米国関連

M10 Bookerが調達中止になる要因、重量増に加え拡張性がないモンスター

ヘグセス国防長官は1日「包括的な改革」を陸軍長官に命じ、正式採用したばかりのM10 Bookerも調達中止が濃厚だが、陸軍最高技術責任者のミラー博士は「誰もがM10の問題に気づかないふりをして計画を進めた」「何か作らなければならないという強い意思で必要がないもの作っただけ」と述べた。

参考:The Army made a tank it doesn’t need and can’t use. Now it’s figuring out what to do with it.
参考:U.S. Army Plans Massive Increase in Its Use of Drones

機械化部隊による伝統的な攻撃は「ドローンを保有していない旧時代の敵」か「ミノフスキー粒子の発見」でもない限り、実行不可能になったしまった

ヘグセス国防長官は1日「特定の組織解体や統合、将官の削減、従来システムの調達中止などを通じた改革」を陸軍長官に命じ、これには北方軍司令部と南方軍司令部、戦闘能力開発司令部と陸軍訓練教義司令部の統合による司令部人員の削減、有人攻撃ヘリ部隊部隊の再編・削減、敵を圧倒する安価なドローン群の増強、陸軍全体で装甲部隊や航空部隊含む時代遅れの編成削減が含まれ、陸軍当局者はハンヴィーとJLTVの調達中止を確認、さらにM10 Bookerも調達中止が命じられるらしい。

出典:U.S. Army photo by Bernardo Fuller

M10 Bookerに対する米陸軍の不満はわりと有名なので割愛してきたが、日本ではあまり知られていないようなので簡単に説明すると以下の通りになる。

“第82空挺師団の指揮官が退役したM551 Sheridanの後継システム=C-130とC-17から空中投下できる新型軽戦車を2013年に要求、これ受けて新型軽戦車の要件策定に取り組んだものの、M551と同等の能力とサイズですらC-130に収めるのが困難と判明したにも関わらず、2015年に要求監査評議会は「C-130に搭載できなくてもいい」「空中投下についても心配しなくていい」と主張し、陸軍もMobile Protected Firepowerプログラムを強行”

出典:public domain

“M551の後継システムから空中投下能力の要件を除外すれば「空挺部隊の兵士を火力で支援できなくなる」「空中投下の必要性が無くなれば軽量さの優先順が下がって機動性が低下する」と分かっていたのに開発を継続し、さらに国防総省全体で無人化技術への対応が急速に進んでいたにも関わらず「MPFは自律的能力にオプション対応する必要ない」と要件が2022年に更新され、最終的に重戦車に匹敵する重量、自律的能力やデジタル技術を追加する拡張性もないモンスターが出来上がり、さらに米空軍が積載制限を変更したためM10はC-17で1輌しか輸送できなくなったためM1に対する輸送効率の優位も消えてしまった”

“結局、M10は第101空挺師団に配備されると「フォート・キャンベル基地にある11の橋のうち8つ橋が戦車の重量に耐えられない」と判明し、陸軍最高技術責任者のミラー博士は「M10は調達が上手くいかなったというレベルの話ではない」「これは要求要件プロセスがあまりにも大きな惰性を生み出し、そのやり方から陸軍も抜けだ出せず、ひたすら開発を続けてしまったという類の話だ」「問題に気づいて計画を修正すればプロセスを最初からやり直さなければならない」「だから誰も問題に気づかないふりをした」「計画を開始したのだから何か作らなければならないという強い意思で必要がないもの作っただけ」と指摘した”

出典:U.S. Air National Guard photo by Staff Sgt. Reanna Hartgrove

陸上戦闘システムの開発責任者を務めるグレン・ディーン少将はM10 Bookerの命名式で「要塞、砲兵システム、塹壕を制圧・破壊して旅団戦闘団の戦闘を支援し、敵装甲車の攻撃から味方を守ることがM10の目的だ。どれだけ軽戦車(Light Tank)に見えてもM10は戦闘車(Combat Vehicle)で軽戦車の任務を果たせるようには出来ていない」と説明したが、同じ輸送効率ならM1を投入した方が戦闘効率が高く、さらに対ドローン能力=APSやEWシステムの追加が不可欠となったため、この種の拡張性を排除したM10の生存性は許容範囲を大きく逸脱しているのだろう。

