Washington Postは23日「ポクロウシクから避難民の中には東部を犠牲にしてまでロシアを攻撃する必要性が理解できないと述べる者もいる」「同地域で戦うウクライナ軍指揮官も物凄い勢いで敵が攻めてきている、ロシア軍の攻撃は肉の波で本当に気が狂いそうだと述べた」と報じた。
参考:Last chance to escape: Ukrainians flee Pokrovsk as Russians advance
アピールされるクルスクでの戦果とは裏腹にゼレンスキー大統領は決断を迫られているのだろう
Economistは22日「ウクライナはクルスク侵攻によってポクロウシク方面の圧力緩和を期待していたがロシア軍の前進スピードは寧ろ加速している」「ウクライナ人兵士らもロシア人は餌に食いつかなかったと不満を漏らしている」「ポクロウシクが粉砕されるのは時間の問題かもしれない」と、Washington Postも「ドネツク州ポクロウシク方面で領土を毎日失う中、これほど多くの部隊や武器を自国領の防衛ではなくロシア領奪取に費やすのはなぜなのかという声が登場した」と報じていた。
Washington Postは23日「ウクライナ軍がロシア軍の攻撃を食い止めるのに苦戦する中、民間人は前線から十分な距離があると考えられていたポクロウシクから逃げ出している」と報じ、ポクロウシク周辺の厳しい状況を伝えている。
“ドネツク州西部のポクロウシクは物流拠点で、これまでは前線から十分離れていたため比較的安全だと考えられていたが、ロシア軍は急速に前進して市中心部から約8マイルの距離まで迫っており、都市の大部分は大砲やFPVドローンの射程圏内にある。ウクライナ軍がクルスクで攻撃を仕掛けている最中でもロシア軍の前進は止まらず、避難を余儀なくされた住民の中には「特に東部地域は切実に支援を必要としているのに、部隊を移動させてまでロシアを攻撃する必要性が理解できない」と述べる者がいた”
“この地域で戦う部隊も「クルスク侵攻によってロシア軍の矛先が反れると期待していたが東部地域での戦闘は激しさが増すばかりだ」と、ポクロウシク周辺の前線を守る第68独立猟兵旅団のルスラン副司令官も「2022年秋に動員されて以来、これほど激しい戦闘は記憶ない」「この1週間だけでも部隊は6マイルほど後退を余儀なくされた」「もう故郷のノヴォホロディフカは戦いの最前線だ」「ロシア軍の攻撃は本当に肉の波で気が狂いそうだ」と述べ、同旅団は敵陣地を攻撃する人員も装備もないため「街郊外で防衛戦のみを行っている」と明かした”
“ルスラン副司令官は今後の見通しについて「占領されたくないがバフムートやアウディーイウカと同じように長い戦いになるかもしれない。ロシア軍がクルスクに部隊を移動させれば状況が楽になり、もっと長くポクロウシクを守ることが出来るかもしれないが、現在のロシア軍は物凄い勢いで攻めてきている。そのため誰にも先のことは分からない」と、第151機械化旅団の若い兵士も「数週間以内に市内で市街戦が起こるだろう」「郊外での戦闘も激化しているため旅団の陣地に車輌で向かうのは一方通行になっている」と述べた”
クルスク侵攻のための戦力は「東部戦線から引き抜いた部隊」と「余裕のない予備戦力から割いた部隊」で構成され、ドネツク州の最前線で戦う兵士らも「多くの弾薬がクルスク侵攻に費やされた」と述べて弾薬不足を心配しており、もはや「ウクライナ東部を守るためのリソースでクルスク侵攻を実行した」という事実を誰もが知っている。
東部戦線で戦う兵士らは「クルスク侵攻が戦力転用を引き起こして攻勢が鈍る」と期待が裏切られたと感じており、どれだけクルスクで領土を獲得してもポクロウシクやトレツクを失えば「不満の矛先」がゼレンスキー大統領やシルスキー総司令官に向うかもしれない。
Washington Postは22日の記事の中で「ゼレンスキー大統領はロシアがポクロウシク方面からの戦力移動を拒否する中、将来の和平交渉で切り札となるロシア領奪取計画を堅持するか、国内の主要都市を守るためクルスクから撤退するかの選択を迫られている」「プーチン大統領は今のところ停戦協議を検討しないと表明しているため占領地を活用できるのは当分先のことになるだろう」と指摘しており、アピールされるクルスクでの戦果とは裏腹にゼレンスキー大統領は決断を迫られているのだろう。
関連記事:ゼレンスキー大統領のジレンマ、ロシア領の獲得か自国領の防衛強化か
関連記事:ロシア人は餌に食いつかなかった、逆にポクロウシク方面の戦力を増強
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関連記事:現地メディアによるクルスク侵攻の見通し、縦ではなく横への前進が理想的
関連記事:クルスク侵攻のリスクは東部戦線の状況悪化、リターンは交渉材料の獲得
※アイキャッチ画像の出典:Покровськ Online / Покровська МВА
東部戦線は捨ててると思っている。
口には出せないだけで。
「最悪、ドネツク州境までは陥落しても領土交換で取り戻せる」ぐらいの考えなんじゃないかなとは思いますね
あまりにも戦力を引き抜きすぎに見えますので
そも、クルスク攻勢で何時までにどれぐらいの成果を上げるつもりだったんでしょう?
