トランプ大統領は6日「米国第一主義の武器移転戦略」と名付けられた新たな大統領令に署名した。これは同盟国やパートナー国に購入を推奨する米国製武器の販売カタログを作成し、国防支出を増やした諸国の資金を米産業能力の構築に活用し、将来の武器売却において米国の優位性と利益を確保する宣言だ。
参考:ESTABLISHING AN AMERICA FIRST ARMS TRANSFER STRATEGY
参考:New ‘America First Arms Transfer Strategy’ to create a list of priority weapons to sell
販売カタログから武器購入さえすれば「本当に欲しい武器の売却交渉」で不利益を被ることはないだろう
トランプ大統領は6日「米国第一主義の武器移転戦略」と名付けられた新たな大統領令に署名し、この命令は「武器移転に関わる関係者への明確な方向性と実施方針の策定」「武器移転に指針を与える戦略の確立」「各省庁間のプロセスの合理化」で構成されているが、その中身は「武器売却において米国内の生産利益をより強く反映させ、市場に投入すべき装備品の新規リストを作成し、国防支出を増額させた諸外国への武器売却の優先順位付けを行う」というものだ。

出典:The White House
大統領令には「我々の軍事的優位性と技術的優位性を維持するため、米国第一主義の武器移転戦略を確立、導入、実行すべき時が来た」「この本戦略は諸外国による米国製兵器の購入と資本を米国の生産能力構築に活用し、将来の武器売却において米国の利益を確実に最優先させるものだ」「米国は武器売却および移転を通じて国防総省の調達・維持活動を強化する」「これには重要なサプライチェーンのレジリエンス構築や、米国及び同盟国・パートナーの即応性に影響を及ぼす優先コンポーネントおよび完成品のバックログ増加の回避が含まれる」と記述されている。
Breaking Defenseは「ヘグセス国防長官とルビオ国務長官は90日以内に『EEUM(強化されたエンドユーザーの監視)が必要な武器や能力を判断する明確な基準』を策定しなければならない。そして120日以内に同盟国やパートナー国に購入を推奨する『優先プラットフォームの販売カタログ』を起草しなければならない。そのため実施計画を担う米国軍事販売促進タスクフォース=Promoting American Military Sales Task Forceが設立される予定だ」と報じた。

出典:首相官邸
さらに「この大統領令は安全保障の負担共有を強化する中で、米国の防衛産業基盤を強化し、自軍および同盟国やパートナーを支援する能力を確実に確保するためのものだ」「自国の防衛能力への投資を強化し、米国の戦略において重要な役割や地理的条件を有する国々が『武器売却交渉において優先される』と言及している」と指摘。
これをシンプルな言葉に置き換えると「米国が要請する国防支出の引き上げに応じ、購入を推奨する販売カタログから米国製装備を購入させ、その資金で米国の生産能力を構築することで将来の武器売却における米国の利益を確保する」「米国製装備を沢山購入し、さらに米国の戦略にとって重要な国は武器売却交渉で優遇する」というもので、もっと乱暴にいえば「米国にとって重要かつ生産を強化したい装備を同盟国に買わせ、米防衛産業の利益と市場優位性を確実なものにする」という宣言である。

出典:U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Zachary Rufus
要するに「必要だから購入する」のではなく「トランプ大統領による武器の押し売りが始まる」という予告で、これに応じないと「例え、米国の戦略にとって重要な国でも『本当に欲しい武器(例えばAN/SPY-6、F-35、パトリオットなど)の売却交渉』で不利益を被るかもしれない」と示唆している。
以前にも指摘したが、米国は「防衛能力への投資強化(3.5%もしくは5.0%)の財源がどこにあるのか」「大幅に増額した資金を何に使うのか」「巨額の国防投資が持続可能なのか」という正論など求めておらず、兎に角「トランプ大統領の意向に『従うのか』『従わないのか』の政治的決断」が重要で、購入を推奨する販売カタログからの武器購入はその踏み絵だろう。

出典:Lockheed Martin
まぁ、日本は自立戦略への意思もないので米国にオールインするだろうと思われるので、販売カタログから武器購入さえすれば「本当に欲しい武器の売却交渉」で不利益を被ることはないだろう。
問題は防衛能力への投資強化が「国内産業に落ちるのではなく米防衛産業に吸い取られる」という点で、これを作り笑顔で握手できるかどうかだ。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Spencer Slocum





















