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Lockheed Martinが方針転換、受注でホームランを打つため自社投資を強化

Lockheed Martinは第3四半期の決算報告で「研究開発に対する従来のアプローチを転換した」「現在はホームランを打つたため自社資金による多額の投資を行っている」と説明し、さらに「このアプローチをF-22やF-35に第6世代技術を組み込む構想にも適用できる可能性」を示唆した。

参考:Lockheed Says It’s Self-Funding Prototypes. Could a ‘Ferrari’ F-35 Be One?

第6世代機開発から完全に締め出され、急速な成長が確実視されている無人戦闘機分野への参入も遅れているため「焦っている」という印象を受けてしまう

Lockheed Martinの航空部門は第5世代戦闘機プログラムを独占することで大成功を収めたが、F-47の最終選定でBoeingに敗れ、F/A-XXでは最終候補に残ることも出来ず、空軍向けCCA調達の第一弾選定で新興企業に敗れ、F-35の商業的成功もトランプ政権の影響を受けており、投資家にF-47向け技術でF-35を強化する第5世代+構想をアピールし続けている。

出典:U.S. Air Force

9月上旬に行われたモルガン・スタンレーのラグナ・カンファレンスでも「F-35の第5世代+構想について国防総省とハイレベルな議論を行っている」「上手く行けば第5世代+構想は近いうちにホワイトハウスに持ち込まれるかもしれない」「この構想が政権内で検討されることを期待している」「我々の第5世代+構想には政府レベルからホワイトハウスレベルまで大きな関心が寄せられている」「仮に第5世代+構想の契約を獲得しても機密情報が多いため一般レベルには公開できないかもしれない」と説明。

一般メディアはLockheed Martinがアピールする第5世代+構想をポジテイブに伝えているのの、F-35の現状をよく知るBreaking Defenseはラグナ・カンファレンスを取り上げた記事の中で「Block4の開発は依然として遅延に悩まされ、国防総省は予定されてた機能追加の範囲を縮小してBlock4で実現する能力のダウングレードを決定したが、開発規模が縮小したにも関わらずBlock4の完成時期は当初予定より5年遅れの2031年から変わっていない」と指摘しているが、第3四半期の決算報告でも再び第5世代+構想に言及した。

出典:U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Jana Somero

同社のタイクレット最高経営責任者は「研究開発に対する従来のアプローチを転換した」「現在は(受注で)ホームランを打つたため多額の投資を行うようになっている」と説明し、アイデアを提案して軍から資金を獲得して形にするのではなく「リスクを承知の上で自社資金による投資を行いアイデアを形にしてから軍に提案する」という意味で、このアプローチはAndurilなど防衛産業に新規参入した企業がよく用いており、この積極的な投資が伝統的な防衛企業との動きの差として現れ、新興企業が伝統的な防衛企業から契約を奪うことに繋がっている。

つまりLockheed Martinも「Andurilなど有力な新規プレーヤーが増えたため受注確保に向けて積極的な投資が必要」と判断したと解釈でき、タイクレット氏も「これまで通り提案依頼や情報提供依頼に対応していくが、同時に自社資金による投資でプロトタイプの自主開発も進めており、これにより顧客へ真の能力的飛躍を実証できる」と述べ、さらに「このアプローチをF-22やF-35に第6世代技術を組み込む構想にも適用できる可能性」も示唆した。

出典:Lockheed Martin

本当にLockheed MartinがF-22やF-35の第5世代+構想に資金を投資するのかは不明で、同社の広報担当者も「タイクレット氏の発言はF-47向け技術でF-35を強化する改良型F-35の自主開発を意味しているのか」という質問に明確な回答を避けており、投資家向けに航空部門の将来性を明るく見せただけという可能性も否定できない。

因みにLockheed Martinの決算報告における第5世代+構想のアピールは定番化し、そのオチも「第6世代向けの技術は機密扱いなので契約を獲得しても公表できないかもしれない」というもので、やはり第6世代機開発から完全に締め出され、急速な成長が確実視されているCCAを含む無人戦闘機分野への参入も遅れているため「焦っている」という印象を受けてしまう。

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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Courtesy by Kyle Larson

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コメント

  • コメント (13)

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    • せい
    • 2025年 10月 22日

    一旦ロッキードは先を見るのを止めて、現在(F-35)に注力すべきだね
    イージスシステムやミサイルとかは順調なのに、F-35の開発遅延だけがあまりにもデカ過ぎる
    一挙解決が無理でも、地道に投資して最強の第5世代機を“完成”させられれば、軍や投資家からの信頼も戻ると思うんだけどな

    48
    • たむごん
    • 2025年 10月 22日

    F-35の評判が、ソフトウェア~部品の取り扱い~各国独自兵器の取り扱いなど、悲惨なくらいに悪すぎますからね。

    訳の分からない整備部品サプライチェーンは、『有事になれば使い物にならない』かもしれないという、兵器として致命的な問題を抱えていると思いますよ。

    42
    • 匿名希望係
    • 2025年 10月 22日

    20年は遅いというか
    自社でF-22EXとか開発していたら多分日本のF-Xとれてたと思うよ。
    あとF-47も

    12
      • hoge
      • 2025年 10月 22日

      お情けでコンペに勝たせてもらったF-22の次にリリースしたのがF-35ってのがLMの反イノベーション体質を如実に顕しているわ……

      7
    • T.T
    • 2025年 10月 22日

    第5世代+は、F-35を弄くり回すのはやめて仕切り直した方が良いんじゃないかなあ。
    本体のことは置いておくにしても、ALGSとか国際的なサプライチェーンの問題が足を引っ張り続けるでしょう。

    10
    • DEEPBLUE
    • 2025年 10月 22日

    F-35の悪評を根本から改善しないなら、無理だと思うよ。こういう会社だと知れ渡って。

    17
    • ななし
    • 2025年 10月 22日

    F-3開発でLMと提携しなくて本当に良かったって思う

    36
    • daishi
    • 2025年 10月 22日

    「自己資金で開発したアメリカ製ジェット戦闘機」というとノースロップのT-38/F-5、P-530コブラ(YF-17,F/A-18原型機)、F-20あたりになるのですが、当時とは比べ物にならないくらいソフトウェアや各種テスト、兵站システムの比重が高いですよね。

    「F-22やF-35を第6世代機ネットワークに組み込む」のは戦力面でも必要なことなので実現しないと困ることではありますが、F-35は消費電力と冷却能力、ソフトウェア複雑性からの解放、武器統合などの革新が起こらない限りこのままだと思います。

    7
    • kitty
    • 2025年 10月 22日

    すっかり、F-35といえば第5世代機+というより ☨第5世代機☨ のイメージ。

    6
      • DEEPBLUE
      • 2025年 10月 22日

      無限の財源がなかったF-22もうーんだし、ATFでノースロップ選んだ方が良かったのかも知れない。

      8
    • AKI
    • 2025年 10月 23日

    まだまだ生産中のF-35がまともにならないと次は無いという意見が多いのは当然ですね。

    13
    • リンゴ
    • 2025年 10月 23日

    一発逆転狙いのホームランって、もう追い詰められたギャンブル中毒者の思考のソレなんよ

    10
    • 七面鳥
    • 2025年 10月 23日

    >F-35を強化する第5世代+構想

    いいから早くF-35を完璧に仕上げろと。

    ※ボーイングもあちこちで似たような状態ですが。

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