Bloombergは12日「F-16の年内投入数は当初の期待よりも遥かに少ない。夏に6機、年末までに最大20機のF-16をウクライナは受領する可能性がある」と報じており、訓練リソース、言葉の壁、インフラ整備、後方支援の物流体制といった問題に直面しているらしい。
参考:Ukraine’s F-16 Ambitions Snarled by Language Barrier, Runways and Parts
参考:Швеція готова надати Україні винищувачі Gripen, рішення – за Києвом. Інтерв’ю з міністром закордонних справ Швеції
F-16の提供数はPoliticoが報じていたパイロットの養成人数とほぼ一致する
Bloombergは12日「今夏にF-16がウクライナに到着して飛行を始めるが、その数は当初の期待よりも遥かに少ない」「ある関係者は年末までに1個飛行隊分(15機~24機)のF-16を配備できるようになるかもしれないと述べた」「別の関係者は夏に6機、年末までに最大20機のF-16をウクライナは受領する予定だ」と報じ、F-16の供給は訓練リソース、言葉の壁、インフラ整備、後方支援の物流体制といった問題に直面しているらしい。
訓練リソースの不足は何度か取り上げたので省略、インフラ整備とはウクライナ国内の滑走路やシェルターのことを、後方支援の物流体制とはスペアパーツの供給、メンテナンス需要の予測、それに必要な技術者の確保など指しており、NATO関係者は「通常なら3年~4年ほどかかることをウクライナは数ヶ月間でやろうとしている」と述べ、ブリードラブ元米空軍大将も「旧ソ連時代の航空機に慣れているウクライナ人パイロットは長年の習慣を捨て去るところから始めなければならず、彼らは自立的に状況を判断するのではなく地上管制官の指示に依存するよう訓練されている」と指摘。
BANTS Consultingのセルジュ・ストロバンツ氏も「F-16提供は恩恵というよりも重荷だ」「これは機体とパイロットで構成されたシステムではなく、これを離陸させるには200人近いチームが必要だ」「(それだけの投資を行っても)戦場にもたらす影響は当面小さく、その間に多くの機体とパイロットを失う可能性が高い」と指摘、ウクライナ政府関係者も「訓練、人員、メンテナンス、ロシアの攻撃から機体を守るシェルター建設が遅れている」と認めたが、Bloombergは「ウクライナ政府関係者は言葉の壁に関する問題を軽視した」と報じている。
因みに「言葉の壁」とは英語を使用したコミュニケーション能力と受け取られがちだが、実際には英語で書かれた膨大な専門用語の理解(でなければシラバスで書かれていることが理解できない)を指しており、ウクライナ人パイロットは西側規格の専門用語を英語で1から学ばなければならず、ソ連時代の戦闘機運用、戦術、行動決定などを頭から消去して西側方式に変更するというのは相当困難な作業なのだ。
経験豊富なF-16の元教官だった人物は「ウィングマークを取得したばかりの新人パイロットがF-16を飛ばすには270日間に及ぶ訓練を受けなければならないが、欧米製の戦闘機で500時間程度の飛行経験があるパイロットなら最短69日(機種転換プログラム)でF-16を飛ばせるようになる」と述べたことがあり、飛行経験があっても西側製戦闘機を扱ったことがないウクライナ人パイロットの訓練は「機種転換」ではなく「新人パイロットの養成」に近い。
元教官は「69日の訓練を修了してもF-16を飛ばす資格が得られるだけ」とも述べており、短期間で育成されるウクライナ人パイロットのスキルセットは非常に限定的と考えるのが妥当で、夏に到着する少数のF-16がロシア軍機を次々と撃ち落とし、ロシア軍の地上部隊や拠点を攻撃し、ロシア軍の防空システムを制圧すると期待していれば失望することになるだろう。
恐らくF-16の役割りと活躍範囲は細やかなものになる可能性が高く、米空軍のケルツォウ大佐も戦略国際問題研究所に寄稿した中で「西側の技術と戦術に精通したイスラエル空軍ですらF-16を実戦投入まで約1年(イラクの原子炉爆撃)かかり、複雑な戦闘機に慣れるまで1年待つことを選択したのだ。その余裕がウクライナ人パイロットには無いため実戦で経験を積むしか無く、2025年までF-16に大きな役割や期待を抱くべきではない」と述べている。
