Lockheed Martinは「米空軍のCCAはサバイバビリティを重視しておらず財政的に破綻するだろう」と批判し、米空軍の要件を無視した輸出向けCCA=Vectisを発表した。Lockheed MartinはVectisを発表することで改めて「現行のCCA戦略は間違っている」と示唆した格好だ。
参考:Lockheed’s Skunk Works reveals Vectis stealth drone, eyeing first flight in 2027
参考:Skunk Works Unveils Vectis Air Combat Drone That Puts A Premium On Stealth
米空軍がIncrement2でローエンドに進めばVectisに関心を示すことはないだろう
米空軍は有人戦闘機に随伴可能な無人戦闘機のことを協調戦闘機(Collaborative Combat Aircraft=CCA)と呼んでおり、CCA Increment1=第一弾調達の競争試作には伝統的な防衛企業(Boeing、Lockheed Martin、Northrop Grumman)も参加していたものの勝者に選ばれたのはAndurilとGeneral Atomicで、Lockheed Martinは「現行のCCAはサバイバビリティを重視しておらず、何れ財政的に破綻するだろう」と指摘したことがある。

出典:General Atomic
“我々の提案は「空軍にとって本当に価値のあるもの作る」という信念から生まれ、空軍が提示した要件よりもレベルの高いステルス性を備えていた。しかし空軍はサバイバビリティを重視していなかったため、我々の提案は必要のない部分に金メッキを施したことになる。General AtomicのCCA=YFQ-42Aは適度なステルス性と他のシステムとの相互運用性がサバイバビリティを高めている”
“サバイバビリティを高める方法はステルス以外にもあるものの、EWシステムなど他の対抗手段は高度なステルスを補完するためのもので代替手段ではない。空軍はCCA調達に1機あたり1,500万ドル~2,000万ドルを費やす予定だが、運用分析の結果『80%以上が未帰還になる』というシナリオに直面すれば現行のCCAを精算する時が来るだろう”
要するにLockheed Martinは「CCAのコンセプトが『消耗を前提にした安価なシステム』から『手頃な価格で消耗も可能なシステム』に変更され、調達コストもF-35の25%~50%になるのにサバイバビリティが軽視されているため、実戦で使用すれば未帰還率が高くなり費用対効果が悪い=財政的に赤字だ」と訴えていたが、Lockheed Martinは22日に開幕する空軍協会のイベントに先立ち「2027年末までに新しいCCA=Vectisを飛行させる」と明かした。
Lockheed Martinは「Vectisの特徴は航続距離、耐久性、柔軟性で空対空、空対地、ISRミッションを遂行でき、オープンシステムアーキテクチャを採用しているため自社製外のミッションシステムを統合できる」「Vectisの運用は滑走路を必要とするものの、前線の限られた環境下でメンテナンスができるシンプル設計で耐久性と信頼性の高い素材を採用している」「VectisはF-22やF-35と組み合わせた運用分析とシミュレーションを実施している」「Vectisのステルス性と通信システムは第5世代機や第6世代機と互換性がある」と言及したが、CCA Increment2に参加するかどうかは明言していない。

出典:Lockheed Martin
VectisはCCA Increment2参加を目的に設計されたものではなく、将来の戦場に関する複数の顧客からのフィードバックに基づき「米国を含む国際市場向け」に開発されたCCAで、Lockheed Martinは「米空軍がCCA Increment2において柔軟性を備え、生存性の高いプラットフォームが必要と判断すればVectisは素晴らしい候補になるだろう」と述べるに留まり、Lockheed Martinは飽くまで「現行のCCA戦略は間違っている」という立場を堅持している。
因みにIncrement2で調達するCCAは当初「Increment1よりも優れたステルス性と能力を備える」「調達コストもIncrement1より20%~30%増加する」と予想されていたものの、米空軍関係者は最近「Increment2はIncrement1より洗練されたものになるのではなく、逆に簡素なもの=ローエンドになるかもしれない」「運用上の柔軟性と低コストを追求するため滑走路に依存しない方法での投射=空中発射を追求するかもしれない」と述べており、この方向にIncrement2が進めば米空軍がVectisに関心を示すことはないだろう。
関連記事:米空軍向けの無人戦闘機を披露、Lockheed Martinは現行のCCAに否定的