Wall Street Journalも「計画開始時に想定していた重量よりも重くなり、実用性も低いことが判明したM10は調達が停止される」と指摘しており、もはやドローンが普及した戦場に中途半端な水平射撃の火力支援車輌の居場所はないのかもしれない。

出典:U.S. Marine Corps Photo by Sgt. Gabrielle Lucido, I Marine Expeditionary Force

因みにウクライナ軍はFPVドローンの必要量について「1個旅団あたり月1,000機だ」と述べていたが、Wall Street Journalも「今回の改革を通じて米陸軍は各旅団戦闘団に約1,000機のドローンを装備させる」「この結論は1年以上に及ぶ巨大訓練場での実験結果に基づいている」と報じ、この実験を視察した元陸軍副参謀総長のキーン氏も「地上戦はドローン戦に移行した」「兵士、戦車、指揮統制施設、砲兵陣地などはドローンに発見された瞬間に破壊される可能性がある」と述べている。

自走砲や多連装ロケットシステムの火力支援を受け、戦車や歩兵戦闘車などの機械化部隊による伝統的な攻撃は「ドローンを保有していない旧時代の敵」か「ミノフスキー粒子の発見」でもない限り、実行不可能になったしまったのかもしれない。

関連記事:米国防長官が陸軍に改革を指示、ハンヴィー、JLTV、M10の調達を中止
関連記事:米陸軍、戦術弾道ミサイルで徘徊型弾薬や精密誘導兵器の投射を検討中
関連記事:米議会が国防予算として1,500億ドル追加支出、F-15EXとF-35Aの明暗も分かれる
関連記事:米陸軍参謀総長が馬鹿げた方法を改め、M1E3の開発期間を半分以下に圧縮
関連記事:米空軍の規模と即応性は歴史上最低、再建の鍵はタイムリーな資金供給
関連記事:米軍が資金供給している低価格巡航ミサイル、量が独自の能力を生み出す
関連記事:ドローンが従来の戦闘概念を覆す、もう海兵隊は制空権の保証が得られない
関連記事:適応が求められる低空の戦い、ドイツが近距離防空システムの開発を発表
関連記事:米空軍副参謀総長、小型ドローンの登場によって航空優勢の定義を見直す
関連記事:全軍を挙げてドローンの脅威に対抗、全兵士がカウンタードローン訓練
関連記事:米軍を最も安価に攻撃する方法を明かす米海兵隊大将、コストコで売っている

米空軍が開発を進める無人戦闘機の実機を公開、今年後半に初飛行を予定前のページ

英空軍がBriteStormを採用した新型無人機を発表、F-35の生存性が向上次のページ

関連記事

  1. 米国関連

    2026年度の米国防予算は1兆100億ドル、通年予算で見れば実質的な削減

    トランプ大統領は「来年度の軍事予算は過去最大規模の1兆ドルになる」と述…

  2. 米国関連

    ロッキード・マーティン、2023年までに同盟国分を含むF-35の運用コスト10%削減を約束

    ロッキード・マーティンは2023年度までにF-35の運用コストを3万ド…

  3. 米国関連

    主翼を備えた155mm砲弾が登場、標準的な39口径で150km先を攻撃可能

    米ジェネラル・アトミックスがSea Air Space 2023で「L…

  4. 米国関連

    日本には影響なし、米議会が英国や韓国に米軍のF-35配備を禁じる法案を検討

    衝撃的な話が飛び込んできた。米国がファーウェイ製通信機器を使用している…

  5. 米国関連

    米当局が機密文書漏洩の容疑で空軍州兵を逮捕、セキュリティクリアランスの保持者

    米連邦捜査局は13日、機密文書漏洩の容疑でマサチューセッツ州の空軍州兵…

  6. 米国関連

    F-35向けの次世代レーダー、ノースロップ・グラマンがAPG-85を開発中だと発表

    ノースロップ・グラマンは11日、これまで書類上の存在だったF-35Bl…

コメント

  • コメント (45)

  • トラックバックは利用できません。

    • ブルーピーコック
    • 2025年 5月 02日

    A-10みたく実戦投入されたら名誉挽回するかもしれんが、アフガニスタンからも撤退した現状だと地上戦の機会は無さそうだな。

    16
      • 他人事では無い
      • 2025年 5月 02日

      無いな。中途半端過ぎる。
      例えば、Leopard1A5に使い道があるかと問うようなもの。
      積極的に新造するものじゃない。
      ドローンにしても、気球、攻撃機、対戦車ヘリと来ても対抗策で排除して来た流れで、何れ力を失う。
      光ケーブルを引き摺って飛ぶとか、TOWと変わらん。