追記:スウェーデンのビルストロム外相はGripen提供の停止について「多くのNATO加盟国がF-16を保有していること、2つの異なるシステムを同時に導入するは難しいという結論に達したためで、これはスウェーデンの決定とは何の関係もない」「スウェーデンはGripen提供が困難になったため、代わりの能力としてSaab340(AEW&C)を提供した」「我々はF-16導入後のGripen導入再開に否定的ではないが、これはウクライナの問題であってスウェーデンの問題ではない」と述べ、ウクライナがGripen導入再開を望むなら応じる用意があると示唆した。
関連記事:F-16は魔法の杖ではない、2025年まで大きな期待は抱かない方がいい
関連記事:ウクライナのF-16導入、パイロット養成が機体の提供数に追いついていない
関連記事:ウクライナ人パイロットは数ヶ月でF-16を飛ばせる、但し飛ばせるだけ実戦は別
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air National Guard photo by Tech. Sgt. Hollie A. Hansen/Released
>>飛行経験があっても西側製戦闘機を扱ったことがないウクライナ人パイロットの訓練は「機種転換」ではなく「新人パイロットの養成」に近い
なまじ飛行経験があるが故に、設計思想が異なる西側戦闘機への転換は難しいのでしょうね。丁度文中でも言葉の壁が触れられていますが、転換の問題は言語学習に似ているような気がします。私は今ロシア語を少し勉強していますが、下手に英語等ヨーロッパ言語の知識がある方が、その感覚で取り組んでしまい間違えやすいです。ここばかりは英語が下手で良かった(笑)
>>ウクライナ人パイロットは長年の習慣を捨て去るところから始めなければならず、彼らは自立的に状況を判断するのではなく地上管制官の指示に依存するよう訓練されている
なんだかこのあたりはアメリカ人のスラヴ人蔑視をそこはかとなく感じますね…日本でも露助などという言葉を使う人がいましたが、(今もいそうですがね)近い関係にある欧米人はより酷そうです。
例えば、2017年ごろウクライナではドイツ企業が投資した風力発電開発が行われましたが、そこでドイツ人はポーランドに発電機を作らせ、ウクライナ、クラマトルスク重機械工場には単純な塔など、単純で付加価値の低いものを作らせたそうです。屈辱を感じた技術者は自分たちが宇宙船を作っていたと抗議しましたが効果がなく、ついには余剰資材を使って風力発電機を一機片手間で作ってみせたそうです。その後については言及がありませんでしたが、アゾフ海の事業なので戦争勃発と同時に事業ごと水泡に帰したと思われます。(出典:『ウクライナ動乱』)
別に宇宙船を作ろうとしている訳でも無いし順当な割り振りでは?某ジャパン国の風力発電設備だったかでも重要部分の鉄材は国産品で他は韓国とかあるようだし、異なるジャンルの実績あっても黙って採用とはいかないでしょう。
スラブ人蔑視の話にしても、ソ連方式に慣れた環境下があってこそですし、アビオニクス性能とか段違いで地上頼りの面があったと思いますが。
無論黙って採用とはいきませんが、クラマトルスク重機械工場の技術者は余力で発電機を自力建造している訳ですし、彼らに耳を傾けようともしなかったのは友好な関係を気づく上では過ちに思えますね。
確かにウクライナ人パイロットがソ連方式に慣熟しているため西側システムへの移行に困難を抱えているということには同意ですが、その裏に存在する物が問題です。
以前から度々、アメリカがソ連方式は遅れている、アメリカは進んでいるという認識を度々示しています。例えば戦闘教義に関して「ソ連/ロシア方式は人命軽視であり、間違っている。アメリカ式にウクライナを転換させれば人命軽視を受け継ぐロシアにも勝てる」という認識を度々表明してきたことなどですね。それらの総和としてスラヴ人蔑視、加えてアメリカ的な自信過剰があると私は思っていて、この発言にもそれを感じました。
