米空軍のCCA実用化は目前に迫っており、国際市場向けのCCA提案や取引も欧州や中東を中心に活発化し、Lockheed Martinも国際市場向けの独自CCA=Vectisを9月に発表して注目を集めたが、Northrop Grummanも国際市場向けのProject Talonを発表した。
参考:Project Talon: Northrop unveils new loyal wingman drone design
参考:Talon Emerges From The Shadows
米軍の資金で開発して採用された後に海外輸出を行うという従来アプローチでは海外のCCA需要を逃すと考えているだろう
米空軍は有人戦闘機に随伴可能な無人戦闘機のことを協調戦闘機(Collaborative Combat Aircraft=CCA)と呼んでおり、Boeing、Lockheed Martin、Northrop Grumman、General Atomic、Andurilが参加したCCA Increment1=第一弾調達の競争は伝統的な防衛企業が敗れ、勝者に選ばれたのはGeneral AtomicとAndurilだった。

出典:Boeing
BoeingはCCA Increment1の結果(恐らくMQ-28Aを提案した可能性が高い)について沈黙を保っているものの、Lockheed Martinは「我々の提案は『空軍にとって本当に価値のあるもの作る』という信念から生まれ、空軍が提示した要件よりもレベルの高いステルス性を備えていた。しかし空軍はサバイバビリティを重視していなかったため、我々の提案は必要のない部分に金メッキを施したことになる」と述べ、現行のCCAはサバイバビリティを重視していないため財政的に破綻すると批判。
Lockheed Martinは「CCAのコンセプトが『消耗を前提にした安価なシステム』から『手頃な価格で消耗も可能なシステム』に変更され、調達コストもF-35の25%~50%になるのにサバイバビリティが軽視されているため、実戦で使用すれば未帰還率が高くなり費用対効果が悪い=財政的に赤字だ」と訴え、9月に国際市場向けの独自CCA=Vectisを発表し、間近に迫っているCCA Increment2=第二弾調達についても「米空軍が柔軟性や生存性の高いプラットフォームが必要と判断すればVectisは素晴らしい候補になるだろう」と述べ、米空軍への提案を想定した設計でないと強調した。

出典:Lockheed Martin
Northrop Grummanも国際市場向けの独自CCA=Project Talonを3日に発表し、このCCAについて「CCA Increment1に提案した設計案は技術的に高い評価を獲得したが、手頃さや価格については低い評価に留まり、結果的にCCA Increment1の受注を逃してしまった」「こうした間違いを修正するために開発されたのがProject Talonだ」「CCA Increment1に提案した設計案と比べてProject Talonは450kgも軽くなり、部品点数も50%削減され、製造のかかる時間も30%短縮された」と明かしている。
同社の航空部門で責任者を務めるトム・ジョーンズ氏は「今回の開発はNorthropとScaled Compositesの合同チームで行われ、これによりコストとスケジュールを守りながら性能とのトレードオフを行える柔軟な設計手法が生まれた」「これはCCA Increment1の時の伝統的な開発手法とは真逆だった」と述べ、CCAに求められる重要な要素について以下のように主張した。

出典:General Atomic
“一部のシステムには精巧さが求められるものの、CCAにおいては手頃な価格で実現する質量が、つまり取得コストを抑えることが重要になってくる。そして手頃な価格の質量は消耗戦で使用されるため失われる可能性が高い。そのためCCAは安ければいいのではなく「失った質量を迅速に補充する能力」も必要になってくる”
但し、ジョーンズ氏は「Project TalonはCCA Increment2に提出するため設計していない」「だからNorthrop GrummanがCCA Increment2にProject Talonを提案すると書かないで欲しい」と述べたが、Project TalonはVectisと同じ国際市場向けのCCAであることを強調する脈略で「米軍や一部の顧客が興味を示している」「モハーベまで出向いてProject Talonを実際に視察した潜在的顧客もいる」とも言及し、米軍採用の選択肢を完全には否定してない。

