米空軍はF-35のTR3構成機について「ソフトウェアが未完成なので保留している支払いを再開しない」と言及、そのためLockheed Martinの損失は今後も膨らむ可能性が高く、Boeingも「固定金額で受注した開発プログラムが第2四半期の業績に大きな悪影響を及ぼす」と予告した。
参考:F-35 deliveries resume, but upgrade delays have ripple effects
参考:Fixed-price contracts to drive new losses for Boeing’s defense arm in second quarter: Exec
Lockheed MartinはTR3構成機で、Boeingは固定金額の契約で第2四半期に損失を被る見通し
F-35JPOのシュミット中将は3日「戦闘能力を除外した暫定バージョンのソフトウェアを搭載するTR3構成機の受け入れを決定した」と発表、Bbreaking Defenseも11日「国防総省は暫定バージョンのソフトウェアを受け入れることでTech Refresh3が組み込まれたF-35量産機の納入を再開することができた」「来週にも納入が再開される予定だ」と報じ、F-35JPOは19日「暫定バージョンを搭載したTR3構成機が2機引き渡された」と明かしたが、国防総省は引き続きTR3構成機に対する支払いを保留しているらしい。

出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Matthew Arachik
国防総省は受け取りを拒否しているTR3構成機1機毎に700万ドルの支払いを保留してきたため、Lockheed Martinは最低でも5億ドル以上の損失を被っているのだが、ハンター空軍次官補は「我々はまだ受け取っていないものに対して支払いをしない」と述べ、米軍は戦闘能力が含まれるフルバージョンのソフトウェアが完成しない限り「保留中の支払い」を再開しないつもりだ。
フルバージョンのソフトウェアを搭載したTR3構成機の完成は1年以上先の話なので、Lockheed Martinの損失は今後も膨らみ続けるのだろう。

出典:Photo by Petty Officer 3rd Class Noah Eidson
Boeing防衛部門のコルバート最高経営責任者も21日「固定金額で受注した開発プログラムが第2四半期の業績に大きな悪影響を及ぼす」「昨年の第3四半期と同じような状況(10億ドル近い損失)に陥るだろう」と述べ、引き続きAir Force One(累計20億ドル以上の損失)、MQ-25(最低でも数億ドルの損失)、KC-46A(累計71億ドル以上の損失)、T-7A(累計10億ドル以上の損失)が防衛部門の収益を損ない続ける格好だ。
因みに同社のカルホーン最高経営責任者は固定金額で受注した開発プログラムの損失について「入札で勝利したいという熱意が過度なリスクの受け入れに繋がった」「今後は同アプローチによる契約を避ける」と、米空軍も「今後は入札価格と実際のコストが一致するかどうかも検討しなければならない」と述べている。
関連記事:国防総省の現実的な決定、1年間の納入停止を経てTR3構成機を受け入れる
関連記事:ボーイングが陥った固定価格の悪夢、KC-46Aの損失が70億ドルを突破
関連記事:ボーイングの防衛部門は第3四半期に28億ドルを失う、KC-46Aの累計損失額は68億ドル
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Joshua J. Seybert
小国家の国家予算を超える損失とかどうやって補填できているのだろうか
ここでメーカーが飛んだらどうなるか怖いもの見たさで見てみたい
LMのほうは手形でどうにかなるとして
ボーイングはそのまま滅べば良いのに
3枚目の画像が手で×を作って「アカーン!」とやってるように見えてしまった
しかしホントどうすんだろうねこの惨状
これ以上お金突っ込んでも一朝一夕で技術力の無さは解決しないし
両社ともかろうじて今食えてるのは過去のスマッシュヒットのおかげとか
何つーか大ヒット一発かましてしまったゲーム会社の凋落を見ているような感じ
スクエニェ…
ロシア軍は冷戦時代の旧式兵器を使って着実に進撃しているのに、アメリカ軍は最新ハイテク兵器でポカばかりやってる。
アメリカ人は特にそうだけど、日本と違って
「納期は守らなければならないという認識」が大変に薄い、というか意識すらしてない人が海外には結構いる
「納期=絶対の締め切り」ではなく「納期=達成できたらいいなという努力目標」
という感覚だから、こうなるのもある意味予測されていた事態という感じ
あと、「法律は絶対守るモノ」という認識も薄い
「いかに法律を使いこなすか(=抜け道を突く、損得を考慮しながら利益を得るために巧く法律を破る)」
が重視されるのも、日本と全然違う
この辺りを考慮しないと酷い目に合う
ちょっと重視する分野が違うのでしょうね
単語だけ入れ替えれば日本で通じますし
日本人は特にそうだけど、アメリカと違って
「終業時間は守らなければならないという認識」が大変に薄い、というか意識すらしてない人が国内には結構いる
「終業=絶対の締め切り」ではなく「終業=達成できたらいいなという努力目標」
という感覚だから、こうなるのもある意味予測されていた事態という感じ
あと、「労働基準法は絶対守るモノ」という認識も薄い
「いかに法律を使いこなすか(=抜け道を突く、損得を考慮しながら利益を得るために巧く法律を破る)」
が重視されるのも、アメリカと全然違う
この辺りを考慮しないと酷い目に合う
実際日本の労働時間文化に関してはなぁ…
ただ仕事相手としては、納期守ってくれないとマジで困る…
そして実際アメリカ軍としては困ってるわけで
「お客様は神様です」が「customer first」 の意で取られる国だから仕方がないね
でも始業時間は厳格だよね、終業時間はガバガバなのに
始業時間もガバガバだべ。
最近は減ったけど、早く来るかの競争みたいな人はいたし。
今の要求スペックをプログラムだけでなんとか出せるもんなの?