もしかしたら電撃的に目的を達成して、早期に精鋭を元の戦線に戻すつもりだったのかもしれませんが、現状を見る限りではすぐに戻せる状況ではないですし、維持にも兵力が必要ですものね
フルサクセス: スジャ占領
ミニマムサクセス: 戦力誘引、セイム川の橋の破壊、捕虜拘束
エクストラサクセス: クルスク原発占領、クルスク市占領
ぐらいじゃね?
クルスク侵攻の方は、航空優勢がないのなら原発やクルスク市には到達できないと思うのです。
また国境付近の占領地の維持も長期的には難しいかもしれません。ということは、クルスク侵攻は、政治的アピールのためということになるのでしょうか。まだ2週間なので今後の推移に注目したいです。
とにかく東部が主戦場でしようね。ポクロウシク方面からの避難民の記事ですが、戦場が近づいてくる逆に逃げるのは当然ですし、西側からの援助物資もあると思います。
残る住民は、現時点では自分は親ロシアだとは口に出せないと思いますが、このポクロウシクあたりの親ロシアのロシア系住民の割合がどうなのか分かりません。しかし、残ればロシアの砲爆撃の被害に遭う確率が多いとは思います。
セベロドネツクやリシチャンシクは故郷を解放したい東部の民兵の活躍と損害が大きかったです。同じく、アウディーイウカ攻略も旧民兵の部隊の士気の高さがキーになりました。例えば、旧ドネツク民兵の第114旅団がボタ山を占領し、その後に大きな損害を受けても、アウディーイウカの中央突破をして、南の市街と北の工場地帯を分断しましたからね。
この旧民兵の士気もポクロウシクあたりでは、どうなのか分かりません。
しかし、それよりもウクライナが軍の方が弱体化しているのではないか。つまり増援や砲弾などの供給もわりに少なくなっているのかもしれません。
ロシア自称併合州の内東部2州は絶対にロシアが領土を譲らないのが確定だろうからもう捨てて州境までは時間稼げれば良しで、終戦交渉するにしても下手にウクライナも東部2州を譲歩出来ないだろうからロシアが東部2州占拠してくれてた方が話が早く、東部2州は全域ロシアに割譲でクリミアもロシア、ヘルソン、ザポリージャは現状位置で、クルスク占拠地域とハルキウのロシア占拠地域交換で領土の話は終わらせ他の項目を詰めたい感じなのかとも思ったけど、まあ上記で終戦するならそもそも論になってしまうのとロシア側がその程度の条件ではもはや終戦する気ないか。
将来的に東部2州完全ロシア占拠とクルスクからウクライナ軍駆逐したらロシアも終戦交渉を条件によっては検討するかも位の状況なのかなと思うけど相当厳しい終戦条件になるだろうなというのは想像出来る。
私もクルスク侵攻は、ウクライナにとっては停戦条件を悪くする結果になると予測しています。
侵攻してまだ2週間と少しですから、今後、思いがけないことがあるかもしれませんが。
領土は捨てれるけど、兵力や兵士を捨てるのは不味い。クルスクに投入している戦力と東部では、東部の方が遥かに大きい。
下手に引き抜いたからランチェスター法則が、ロシア側に優位に傾いてしまった。
ポクロウシク方面は、かなり酷い吐出部なので、ウクライナ軍が殲滅出来れば最高だけど。現状だと、広範囲で悪影響が出かねない。
個人的には是非、ドニプロまで進んで頂きたい。
クルスク攻めしているのはストライカー装甲車主力みたいだから、砲撃とウクライナやロシアの地雷原地域での戦闘にまわしても役にたたなかったでしょうし防衛陣地が薄いみたいだから、後方に撤退するしかないでしょ。
ストライカー装甲車は、軽装機動戦力想定だから、地雷や砲撃や携帯武器もちの歩兵戦力には弱いからな。機動戦力いかしての短時間の歩兵戦力の優位で戦果あげるための車両ですからね。
短期的な勝利に固執した結果、自らの首を絞めているように見えるなぁ。ゼレンスキーの支持率が下がったら、それこそロシアの思う壺なのに
全く関係ない話なのだけど、トルコとロシアがシリアで合同パトロールしてたのは政治的に大丈夫なのか…
ロブ・リー氏によれば2023年9月以降では初めてなものの、それ以前からこの活動は続けられていたらしいですね。 まあこのタイミングで再開したことに何かしらの意味があるのかもしれませんが…。
今更では?