アビオニクスや地上管制といった技術的な話は私には分かりません。強いて言えば、電子機器において西側がずっと進歩していることは事実だと思いますが、程度は知りません。
ただ技術でウクライナが遅れていたとしても、逆にメリットも存在する訳で、「ともに立ち、決して離れない」(バイデン大統領のD-day記念演説より)国に対し繰り返し上から目線の態度で臨んでいるのは理想的とは言えないでしょう。今はウクライナも我慢していますが、不満はあると見ています。元々不自然に作られ、不自然に独立したウクライナ国家は本質として不安定です。アメリカが将来ツケを払うことになる可能性は高いでしょう。
その優れているはずのアメリカ方式を採用したウクライナ軍が、22年の11月以降ほぼほぼいいとこなしなのはもう少しアメリカも気にしたほうがいいと思うんですけどね
ザルジニーだったかな?も認めてましたけど現在の技術とアメリカ式の戦術では、ソ連式の延長線上にあるスロヴィキン線を突破できないわけですし
接近拒否が成立している状態ではエアランドバトルはできることが何もない、という欠陥が露呈した以上早いとこそのへん修正しないとなんですが
あと地上管制にしてもなあ、技術的、戦術的優劣よりもソ連空軍の発祥がどういうものだったか考えないとですし
それに技量未熟な人間には絶対に地上管制(上役)に従ったほうが楽だし成果出せるし、何より命かかった状態だと安全
バイトとかでもそうでしょう。訓練期間終わったらハイこのフロア任せるね、自主性出してがんばってね、なんて逃げ出したくなります
しかも失敗したら命で償ってもらうねとか絶対イヤ
蔑視でも何でもなく市場経済ってそういうものとしか
下請けがいやなら自分でベンチャー企業してっていうのが資本主義(そしてそのあたりの環境が充実してるのがアメリカ)
共同事業なのに相手側に下請けの仕事だけ押し付けるのはちょっと…
失礼ながら発電機の例は伝えたいことがいまいち解りませんね。
むしろウクライナの状況の読めなさが目立つような話で、、、
F16は、ゲームチェンジャーとして宣伝されすぎたため、期待値が上がりすぎましたからね。
夏から戦争に投入するのか、練度を上げる事を優先するのか見守りたいと思います。
ミルゴロド空軍基地への攻撃を考えれば、短時間でも前線寄りに配備は注意が必要になります。
配備基地・搭載するミサイルの射程なども、どうなるのか気になりますね。
(2024.07.2 ウクライナ空軍報道官、ミルゴロド空軍基地への攻撃と損失は事実と認める 航空万能論)
素人意見ですが、ランチェスターの法則に従えばある程度の機数と練度が揃ってから投入した方が損害で有利に立てそうな気がします。
しかし、多分プロパガンダを優先して一刻も早く投入するんじゃないですかね。そもそも万全でも対して役に立ちそうにないことを考えるとひょっとしたら合理的かもしれません。
まあ、そうやって政治を優先し続けてきた結果が今なのですがね。そうしてますます死者が増えていく訳です。そして「死者への責任」という美辞麗句のもとに戦争が義務かのように扱われていきます。死体は黙して語りませんから、これほど為政者にとって都合の良いものもないのです。生者が抱く自責の念も戦争を後押しします。
戦争なんてするものじゃありませんね。
誤字失礼しました。
誤 対して
正 大して
仰る通りですね。
管理人様のまとめを見ると、その方が合理的ですが、大統領府がパフォーマンスを優先していますから即投入になる気もします。
為政者は、仰る通り、都合よく使いますからね。
為政者の家族が、戦場で戦っているという話しを、結局聞きません(自分が把握していないだけかもしれませんが)。
戦争は、一般庶民にメリットがないですよね…
確かチェチェン首長ラムザン・カディロフの息子たち(未成年)がウクライナの戦場に行ったそうなので、実例がない訳ではありません。今確認したところ、一人は新設されたロシア軍狙撃部隊の監視員になったようです。流石に最前線ではないと思いますが。幼い頃から軍事訓練を施されているそうで、コーランを燃やした犯罪者をボコボコに殴ったりしています。中々豪快ですね。ちなみに16歳だそうです。