エンジンから全部とっかえないと無理な気がする
ロッキード・マーティンは支払いが保留されてるだけ(とは言ってもその間の人件費は掛かるが)なのでまあ大丈夫だろうけど、ここから何をどうやっても大赤字確定のボーイングはどうするんすかね
契約方法かえたら、今度は国防総省が損失100%かぶるだけで、高いだけの駄作をひねり出し続ける体質がわかるとは思えない
結局、防衛産業の持つ「従業員に対するセキュリティ要件」が足を引っ張ってアメリカの最大の強みの「全世界から優秀な人材を引き抜いて使い倒す」を全く発揮できず。
ソフト開発に中国人もインド人も使えない、移民ブーストのかからないアメリカの素の技術力はこのくらいということでしょうね。
そこでしょうね。 大学院も留学生が多いらしいですからね。優秀な人材は、it企業か、浪漫派なら医療か宇宙行っちゃうし。兵器好きはどのくらいだ。
昔は亡命ソ連人とかがシリコンバレーで働いてたってのはよくあったらしいですね
ロシアっぽい名前の昔の有名エンジニアも
中国人もいっぱいいたけど、中国とトラブルになってますから
インド人ばかりに・・・
あと基本的に国外アウトソーシングもめちゃくちゃやってるので、時差が違う国に仕事を投げると一日で数倍のスピードで開発できるってのも・・・
もちろん防衛産業で使うのは難しいわけです というか無理
納期や品質を守れない完成品メーカーは、悲惨ですね。
下請けも、ビジネスと言えども巻き込まれますから、可哀想に感じることがあります。
トランプ大統領に代わって対中シフトへ変更だと言っても空海共に新規開発物が…
質の勝負が出来なくなってるね
ノースロップに戦闘機作らせて欲しい
ノースロップはB-21を納期に間に合わせる必要がある(B-1とB-2を順次退役させないと維持コストで万策尽きる)ので、B-21が安定的に生産できるまでは次の軍用機案件は取れないし取らないでしょうね。
ノースロップも複合企業体なのでセンサーとか自社製品が売れるなら主契約者でなくても良い、と発言してましたし
膨大な数を発注しているにも関わらず、ほとんど納品されず
F-35の配備数は韓国以下である我が国の現状からすると
この有様は他人事じゃ無いですねぇ
金だけ払わされてダウングレード品とか、最終納品数を落とされたり
追加料金払わされたり、何でもやらされそうです
ATM国家の本領発揮の時ですな
根拠のない妄想書かれても…
ものは言いようだな
現在の納品分は38機で韓国と2機しか違わないし、そもそもF-35の納品は発注してから5年くらいのペース
2019年までの発注数は40機だから今のところ非常に順調に納品されてるぞ
自分で調べて気づかないですかね
韓国は予定発注数40機全てが既に納入されてるんですよ
で、トランプに脅されて100機買いますと言わされた日本は未だ38機な訳です
5年前に発注した40機にすら足りません
数兆円の膨大な税金を注ぎ込んでこのザマな訳です。
金ばかり使ってますが有効な軍事力は得られてますか?
発注していないのに勝手に納品されませんよ。
総契約数と発注は別です。
年度予算で6機ベースで発注、国内製造していましたからね。
今は年16機ペースになってるのかな?
40号機もとっくに完成していて1月に小牧で5回目のテストフライトしてたので、既に受領していると思うよ?
普通にスケジュール通りですね。
韓国がなぜ一気に40機発注したのか知りませんが、時期的にはおそらくblock3I。
日本みたいに3Fへの無償アップグレードが付いているといいですね。
何処でアップグレードするのかな?
米国に送り返すのかな?
韓国で国内向け限定で重整備が可能になるのは早くても2028年から。
それまで放置かな?
アップグレード代金ぼったくられたり、旧バージョンを売りつけられたりしてるのはどちらですかね?
むしろblock開発の途上の機体を一気買いしてどうしたいんだ、と…
例えばF35に関して言えば、追加料金どころか、本来支払わなければならない開発分担金(Nonrecurring Cost Recoupment Charges)を全額免除されてたりするけど。
あと、F35はblock違いはあってもダウングレード品は今の所存在しないはず。
ものづくりを忘れた国の悲劇やね
日本も既にそうなって久しいが
兵器に関しては日本は身の丈相応にまあまあやれてる方だと思いますよ。東側みたいな軍事優先国家と比べなければ、アメリカみたいなデスマーチ案件もそう多くはなく