シリアにおいてはクルド人の問題を除いてロシア、トルコ、イランの利害関係は一致していて爪弾きになってるのはむしろアメリカの方
パレスチナ戦争においてもトルコはイスラエルとの交易を全面的に停止し、レバノンを攻撃した際の武力制裁を示唆する等他の中東諸国より踏み込んだ制裁と発言をしてる
イラクの統治に失敗し、アフガニスタンから逃げ帰り、シリアでの革命は失敗し、地域の同盟国の信用をなくすアメリカの戦略的失敗の好例やね
現場からすれば一人でも多くの兵が欲しいのはわかるけど、果たしてクルスク侵攻の人員を割り振ったところでロシア止められるの?
クルスク侵攻の兵力は2万人、対する東部戦線のロシア兵は20万人以上…
どのみちダラダラ攻勢を受け続けるなら博打でも負けても短期で決着がつく戦略を取ったほうが国力へのダメージは少ないのでは
クルスク侵攻直前にゼレンスキーがインタビューで、ロシア軍が前線で前進を続けている理由として、交代用の14個の旅団の装備が整っていないこと、ロシア軍が兵士の命を軽視した進軍を行っていること、ロシア領内の軍事施設に対する西側武器を使った攻撃の許可がないことを挙げている。
14個の旅団の内、3個だけ装備が整っている場合、あなた方なら、どうやって(敵の進軍を)止められると思うか?」と発言した。
ウクルインフォルム通信
01.08.2024 15:47
ゼレンシキー宇大統領、ロシア軍が前進している「3つの理由」に言及
クルスク侵攻でアピールして、足りない装備をもらうことを考えているんじゃないかな。
>ロシア領内の軍事施設に対する西側武器を使った攻撃の許可がないことを挙げている。
最近はこれが本丸という見方が増えてきてるね
数日前のテレビで小泉悠さんは「アメリカはロシアから相当強い禁止リストを渡されているのでは」と言ってたけど、このリアクションの遅さはさもあらんみたいな感じ
クルスク侵攻の評価がとても難しいのは、敵地に侵攻するためには、ロジスティクスを構築する必要もあることだなと。
軍隊は、敵地でもロジスティクスを完結するように、持つ必要があるからです。
攻勢は、防錆よりも弾薬・装備をより多く消費する必要があるという点も、一般的なものとして念頭に入れる必要があるかなと。
東部防衛に与える影響を考えれば、弾薬の配当が減っているという話しもあり、非常に難しい判断だなと考えてしまいます…
>短期で決着がつく戦略を取ったほうが国力へのダメージは少ないのでは
クルスクの過疎の農村地帯占領したとて短期で決着がつくようなダメージをロシアに与えることはできない。
逆にポクロウシクを失うことは周囲50キロ位までロシアが進出可能となる兵站拠点になる。
目的の一つはプーチンの権威を傷つけることにあるでは。
ポクロウシクはウクライナの継戦能力に不可欠な都市というわけではないので、そういう意味ではクルスクと変わらない。
地図を見てスジャとポクロウシクが軍事戦略上同じ価値だと思いますか?
