ウクライナ民主主義防衛レンドリース法は一度も使用されることなく2023年9月に失効したが、共和党のウィルソン下院議員は10日「新レンドリース法を提出する」「戦争犯罪者プーチンを抑止するためトランプ大統領に武器支援の権限を与えることが目的だ」と発表した。
参考:US Congressman proposes bill to restore lend-lease for Ukraine program
共和党議員が使用を前提にしたレンドリース法を持ち出してきたこと自体が非常に興味深い
バイデン大統領は2022年5月にウクライナ民主主義防衛レンドリース法案に署名し、世界中のメディアも「ウクライナへの軍需物資を可能にする第二次大戦のレンドリース法案を復活させた」と持て囃したが、米ディフェンスメディアは「今回の法案はLend-Leaseの名に刻まれた精神を受け継ぐためのもの」「第二次大戦を勝利に導くのに不可欠だった米産業界のパワーをロシアとの戦いに投入すると示すこと」と指摘し、西側諸国の士気向上が目的で実際に使用されることはないと予想。

出典:U.S. Air Force photo by Mauricio Campino
実際、バイデン大統領はウクライナに返済義務がない「大統領権限(PDA)経由」と「ウクライナ安全保障支援イニシアチブ(USAI)経由」で支援を行い、一度もレンドリース法を活用することはなかったが、共和党が下院の過半数を占めるとPDA・USAIへの資金補充が怪しくなり、当時の駐米ウクライナ大使も「不測の事態に備えてウクライナ・レンドリース法の延長に取り組んでいる」と言及したものの、議会が支援規模の上限を決めている状況で「象徴ではなく使用を前提にした延長」を認めるはずがなく2023年9月30日に失効した。
それでもウクライナは「武器・弾薬のリースやレンタルについて議会手続きを省略できるレンドリース法の再導入」を米議会に働きかけたものの、2024年に可決された国防権限法に「レンドリース法を復活させる条項」は盛り込まれず、このルートでのウクライナ支援は絶望視されていたが、共和党のウィルソン下院議員は10日「新レンドリース法=FREEDOM FIRST LEND-LEASE ACTを提出する。戦争犯罪者プーチンを抑止するため、トランプ大統領にウクライナ含むをパートナーへの武器支援の権限を与えることが目的だ」「米国の力でロシアを交渉テーブルに着かせよう」と表明。
Today, I will introduce the FREEDOM FIRST LEND-LEASE ACT to give President Trump flexible authorities to send war-winning weapons to our partners including Ukraine to deter War Criminal Putin as Biden should have done long ago. Bring Russia to the table through American Strength!
— Joe Wilson (@RepJoeWilson) February 10, 2025
現時点で新レンドリース法の中身も共和党内の支持も不明だが、共和党議員が使用を前提にしたレンドリース法を持ち出してきたこと自体が非常に興味深い。
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※アイキャッチ画像の出典:pixabay
こうやって自分の存在感を示すのは政治家にはありがちって感じ
それに軍事ブロガーが政治の領域へ立ち入って、肩透かしを食らうのも何度か見て来た光景
期待は出来ませんな
紙ストロー廃止の大統領令とかすげえ存在感ですよねw
そもそもストロー自体が要らないと思うんですけどね
要はそんなんでもネタになってしまうような馬鹿馬鹿しい世界というか
この発言をしたウィルソン議員について調べてみましたが、元々非常に親ウクライナかつ反ロシアの議員であるようですね。英語版ウィキペディア等を読みましたが、以前にもプーチン大統領を戦争犯罪者と呼び、ロシアの敗北が中国の弱体化につながると述べています。他にもゼレンスキー大統領の胸像を入手して議会議事堂に飾ると言う法案を提案したり、「グルジアの夢」党の勝利が不正選挙であるとの見解を示してもいます。
恐らく今回の発言も彼の見解表明に過ぎず、広範な支持を得ることはないでしょうね。もし法案が通ったとしても、前回成立した時でさえ一度も使われなかったレンドリース法が象徴以上のものになる可能性は極めて低いと考えます。
政治家が名前をあげるためなのか、外交的圧力に使えるのか分かりませんが、与党から興味深い動きに感じます
トランプ大統領になって、3週間くらいしか経っていないですが、内政外交ともに色々動き出していてレッドパージ・グリーンパージというような言われ方もしていますね。
ロシアを現状位置での終戦に納得させる為にアメリカの圧力という所なのかなとも思うけども、大規模レンドリースしてもウクライナに兵員がすでに居ない現状では余り圧力にならない気もする。
そして結局はレンドリースはせずそんな声も有るがアメリカは世界平和を望んでいる、全てはバイデン民主党の暴走であり迷惑千万お互いそろそろ終戦を真剣に検討しようという所なのだろうか。
さすがアメリカ圧倒的な力を持ちマッチポンプに忙しく敵性勢力を噛み合わせて満を持して平和の使者として颯爽と登場しようとする様に虫唾は走るがロシアウクライナが終戦することは無駄な血が流れなくなると思えばお互い飲むのが得策か。
確か、この議員は共和党内の裏切り者で民主党に繫がっている人間として、共和党内でも浮いている人だったような。
