ロッキード・マーティンはファーンボロー国際航空ショーで「1回の飛行で50機以上のドローンを無力化できる高出力マイクロ波使用の迎撃ドローン=モーフィアス」を発表したが、レイセオンもコヨーテ Block3が高出力マイクロ波を使用する迎撃機であることを認めた。
参考:Farnborough 2026: RTX’s Raytheon Coyote C-UAS marketed internationally
参考:Anduril reveals Thunder, a ‘loyal wingman’ drone for helicopters
レイセオンもコヨーテ Block3が高出力マイクロ波を使用する迎撃機であることを初めて認めた
ロッキード・マーティンは20日に開幕したファーンボロー国際航空ショーで「パトリオット迎撃ミサイル=PAC-3 MSEの半値以下で調達できるPAC-3 ACEを開発する」と発表したが、今度は1機のドローンで50機以上のドローンを無力化することが可能な高出力マイクロ波(HPM)を搭載した対ドローンシステム=MORFIUS(モーフィアス)X-Rotorを発表した。
The MORFIUS™ X-Rotor is a portable, cost‑effective counter‑drone system that can neutralize up to 50 enemy drones in a single mission. Designed for rapid reuse and rapid deployment. pic.twitter.com/J3tvFrgkuf
— Lockheed Martin (@LockheedMartin) July 20, 2026
モーフィアスは迎撃ドローンの一種で、敵ドローンを直接破壊するのではなく電子機器・制御系統を高出力マイクロ波で焼き切ることで無力化し、しかもモーフィアスは高出力マイクロ波を1回の飛行で50回以上も照射できる上、機体も使い捨てではないため回収できれば再使用でき、ウクライナ軍で使用されている迎撃ドローンとは根本的に敵ドローンの無力化方法が異なり、レイセオンの非運動エフェクターを搭載するCoyote(コヨーテ)Block3に近い存在だ。
米陸軍が2025年度に調達を開始した拠点防衛用の対ドローン迎撃システム=FS-LIDS(Fixed Site-Low, Slow, Small Unmanned Aircraft System Integrated Defeat System)はドローン迎撃機のコヨーテ、Kuバンドレーダー、EO/IRセンサー、指揮統制システムで構成され、このコヨーテは通常の弾頭を搭載するBlock2と非運動エフェクターを搭載するBlock3が存在し、レイセオンはBlock3について「非運動エフェクターを搭載し1回の飛行で10機のドローンを無力化する」と説明しているため、非運動エフェクターの正体は高出力マイクロ波ではないかと予測されていた。

出典:Raytheon Coyote Block2
レイセオンはモーフィアスが発表されたファーンボロー国際航空ショーで「コヨーテに対する国際的な関心が高まっており、米国政府がパートナー国と協議を行っている」「Block3は高出力マイクロ波モジュールを使用して脅威を無力化するため、ドローンを衝突することなく任務を遂行でき、ネットで回収した後に再利用することが可能だ」「2機のBlock3NK(non-kinetic)は計19機のドローンを全て迎撃することに成功した」と明かし、コヨーテ Block3が高出力マイクロ波を使用する迎撃機であることを初めて認めた。
米陸軍は2025年度から5年間でCoyote Block2×6,000発、Coyote Block3×700発、固定式Coyoteランチャー×252基、移動式Coyoteランチャー×25基、固定式Kuバンドレーダー×118基、移動式Kuバンドレーダー×33基調達する予定で、米国務省が3月に緊急承認したアラブ首長国連邦向けの対外有償軍事援助にはFS-LIDSを10セット売却する可能性(推定費用21億ドル)も含まれており、コヨーテを含むFS-LIDSの海外輸出は既に始まっている。
高出力マイクロ波は電子妨害では阻止できない光ファイバー制御のFPVドローンも無力化でき、コヨーテ Block3で高出力マイクロ波によるドローン迎撃が成功しているなら、モーフィアスの実用化はそこまで実現からかけ離れたものではないのかもしれない。
ちなみに、アンドゥリル(Anduril)はファーンボロー国際航空ショーで無人攻撃ヘリ=サンダーを発表して大きな注目を集めており、同社のシェーン・アーノット氏はサンダーについて「シャイアン(MV-75)と同等の航続距離と速度、アパッチ(AH-64)と同等のペイロード容量を備えている」「サンダーはアパッチよりも高い高度を飛行できるが、主にアパッチやシャイアンなどの航空機と並んで3機から6機のサンダーで編隊飛行を行い、忠実な僚機としての役割を果たせるよう設計されている」「機首から発射される対ドローンシステムは自機だけでなく編隊全体を保護する役割を果たす」と述べた。
サンダーは防衛分野向けと商用向け(海洋エネルギー、貨物輸送、遠隔操作、人道支援・医療貨物、海上保安など)が提案されており、実物大の実証機を用いた複数の試験飛行も既に完了済み、2027年にサンダーのプロトタイプが初飛行する予定で、同社のクリス・ブローズ氏は「サンダーの開発は3年前から始まっていた」と明かしており、潜在的な主要顧客の米軍(特に米陸軍)および同盟国からの需要に応じて2029年から2030年までに量産体制に入るらしい。
アンドゥリルはサンダーの調達コストについてはコメントを控えたものの、消耗可能なシステムかどうかは「顧客の見方によって異なる」と述べた。
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※アイキャッチ画像の出典:Raytheon Coyote Block2





















『必要は発明の母』軍事的な脅威は、対抗手段の発展を促していきますね。
横須賀基地で、ドローン侵入が問題になっていましたが、日本でも是非配備したい兵器ですね。
日本はウクライナ戦の洗礼受けた北朝鮮より
ドローン戦で遅れてますよね
『実践に勝る訓練なし』これを思い出しました。
仰る点、どうしても厳しい面はありますよね…。
正直日本はドローン対策の前に開戦数日以内に飛んでくるだろう、中国からの数千発レベルのミサイルへの対策の方が重要と思うんですよね
いや、並行してやれば良いことですが
在中邦人10万人どうすんだろね
在中日系企業も工場や設備て資産は全部接収されるし
ほんとどうしますかね。
着実に進めているとは思うのですが、敵基地攻撃能力を保有した方が、抑止力になるという結論になりそうな予感がします…
対電子戦能力が皆無なドローンだけに効くのか、通常のミサイルにも効くのか気になる
ミサイルにも効くんなら、地上施設に据え置く対空砲的なエネルギー兵器も出て来るのかな?