継戦能力に対する貢献度の話しかしていないので。
ある意味、スジャの方がガス輸出の要なので重要かもしれないね。ウクライナ側も西側の反発をおそれ、破壊はしないだろうが。
仕事で無能な人か、机上の空論の典型ですね。
法人活動は実際は多くの事柄が絡み合いながら進むのに、「総務の話しかしていない」とか言って責任逃れが染み付いている人間は多いですから。
また、コメント欄が封鎖されそうなので自粛しました。
ウクライナの議会や報道を見ている限りでは、スジャ経由のガス輸送協定を更新せずに今年で終了させようという意見がクルスク攻撃前からの主流でした。
協定更新に関する報道が増えてくる頃には、スジャの政治的な重要度に対する人々の意見も多少は変わっていそうですね。
いや、スジャとポクロウシクの軍事的価値を単純に比べるのは違うやろ。今ウクライナは東部前線を捨てて縦深防御に移るって戦略やから。東部を守るだけじゃどうにもならんから、分散させて時間を稼ぐ戦術にシフトしてるんやで。全体的な戦略の一部やからスジャとポクロウシクだけで判断するのはナンセンスやわ。
戦力劣勢な守勢側が戦力分散させて時間を稼ぐとか各個撃破されるだけの愚作にも程があるだろ
戦力全体の差が局地戦に反映されるとは限りません。限られた資源や地形の影響で、局地的には優位に立てる場合があります。例えば日本の小選挙区制度やアメリカ大統領選でのスイングステートのように、少数の重要エリアでの勝利が全体に大きな影響を与えるケースです。
また現時点で各個撃破された事実がない場合、それは慎重に計画された分散戦略が有効に機能している証拠とも言えるでしょう。
プーチンの権威を傷つけたところで嫌がらせ程度にしかならないのでは_
そうかもしれないし、そうでないかもしれない。
現時点ではなんともいえないな。
プーチンは今回のクルスク侵攻に対して、「侵攻」という言葉を使いたくないらしく、「挑発」と呼んでいる。
3つの理由でロシアは兵員の命を軽んじてる風なことを言っているんだけど、
人海戦術だのそういう事言えば許される風潮はなんなんだろうね
いつもこの言い訳を聞くけど、守勢でも損害交換レートが悪いから博打攻勢にでてるはずなのよ
守勢でそんなに良い結果出してるなら、待ちに徹して相手が疲弊したところに浸透するだけでいい
それが出来ずに別戦線の攻勢に頼るという事は防衛戦の現状を察するしかない
待ちに徹して相手が疲弊したところを浸透すればいい、といってもトランプは聞かないという話だと思う。クルスク侵攻は軍事的な話は脇で、一番の目的はアメリカ大統領選対策だと思う。
実際、トランプと電話会談したあとでしょ。ゼレンスキーが悲観的なこといいだしたの。
トランプはロシアとの関係回復を宣言してるし、ウクライナへの発言力が増した背景には、当選後にイーロン・マスクを閣僚に登用することを宣言して二人で約束したこともあると思う。イーロン・マスクのStarlinkにウクライナ軍のほぼ全ての通信が依存してるから、Starlinkを遮断すればウクライナ軍は瓦解する。トランプはイーロン・マスクに接近することでウクライナを脅迫できる!
最近、トランプもウクライナの戦争は1日で終わらせるという話も言わなくなったみたいだし、クルスク侵攻の効果があったのかもしれないね。
それ以前に、バイデンとの討論会の直後はトランプ勝利確定で、ゼレンスキー涙目だったのが、最近、トランプ負けるんじゃね?って感じだし。
まあ、まだまだ大統領線はどうなるかわからないけど。
トランプは殴られたら殴り返すヤツが好きなんだと思う。メンツが潰されたのはバイデンだしトランプは面白がってるんじゃ?
単にウクライナの戦争を1日で終わらせるというのが大風呂敷だから言わなくなっただけかと。仮にトランプが勝って大統領に就任しても途端に戦争が1日で終わるなんて事は現実的にほぼあり得ない訳で。
国力維持なら停戦が先では?
停戦だと支援が減るので、見かけの国力下がったと言えるかもしれませんが
現実問題、国家経済が破綻してて、公務員給与も他国の金でしか払えないから、停戦と同時にウクライナが破綻するのでは?
