Lockheed MartinはF-16 Block70/72の需要見通しについて「Block70/72に関心を寄せる国は沢山ある」「将来的な需要は300機近くになる」と主張しており、もしトランプ元大統領が復帰すれば売り込みのための政治的後押しは今より露骨なものになるだろう。
参考:Fearful or Cheerful? World Leaders Mull a Potential Trump Foreign Policy
参考:Lockheed Martin sees potential market demand for another 300 new F-16s
来年になればBlock70/72を売り込むための政治的後押しは今より露骨なものになるだろう
Lockheed MartinのF-16 Block70/72にはバーレーン(16機)、モロッコ(25機)、スロバキア(14機)、台湾(66機)、ブルガリア(8機)から計129機の発注が舞い込み、テキサス州フォートワースからサウスカロライナ州グリーンビルに移転した新工場でBlock70/72の生産準備を進めていたものの、同機の生産には9ヶ国470社のサプライヤー(主翼、垂直尾翼はIAIが、中央胴体、後部胴体、コックピット構造、コックピット側面パネルはPZLが生産を担当)が供給する構造体、部品、電子機器が必要で、この巨大なサプライチェーンがCOVID-19の影響で混乱したため納期は1年~2年ほど遅れが生じている。
新造機やアップグレードの受注も当初の勢いを失いつつあり、目ぼしい最近のセールス成果はブルガリアとの間で間もなく成立すると言われている追加発注分(8機)だけで、トルコはBlock70/72の新造機×40機とアップグレードキット×80機分を発注すると見込まれていたが、米国との対外関係に依存するBlock70/72の調達量を減らしてタイフーンを購入する動きを見せている。
フィリピンとタイでも競合するGripenに(価格とオフセットの内容で)劣勢と報じられているが、Lockheed Martinのサンチェス副社長は「Block70/72に関心を寄せる国は沢山ある」「将来的な需要は300機近くになる」と主張しており、この需要予測にはブルガリアの追加発注、トルコ需要、提案中のフィリピン、タイ、インド(F-21)が含まれている可能性が高い。
SAABのヨハンソン氏は「控えめに見てもグリペンは期待された輸出量に達しておらず、本当に悔しい気持ちで一杯だ。もし安全保障や政治といった要素が除外され公平な競争であれば、グリペンの海外輸出はもっと上手くいっていただろう。多くの国において米国の影響力はとてつもなく大きく、海外市場で米国を負かすのは簡単ではない。これが政治力だ」と述べたことがあり、トランプ元大統領のホワイトハウス復帰も濃厚となっているため、来年になればBlock70/72を売り込むための政治的後押しは今より露骨なものになるだろう。
管理人は政経がさっぱりなのでトランプ氏復帰による政治面や経済面への影響を予測するのは難しいものの、安全保障面では同盟国に負担増を要求してくると思われ、必ず追加支出する資金が米防衛産業界に流れ込むよう誘導してくるはずで、NATO加盟国が引き上げる国防予算の使い道に口をだしてくるのはほぼ確実(特にEU兵器開発基金に絡む域外企業の排除など)だ。
因みにNew York Timesは18日「各国の指導者がトランプ元大統領のホワイトハウス復帰に備えて具体的な措置を講じ始めた」「韓国はトランプ元大統領が復帰するとさらなる負担増を要求すると予想し、在韓米軍の駐留経費分担交渉を急いでいる」「メキシコは強制送還される可能性が高い数百万人の自国民保護について検討を開始した」「ウクライナは米大統領選挙で中立を保つ努力を行いながら、他の西側諸国からの支持(対ロシア戦争)を強化しようとしている」「ゼレンスキー大統領はトランプ陣営にも接近して選挙で勝利すれば協力する用意があると言及した」と報じている。
さらに「アルゼンチン、サウジアラビア、ハンガリーの指導者はトランプ元大統領の復帰を歓迎し、英国、韓国、ドイツでは米国の信頼性が試されることになり、メキシコ、ウクライナ、中国の指導者は新たな対立と決裂の可能性に備えている」とも報じ、記事の中で特に目を引くのは日本に対する言及だ。
“トランプ氏が大統領在任中、日本の安倍元首相はトランプ氏と親密な関係を築くことに長けていた。安倍元首相は防衛費増額を求める問題で直接対決を避けるため「トランプ氏を喜ばせる方法」を編み出した。テンプル大学東京キャンパスのブラウン教授も『どうやってトランプ氏に対処するのか安倍元首相の成功から学ぶことが多い』と語り、このようなアプローチは世界各地で既に始まっている。アラブ首長国連邦では識者や実業家がトランプ氏を称賛しはじめ、サウジアラビアではトランプ・オーガナイゼーションと高層タワーの建設契約が締結された”
恐らくトランプ氏を喜ばせる方法とは「ご機嫌を取る」という意味で、本当に大統領選挙で勝利すると「(本音かどうかは別として)トランプ氏称賛の声」が世界各地に広がるのかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:Lockheed Martin
トランプ氏としては守ってやるんだからアメリカの防衛産業に金を落とせという事でしょうか?
