米国関連

どんどん数が増える無人戦闘機、空対地任務に対応したGambit6が登場

GA-ASIは無人戦闘機=Gambit(ガンビット)の4シリーズを2022年9月に、昨年のファーンボロー国際航空ショーでは空母搭載型のGambit5を発表したが、今月4日に開催された国際戦闘機会議で空対空任務と空対地任務の両方に対応したGambit6を発表した。

参考:New GA-ASI Gambit 6 UCAV Adds Air-To-Ground Operations for International CCA

CCA Increment1に選ばれたYFQ-42AとYFQ-44Aは無人機時代の始まりに過ぎない

MQ-9やTB2のような無人航空機=UCAV、偵察用無人機、徘徊型弾薬、FPV制御の小型ドローンなどは開発・製造計画が多すぎるため、一個人で全てカバーするのは不可能になっており、有人戦闘機に随伴可能な無人戦闘機も成長が確実視されているため「国家主導の慎重な投資」ではなく「各企業の積極的な投資」を呼び込んだ結果、こちらもどんどん数が増えて追いつくのが難しくなっている。

出典:GA-ASI

GA-ASIは独自の無人戦闘機=Gambit(ガンビット)シリーズを2022年9月に発表し、無人戦闘機の基本的なアビオニクスや降着システムなど重要な機能を集約化した共通コア採用のGambit1、Gambit2、Gambit3、Gambit4を披露、このアイデアに注目した米空軍研究所はOBSSプログラムの一貫としてXQ-67A(共通コアの検証機)を製造し、米空軍のCCA Increment1に選ばれたYFQ-42AもGambit2の派生型だ。

昨年のファーンボロー国際航空ショーでは空母搭載型のGambit5を発表し、2025年10月に米海軍から空母向けのCCA概念設計を受注しており、GA-ASIはGambit5ベースのCCAを提案してくるだろう。

出典:GA-ASI

そしてイタリアで開催された国際戦闘機会議でも空対空任務と空対地任務の両方に対応したGambit6を発表し、GA-ASIのショートスリーブ氏は「Gambit6は欧州製ミッションシステムを採用するYFQ-42A欧州バージョンより早く手に入る」「欧州の顧客は2027年にGambit6を入手できるようになるだろう」と述べ、GambitシリーズのバリエーションはISR、空対空、トレーナー、ステルスタイプのISR、空母搭載タイプ、空対地の6種類に拡張された格好だ。

Gambit6の準備が短期間で整うのはXQ-67AとYFQ-42Aでテストされた共通コアを使用するためで、ショートスリーブ氏は無人戦闘機の将来についても「5年後までにCCAの群れが有人機と協調する」「2030年代半ばまでに無人機のみの完全な編隊が異なる戦場で協調しながら戦うようになる」「10年後までに量子センシングが現実のものになってリアルタイムタスク処理が実現する」と述べており、CCA Increment1に選ばれたYFQ-42AとYFQ-44Aは無人機時代の始まりに過ぎない。

因みにGA-ASIのYFQ-42Aは8月に初飛行を成功させたが、AndurilのYFQ-44Aも10月末に初飛行を成功させ「白紙の状態から初飛行までを556日で完了させた」と述べている。

関連記事:ファーンボロー国際航空ショー、GA-ASIが空母搭載型のGambit5を披露
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関連記事:米GA-ASI、共通コアを基づいた無人戦闘機ガンビットのプロトタイプ製造
関連記事:GA-ASIが無人戦闘機「Gambit」シリーズを発表、共通コア採用が目玉

 

※アイキャッチ画像の出典:GA-ASI

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コメント

  • コメント (10)

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    • まさし
    • 2025年 11月 05日

    しかしペリカンテールとか、やはり人が乗ってない分リベラルなデザインが試せるイメージですね。
    YF-23ライクなのは有人機より無人機向きかもしれませんね。

    5
    • kitty
    • 2025年 11月 05日

    >量子センシングが現実のものになってリアルタイムタスク処理

    1mmも理解していないけど、なんかスゴそう。
    実用的な量子技術って量子コンピューター・SQUIDくらいしか知らないけど。後に続く用語からすると、量子通信とかも想定してる?SFすぎる。

    10
      • のー
      • 2025年 11月 05日

      軍用機で使えそうなのは、超高感度の磁気センサーですかね。
      地磁気の微妙な違いを測定できて、GPS無しでもナビゲーション可能だとかなんだとか。
      事前に地磁気の3次元マップのようなものを作る必要があるため、敵地ではどうやってマップを作成するのかわかりませんが。
      GPSの使えない潜水艦ではだいぶ前から研究されているので、既に実用済みかもしれません。よく知りませんが。

      3
    • 無印
    • 2025年 11月 05日

    機体の形が、対地攻撃メインの全翼機から、ある程度空中機動を意識した、主翼と斜め尾翼の形へと変化してきているのが、戦闘用無人機への要求と、無人機の出来る事が増えた事が見て取れて興味深い

    1
    • F
    • 2025年 11月 05日

    カンブリア紀のような爆発的新種増加ですね、これは中華EVの勃興時を思い出します。
    過当競争の後、○体累々にならなければ良いですが。導入する側としては主流となるメーカーや技術を見極めないといけませんね。

    8
    • リンゴ
    • 2025年 11月 05日

    >白紙の状態から初飛行までを556日で完了させた
    人間を乗せないと早いなぁ……

    12
      • ドゥ素人
      • 2025年 11月 05日

      人間とそれに付随する装置がいらない分だけ機体も軽くできますし、形状も自由度が高くなりますので、設計も試作もやりやすいんでしょうね。
      データが蓄積されたらどんどん加速するかもですね

      3
    • Authentic
    • 2025年 11月 05日

    早く開発できるのはいいけど結局はその部品をどこから買ってるのかが問題だと思うけどね
    インテグレート能力は大事だけど中国の部品に頼ってたんじゃ戦争になったら供給断たれて終わりだから
    防衛産業含めこれまでのアメリカが間違ってたのは最終製品のメーカーだけ守ってれば競争力を保てるつもりになってたことだと思うけどこれも同じような気がする

    8
      •  
      • 2025年 11月 05日

      兵器の部品や工作機械等の産業機械に他国製の部品を使いまくってるロシアがどうなったかを見ればそりゃな
      しかもヨーロッパ諸国の軍拡が既定路線になってNATOとの戦力差がどんどん開いて現状のままだとロシアがジリ貧になるのが目に見えてるし

      3
      • Authentic
      • 2025年 11月 05日

      というか、なんかアメリカの製品への愛着と中国の生産への執着の思想的な違いがあるような感じがする
      アメリカは経済は消費することだから消費物としての財が大事というアダム・スミス的な価値観で中国は経済は生産することだから財そのものよりも財を生産する能力が大事というリスト的な価値観というか
      毛沢東は政権は銃口から生まれるって言ったらしいけどアメリカが大事にするのは銃で中国が大事にするのは銃を作るための鉄鋼と工作機械みたいな
      そういうところに物事に対する根本的な見方の違いがあるような気がする

      5

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