      7
        • ブルーピーコック
        • 2025年 5月 03日

        レオパルト1A5や同時代のT-62がウクライナで使われているのに?
        使用するのに難があると言うのなら同意しますが。

        26
        • hage
        • 2025年 5月 05日

        1A5は歩兵支援で活躍してるようで、かつての突撃砲的な使い方。
        M10ブッカーも当初の軽量車両なら突撃砲代わりに使い潰したんだろうが、デブりすぎた今となってはさっさとM1エイブラムスに運び込むから洋梨となった感じ。

        2
    • SSR
    • 2025年 5月 02日

    >「誰もがM10の問題に気づかないふりをして計画を進めた」
    >「何か作らなければならないという強い意思で必要がないもの作っただけ」

    ミリオタ諸氏の中には米軍や自衛隊の方針を錦の御旗みたいに語っている人たちがいるけど、
    彼らの行動が必ずしも軍事的合理性に則っている訳ではないということには留意が必要なのだ。

    80
      •  hoge
      • 2025年 5月 02日

      卵と鶏の関係ですけど、その「何か作る、ものにする」というノウハウ、経験を軽視して、毎回誇大妄想としか思えない目標を掲げるから、アメリカは何十年もまともに新しいAFVを実用化できていないのでは…

      28
        • Authentic
        • 2025年 5月 02日

        レーガン政権の頃から新兵器開発して軍事力強化で力による平和とか言いつつ脱工業化で製造業捨てるとかとてつもなく馬鹿なことやってたからねアメリカは
        なら誰が作るんだよっていう

        38
      • たむごん
      • 2025年 5月 02日

      仰る点、まさに巨大組織あるあるですよね。

      自衛隊の元幕僚が、OBから連綿と伝えられてきたものと語っていたのは、『平時に重い物・時間がかかる物を優先しろ』というものだそうです。
      つまり、小銃の弾薬・砲弾のようなものは後回しだったんですよね。

      いざ戦時になって、製造ライン残らなくなったヤバいんじゃないの?備蓄ないけどどうしよう…となり出したのが最近なので大丈夫なのかなと。

      17
        • かず
        • 2025年 5月 02日

        最近まで少なくとも前世紀まではそれで間違いがなかったような気もしますね

        13
          • たむごん
          • 2025年 5月 02日

          (浮き彫りにならなかっただけかもしれませんが)何だかガラッと変わってしまいましたね…

          1
      • NHG
      • 2025年 5月 02日

      結果大外れとなったけど、旧来のドローンのいない戦場で旧来の対テロ的な戦いをするぶんには致命的な問題ではなかったってことではないかな
      利権やら旧システムを刷新することだけを優先して非効率になってしまったけど、ウクライナ戦争がなければ不満を言いつつもないよりいいわなって使ってたと思う

      13
      • arisona
      • 2025年 5月 03日

      元の記事がM10否定ありきだからそう感じるかもだけど、選定当初はM10には十分意味があったよ。

      次期主力戦車がM1SEPv4(おそらくほぼ70t)になるだったので、42tのブッカーはC-17に1両しか乗らないとはいえ、1両積んだらほぼ余裕の無いSEPv4と違って支援機材や予備パーツ、あるいは開発されてたであろう追加装甲も一緒に持っていけるし、なによりディーゼルエンジンで燃費が良い上に比較的軽いおかげで戦略機動性も比較的高い。

      ところが米軍はSEPv4を中止してE3(重量54t、ディーゼルエンジン)に舵を切ったから、ぶっちゃけM1に対する優位性が殆どなくなってしまった。

      14
    • NIVEA万能論
    • 2025年 5月 02日

    この手の米軍の調達中止話を聞くと「またか…」という感しかありませんが、逆に考えれば大戦中の米軍などは例えばSB2Cのような問題だらけの機体でも採用して数に任せてゴリ押し運用やってた訳で、事前に調達を中止したのはむしろ進歩と言えるのでは(錯乱)

    45
    • Authentic
    • 2025年 5月 02日

    20年後にはアメリカは中国に絶対勝てなくなってるだろうな
    海と陸は失敗続きで唯一強みがあった航空も怪しくなってきたし

    29
    • hoge
    • 2025年 5月 02日

    元記事では同じ1両しかC-17で運べないならばM1E3の方が良いと主張していますが、そもそもM1E3では要件を完全に満たすかどうか以前に完成すら危うい気がするのですが…

