米空軍は運用・維持コストが高価なF-22Aの削減方針を発表、保有する186機内33機を2023年に退役させて飛行機の墓場(デビスモンサン空軍基地)に移送するつもらしい。
参考:Air Force wants to send Tyndall’s F-22 jets to the boneyard
Block20に大金を投資するよりも次期戦闘機プログラムに投資した方が良い
米空軍は保有するF-22Aの中で最も能力の劣るBlock20を訓練用途に限定して使用中だが、実戦部隊に配備されているBlock30/35には本格的なアップグレードが予定されており、Block20とBlock30/35の能力差は更に広がるため訓練効率が悪化することが予想されている。

出典:U.S. Air Force photo by 2nd Lt. Samuel Eckholm
そこで米空軍は「Block20をBlock30/35並みにアップグレードすれば訓練用途から開放するでき貴重なF-22Aを戦力としてカウントできる」と昨年主張していたが、どうやらBlock20に大金(18億ドル/アップグレードに掛かる時間は8年間)を投資するよりも次期戦闘機プログラムに投資した方が良いという結論に至り、議会が保有するBlock20×33機の退役に同意すれば2023年に飛行機の墓場(デビスモンサン空軍基地)に移送する計画らしい。
恐らく米空軍の次期戦闘機は2030年代ではなく「2020年代後半」に登場する可能性が高く、費用や設計に起因する問題でBlock30/35のアップグレードすら雲行きが怪しくなっており、先の見えたF-22Aの中でも最も古いBlock20に大金を新たに投資するのがバカバカしくなったのだろう。

出典:ロッキード・マーティン NGAD
正し議会がBlock20の退役に同意しなければ空軍の計画は実現しないので、本当に33機のBlock20を飛行機の墓場に移送できるかはまだ分からない。
因みに空軍は2023会計年度予算でF-22×33機、A-10×21機、MQ-9×100機、E-3×15機、E-8×8機、C-130H×10機、T-1×50機の退役を要求、F-35Aは2022年よりも15機少ない33機(Block4の完成待ちの状態)しか要求しておらず、逆にF-15EXは昨年の2倍=24機を要求している。
関連記事:拡張性に乏しいF-22の設計、空軍の要望が一向に実現しない理由
関連記事:ボーイング、米空軍が調達計画している新しい戦術訓練機にT-7Aを提案することが濃厚
関連記事:訓練への過剰投資を見直す米空軍、訓練用途に回してる初期ブロックのF-35A処分に言及
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Tech. Sgt. Anthony Nelson Jr.
お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。 |
我が国もF-22欲しい欲しいって言ってたけど各国で使われるF-35になって正解だったな。
制空戦闘機としてはF-22が最強だけど、スクランブルで運用するにはコストがかかり過ぎますしね。
F35の共同開発打診あったのに蹴って、コストや整備性など諸問題度外視でひたすらF22要求して失敗。
結局F35の共同開発国になれず、一方でFMSで147機も買う・・・という馬鹿げた迷走の挙げ句だけどな。
未だに国産ミサイル使う交渉もまともに出来てないし、そこら辺からまず何とかしろよと思うわ。
国産ミサイルってAAM-4のこと?
あれはどっちみち、J/APG-1が必要だから統合は無理なんじゃなかったっけ
LMの言う搭載可能とか言う話はサイズに限ったことじゃないの
「J/APG-1が必要だから統合は無理」には同意だけど…
>LMの言う搭載可能とか言う話はサイズに限ったことじゃないの
あと恐らくI/F部も。
うろ覚えだけどケロロな人曰く、量産品からAAM-4はAIM-120 AMRAAM互換I/Fに変更になったみたい。
次の機会があれば。。。何十年先かは謎やけど。。。
当時の時勢で共同開発出来たかは疑問だがなー
アップデートされてセンサー、ネットワーク、ミサイルの搭載数、エンジンとあらゆる要素が強化されるので、制空戦闘機としても問題なさそうですしね。
なんか一抹の寂しさも覚えるけど、NGADが順調に進んでるってことの裏返しかな
2020年代後半に登場って、従来の戦闘機開発だったらもうぼちぼちプロトタイプが出来上がってきそうなもんだけど
近々そういう話が出てくるんでなければ、デジタルセンチュリー構想がマジもんだったということになるのかしらね
確かB-21も設計手法にデジタルセンチュリーを採用しててスケジュール通りに今年初飛行のはず
極超音速ミサイルへの活用はテスト回数の不足もあって活用上手くいってないようですが
デジタルセンチュリーではなく、デジタルエンジニアリングですよ。
F-3や欧州ステルス機より後発だったと思うけど、あっという間に捲られた感じですね。
17年で退役か。
上手くいけぱ投資効果がいいのかも知れないけど‥
空母しかり最先端技術って言葉に踊らされて失敗し続けているのをみている大丈夫かな?
台湾有事はロシアのせいで中国の戦略が狂って再調整までに時間があるから、空いた時間を無駄にしないためにも堅実にアップデートした方がいいと思う
それより、F-35の生産が追い付くのかな?
ここのところ、急に発注が増えているし、状況も逼迫している。
減らしかけた 米英も発注を戻すだろうし。
>E-3×15機、E-8×8機
今ウクライナで大活躍中ですから、退役させても大丈夫なのでしょうか……
まあ、酷使で最後に残った寿命を使い果たしているのでしょうが……
速度が遅くて目立つ大型AWACSは長距離対空ミサイルの攻撃で生き残れないという考え方のようですね。ここの過去記事にもありました。
リンク
最悪海軍も使っているNC-37BのEL/W-2085/90をKC-46にのせるんじゃあない?
E-8は後継がどうなるのかわからないですが(知ってる方いたら補足お願いします)、E-3はE-7で置き換えになるはずです。早期警戒機ではない新しいプラットフォームが出来るまでの繋ぎではありますけど。
さよなラプター
2020年代だし、何となく木星が破裂しそうなフレーズ。
宇宙で腰を振るアレではなく?
多分、それ。
作中時間が2025年~の様ですね。
F15をいまさら増やしている理由は「非対称戦ではステルス機までは必要なく、F35よりも積載量や運用コストで有利なF15EXのほうが良いのだ」という理由だと思いますが、ウクライナ戦争を見て少しは気持ちが変わらないのでしょうか。
1週間前位にEXの方が使えそうとか空軍内の内情伝えたニュースがあったような。
ぶっちゃけ米空軍ほどの機種と武装と能力があればこその話。
>MQ-9×100機
イラクとアフガンで使いまくってたんだろうなぁ。
初期ロット品がアップデート見送られて早期引退するのは仕方無いですよね。
ところで最近飛行試験してるF-22Aの新タイルコーティングすごくかっこいいので、早く正式実装にうつってほしいです。
しかし1年間で退役する機体だけで中小国の空軍殲滅できるなこれ・・・
フランクケンドール空軍長官はF-15EXの調達数増と並行して調達中止の検討も命じているので
最終的な調達数は不透明ですね。
現状ではJ-20の戦力は数を増やせばどうにかなる範囲って結論なんでしょうかね
この機体は米軍の最高傑作の一つとして後世でも語り継がれるでしょう
実戦を経ずにその評価は甘すぎるだろ、どこかで有終の美を飾って貰いたい
世界最強だの最高傑作だの持ち上げられてたけど、F-15よりも先に退役開始。
単なる駄作機だったんだよ、これ。
なんつってもロシア製IRSTでモロバレだったしね。
流石にレーダーとIRSTじゃ距離が違いすぎるだろ…