実際、どうするんでしょうねぇ。港と鉱山地帯が残っていれば多少は首の皮が繋がるんですが。
腐敗にオルガリヒにと平時になっても問題ですし。
クルスク侵攻への戦略評価が微妙なのは、モスクワ攻撃が無人機により現状でも行えており、ミサイル700km程度でも既に射程範囲だからです(ATACMS300kmは現実的ではないなと…)。
ロシア(プーチン大統領)に対して、クルスク市近郊に到達・クルスク原発占領のような重要目標であれば、政治的な圧力は大きかったとは思います(ウクライナですがハリコフがそうでした)。
ウクライナ戦争が非常に難しいのは、ウクライナ=ロシアがソ連の中心構成国であり、文化的な親和性があることです。
ウクライナ東部は、特にロシア系住民=ロシア語話者が多いため、(ウクライナ語もロシア語に近いですが)士気が低下すれば投降するリスク・占領統治が容易になる事だと感じます。
ウクライナ戦争の戦訓ですが、歩兵が塹壕・市街地に入り携行火器・ドローンの支援があれば、(ロシアのクルスク防衛も)被害はでるものの時間を稼ぐ事を想定する必要がある事です(地雷があれば理想ですが…)。
クルスク攻勢の奇襲効果が低下しているため、ウクライナが当初の想定・プランBとしてどういった対応をとるのか注目したいと思います。
ドローンパイロットを塹壕に放り込んでいる辺り末期的な状況ですよねコレ
ドローンパイロットを塹壕に放り込んでいる辺り末期的な状況ですよねコレ
ドネツク方面の兵士たちからすれば見捨てられたと感じてもおかしくないですからね。
作戦の目的を秘密にするのも必要なことだとは思いますが、こういう不満が上がってくる前に説明すべきだったと感じます。
ウクライナの現状は厳しいけど、今取ってる戦略にはちゃんと意味があると思う。ポクロウシクが落ちそうなのは、西側の支援が滞ってるのが大きな原因だよね。でも、もしクルスク侵攻のリソースをポクロウシク防衛に回しても、一時しのぎにしかならない。クルスク侵攻は、劣勢の中でもロシア軍を引き離し、戦況を打開しようとする賢明な判断だと思う。ウクライナは、この厳しい状況でも前に進もうとしてる。
>ポクロウシクが落ちそうなのは、西側の支援が滞ってるのが大きな原因だよね
むしろ支援が再開された5月以降のほうがロシア軍の速度が劇的に上がってるのだが…
それはタイムテーブルを見ると分かる通り、「届いた西側支援を東部の戦線の補強ではなくクルスク攻撃準備に回したから」ですね。
なので、クルスク侵攻が失敗するのは2重3重の意味でマズイのです。支えられたはずの戦線を台無しにした上に、肝心のクルスクで成果無し、しかも送り込んだ貴重な西側兵器が釘付けになって戻せない、となると。もはや戦略として過去例を見ない大失敗となります。
ついでに言うと、インフラ防衛のためと言って急遽送ってもらった防空ミサイルもこの侵攻に使ってしまっており、やはり戻せなくなっています。
このまま冬になったら文字通り目も当てられませんよ。
覆水盆に返らずというやつです
負けが込んできて、一発逆転を狙って大穴に突っ込んでも、たいていはすべてを失います
そのとき、やらなきゃよかった、あそこで損切りしておけばよかったと思うものですが、時間は戻りません
支援が再開しても前線に来るまでは数か月かかるって言ってたような。
西側兵器のウクライナへの供給に関しては、同氏は、現在それは数か月前よりも迅速に行われているとしつつ、「しかし、ウクライナのニーズは非常に高いため、私たちにとっては、供給が再開されたことは戦略的に重要だったが、しかし、量の問題はある」と発言した。
ウクルインフォルム通信
24.06.2024 10:19
あと少なくとも1か月は前線の状況は困難=ウクライナ情報機関トップ
支援が再開したのは4月だから、もう4ヶ月も前ですよ。
数か月っていったら、4か月かかってもおかしくないと思う。
それは支援の停滞というより供給能力の問題だね
6月の記事で再開された支援物資がどんどん届いておかげで対露砲撃量で1/10から1/3まで改善されたって話が出てる
新しく供与される重装備とかならともかく既にウクライナが運用してる兵器や弾薬は4ヶ月もかからないよ