また、為政者ではありませんが、ロシアの有名な作家であるプリレーピンは自ら志願して最前線の兵士となっています。どこまで本気かは分からないカディロフの息子たちとは異なり、明確に命を賭けていますね。かなり危険な立場のようで、乗っていた自動車をウクライナに爆破され、運転者が死亡、プリレーピン自身も重傷を負いました。そして退院するとすぐに戦場に戻ると述べたそうです。(ここはちょっと記憶が不確かです)本当に凄い人ですね。
それにしても、国家主義者で、戦場に立っているとはいえ作家を爆殺しようとするウクライナには嫌悪感を覚えざるを得ません。ドゥーギンを暗殺しようとし、無関係の娘を殺したのもそうです。ロシアやロシア文化を嫌うのは理解できますが、正当な戦争行為以外で、しかも文化人を殺すのは駄目でしょう。ましてや西側という何かとうるさいスポンサーがいるのです。
さらに、このような殺人が成功したとして、ウクライナの戦争に利益があるのでしょうか?ただロシア人の義憤をかき立てるだけでしょう。こういうことを繰り返していると、ロシアの言う「ウクライナはネオナチ国家」と言う主張の真実味が増していくと考えます。
たしかにカディロフの息子話題になってましたね、勉強になります。
>それにしても、国家主義者で、戦場に立っているとはいえ作家を爆殺しようとするウクライナには嫌悪感を覚えざるを得ません。
「ぼくは作家で文化人です。」って名札ぶら下げで戦場来てるわけでもないのにその言いぐさはないのでは
それにデゥーギンにしても狙われたのはロシア文化人だからではなく、戦争(ウクライナ侵略)を肯定し扇動する活動家だからなので、ロシア文化嫌いという結論に結び付けるのはミスリードだと思う
衛生兵とかならともかく、普通の兵士として戦場に出れば作家だろうがリーマンだろうが一緒ですからね
それにウクライナだって、その作家だから爆破したんじゃないでしょうし
「戦場の外」で戦闘行為に従事していない、しかも自国(ロシア国内)で政府沿いのこと言ってるだけの「民間人」を狙うのがアウトという話でしょう
娘爆殺した件なんて言い逃れしようもないですし
クリミア大橋吹っ飛ばしたときのことといいどーも彼らはイリーガルとそうでないラインが緩いというかご都合主義的というか
本来は本人が乗るはずだった車に娘だけが乗った不測の事態だから、はじめから娘を狙ったような印象論はどうかと思いますよ
民間人を巻き込んだ軍事ブロガー爆殺や、ズブの民間人をだましてクリミアを破壊しようとしたのはどうかなとは私も思いますが、精神的支柱を狙うっていうのは古今東西を問わずみられることかと
「戦場に立っている」という書き方が少し分かりにくかったですね。ウクライナ特務機関がプリレーピンを殺しかけ、運転手を殺したのはニージニー・ノヴゴロド、ウクライナからは何百キロも離れています。政治活動も手掛けているのでロシアでもあちこちへ出かけるのでしょう。
戦場でない場所で爆発物により、その時点で戦争行為を営んでいない人間を殺傷している訳ですから、もはやテロリズムに該当しうる暴挙です。ウクライナが西側によって「道徳的優位」を与えられていなければ強烈な非難を浴びたでしょうね。
ドゥーギンに関しては戦争肯定まで含めて文化人と見做しているので、ロシア文化嫌いと述べています。以前からウクライナ西部の民族主義者はロシアを嫌い、ロシアを否定することによって自己アイデンティティを保っているので、本論の結論でもロシア文化嫌いの表れとするのに違和感は覚えませんでした。
また、ドゥーギン殺害未遂、ダリア・ドゥギナ殺害もプリレーピンのケースと同じく、またそれ以上にテロリズム的側面の強い、卑劣な行為であるということは明白でしょう。
考え方はそれぞれですね
民間の病院や商業施設を狙ってミサイル撃ちこんだり、占領地に住んでいたウクライナ人絵本作家を殺害するロシア軍の行動にも目を向けてはいかがですか
DD論に持ち込むにしてもロシアがやってるのは比べるべくもなく理不尽で過激だと私は思います
まぁ、窓から落ちたり毒盛ったり第三者を巻き込まない暗殺術はロシアのほうが上品で洗練されてるかもしれませんが・・
>戦場に立っているとはいえ作家を爆殺しようとするウクライナ
作家だろうが何だろうが戦場に立てばただの1兵士であり相手にとってみれば倒すべき敵でしかない。
F-16AMが呆気なくやられたら、F-16のセールスに響くから、その後はロッキードとアメリカ政府が他国を後回しにしてもF16-V相当に改修してくれるんじゃね?