そうなると日本に対しても在日米軍関連の費用負担増と米国製兵器の大量購入を迫ってくるのかな。
アメリカ側からすると、
「自分達にもメリットがあるとはいえ、現状ではアメリカ側の方が負担・持ち出しが明らかに多いと『感じている』」
という事なんだろうなぁ
まぁ…トランプ氏が過去に切れてたのも
NATOがアメリカに甘えて負担増やしてたのが原因だったわけだし…
そこら辺が変わらずってことなんでしょうな
逆にライセンス生産によるアメリカへの供給拡大になりそう。
あとはそんなにしてほしいんならE-767のレーダーとかをE-2Dのやつに変えさせてほしい。
日本は最後発+母機変更で当分使えるしね。
パトリオットとか砲弾とか日本に発注して日本から買い取る必要な物が増えている状態なんですけどね>軍事
守らせるなら用心棒代を払え、自国裁量で何とかするなら米国兵器を買えはありそう。あの人は商売人だから円安の恩恵受けて利益が出ている企業とか日本政府に対して金を出せって言いそうな感じではある。
ウクライナ向けにすれば工場の稼働率は維持できそう
ウクライナに送られてる、もしくは送られたF-16は、欧州の国がF-35を導入した事であぶれて余った、F-16AM\BMなんですよね。1970〜1980年代に採用された機体年齢40歳以上の機体が欧州で400機以上残ってるので老朽化した機体の送り先や、売却先にウクライナはなるんじゃないでしょうか?
F-16AM\BMのアップグレードを受注するとか
工場を稼働させるための膨大なコストを、いったい誰が負担するのかという話ですね。
F-16Vを欲しがる国が多いのはそうだろうけど、サーブやラファールとの競合時にごり押しされるのは勘弁やな
西側同士で足の引っ張り合い、分裂の助長は勘弁なんだが、強いアメリカを求める声が強くなれば、そうなるのも仕方ない
どうせなら日本はこの機に原潜とSLBMを爆買いすればいいのに
日本にそんなもの必要かな?
少なくともうるさい原潜は要らないですね。無制限ではないですが水中発電も出来るようになりましたし。
逆に言えば、うるさくない原潜なら居るよね
そして現実には、最新の原潜は決してうるさくないという現実
日米での技術や認識の格差は意外と大きい
日本に攻撃型原潜必要ですかね?どっちかというと弾道ミサイルの方じゃないかなあ
ご機嫌取りしないとへそ曲げて無理難題ふっかけてくるような幼稚な人間が超大国のトップになるのは面倒くさいなあ
卑下するのは構いませんが、私としては剛腕振るうタイプの猛者に見えますけどね。よいしょさせるのだって、すでに一歩譲歩させていますし表面的な格付け完了とも言えるでしょう。切り替わりの速さもメリット追求型と見做せます。厄介ですね。
マスコミの評価は信用できないのは十分ご存知でしょうから見直してみるのが良いかと
トランプ氏も気まぐれで命じる事が多く、本人も忘れてしまう事が多いので、閣僚官僚にスルーされる事が多数でしたよ
口だけで実行された事がない公約や政策ばっかです
庶民の味方のように言いますが、減税も高額所得者への減税とかオバマケアの廃止など全く逆を行うケースもあります
口先に騙されていて実績見ていないんじゃないかと
もしくは国境の壁のように実効性が全くないものとか
剛腕というのは口先だけだと思いますけどね
SAABのヨハンソン氏の発言って、ダッソーもラファールが売れないときに言ってた内容そっくり
そして状況が変わった現状、ラファールは売れていてグリペンは相変わらず売れていない
グリペンはエンジンなどアメリカに依存している部分がありますからね。
アメリカの影響力を排除したい国にとって魅力的なのはラファールの方でしょう。
グリペンは現在2か国に売れる見込みが濃厚
>>恐らくトランプ氏を喜ばせる方法とは「ご機嫌を取る」という意味
ほーんとこれ
F-15更新で既定路線のF-35を追加で買うと決めただけ、トランプ様(本当はLM)のお陰でF-35が安くなったと言うだけ、トヨタが投資する予定だったのをトランプに被せるだけ
安倍もホントに大した事してないんよ
このF-16購入ももしトランプなら就任後に契約すると4年間ご機嫌かもよ
トランプ大統領で各国首脳が関係悪化するなか、仲良くしてたのは安倍首相だけですよ
大したことしてないなら、他の首脳も当然同じかそれ以上してたという事だね
…してたっけ?