ロシア領内侵攻には西側装備もかなり投入されているし、この記事にもある通りクルスクには大量の弾薬が送られているとあるので滞っているのはそこまで大きな問題ではないと思うんだけどね(訓練リソースの問題もあるし)。やはり最大の問題は人員不足なので復員を反故にしたり、限られた兵員を更に分散させる状況を作った上層部の責任は大きいと思う。
クルスクでロシア軍は前線の遥か後方で陣地を作り出して笑われてたけど、最悪の場合に備えて先手を打ってるんだよな。兵員は数日あれば1000キロ先でも移動できるが、しっかりした陣地を作るのは数週間かかるだろうし、砲弾が落ちてくるようになればさらに困難になる。
ウクライナはポクロウシク陥落に備えて後方で陣地を作ってるのかって話。
武器支援の問題だけでなくやるべきことをしてこなかったツケが回ってきてる。
気合い入れて陣地作っても滑空爆弾でやられるので、やられても惜しくない陣地しか作る気なさそう。
ウクライナ軍(クルスク侵攻部隊)の能力を、ロシア軍は高く評価していたと、自分も仰る点について感じています。
(~0:40)クルスク原発の南8km、クルスク侵攻から数日で、かなり後方に塹壕線を設置していたわけです。
ロシアの防衛ドクトリン・戦術の一環かもしれませんが、クルスク侵攻当初から、ウクライナがかなりの突破する事をも想定していた事が分かります。
原発防衛を最優先の1つとして行っているのは、陣地構築の防衛戦術として注目点に感じますね。
(2024/08/15 ウクライナが越境攻撃で前進、ロシアは塹壕を設置 衛星画像や動画でわかること BBC Youtube)
今まさにウクライナもポクロウシク陥落に備えて塹壕構築ができる状況では?その頃にはF16が投入されてロシアの滑空爆弾に対する防御も強化されてるだろうし好戦的な博打に出たウクライナも先々の展開を考えているかと。まだ慌てる時間じゃない。
ロシアは特別軍事作戦じゃなくて国内防衛なら無制限で徴兵部隊使えるのに戦力誘引なんて戦略目標は最初から成り立たない……
防衛だけならウクライナがやってるように塹壕に徴兵部隊放り込んでおくだけでいいわけだし
それでもロシアが一部部隊をクルスクに送り込んでるのは反攻かけるためでしょう
ロシア軍を引き離し戦況を打開出来るかもと思ってクルスクに侵攻したけど、彼らが期待した通りにはならなかったという話ですね。
・当初はロシア兵にウクライナ人民間人が毅然とした態度で立ち向かったり、あるいはロシア人兵士の士気の低さや後悔をアピール。(戦争がすぐ終わるかも?ロシアが諦めるかも?)
・ロシアへの反撃をアピール。(ロシアに負けない、勝てるかも?)
・ロシアとのキルレシオでの優位性をアピール(このままいけばロシアが諦めるかも?)
・ロシアとの互いの領土獲得面積での優位性をアピール(このままいけば…先にウクライナの元の領土がなくなるやん)
今回は流石に国民が期待できる戦果とは言えないのでは。
ロシアは何もかもが大きすぎる。
「停戦しない限りロシア全土の重要拠点への攻撃をやめない!(だから停戦した方がいいぞ)」、くらいの宣言ならともかく、
国民の士気や支持を得ての継戦目的なら失敗にしかならない。
西側を本格的に巻き込もうとしているが、NATOで戦力にならずEUでは財政的にも腐敗的にもなんら貢献できない以上、
これ以上の支援獲得は無理だろう。
ウクライナはインド、中国、ローマ法王、なんでも使って傷を最小限にしつつ、これまで得てきた利権(パイプラインやロシアからの格安ガス供給)を維持する方に動くしかないと遠くの平和な国の国民んとしては思う。
美味しいところだけロシアから吸ってたことはロシア人も西側もよく知ってる。
ウクライナは、お友達価格で天然ガス交渉・踏み倒しをして、国益として仰る通りロシアを上手く利用してきたと思います。
日本は、LNG市場を構築・LNG生産国に真面目に投資を続け・長期契約を受入・出資などのリスク負担。
日本は上記に加えて、真面目に支払い続けているのに、値上がりも受け入れているわけですからね…。
1994年 3.18ドル/100万BTU
2022年18.43ドル/100万BTU
2024年12.78ドル/100万BTU
(ロシア・ウクライナガス紛争 wiki)