出典:Shield AI
因みにProject Talonの初飛行は2026年秋を予定しており、既に国際市場向けのCCA提案や取引は欧州と中東で活発化しているため、Lockheed MartinやNorthrop Grummanは「米軍の資金で開発して採用された後に海外輸出を行うという従来アプローチでは海外のCCA需要を逃す」と考えているだろう。
追記:この分野の競合を上げると米国のMQ-20、FQ-42A、FQ-44A、XQ-58A、Gambit1、Gambit2、Gambit3、Gambit4、Gambit5、Gambit6、Vectis、Project Talon、X-BAT、オーストラリアのMQ-28A、ドイツのCA-1、フランスのRafale F5規格で作動するステルス無人戦闘機、トルコのKızılelma、韓国のLOWUS、UCAV、APPなどが挙げられ、この中で最も実用化に近づいているのは空対空ミサイルの実射に成功したKızılelmaだ。
Dünyada ilk kez bir insansız savaş uçağı, görüş ötesi havadan havaya füze ile hedefini vurdu.
For the first time in the world, an unmanned combat aircraft struck its target with a BVR air-to-air missile.
Bayraktar #KIZILELMA ✈️🚀🍎
✅ GÖKDOĞAN Füzesi Atış Testi
✅ GÖKDOĞAN… pic.twitter.com/KCSxlaA2Hu— BAYKAR (@BaykarTech) November 30, 2025
トルコ空軍の発表によればKızılelmaは空対空ミサイルをただ発射したのではなく、Kızılelmaに搭載されたセンサーで目標を捕捉し、国産の空対空ミサイル(AIM-120の代替品として開発されたGökdoğan)を目標に命中させており、全体的のCCA開発の先頭を走っているように映る。
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※アイキャッチ画像の出典:Northrop Grumman





