そんな事言った?
大した事してない未満という事やで
仮にも一国の首脳になってる人間達を全部まとめて「どいつもこいつも大した事してない(かそれ未満)」とバッサリ切り捨てるとかすげぇ…。
台湾がF-35とイージス艦の売却を要望したら
新トランプ政権は売却してくれるのでしょうか?
その二つは自国の需要すら満たすのに難儀してるから、台湾に回す余裕はなさそう…
真偽不明ですが、かつてトランプ氏が安倍元首相に「思いやり予算を増額しないと在日米軍を撤退させるぞ!」と迫った際、安倍首相は「在日米軍を撤退させると、その後の彼らの雇用を支えるのは大変ですよ」と笑って躱したという記事を読みました。もちろん、その後F-35の爆買いはありました。しかし、安倍元首相はトランプ氏のご機嫌とりをしていたというより、うまく駆け引きをしていただけのように思います。
あと、トランプ大統領が日本に思いやり予算を増額させようとしたら、米軍から「これ以上日本の分担金を増やすと、在日米軍が日本の傭兵になってしまうから止めてくれ」って言われた話とか、本当なんでしょうか…。
あと、トランプ大統領が思いやり予算を増額させようとしたら、米軍から「これ以上日本の経費負担割合を増やすと、在日米軍か日本の傭兵になってしまうから止めてくれ」って言われた話は本当なんでしょうか?
A/B型のころに比べたら格段に高くなって、後継に当たるF-35も登場して久しいのにまだまだ人気者ですね。
疑問なのですが。
F-16 Block70/72とF-2とでは、”格付け”的にどの様な関係なのでしょう。
それによっては、日本への”ごり押し”もあるのかな。
F-3を潰しにきて、F-35の追加発注と組みにして。
ロッキードならやりそうな気もします。
正直F-16Vを購入するならその予算をF-15JのPRE-MSIPに回した方がましですがなー
予備機として当座取っておける分
日本の規格のAAM-4とかASM-3もアメリカの航空機に載せようとしたら載せれるんですけど、規格を合わせる気がアメリカ側に無いから良し悪いは無いんですよね。
あと、F-35は現行のtr3が暗礁に乗り上げてるのと、tr4で新エンジン(こちらも暗礁に乗り掛けてる)のせても単発な分発電量的に力不足なのでアメリカが各国と開発してる無人随伴機が限定的な運用しか出来ないと発言してるんですよねー。
F-3潰しからのF-35追加導入はは今更あり得ない(F-3とは別枠で増える可能性はトランプ関係なしにある)
まだNGADに参加しろの方が現実味がある
『AN/APG-81に近い能力』とされるAN/APG-83に対し、
『AN/APG-79以上』とも言われてるJ/APG-2と、
『ロッキードの2倍以上の探知能力』とのコメントも先進統合センサ・システム。
F-2が先進統合センサ・システムに換備してたら、F-2の方が対空面での探知能力で上だろうけど、
量産機にはその一世代前のJ/APG-2なので、AN/APG-83の対して同等かやや下かな?