(天然ガス(日本)価格の推移(年次) 世界経済のネタ帳)
ウクライナがクルスクを押さえ続けることで、ロシアのウクライナへの兵站が細ることになり、ロシア軍が大軍であるが故にボディブローのように効果を発揮してくることが期待できると思う。そろそろ泥濘期も近いので、ウクライナ東部でじりじり後退しつつ時間を稼いで泥濘期に一旦攻勢が停止、停止してる間もロシア軍はクルスク経由の兵站が細ってるので困窮していく、と。
ウクライナにとって、今考えられるベストシナリオはこんなとこだと思う。ロシア国内の空軍基地を叩いてその力を削ぎ、クルスクでHIMARSが自由に動いて攻撃できてる状況からして、泥濘期までにロシア軍がクルスクからウクライナ軍を追い出すのは無理な気もするので、そうあり得ないシナリオでもないかな、と。
主戦線が東部戦線なのに、「クルスク経由の兵站」が細ることに価値があるとは思えません。
他の戦線と距離がありすぎて、ボルチャンスクで戦っている部隊の兵站にすら影響がない。
そも「クルスク経由の兵站」を削るなら、あと40kmは攻め込んでクルスク州の中心部まで制圧しないと意味がない。
「クルスクの境界部に攻め入ること」と「クルスク全域の制圧」は同義とはならない。
恐らくベルゴロド~ハルキウ方面への輸送についてのご指摘だと思いますが、兵站を細らせる・妨害するには州都クルスクから南に伸びているE-105道路を砲撃範囲内に収める必要があります (HIMARSだと絶対数が足りないので自走砲とかの砲撃範囲)
スジャ南東のギリィからE-105までが30kmちょっとなので、まずギリィを制圧してそこから15kmほど前進する必要があります
これだけだと1/3~半分ぐらいの遮断効果で、ヴォロネジ~ベルゴロド間の鉄道路まで妨害できて完璧という所です
そこまで到達できるかがちょっと疑問ですが、ウクライナ軍の方針として考えてはいるかもしれません
通りすがりさん、理想はこの翼では届かないさん、ありがとうございます。
日本の守りとなっている海と同様、距離というのは厳しい守り足りえるということですね。
ちょっと距離感を雑に認識してました。確かにそれだけ距離が離れていると、HIMARSで少し叩いた程度だとすぐ復旧してしまうから、自走砲の射程圏内にできれば捉えたいところですけど、あまりに遠過ぎて、現在の戦力では手が届かないでしょう。残念。
クルスク侵攻の戦力を防衛に回すべきって意見は多いし真っ当な考えだと思いますが重要拠点の防衛に兵力を送り込んでもロシア軍の火力と物量にすり潰され結局数ヶ月後には陥落し貴重な戦力を失うって流れはこの戦争で何度も見た光景ですよね
その過程でいくらロシア軍の戦力を削り死体の山を築こうがロシアの意志を挫く事が出来ないのも明らか
政治家に難しい決断ですが手持ちの戦力で同じ事の繰り返しになるくらいならロシアの領土を削って交渉のカードを手にするって判断も悪くないのでは
それって、将棋で言えば詰みの状態では?
相手のミスを期待して投了していない状態だ。
プーチンの寿命まで投了しないという手がある。
その後は後継者と交渉。
プーチンの後継候補に穏健派っていたのかな?
前線全体で見ればまだまだ詰みには程遠い状況だよ。これだけの国力差がありながらもウクライナはしっかり耐え続けている。ロシアの経済はインフレ率の高さからもわかるように不安定で、長期的な戦争継続には限界がある。経済不安がロシアの戦争遂行能力に影響を与える可能性も考慮すれば、ウクライナにはまだチャンスが残されているんじゃないかな。
>前線全体で見ればまだまだ詰みには程遠い状況だよ。
ウクライナ東部の住民が言うならともかく、G7の人間が安全圏から言うと凄く無責任で残酷な言葉に聞こえる。
責任をとって、日本もウクライナに武器援助すべきだよな。
ポクロウシクをバフムートみたいに無理に守ろうとすると、結局大量の犠牲を払った挙句に失敗するパターンになるよね。ロシアの物量に対抗し続けるのは厳しいし、同じことを繰り返すよりクルスク侵攻でロシア領を削って交渉の材料を得る方が賢い戦略だと思う。シルスキーがゼレンスキーの過大な要求を調整したって話もあるし、このアプローチでロシアにプレッシャーをかける方がいいんじゃない?