    19
    • Artillery
    • 2025年 5月 02日

    M10は見た目は好きなんだけどね…忌み子になってしまわれたか

    個人的には、機械化部隊による伝統的な攻撃が死んだという話には疑問を持っています。
    膠着した戦線ではドローンは極めて効果的ですが、流動的な戦線ではドローンの大規模運用は難しいんじゃないでしょうか。
    そうでなくとも各国ドローンに対応したAPS等を開発してますし、次の大規模な戦争ではまた違った戦場の様相になりそうな気がしています。

    10
      •  
      • 2025年 5月 02日

      でも今回の戦争でも何度か流動的な戦いは発生した(キエフ攻防戦、ハルキウ攻防戦、クルスク攻防戦)が結局何の打開にもならずに短期間で膠着したのはドローンが提供する高い空間認識に今までの機動戦力が対応できなかったからでは?

      24
      • ルイ16世
      • 2025年 5月 02日

      管理人の言う機械化部隊による伝統的な攻撃とは開戦当時のロシアや反攻作戦初期のウクライナの様な戦力の集中による前線の突破の事を指していると思います
      たとえ対戦車ミサイルの様な安価な防御兵器より効率は劣悪でも機動により集中出来るので火力支援を受けた機械化部隊はある程度の損害を覚悟すれば防衛線を突破可能であるがこの戦争以前の常識でしたから
      奇襲か浸透以外では防御陣地を中々突破出来ない以上機動性に欠ける拡張性の無い軽戦車に辛口評価になるのは仕方ない事かと

      22
    • イーロンマスク
    • 2025年 5月 02日

    M-10が42トンで10式が44トン
    アメリカのトンなんで1割くらい軽く見て38トンとしても重い…
    これで軽戦車ですらないのなら何なのっていうね

    10
      •  
      • 2025年 5月 02日

      原文読めばわかるけどそれは別におかしい話じゃないよ
      というより軽戦車っていう言葉を他と比べて軽い戦車と字面だけで単純に語るから違和感を覚える
      軽戦車と主力戦車を分けるのは重量ではなく適合する任務であり、軽戦車の主な用途は偵察だ
      翻ってM-10は偵察に使うようには設計されておらず、その用途は歩兵に随伴しての火力支援であってむしろ歩兵戦車や突撃砲の仲間と言った方が正しい

      38
      • Natto
      • 2025年 5月 02日

      主力戦車の74式と同じ位の重量になっちゃったけど、アメリカ人の体格に合わせて、現代の基準の防御を求めたらそうなるんじゃないかと。これ以上軽くしたらカンオケになりそう。

      1
      • ブルーピーコック
      • 2025年 5月 03日

      グレン・ディーン「アメリカ陸軍における軽戦車の歴史的な用途は偵察機能であり、M10ブッカーは偵察車両ではない」

      ジェイムズ・マコンヴィル元参謀総長「私見ながら、M10ブッカーは軽戦車だろう」

      うーん、この。ちなみに、中国とバングラデシュが保有している15式軽戦車は全備重量で36t。

      7
    •  
    • 2025年 5月 02日

    今の所マルチコプターの提供する圧倒的な視野と機動力に、砲兵も機動部隊もなすすべ無しなのは結局免疫がないだけじゃないかと。主要国が湯水の如くドローンを運用出来る時期には、ドローンとの協調もドローン対策も確立するだろうと予想してます。しかしながらそれには一定の拡張性が必要な訳で、拡張性のないブッカーや旧式ハンヴィーを現時点で調達する意味はないだろう。ハンヴィーにしても近代化は必要と言う判断だと理解してます。

    10
    • センツァノーメ
    • 2025年 5月 02日

    性能面で不満が多くとも今さらちゃぶ台返しできるほど開発能力も予算もスケジュールも何もかも余裕ないでしょ…
    それともBMD-4かVT-5でも買うつもりなの?