なんか第六世代戦闘機ってカテゴリが本当にできるのか疑問になってきました。
第五世代+戦闘機が前線指揮管制機になって、お終いになったりして。
それが可能な警戒管制能力+電力を備えつつ、第4〜5世代機に大きく見劣りしない程度のエネルギー機動能力とステルス性を有してて、今のMRAAMのNEZの外で第4〜5世代機をワンサイドで狩れるか敵にその危機感を与えられて、味方消耗を0か「戦果(有人機)と同機数程度以下のCCA」に抑えられるなら、十分第6世代機たりえるんじゃないかな。
だから第5世代機ベースの第6世代機、というのは技術的には一応あり得るけど、F-35はサイズと単発なのが、F-22は機体設計が古過ぎ&ライン残ってないのがキツいし、Su-57というか露はアビオと電力両面でついていけなさそう、中はJ-20を必死にイジり回すよりとっとと大型機に移るでしょうから、あんまり現実的とは思えない。
あるとすればインドがSu-57ベース、イスラエルがF-35ベース、みたいな輸出先が第6世代機的なサムシングを錬成してくる可能性がワンチャン?
無人機の最大のメリットは、パイロットの訓練コストがいらないということでしょうね。
実機に搭乗して、訓練が必要というわけでもないので、機体消耗・整備などのコストを抑える事もできるでしょう。
(仮に)機体本体の価格が安くなるとして、それとは別に訓練コスト~運営コストがどのくらい安くなるのかは気になるところですね。
安い高いもありますが、パイロットは供給力が限られているという問題があります。
育成可能な人数も限られてますし、腕が鈍らないように、普段から訓練が欠かせません。
ウクライナ支援でF-16を供給する件でも、パイロットの育成で1年ぐらいかかってました。
それに対して、無人機は生産すればその分が、即座に戦力になります。
もちろん支援部隊は必要ですが、有人機に比べればはるかに柔軟に対応できますよ。
ただし問題はAIと通信の性能でしょうね。
電波を出すと当然、ステルス性は犠牲になます。
実戦でどこまで自律的に動くことができるか。
妨害に強くて探知されにくい、通信手段をうまく構築できるか。
仰る通りですね。
日本の自衛隊だと、スクランブル対応で(訓練中止により)練度が下がっているという指摘もありますから、こういった任務から代替されていくかなあと妄想しております。
TACOMを実用化出来ていれば
日本も高速無人機のトップランナーになれたのかも
惜しいことしましたねぇ・・・
TACOMは現環境での生存性が低いので中止になった=コンセプトの陳腐化だと思っており、あまり気にする必要はないと思っています。
現に日本で最も早くCCA実証機を飛ばしたのはTACOMを作ったSUBARUですよ
つい最近飛んだのですが、URLを貼ったのでぜひ見てみてください。
なぜか全然話題になっていないですよね、編隊飛行までしているのに…
正確な寸法はわかりませんが、人との大きさの比較で見てみるとCCA実証機とTACOMのサイズ感はそこそこ近いと感じており、技術は受け継がれているんじゃないかと。
無人戦闘機そのものの有用性が結構疑わしい、と個人的には思うんだよね。
真っ先に想定されるけど実際はほとんど起きない二アピアとの航空戦
を除けば、無人戦闘機にはほとんど役割がないと思う。
ちょっとした爆撃なんて有人戦闘機でいくらでも出来るし、監視だって
MQ-9なんかで十分。
つまり無人戦闘機を開発する理由は二アピアとの空対空戦闘にしかないと
言って良いと思うんだが、本当に役に立つのかな?
有人戦闘機の前方に展開し、対空ミサイルキャリアーに徹するなら
それはクソでかいAAMと何が違うの?って話になるし
センサーもステルスも武装もあるってなったら、それはもう無人ってだけの本物の戦闘機になる。
でもそんな高価値ユニットを本当に無人にしていいのか?
人的損失を防げるって言っても二アピアとの航空戦でパイロットの損失を
絶対に避ければければいけないとは思えない。
今まで通り戦闘機は有人高価値ユニットで良くないかと個人的には思うのだが。
似たような疑問は抱いていますが、現状だとわからんですね
あるかどうかは置いておいて実際に戦場で役に立つ・立たないが判定されるようになるまでは全部机上の空論でしかないですから
ひょっとしたらCCA開発やってる間にAIが激しく進化して「全部無人機でいいじゃん」になるかもしれませんしね
CCAに関してはXQ-58 バルキリーが典型的なんですが、当面搭載する兵器がJDAMやGBU-39といった誘導爆弾なんですよ
無人戦闘機と言っていますが、実態はアーセナルシップの航空機版〜編隊を率いる有人戦闘機に積みきれない兵器を供給する航空機ではないかと思います。
今後の発展として、有人戦闘機はレーダーをオフにして代わりに索敵したりする任務が考えられますね。
「CCAにしかできないこと」なんて要らないでしょ。
有人高価値ユニットでやってたことをいくつか肩代わりできればそれで十分。
「デカくて滞空できて使わなかったら帰還するAAM」はそれだけでAAMとは全く違う役に立ちますし。
アンドゥリルが日本支社を設立したそうですが、少しでも日本の無人機開発が加速しますように
あれ?一枚目の写真、これガンダム世界のトリアーエズじゃね?
連邦プレイだと、それを最初に上手く運用できないと戦争になりませんな。
久しぶりの記入です。
よその記事で、長射程AAM類似の無人機について、興味深く思える記事がありました。
カナダのUVAD Technologies社が、ターゲットドローンを基にした無人機を開発するそうです。
”ファルコン”という名称だそうです。
当該記事の部分を切り抜きすると、
”ファルコンの能力は非常に興味深いようです。離陸重量450kgで、マッハ1.6
(低高度でマッハ1.3まで)まで加速し、最大30分間空中にとどまり、
最大10kmの高度まで上昇し、最大50kgのペイロードを運ぶことができます。”とあります。
“パラシュート着陸による再利用性を確保しながら”ともあります。
50kgのミサイルを運んで発射できるのかと、素人は想像します。
誘導方法は、現在の長射程ミサイルのそれと同じかな、とも想像します。
つまり、目標を捕捉できている前提で、中間/司令誘導、最終/ミサイルのシーカーで。
現在のAAMで重量が近いものは、AIM-9Xが発射重量が85.3kg、
古いものなら、AIM-4G(ファルコン)の66kgなどがありますね。