ジョー・ウィルソン下院議員の法案がどの程度の支持を受けるかは不明ですし空鉄砲かもしれませんが、この議案自体トランプの戦略である可能性も有るのでは
トランプ政権がウクライナ戦争を終戦させるつもりであれば、交渉に応じない場合に採る手段をちらつかせる戦略だって有り得る訳です
単に議員がトチ狂って提出した法案ではないかもしれない
どのみちUSAIDの解散でキャッキャしてる現状だとアメリカの諜報・防諜能力はCIAやFBIの人員削減とともに壊滅するだろう。現地諜者やそこまで行かなくても情報を取れる有力者のネットワークもグローバルサウスをかろうじて繋ぎ止めてた食糧支援の途絶もあってあっという間に無くなる
ロシアや中国や場合によってはEUほか西側に分類されてる諸国もこのアメリカの自爆には被害を避けつつアメリカをコントロールする工作はするだろうし、今後は合衆国議会や政府が内政も軍事も外交も何かしようとしても入ってくる情報が適切でなくなるから支離滅裂な結果にしかならなそう
”軍事も外交も何かしようとしても入ってくる情報が適切でなくなるから
支離滅裂な結果にしかならなそう”
どうなのでしょう。
未だ、DIAの名前は挙がっていないですね。粛清?の対象外かな?。
また、米国の6軍(陸軍/海軍/空軍/海兵隊/沿岸警備隊/宇宙軍)の内、
宇宙軍は第1次トランプ政権時に設立され、
トランプ大統領に対する忠誠心も高いと聞いたことがあります。
まだ、先は見えていない?ような気が、素人にはします。
ヒューミントを除いた、シギントと偵察衛星は宇宙軍の配下か?、と想像します。
仮にこのレンドリース法が可決されて武器支援が行われたとして、ウクライナに返済能力はあるんですかね。、
トランプ大統領が武器供与の対価として資源を要求していると言う話もありましたし、資源を差押えて返済させるのでしょう。なお、すでに行われた支援の中にも返済義務付きのものがあるので、免除されなければこちらでも差押えの可能性があると言う…やはり他人の褌で戦争などするものではありませんね。
資源開発には多額の投資が必要です。
戦略的な重要性も増します。
ウクライナにとっても悪くない話だと思います。
借金の返済にだいぶ取られるかもしれませんが、資源は地中に埋まってても何の役も立ちません。
無駄に抱えてるぐらいなら掘って売る方がマシですよ。
仮に成立したとして、渡せる兵器はどれだけあるんですかね?
このご時世に太平洋や中東から引っこ抜くとも思えませんし
トランプ大統領が以前から主張していた「ウクライナの戦争を24時間で終わらせる秘策」が効果がなさそうな事が政権スタッフにも理解されはじめたようですから、この手の共和党による掌返しは一気に進む可能性はあると思います。もともと共和党がウクライナ支援反対で団結していたのは海外援助自体への否定的感情の他に、民主党の政策を潰したいという論理でもあったと言われており、政権を奪取した現在も反ウクライナ支援で党内を団結させるのはおそらく簡単ではないでしょう。
大勢が負け戦から手を引きたいので、どのみち支援の削減は成ると思います。あとウクライナは民主党を攻撃する手にはなっても重大要素では無いのでまとめるも何も無いです。話題にはなりますが、それより経済ですよ。
前回のレンドリースでは支援されたイギリスは海外資産をむしられ没落。ソビエトは踏み倒すという対照的な結果になりましたね。
この法案が通るかは微妙ですがウクライナが差し出せるものはもう地下資源くらいでしょうね···
元々有名無実とは言われてましたけど実際に一度も使われてなかったんですな
レンドリースはお手軽な分、支払が貨幣以外の現物だったと記憶しておりますがウクライナにその用意や必要な備蓄があるとも思えません
画餅でしょう
現物で返済しますが、それは今ロシアの不法な支配下にあります。
という回答もあり得るかと。
50年後に独立を回復したバルト3国の事例もあるので、画餅にはならない可能性もあるかと。
トランプは本当に明け透けですね。いっそ頼もしい。ガザ所有やカナダ・グリーンランド・パナマ・コロンビア…。正に「アメリカの本性」です。ウクライナも「ああ、やっぱり資源か…」と。「のー」さんの論は御尤もだと思います。しかし本来、その最大の受益者はウクライナであるべきで、例え時間がかかっても開発はウクライナ人自身の手で成されるべきで…「のー」さんも勿論、その前提の上で、ロシアが侵攻しウクライナが西側から援助を受けている現状での最適解として発言なさっているのでしょう。でも、「又陰謀論か!」で終わりかも知れませんが、ここ十数年のウクライナへの米英の関与が、欧州とロシアの“エネルギー同盟”を絶ってアメリカ離れを抑止する事に加え、レアアース獲得も端から視野に入れていたとしたら?誰の目にもレッドラインのNATO加盟、イスタンブール合意の妨害。この悲惨な戦争、ウクライナの一方的に近い被害…。流石エリートの立案した計画、どちらが勝とうが負けようが、自分達の利益になる様に最初からなっていた訳です。ウクライナが更に想定以上に負けたら流石に不味いという事でしょう。
当時の最大級の戦略物資である鯨油の安定的確保の為に日本を砲艦外交で無理矢理開国させて不平等条約を結び(幕府の努力で他のアジア諸国より遥かにマシとの事ですが…)、その混乱の中、テロと内戦で政権についた元過激民族主義者の政権を対ロシア帝国への鉄砲玉に。その“飼い犬に手を噛まれ”ると焼け野原に(対イラン防波堤のイラクと同じ)。その後、南米、中東…。日本人は逆に骨身に染みている筈で「大本営発表」の末路と共に、その辺の教訓を警告する事こそ、最大のウクライナ支援では?レアアースは情報戦争の現代では石油に匹敵する最重要戦略物資(ここの人には「釈迦に説法」ですよね)。疑うな、と言われても、少なくとも仮説としては当然の発想ではないでしょうか?。
アフガニスタンの時は「こんなに大量のレアアースが埋蔵されているなんて、戦前には知らなかった」等と素っ恍けていましたが…。