    5
      • ネコ歩き
      • 2025年 5月 02日

      >「今回の改革を通じて米陸軍は各旅団戦闘団に約1,000機のドローンを装備させる」
      が代替案では。

      18
    • smka3m
    • 2025年 5月 02日

    >M10 Bookerが調達中止になる要因、重量増に加え拡張性がないモンスター

    似たような兵器である中国の15式軽戦車は、無人操縦機能やUAVの運用能力機能を追加した派生型を開発しているのになぁ。
    今のアメリカは技術はあるけど全然使いこなせていない。

    17
      • hoge
      • 2025年 5月 03日

      多分、M10はM1と互換性のある3人乗りの大型砲塔が重量と内部容積に余裕がないのだと思われ。
      実はソ連系の二人乗り砲塔は一人あたりのスペースは西側戦車より広かったりするので。

      10
      • dd4
      • 2025年 5月 03日

      そもそも15式は明確な目的があって開発された軽戦車だからその時点で、似ても似つかないというか
      あれはまともな戦闘車両が使えないチベットで活躍できる事を念頭に開発されてるらしいし、
      チベットへの鉄道で運ぶことも念頭に入れてるらしい、
      対インド戦を念頭に中国自身が必要だと思う条件を踏まえて開発されてるから
      必要だと感じて作られた兵器だからこそ、応じて派生型も生まれるというか…

      12
        • esugckp8
        • 2025年 5月 03日

        それは「M10 Bookerは特に明確な目的が無くて開発された」ということになるのでは…。
        今のアメリカのプロジェクト遂行能力が低すぎて心配になるレベルですね。

        5
    • ノーネーム
    • 2025年 5月 02日

    105mmライフル砲で重量40t前後とか冷戦期のG2MBTみたいなスペックの代物を21世紀の現代に新規採用って拡張性はタップリ確保してるんだろうなぁとか思ってたのに…

    19
    • たむごん
    • 2025年 5月 02日

    空挺作戦・ヘリボーン作戦できるのか?となりそうだなと。

    橋頭保を仮に作れても、援軍(装甲車両など)が駆けつける時間がより必要なったり・不確実性が高まったということになるからです。

    2
    • 折口
    • 2025年 5月 02日

    シェリダンってベトナム戦争の頃に現役だった車両ですし、アメリカ陸軍は空中投下可能な装甲車両なんてとっくの昔に諦めてると思っていました。むしろブッカーのコンセプトは輸送機を使った戦略機動(C-2と16式のような関係)に最適化されているのかなと勝手に思っていましたし、今回の開発中止はびっくりです。

    空中投下可能な装甲車両を本気で欲しているならブッカーはあらゆる面で使えないデカブツですが、ロシアのBMP-3のカウンターパートのような重IFVとしては機械化部隊や歩兵部隊の支援車両として有用なのではと思います。そもそもシェリダンの時点で装甲板をアルミ合金とゴム板のサンドイッチにしたり主砲を低圧のガンランチャーにしたりと涙ぐましい努力をして軽量化していた訳で、現代戦で空中投下可能な空挺戦車にどの程度の有用性があるのかを空挺閥の人たちはちゃんと検証しているんですかね(ブッカーがUAVに対して無防備ならもっと重量制限の厳しい空挺戦車だってダメでしょうに)

    16
      • qqq
      • 2025年 5月 04日

      空投戦車つっても米陸の空挺歩兵が荒れ地に輸送機で降り立つ現代にどんな意味があるのか?空挺歩兵の初動=空港制圧がもはやセオリーでそっからストライカーBCTが生まれてもいるわけです。
      M10の第一義は敵情未解明なままC17で着上陸する軽歩隊のランディングエリア構築の援護です。アパッチで続けるには将来想定される対空徘徊無人弾薬が脅威で機動性の低い歩兵の直援は非常に困難。AHが皆の目に見える所を飛び回れるのは対テロ戦争だけです。
      そしてM10は軽歩に向けられる火力を引き受ける存在で重装甲化した。部隊全体の抗堪性です。常識的にアパッチにアンチタンクが向けられることは無い。空挺の歩兵機動車を装甲化するより直協M10が敵火力を請け負うほうが部隊重量が軽減もできる。
      じゃあこのM10を無人化可能か?ですけど空挺歩兵をロボ化しますか?っていう。M10の残存性>空挺歩兵の残存性ですよね。装軌AFVは迫軽砲で死ぬことも無い。
      M10中止でもまた現場要求が出て同じものがまた作られるだけと予言しておきます。これにABCTのM1E3で支隊で分遣という代案は即応性として常設部隊がなければ意味がない。空挺山岳軽歩のBCTにM1戦車隊を常備ですね。やるわけない。