前半は仰るとおりだと思います。
負けてる戦線を補強して単に敗北を引き延ばすよりは、かき集めた予備戦力で戦争終結に向けた一大決戦を行うのは合理的選択ではありますね。問題は、成功した時は良いとして、失敗した時にちゃんと幕引きを図れるかです。同じように行った比島決戦の場合、決戦に敗れた場合の対応が用意されておらず、そこで終戦へ移行出来なかったのが問題だったと思います。
今回のクルスク戦、情報秘匿を徹底して奇襲を成功させ、最大8個旅団?の兵力で梯団を組み、OMGも展開して見事なソ連流縦深作戦を開始しましたが、何らかの戦略目標に到達すること無く止められてしまったのが現状と思います。正直、今の進出状況ですと装甲部隊の自然損耗すら考えなくて良い突破距離ですよね。失敗は明らかだと思いますので、政治的に幕引きを図るか、速やかに作戦中止して戦力保全のどちらかと思うのですが。
ポクロウシクを守るのを放棄しても別にいいと思います。
ただその場合はチャシブヤールなども陥落するリスクは跳ね上がります。実際ポクロウシクを取った後でチャシブヤールを攻める方がずっと攻略は簡単でしょう。
その他のポクロウシクより東部の地域の戦線は多かれ少なかれポクロウシクからの補給に頼ってる所が多いのですからその他も怪しくなります。
ですが、ゼレンスキー政権が東部自体別にいらないと思っているのならクルスク全力で間違いは無いと思います。確かにもうウクライナ軍には東部全体を守るのは負担なだけかも知れません。
この場合ロシアはキーヴ以西はかなりどうでもいいと思ってるでしょうから、期せずして両者がwin-winとなりますね。
そもそもポクロウシクを決着つけてからクルスク奪還に力を入れてもいいのです。あちらの方は原発とクルスク州都だけはしっかり守るとして。
ロシア軍の動きから見るとそのような意図に見えます。
>ポクロウシクを守るのを放棄しても別にいいと思います。
沖縄を守るのを放棄しても別にいい。
台湾を守るのを放棄しても別にいい。
というような形で、10数年後に中国と日本とアメリカの関係で似たような言葉が出そうで怖い。
その場合、二度も日本から見捨てられた琉球は、日本国の一部であることを選ぶのだろうか。
またアメリカが占領するんじゃね?
那覇の立ち飲み屋のJDでもまた沖縄決戦になるんだったら中国の属国化のほうが良くね?って言ってたぞ。沖縄県民はZ世代でも政府不信は根強いんだなあと思ったわ。
その彼女たちはこれから頑張って中国語を覚えてクレメンス
GHQ統治下の我が国や復帰前の沖縄では英語が達者な方が重宝されたようですし
我が国に中国が攻めてくるというなら庶民は銃と手榴弾の使い方より中国語の勉強でもした方がいいでしょうね。
コメント欄再開ありがとうございます。
既に誰もゼレンスキーラインの存在に言及していませんが
E-50線のムイコラフカの西、ノヴォホロディフカの東あたりにピシッと通った防衛線のラインがあったように記憶してるんですが、別の物だったんでしょうか?
それはおそらく送電線の鉄塔ですよ
ちなみに仮に防御陣地とした場合、この配置では第二線を欠いているために火力を集中できず脆弱です
例えばスロヴィキンラインでは南ドネツク戦線のリヴノピリ近郊などでトレフォイル陣地が採用されており、その幾何学的な配置が見て取れますので参考にどうぞ
ウクライナ軍によるクルスク越境攻撃継続か東部の防衛を優先かの前に、ウクライナ軍の反転攻勢失敗からの米国議会での武器供与の停滞、ロシア軍逆襲でアウディーイカ攻略の時点でこの戦争の趨勢はあらかた決まってしまったかも。。
HIMARSなどの長距離兵器の使用制限解除でもしない限り、ウクライナに奇跡のような一手はなく消耗戦が続くと思います。
西側が消耗戦で勝てるぐらいの援助をウクライナにできればいいんだけどね。
とりあえず旧式でもF-16が3年もすれば数十機ウクライナに届くから、少しは改善するかな。
まずはそれまでウクライナが負けないように援助を続けないと。
管理人様の書かれる記事、コメントを継続的に読ませて頂いていると……
ロシア軍、ここ3年で急激に洗練されてきたな、という印象です。
正直クルスク侵攻に関しては以下のどちらかだと思う
・軍上層部が把握しておらず、突発的に起こった事案。初動の戦果を見て慌てて上層部が追認する形となったために、目標が定まっておらず停止。
・世間で言われてるよりも遥かにロシア軍の抵抗が激しく、ウクライナ軍の損耗が大きい。そのため予定より遥かに手前のラインで停止。
あるいは両方という可能性もあるけど、どのみち後先考えない悪い癖が出てるなという印象
個人的には後者かなと
今回の攻勢はゲラシモフドクトリンの影響を強く受けており、ウクライナ軍は情報空間における活動を活発に行いました
それをメディアが引用する形で支配領域の拡大を根拠として奇襲の成功と一方的な蹂躙という物語が作られていったわけですが、そもそもロシアは忖度も領土に踏み込ませないような防御戦術をとってはいませんしギリ・コレネヴォという重心の確保に成功している以上は想定を超えた事態にもなっていないでしょう