パイロットの数少ないんだから最初から改修してあげたらいいのにと思うけど。
近代化でばらしてテストすると新造するのと大差ない時間かかるんですが
新造で改修でもいいけど、何年もかかるもんじゃないと思うけど。
作業に入るまでの順番待ちのせいで年単位はあり得ます、最近は部品が届かないので遅延のパターンも
「プロパガンダを優先して」じゃなく「F-16でないと対抗できないから」使うので政治は関係ないかと
時間がかかっても、並行して18歳からパイロット志願者を集めて育てた方がいいと思う。
やってるかもしれないけど。
この戦争はあと3年とかでは終わらないので、育てる価値はある。
若年人口がいるなら確実ぬ速成できてかつ今不足が喫緊の課題である陸の歩兵戦力に充てるのが妥当では?
せいぜい数百人だし適材適所なら大丈夫じゃないですか?パイロットになれるほど優秀な人を歩兵にするのは勿体ない
ウクライナが西側の支援をつなぎ止めるために、常に成果を出すプレッシャーに晒されているのと同様に、西側諸国も選挙民の関心を繋ぎ止めるために、常に戦局打開の期待を抱かせ続ける必要がある
いわば,間接的に西側国民という「観客」がこの戦争の原動力となっていて。
戦争目的の中に「西側観客へのアピール」が重要な要素として入り込んでしまっているわけです。
ヘルソン対岸の保持や、クリミヤやホリウリカで実施された旗を立てるためだけの特殊部隊の潜入作戦など、「バズるための作戦」「戦果映像撮影のための決死の作戦」が兵士の犠牲の元に実施される有様なんですね。
「西側国民が娯楽として消費するサーカスとしての戦争」として機能してしまっているとも言えます。ある意味では湾岸戦争もその一面がありましたが,今回の戦争はSNSを通じてはるかに大規模かつ広汎になっていますね。
SNS時代において情報の「民主化」が進み、そこにルソフォビアや娯楽に対する欲求が組み合わさった結果、古代ギリシアから続く民主主義の欠点である衆愚政治化が強化されてしまったような印象がありますね。古代ローマが「パンとサーカス」で劣化していったのを思い出しました。
そもそもこの戦争の原因の一つとなったNATO東方拡大も、アメリカ等の選挙対策として軽率に行われた側面が強いらしいですし、やっぱり政権が民意(自国でなくとも)に対し過度に忖度する現状は良くないでしょう。
権威主義国家において為政者は政権転覆を恐れ民意に配慮する現象が普遍的に見られると前聞きましたが、なんだか民主主義国家もこれに近づいているような気がします。
ならどうすればいいのか?と聞かれても上手い策は見当たらないのですがね…中国やロシアはSNS愚民の問題がそこまで表面化していないあたりにヒントがありそうですが、ロシアでは上手く行く方法であっても、アメリカや日本に適用するのは大抵難しいのですよね…
民主主義の劣化がどこから起きるのか、諸説ありますが。
非常に大きいのは「選挙権と兵役義務の分離」なんですね。ギリシャもローマも、元来は選挙権と兵役義務は表裏一体になっていました。政治の舵取りを間違うと自分たちが不利な戦場で無駄死にしますから、その時の有権者は文字通り命懸けで投票権を行使します。
が、文明が発達して徐々に兵役のアウトソーシングが進んで。死ぬのは支配下諸国が供出した他国人の兵士、ローマ人は本国で戦勝の景気のいい話を肴に酒場で盛り上がるだけ、となり。
そうなると、市民は「聞きたいことしか聞かなくなる」んですね。死ぬのは自分では無いので、もう完全に他人事ですから。
ウクライナ戦争はその最たるものでしょう。もはや死ぬのは同盟国人ですらなく。西側諸国民たる我々は、今日もクーラーの効いた部屋でウクライナに声援を送るわけですね。
仰る点、痛切に感じます。
ウクライナ人国内居住者・海外滞在者、ともに同じ1票の選挙権ですから、事実上の仰る内容でしょうね。
日本だけで見ても、ウクライナ人Youtube・ウクライナ人コメンテーター(?)が義勇兵に行きたい旨を発言してましたが、『ゲーム実況』『謎の講演・ガールズバー通い(本人自称)』を続けています。