      2
    • 半分の軍事費の国から
    • 2025年 5月 02日

    F-47と同じ様に、無人機のハブステーション役を与えようとしたら、「そんな余力有りません」と回答されて、調達中止になったような気がするのですが・・これからの戦闘車両は無人機制御系と通信中継器と迎撃システムを搭載出来ないと使い物にならないと宣言する為に、M-10ブッカーは、犠牲となったのだ‥本当はアメリカは開発遅延で爆上がり中の核兵器と空母の更新費用出す為に、これからも無茶苦茶な削減を‥

    6
    • DEEPBLUE
    • 2025年 5月 02日

    空挺戦車自体もこんだけ携帯対戦車兵器がある状況で存続させられるのか考え物です。

    6
    • はひふへ~ほ~
    • 2025年 5月 02日

    まぁXM4 CCLV=M8 armored gun systemがあったから今回の事態は驚きもしないわな
    強行理由も中止理由も理由もほぼ同じじゃないの

    1
    • HEAT信奉者
    • 2025年 5月 02日

    まずM10ブッカーを否定することが先にあってそれから理屈を考えたみたいなチグハグ感を感じる

    11
    • 無印
    • 2025年 5月 02日

    「拡張性が無い」
    そう言えば、エイブラムス、ブラッドレイ、ストライカーにはAPSを付けようって計画があるのに、ブッカーにはそんな話が無かったのはこのせいなのか…

    9
    • 反革命分子
    • 2025年 5月 02日

    「歩兵を支援する戦闘車です」
    →なんで急にそんなもの欲しくなったのか分からないけど、まあ確かにあれば便利なんだろうな?

    「重量38(42)トンです」
    →主力戦車としての防御力がない割には重いけど、現代の拡張装備を詰め込んだら仕方ないのかな?

    スペックや説明は分かるんだけどイマイチ釈然としない。その理由は開発目的が迷走してふやけてしまったからだったなんですね。

    米軍名物の「要求変更を繰り返して肥大化、失敗」を避けて完成したと思ったら、まさかユーザーが要求していない仕様の製品を作っていたとは・・・

    9
      • ななし
      • 2025年 5月 03日

      >まさかユーザーが要求していない仕様の製品を作っていたとは・・・

      「顧客が本当に必要だったもの」の風刺絵を連想させられる話しでしたね。

      6
    •  
    • 2025年 5月 02日

    現実米軍が対ドローン戦装備を搭載できないと判断した奴から中止にしてるんじゃないか。ブッカーと旧ハンヴィーはこのまま二度と作らんだろうけど、JLTVは対策出来たら製造再開なんじゃないか?

    1
    • nachteule
    • 2025年 5月 03日

     オリジナルはあるが米軍内でファミリー展開すらしてない専用車両を作った割には微妙な物が出来た感じがする。防御能力的に後方を除いて1kmからの30mm機関砲のAPFSDS抗堪、RPG-7は部分的に防御出来る感じはするが結果は重量増。ロシアの2S25スプルート-SD 125mm対戦車自走砲か中国の05式水陸両用戦車みたいに割り切った性能でファミリーか拡張された車両を作っていればチャンスはあったのかもしれない。

     歩兵の障害となる物を排除する既存資産を有効活用出来る性能が高い直射砲と言う縛りを無くすなら、散々ジャベリンで様々な目標を撃破しているし、次世代多目的砲弾XM-1147AMP弾の弾頭を持つミサイルみたいな物でも撃てる軽量な車両(装輪でも装軌)、兵站が煩雑になるのを覚悟で取りあえず直射は出来る(専用の戦車砲よりは遙かに劣る)と言うのがウリのNEMOでも色々選択肢は有るんじゃないかな。

    3
    • かにかま
    • 2025年 5月 03日

    ここでミノフスキー粒子なんて単語を目にするとは思わなかった

    8
    • 105㎜用の高性能な砲弾の開発も必須
    • 2025年 5月 03日

    ちょうどMAYに書き込んだけど、T64の後継車両をウクライナ軍が欲しがっていて車重の所だけは該当するだけに、破棄するしかない車両の生産ライン事ウクライナへ売却して、ウクライナ側で戦地に対応した改造してもらいましょう。

    • ななし
    • 2025年 5月 03日

    今更だけど、米軍もお役所仕事をするのだね。

    4
  1. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦のEDGE、IDEX2023で無人戦闘機「Jeniah」を披露
  2. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
  3. 欧州関連

    オーストリア空軍、お荷物状態だったタイフーンへのアップグレードを検討
  4. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  5. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
PAGE TOP