効果範囲がkm単位で、地震への被害がないんなら個艦防空にも使えそう
完全な対策はコストがかかりすぎるから無理でしょうね。
多少なりとも対策したドローン相手には高出力で長時間電波をてる必要があるから、
迎撃可能な数が減る、射程が短くなる。
とかじゃないですかね
消費電力的に反復迎撃は無理な気がするけどな
フィールドで堕とすのは格好いい
結局は迎撃機を先行して駆除するターボファンの高速UAV機が出てきて
ステルスCCAからの滑空爆弾が火力考えると安くていいよねってなりそう
日本もマイクロ波照射式迎撃ドローンの開発進めてるけど、配備はいつになることやら
ウクライナ戦争を教訓に調達方式とか開発方式を変更したりはしてるんだけどね
ウクライナ戦の教訓は
最初の性能は戦場ですぐ陳腐化するから
どれだけ機敏に改良つづけられるか
とにかく実戦経験しない日本にはとことん不利です
技術的には50機のドローンを無力化できるマイクロ波を照射できる電力を載せられることに驚きです。
プロペラ機ですが、ターボプロップ発動機に発電機も載せているんでしょうかね。
日本の場合、特に日本海側の場合。
自爆UAVの目標は、大抵の場合海浜にあります。
原発、エネルギー施設、工業地帯、インフラ施設や都市そのものですね。
飽和攻撃された場合、迎撃にための懐(キルゾーン)が浅いと、
突破を許す可能性は高いと想像します。
以前にも書きましたが、キルゾーンの幅を確保するために、海岸線から
200海里ほどは必要と思います。約400km弱ですね。
概ねの(射程の短い)迎撃UAVで処置ができる距離ではないと思います。
防衛省は、一体何を考えているのだろう。不思議です。
着弾を許す余裕は、日本にはない、と思うのだけれど。
AIドローンもマイクロ波も結構なのだけれど、他にもっと必要では?。
探知も空自のレーダーサイトに依存するのでは全く足りないのでは?。
現在の空自のレーダーは、航空機/大型ミサイルが対象になっているだろうし。
あと、マイクロ波の加害距離はそんなに長くない、と思います。
アンテナ直前の鳥は、まあ、焼き鳥になる(笑)、と聞いたことはありますが。
BMDと同じで、もともと完全防衛など望むべくもない類のことでしょう。
電子機器を焼き切るレベルのマイクロ波ってどれくらいの距離、出力、時間が必要なのでしょうね?
今の技術だと小型高出力で長時間持つのかなぁ…
ファイバードローンも電子機器やれたら意味ないし
対策の方向としては正しいのかな?
イスラエルのSMASHとかを既存のドローンに搭載するとかではいかんのか…まぁ問題があるから実装されていないのだろうが..ニートには難しい時代です😭
カメラやアンテナなどのセンサー類は保護しようがないのでは。
EV搭載のLiDARでもスマホのカメラがやられる事故が多いと聞きます。
制御信号は電線に特定の周波数で1(電位+)と0(電位無し)が流れているようなものだから、電力を叩き込んで1で上書きし続ければ故障しなくてもまともに動作できなくなる
スタンガンで強い電流(偽神経信号)を流して筋肉を硬直させたり、目に強い光を浴びせて視力を奪うような
対象(小型・安価なUAV)の電磁的防護レベルの低さを考えても飛行物体で飛行物体とコンタクトできる時間の短さから考えても、まあせいぜい対象1機あたり数秒~1分以内しか撃たないだろうし、能力および交戦時間の不足でそれくらいしか撃てないだろう
ソーティあたり数十の目標と交戦するにしても、合計で数分~数十分以内のキャパシティじゃないかな
艦載兵装にでも採用するなら別として、数時間とかの長時間照射能力はそもそも持たせるつもりないんだろうね
サンダーの「実物大の実証機を用いた複数の試験飛行も既に完了済み」って、毎度アンドゥリルって何処でいつの間にそんな事を、秘密で出来んの?って感じ
サンダーはなる早で実用化して欲しい、本当に陸自向けだと思う