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※アイキャッチ画像の出典:Lockheed Martin





















なーんか現実味を感じない。
本当に有人戦闘機の手前を無人ウイングマンがズラッと
ならんでBVRするなんて未来が来るんだろうか。
個人的には、艦隊決戦みたいな思想に見える。
大型の戦艦の前衛を小型の駆逐艦が張って、海上で艦艇の大集団が
ぶつかり合う、みたいな…
空中における艦隊決戦思想だと思うんだよね。
CCAはまだ手探りの段階だから色々なアプローチが出るのはわかるが
こういう局面で大切なのは完成度ではなく、とにかくスピーディーに製品をリリースしてしまうことだ
調達コストもF-35の25%~50%て・・・それでほぼ使い捨てとかだと現状採用されるとは思えませんねえ。
それから上の動画ですが、有人機パイロットが画面見てボタン押す位しかしないなら要らないですよね、衛星とかでリモートしとけと。
現状パイロットが一番高いですからね、CCAも手探り状態のせいで中には対艦ミサイル型の徘徊兵器に対空ミサイルを運ばせる考えの物も有りますし。
後衛星は一度衛星に飛ばして司令飛ばすと2秒くらいラグが出る(時速800kmだと2秒で400mは進む)のと、RQ-170で衛星通信を過信した、結果やらかしてますから。
安価・大量調達が売りのはずのCCAにF35みたいな高度なステルス性やマルチロールを求めたら、CCA自体がF35と同価格帯になって整備性も悪いので少量調達・低稼働率みたいなオチになりそう。本記事は革新性のない老舗企業がアンドゥリルのような新規参入者を嫌っているだけの話。
使い捨て前提か、生存性も加味するかはぶっちゃけ使ってみないとわからないでしょうからね
シミュレーションするにしても予期しない要素はいくらでも出てくる訳ですし
現時点ではどっちが正解かは誰にもわからない
最終的には有人機の身代わりでしかない無人機に高い生存性求めてもな。有人機よりはリスクのある任務に投入する前提だから、余り高度な技術詰め込んでも撃墜された時に向こうにそれが渡るリスクが増大するだけだろう。ステルス性にしたって最優先でステルス性が求められるのは母機たる有人機で、無人機はむしろ敵方レーダーを撹乱するためにステルス性なくても良いんじゃないかと思うんだが
そう思っちゃいますよねえ
ワイルドウィーゼルみたいなもんで、敵には積極的にレーダー使ってもらってミサイル撃ってもらって位置を曝露し続けてもらった方が反撃で叩きやすくなるのでは?と
てかCCAって元々そういう構想だったんちゃうんかいと
あと第5世代機、第6世代機と互換性のあるレベルのステルス性を有しておきながら前線近くの厳しい環境下でも整備できるメンテナンス性って、F-35の状況から考えると非常に嘘くさいとしか言いようがない
個人的には以前から戦闘機に随伴する(特に空対空戦用の)無人機は到底損耗可能な価格に納まらないだろうと考えてたので自分はロッキード寄り。
更にF-47やGCAPなどの長大な航続力を有する戦闘機に随伴するとなれば機体の大型化は避けられず、これも価格を押し上げる要因となる。
損耗可能な価格の低性能CCAも状況次第で有用だとは思うが国境紛争で敵が目の前に居る、等の限定された環境以外では運用は難しいと思う。
有人戦闘機と随伴して長距離を航行する事が重要な訳でもなく、無人機が必要とされるのは敵の戦闘機群、防空ミサイル群が控えている最前線〜敵後方で、戦闘機なら駐機するのも危険な最前線から飛ばしたっていいし、むしろ会敵のリスクのない上空を無人機に長距離飛行させるのは意味ないんじゃないかなと。
その『危険な最前線』に小型とはいえ飛行機を陸送して発進させる・・・口で言う程簡単な作業だとは思えません。
発進待機状態で長々と留まれば発見され攻撃される可能性が高く、ならばと作戦タイミングに合わせてJUST-INで発進ポイントに到着して、展開して、恐らくは分解状態の無人機を組み立てて発進させ撤収する・・・これが毎度上手く行くと本気で思ってます?
全部が全部駐機させるわけでもなく、数機は哨戒、数十機はシェルターに入れてる状態を維持すりゃ良い話で、多少の犠牲を物量でどうにか出来るのが無人機最大の強みなのに、有人機の延長に使うのは勿体ない話じゃないかと。
移送は移送でイノベーションが必要なのはそうなんですが、そっちも投資はされてると思います
米海兵隊が研究してる電動高速シーグライダーとかありますよね
目標スペックはペイロード100トンですからCCAなら2〜3機載りそうです
飛んでって給油、短時間待機ができればいいだけでしょう。
なんで陸送やら現地組立、なんて話になるのやら…
だから無人機は随伴ではなくより前線近くから投射される戦力として、有人機は戦域に展開するそれらを慣性することになると思う
そんなあまりに複雑で技術的に難しい航空作戦を実現できるのかは不明だけどね
別の基地や発射装置などから射出するものであれば大型有人機と同じ航続距離である必要はないのでは?