まあそりゃそうでしょ
アメリカから防衛予算増やせって命令されてるのに、増やした予算ではアメリカ装備は買いません、なんて通用するわけがない
そりゃあアメリカの都合だから、本邦にはどうでもよいことです。
「なるべく国内で武器を調達して経済に還流させないと、とても5%まで防衛予算は増えません。」という正論を「欧州と足並みをそろえて」チラつかせつつ、その実、トランプ後まで見据えて条件闘争を繰り広げるだけですなあ。
高市さん3月に、アメリカ国賓待遇で訪米しますからね。
与党安定多数どころか300議席超の圧勝予想もあるわけで、選挙結果(民意)を背景にどこまで上手に交渉できるのか見守りたいと思います。
追記です。
SBG・東芝・日立製作所・三菱電機・フジクラ・TDK・村田製作所・パナソニックが、「日米間の投資に関する共同ファクトシート」に記載されたわけですが。
日本目線、アメリカからの追加武器購入をきっかけにして、さらにアメリカ市場に食い込めるのであれば悪くないディールかなあとは感じています。
米国=欧州が(イギリスでさえも)厳しい関係になってきているわけですから、日本=欧州が競合している分野はシェアをドンドン奪えたらなあと皮算用しています。
日本・韓国は国の防衛をアメリカに依存しているので購入を求められたら断れないでしょうけど、国民の反発は起きそうですね。
国民の反発は起きないと思いますよ
まあしょうがないって反応が大多数かと
直接の反発はそうかもしれませんが、もし何兆円も輸入を増やしたら確実に景気が悪化しますよ。
結果、反発せざるを得ないことになりそうですが。
しかも要らないものを買って、更にメンテナンス費用もかかったら更に酷いことに。
このアメリカの態度が世界のITAR Freeの流れを加速させてると考えると皮肉な話ですね。
日本は海上流通ルート確保を考えるとアメリカ以外の選択肢ないですからね。ITAR Freeをそこまで重要と考えてないでしょうから販売カタログの中で上手い買い物するしかないですね。
自立防衛について北海ルートが軌道に乗ればロシアとの関係改善は有ですが、なかなか良い代案は思いつかないですね。
ゴミは押し付けてこないでしょうから
下手に国産装備を揃えるよりはマシかもしれないですね
オスプレイはこちらが欲しがりましたし
アパッチはこちらの買い方に問題がありましたし
買うのはいいんだが金を払っても届かないのは何とかして欲しい
しかも待ってる間にも価格が上がる。又は届いた頃には消費期限が切れている……
日本はとりあえず、残りのF-35とトマホーク等を納品し切って欲しいな。
今ある注文を引き渡してからにしてほしいと、事実を返せばいいだけ
今自衛隊ですぐにアメリカに注文するべきものはC-130Rの代替と13DDXのレーダーと武装くらいだろう
後はF-35ブロック4とか、C-17の新品とか、かぐや姫の様な注文で困らせてしまえ
事実を返せばいいだけ、な訳も無く下手したらその
滞納分が一生届かなくなりますね。
向こうの要求に屁理屈捏ねて拒否しても余計なヘイトを買うだけですし、
そこまで買いたくないなら拒否するしかないです。
事実を突きつけて逆切れして納品拒絶する様であれば、有事の際に必要な機材、部品、弾薬が入ってこないばかりか、すでにある機材もソフトウェアキルされて動かない可能性もあるので、なおさら突き付けた方がいいな
他の人も言ってますがそんな殿様商売が通用すると思わせておく方がリスクですね
お高いんでしょ~
外国軍隊二重価格で
元記事より《米国の計画において“重要な役割や地理”を持っている国々が武器売却取引で優先されるだろう》
選択肢がどうたら、対米追従がうんたらよりも、ここが一番重要だと思う。
ちゃんと引き渡してくれるなら「人権ガー!お前なんかに売らないー!」よりかはマシかなとか思ったり。
仰る通りです。
極東(日本)は、欧州のように言葉遊びしてる余裕がないので、きっちり引き渡してくれるなら有難いものです…。