違和感を感じますが、現実は白黒入り混じった世界ということを感じますね…
クリミアのS-400を破壊したニュースが時々出てくるのはNATOの偵察機が黒海を飛んてるからが大きいだろうけど、それとは別に、ロシアに、もしかして上陸作戦を考えて、障害を排除しようとしてるかもと思わせて兵力をヘルソン対岸に張り付けさせる作戦なんだと思ってた。
そのためのボート作戦。
兵力誘引が目的なら、上陸しなくても対岸に海兵隊の数個旅団を配置しておけば、ロシア側は,対抗として同規模の数個旅団を置いておかざるを得ません。
軍事的な損得としては、わざわざ上陸して守備側に守るべきポイントを絞らせ、不利な陣地で損耗する必要は無いんですね。
ただ、あれは西側観客に「まだまだウクライナは負けていない、もうすぐクリミア奪還だ!」というポーズを見せるために必要な作戦でした。その結果、貴重な海兵隊を壊滅させて将来のクリミア上陸が不可能になりましたが。未来よりも今の砲弾が優先なんですね。
視聴率に左右されて迷走するアメリカドラマを観ているようですよ。ゼレンスキー大統領はその点では非常に噛み合っているとは言えます。
もともとの理由が反転攻勢の失敗の結果、失われてても、しつこく続けてるから、何か別の理由もあるんじゃないのかな。
実際のところ西側の世論はヘルソン対岸にウクライナ軍が上陸して頑張ってるなんて細かいこと知ってるかな。日本人は知らないと思うし、アメリカ人も知らないんじゃないかな。
どういう上陸作戦を考えられているかわかりませんが、ウクライナ軍には旅団単位の軍隊を運べる船団はないので上陸作戦はありえません。
万が一何らかの方法で船を調達できても、船がドローンに弱いことはウクライナ自身が証明したことであり、補給用の船がなくなって派遣した軍が消滅するだけです。
船を使った着上陸作戦は選択肢にないでしょう。
問題を抱えつつもこのパイロットたちが活躍し、「キエフの亡霊」の再来と呼ばれたりする激アツ宣伝を希望します
2025年にはハリウッド映画になる展開を希望。
日本では恋愛映画になって大ヒット。
あ、トムクルーズ主演にしておけばいいんじゃね?
老兵がF-16で活躍する感じで。
いきなり大規模なアセットを準備しろと言われても逆に出来ないので…
まずは小規模なものから運用実績を作りつつ、迎撃任務などに出しながら訓練時間を稼ぐのは普通じゃないかな。
むしろ絶対にありえないと言われていたものが夏には届いて準備が進むという話ですので、現実の進展はかなり早いとすらいえるのかも知れません。
あと、イスラエルのイラン爆撃はむしろ内容が高度過ぎるので…そんなものですら短期間で成し遂げた話になってしまうのかも知れません。他国の上空や海上等を遠く飛んで、敵の防空圏内に入り込んで重要ターゲットを破壊とかはイレギュラー的なものでむしろベテランでも大変な任務です。
逆にウクライナでの任務は自国領土上空での任務に他ならず、また敵のアウトレンジを警戒する必要もあり、最前線付近での高い高度での接近戦なんかも想定もされないでしょう。
将来的にフルセットの教育は必要となりますが、現時点で必要なのは内部に入り込んできた標的の迎撃任務や持ちうる兵器のギリギリ射程でのピンポイント狙撃の様なものです。
ここらへんからして既に「一般論」で語れる話ではなくなっているのかも知れません。あとは彼らがそれをどう扱ってみせるか、どれくらいの期間悪戦苦闘するかという実際の推移次第ですね。
いつもの皮算用でしたか
しかしNATOの本来の目的はむしろこっちのように思えますね
ウクライナの兵器と戦術を脱ソ連化させて、代わりに西側の兵器・戦術を浸透させ、NATO最前線の要塞化するというのは
この戦争の結果がどうなろうと、ペレストロイカ~ベルリンの壁崩壊で一度終わった東西冷戦をウクライナを最前線にして再開させる、というのが西側の軍閥・軍需企業の最終目的のような気がします
そう考えるとウクライナのNATO加盟の阻止というロシアの目的は元の木阿弥になり、痛み分けという形になりますね