巡航ミサイルタイプの無人機なんかもあるし、そういうものだと思ってた
別の場所から発進してどのくらい距離を短縮できるかって話は戦域環境によって変化しますが、それでも数百Kmとかにはならないでしょうね。
F-47の作戦行動半径は1800Kmを超えると言われており、仮に100Km短縮出来たとしても1700Kmは進出する性能が求められる訳で機体規模・価格共に殆ど変わらないと思います。
そして発進の仕方で距離を短縮できる環境が常に有るとは限らん訳で、結局は有人機と同等の航続力が必要という結論にならざるを得ないかと。
島嶼部だと飛行艇が来るんじゃないかと妄想してるんですよね、日中ともに無人飛行艇の開発はあるっぽいです。でもステルス性含めて色々難易度上がるので無人母船作るのがメインになるのかな。こういうの開発するのはアイデアおよびアルゴリズムとロボティクスの勝負ですねえ。
とりあえずこういうことできる優秀な中国人留学生がアメリカ企業でエンジニアとして働きたいと思うくらいアメリカが魅力的な国であってほしいんですが……。
言いたい事は理解できる
ただロッキードの提案を採用しても、「結局予定よりずっと値上がりして、とてもコスパ的に見合わない」といういつものパターンになりそうな気がひしひしと
ロキドマはF-35の完成に全てを尽くしてくれ、マジで
自社開発という事で、国防省等の縛りもなく製作できるだけにロッキード社の言う開発期間内に完成させ適正価格で販売できる体制に持って行ければ、米政府の資金で製作して納期が―価格がーという現状のシステムを見直すきっかけになると良いですね
ロッキードマーチンにステルス機さくっと作って飛ばす能力あることは別に疑ってないんだから、実物作ると言われてもなあ。不安なのはオープンアーキテクチャ本当にやれるかとか、難しめの要求が来たときに迷走しないかとかなので。
ステルス機ってとりあえず機材ぶら下げることができないので多用途化には特有の困難があるはずで、無人機でまで過剰に多用途化しなくてもなあと感じるんですよね。(プロパガンダ要素もあって自分で評価はできないですが)現に中国は色んな機体規模だったりコンセプトのものを出してます。
あと柔軟性というのも、ロッキードが10年かけてインテグレートしてくれるんじゃ話にならない。F-35はああいうものなので仕方ないが、今後入れる無人機には自前でソフトウェア開発できる部分を確保したいんじゃないか。アメリカ・イスラエルが使うだけならいいんだけど、他国からすると少し性能が落ちてもブラックボックスの少ないシステムのほうが魅力的でないかな。
個人的には無人機産業は有人機よりもリスクもコストも低いから他業種からの参入はどんどん歓迎して、どんどん多様化を目指すべきだと思っている。現状の無人機3社による独占を招いてもLM、ボーイングみたいなリスクの温床になるだけ。
そもそもLMのコンセプトと米政府主導のコンセプトは並立しうる。最前線で索敵と破壊を担うか、後方で連絡と哨戒を担うかで要求される性能は違うし、どちらか他方を絶滅させるものでもないだろう。
LMの言う事も正しいとは思います。今後CCAが進化していけば群れの中で役割分担が生まれ、高度な機能を担う機体がより高い生存性を持つ事になるのは自然な流れでしょうし、老舗が新興が真似できない分野で勝負するのは経営戦略として間違いではないとは思う。ただ、今のLMが納得価格で実現できるとは思いませんが
言いたい事は理解できる
ただロッキードの提案を採用しても、「結局予定よりずっと値上がりして、とてもコスパ的に見合わない」といういつものパターンになりそうな気がひしひしと
ロッキードマーティンには、F-35CCAを開発して頂いて、F-35導入国には特別割引で提供とか、整備性も部品もなるべく共用でF-35なら、[より低価格で高性能を手に出来る]路線に回帰していただいた方が、F-35の価格も量産効果で下がりそうですし、わざわざ新規に開発しなくても良いのでは?と提案して欲しいですね。
どうやら、LMはウクライナで得たドローンの戦訓を甘く見ている様で…🙄