正直、兵器ぐらいならしゃーないのでは?
日本が新規で長距離攻撃兵器作ったりステルス機作ったりしたところで、
中国との戦争を考えたら色々な物が全然足りないです。
下手に断ったところで今度は経済分野でちょっかい出してくるのだから、
特別予算でも組んで攻撃ヘリとか明らかに旧式化してる奴更新しましょう。
個人的に陸自のAH-1SとかTOWしか積めないので、更新すべきと思います。
日本も生産に協力しますよ(いっちょ、技術供与&利益にかませろや)。
と、どこまでうまくやれるかですね。
おそらく、米国だけでは増産計画を達成するのは難しいでしょうから。
これ現状拗れてるヨーロッパ諸国やカナダ辺りは火に油な感じですよね、この新たな踏み絵で欧州の結束が強まるのか裏切りが出てグダグダになるのか見ものです。
いくらアメリカさんがカタログを見せてくれても、手元に証文しかない現状ではどこまで有効なのか。納入優先権付きの投資でも募った方がマシなのでは?
「米国の武器を買うとどうなる?」
「知らんのか。
…次の武器が買える」
トランプ政権下のアメリカから距離を取ろうとしてる国が二国三国しかないなら意味あるかもしれんけど大勢が距離取ってリスクヘッジしてる状況だと、売却交渉での優遇とか意味なくね?
アメリカ側も今後の売り上げは絶対的に落ちるんだからあっちは優遇こっちは冷遇する余裕もないだろ
消費税30%にして社会保障制度削って徴兵制度導入しても自立した安全保障を構築できると思えない
中国の太平洋進出を阻む防波堤をアピールしてアメリカの忠犬している方が安上がりだから仕方ない
昔、
「褒美としてオプーナを買う権利をやろう」
ってシュールなAAがありましたが、この業界じゃふつうに現実にあるのがなんとも。
日本にとってはマイナスな話ではないですね。
有事の際の補給を考えとくのが軍事なので、互換性やら共同運用能力やら物量やらで米軍装備は必須でしょう。
そればっかだと困るけど米軍装備を組み込んだ体系になってるし、押し売りリストにおそらく欲しいものはあるでしょう。
無ければ困るが備蓄系の消耗品もあるでしょうし。
滞ってる納品が優先でしょうが、個人的にはF35のカスタム(距離延長)を日本で見てみたい。
買ってやるからもっと作るんだよ早くしろ
AMRAAMやSM-6、トマホークなど、どうせ今すでに導入している兵器の追加購入でご機嫌をとっておいたら十分満足するんじゃないですかね?有事の備蓄としては悪くないですし。
B-21やヴァージニア級を買えと言ってきたらむしろホクホクかも。
ヨーロッパにとっては苛烈な無理筋の要求に見えるだろうが日韓は昔からアメリカから押し付けられていた話だよな
問題はトランプが並べるカタログの中身で、それが一番重要だわさ
防衛産業弱い時に貰った兵器がアメリカ製で、しかも金が碌に無い時代が続いたんだから使い続けるのが普通だと思うんだわさ
だから押し付けってのは当てはまらんと思うんよね
韓国は非常にユニークな立場にいる。
造船業ではアメリカの兵器。産業に食い込んでいる。
アメリカにとっては韓国は便利屋だ。
アメリカとの安全保障を必要とする多くの国にアメリカに代わって兵器の売買に忙しい。
最近では韓国は航空産業にまで乗り出している、恐らく成功するだろう。
韓国の軍事産業が拡大強化できるかがアメリカとその同盟国の安全保障に関係する時代になってきた。
兵器を作る労働者がアメリカには少なくなってきたという。
それをトランプが海外企業をアメリカに呼び込んで解決しようとしている。
われわれは未だ本当のことを知らないようだ。
日本の大手メディアは何故沈黙を守ろうとしているのだろうか?
これから日本の動向は世界ん注目を浴びるだろう。
これだけは言おう、兵器を作るのは政治家・官僚ではない。
アメリカはそれを失ったという。
日本企業が日本で作って実際の利益は日本のものでも,統計を操作してアメリカの輸出を増やしてあげますとトランプにいえば,トランプはYESと言いそう。