笑)。
戦車が300両必要としても、できるだけ主砲弾は揃えたいですよね。
モロッコからチェコを経てT72が90両。今回(?)のチャレンジャー2が10両。
あと200両はどうするのかな。
AMX10RCは戦車には数えられないでしょう。アレは偵察装甲車です。
先日、ここの記事のコメントに、ヨルダンのアル・フセインが退役予定とありました。
チャレンジャー1のことですね。砲塔と装甲以外は2と同じです。これかな。
全部で318両を渡されていましたが。200両あるでしょうか。
120mm砲弾は、インドで生産しているかと思います。アージュン用として。
インドは国連総会の緊急特別会合に上程された対露非難決議について棄権したりで独特のスタンスをとっているのでウクライナに弾薬支援とかは当面考えられないかな
ヨルダン・・・というか中東やアフリカの多くの国も似たような感じでして欧米の国々とは捉え方が結構違うのであるからと言って支援は中々難しいかと
正直モロッコは例外中の例外と考えるべきかなって
弾薬については、素人は少し楽観しています。
他所の国の事情に口を挟むのはどうかと思いますが。
今の英国首相はインド出身のヒンドゥー教徒です。
パキスタンとの関係で、ウクライナはインドにとり好ましい相手
ではないと思いますが、英国になら弾薬を売ってくれそうな気がします。
ウクライナとの関係も、ビジネスライクにするならば、パキスタンと
同様のサービスは受けられるのではと思っています。
航空機のエンジンとか。ロシアが負けた後のロシア製兵器のメンテも。
そもそもアメリカにウクライナへ向けられる戦車は無いのではいのではないだろうか。
M1ACは自国向けのほかに、ポーランドと台湾向けで忙しいし、海兵隊のM1A1はポーランドが買い占めたし。
ところで我が国に微妙な立場に置かれた戦車があるんですよ
90式戦車というんですが、まだ退役させるほど命数が尽きているわけでもないが、アップデートに困る代物だし、これをアメリカ経由でウクライナへ渡し、90式の後継を10式と16式MCVで埋めれば……。
それこそアメリカが一緒にやらなきゃヤダってオチがつきそうな…(現実はそれすら無理でしょうが)
でも仮に供与されるとなると運用思想的にウクライナに結構ハマりそうではありますよね。
砲弾は自動装填で乗員は3人、そして他の西側戦車と比べて軽量かつ小型なので。
賛成に一票。
確かに西側3G戦車を供与した所で運用負担をどうするかは未解決のままではある。MBTだけエンジンとミッションがそれ専用なので民生品や軍用汎用品で動くIFVやSPHとは違う。第三世界が西側3G戦車の採用が容易じゃない問題はウクライナとて無関係ではない。
とすると政治問題それ以前に実運用上で問題がありすぎるなら、受け入れ体制の構築がされるまで3GMBTは供与せずでも別に良いではないか。戦車がなければIFVとSPHでなんとかならないか。中身が民生品の装輪装甲の大量供与で代替できないか。
何が何でも戦車戦車戦車という状況でもなければそういう時代でもありません。実際に戦車徹甲弾で撃ち合う状況はレアです。西側3Gが投入されても特殊装甲がモンキーでは既存の旧ソMBTと違いは出ません。ならばぶっちゃけ現状では西側3Gなんぞ足手まといではないのかと言えなくもない。
いっその事米国は欠陥品扱いで定数充足もされず早期用途廃止するストライカーMGSをその運用基盤ごと全部引き渡せば良い。政治問題無しで彼らの望む火力が調達されるなら別にそれで良いはずです。どうもMBTの取り扱いは実態以上に政治色が強すぎると思います。所詮は単なるAFVです。モンキー仕様ではゲームチェンジャーにはなりえません。
ドイツは戦車提供を機会に,西側諸国に大きな恩を売って,何か他の利益を手に入れるということはできないのだろうか?また,そういう発想はないのだろうか?
>西側諸国に大きな恩を売って,何か他の利益を手に入れるということはできないのだろうか?
イギリスあたりは、恩を仇で返すことが非常に得意で、率先して実施する信頼の実績が、国内外に響き渡っているので。。。