J/APG-2+AAM4 の組合せと AN/APG-83+AIM-120 の組合せの比較だと、
対戦闘機はAAM4の高い電波秘匿性とECCM能力から、
対巡航ミサイルだと弾頭威力の相違から、
J/APG-2+AAM4 の組合せがやや上と予想。
近接戦は、F-2が
AAM3装備だとジリ貧、
AAM5装備で概ね互角、
としておきますか(適当)。
対艦だと、存在意義に関わるので、F-2が上と思いたい。
対地での探知能力は、信号処理や経験値の相違でAN/APG-83が上と予想。
電子戦では、AN/ALQ-131など装備のF-16Vが上でしょう。
思い付くまま列挙してみました。
流石に国産品に夢見すぎ
レーダーはまだしもAAM-4なんてF-2は4発しか搭載出来ないんだから、その倍以上AIM-120積めるF-16に対しては普通に不利
よく言われる電波秘匿性だって、そもそも空戦でRWR鳴るまで呑気に真っ直ぐ飛行してるパイロットなんていないよ
AAM4については、売りの一つである
特殊変調方式による『ミサイル誘導に使用する放射電波はレーダ警戒装置による探知の可能性の低い』事、
というか、RWRが反応しない事などによるサプライズ・アタックの可能性を意識してのコメントでした。
光学ステルスを施している訳で無いので、流石に正面からの打ち合いでサプライズ・アタックする事までは期待していません。
仰る通り「戦場でRWR鳴るまで呑気に真っ直ぐ飛行してるパイロットはいない」でしょうが、
その一方で、警報も何も上がっていない状態で、回避行動を取り続けるパイロットも少ないのではないでしょうか?
通常の機動してる標的相手なら、中間誘導する事である程度相殺出来るでしょうし、
検知して回避行動している標的と比較したら、前者の方が当たる可能性も高くなると思っています。
あと戦闘機ではないですが、
ロシアはチャフ/フレアを撒きながら回避行動をとる巡航ミサイルを配備している様ですね。
その手の標的に対してはミッション・キルではなく撃墜が望ましいでしょうから、
探知の可能性が低い事の価値はあると思っています。
余談ですが、
03式中距離地対空誘導弾(改善型)能力向上は、電子戦の支援のため、ES情報及び電子妨害機情報を収集する機能を有している様ですね。
面白そうな機能なので、AAM4の後継が開発された際には、同様の機能を付与して欲しいと思っています。
トランプ大統領再選で一概にアメリカの影響力が増すという事はないでしょうね
むしろアメリカは当てにならないと依存からの脱却が進む流れもあります
欧州では実際にトランプアメリカが当てにならないと見て、軍事費の増大、ウクライナ支援のあり方見直しも進んでおりますね
台湾も備えた動きがあります
あえてアメリカ製兵器に依存しない選択が増えると思いますけどね
特に欧州では
ボーイングとロッキード・マーチンどこで差がついたのか?
マクダネル・ダグラスから来た経営陣がシロアリ化したとも言うけど。
イギリス政権交代でF3キャンセルならF2後継はF16block70
アメリカからすると、F-3が頓挫すると他国と共同開発してる無人随伴機が売れなくなるから無理矢理でも作らせようとするぞ。
無人随伴機の価格は一機当たり30〜60億を見積もってるんだけど、随伴機一機に対して2〜5機運用を見積もってるから、向こうからすれば作ってくれればかなり売れれる。F-35だと一機当たり一機しか運用出来ないで、F-16Vだと電力不足で運用出来無いからな。
これだけバックオーダーを抱えているF-16の納期が遅れると他の選択肢の一つであるグリペンE/Fに商機があると愚考しますが、他の選択肢はどなたかが書いていた政治的制約のないラファールなのでしょう。
しかしあの機体もバックオーダーが大杉で納期が遅いだけに早期納入が可能と思われるグリペンE/Fが売れないかしらと期待。
SAAB社の戦闘機開発能力が維持できる位の売り上げが欲しいと願うミリオタです。
トランプ対策で購入させられそうな兵器やシステムが知りたくなりますね…
政治的な物もそうだけど、性能や実績の面でも何らかの理由で評価されてないのかもしれない…
AAM4については、売りの一つである
特殊変調方式による『ミサイル誘導に使用する放射電波はレーダ警戒装置による探知の可能性の低い』事、
というか、RWRが反応しない事などによるサプライズ・アタックの可能性を意識してのコメントです。
ちなみに、上記の『』内の文言は、AAM4の仕様書上の要求項目みたいです。
返信先を間違えました。
ごめんなさい。
トランプ氏になろうがハリス氏になろうがF-16の人気が陰る事は向こう10年は無いでしょうね。途上国によってはステルス機じゃなくドローンやUAVの方に進むかも知れませんし