米陸軍は2020年9月「M109A6がHVP(超高速発射体)を使用して巡航ミサイルの動きを模倣した標的機の迎撃に成功した」と発表していたが、米陸軍は装輪式自走砲、HVP、IBCSを組み合わせて弾道ミサイルや巡航ミサイルも迎撃可能な防空システムの開発に乗り出した。
参考:Multi-Domain Artillery Cannon (MDAC) RFI
参考:Railgun Ammo-Firing Air Defense Artillery Cannon Plans Laid Out By Army
HVPの価格は10万ドル以下なので現行のStingerよりも迎撃コストは安価
米海軍はレールガン向けの専用砲弾として低抗力設計を取り入れたHyper Velocity Projectile=HVP(超高速発射体)を開発し、これを通常の大砲でも使用可能な高速多目的弾(装薬使用)として発展させ、開発元のBAEはHVPについて「レールガン、陸軍や海兵隊の155mm砲、海軍の5インチ(127mm)砲などで使用出来る次世代の低抗力誘導弾だ」「実行可能な任務はHVPを使用する大砲とプラットフォームによって異なるものの、水上艦艇で使用すれば弾道ミサイルや巡航ミサイルの迎撃、航行中の艦艇、地上目標の攻撃に活用できる」と説明。

出典:U.S. Navy photo by John F. Williams/Released HVP
HVPは通常の大砲で使用しても低抗力設計の効果で高速性、機動性、目標到達時間の短縮を実現、さらに標準砲弾の数倍以上とも噂される到達距離をロケットモーターのアシストなしで実現しており、米陸軍は2020年9月「M109A6がHVPを使用して巡航ミサイルの動きを模倣した標的機=BQM-167の迎撃に成功した」と発表した。
この結果はセンサーと射手の分離(特定のセンサーに射手が依存しない、全領域のセンサーを統合して収集したデータをリアルタイムに共有・統合できるという意味)が可能になったお陰なのだが、米陸軍は155mm自走砲をベースにした新しい防空システムの開発に乗り出したらしい。
米陸軍の早期能力重要技術室(RCCTO)は8日に発行した情報提供依頼書(RFI)の中で「装輪式の155mm自走砲システムとHVPを組み合わせたMulti-Domain Artillery Cannon=MDACのプロトタイプに関する情報提供を求める」「2027会計年度の第4四半期までにプロトタイプを納品し、2028会計年度にデモンストレーションを行う必要がある」と述べている。
WAR ZONEは米空軍研究所が2年前「装輪式自走砲」「HVP」「IBCS」を組み合わせた防空砲の概念を発表したこと、2020年9年のデモンストレーションに触れながら「MDACは弾道ミサイル、巡航ミサイル、自爆型無人機などから拠点を守る低コストの防空システムだ」「155mm榴弾砲を使用しているためMDACは必要に応じて防空以外の用途にも使用されるかもしれない」「MDACは単独で機能することを期待されておらず、既存の防空レイヤーに追加の保護レイヤーを提供する」と述べているのが興味深い。
要するにMDACは統合防空向けの指揮統制システム「IBCS=Integrated Air and Missile Defense Battle Command System」に追加され、THAAD、Patriot、Enduring Shield(AIM-9X Interceptor)、M-SHORAD、Coyote、レーザーなどで構成される防空レイヤーの「新たな射手」となるという意味で、WAR ZONEは「HVPの価格は10万ドル以下なので現行のStingerよりも安価だ」と述べている。
因みに日本も「統合対空信管の研究」を通じて155mm砲弾によるドローン迎撃を検討しているが、米陸軍のMDAC=マルチドメイン砲とHVPの組み合わせは直撃方式なので完全に別物だ。
関連記事:センサーとシューターの分離が進む米陸軍、自走砲で巡航ミサイル迎撃に成功
関連記事:ウクライナ侵攻で統合防空の重要性が高まる、IBCSに欧州8ヶ国が関心
※アイキャッチ画像の出典:Air Force Research Laboratory
すごい、高射砲が復活してる
そしてこの高射砲を搭載した戦車がドイツで開発されるんですねわかります
M26もT34/85も主砲は元高射砲だからあの時代だとむしろスタンダードというか
無人機から弾道弾まで、対空対艦対地マルチってのがなんともアメリカン
数の上では圧倒的にドローンが多いだろうから、個人的には、本邦の中SAM系+統合対空信管の組み合わせの方が安心して見ていられる
旧時代の遺物と思われていた高射砲がまさかの復活とは。
本当に戦争って言うのは何が起きるかわからん。
安く数を揃えられるなら革新的だな
技術の進歩で逆に先祖返りしてるの面白い
防空砲然り塹壕戦然り
しかしこの射程で10万ドルが本当に安価かどうか・・
この辺がアメリカンな感覚ですね、確かに比較対象がパトリオットとかなら激安ですが。
日本の野戦防空用レールガンの構想をもっと保守的にした感じですかね。個人的には高射砲の時代はまた来ると思っていたので驚きはないですが、コスパが優れるとかいう話は完全に眉唾だと思います。
HVPとは榴弾砲から撃つAPCRみたいなものだと思うのですが、無誘導の直撃方式ですからある程度数が打てないことには始まらないでしょう。大気の影響がある以上、無誘導の砲で一発必中はまずありえないですし、巡航ミサイルであればアルゴリズムに従って回避機動をとるかもしれませんし、弾道ミサイルなら迎撃に使える猶予時間は極めて短いです。正直155ミリである必要あるのか、もっと小口径にして速射性を高めたほうがいいのでは。
少なくとも2021年にGLGPが中止された時点では、
Gun-Launched Guided Projectile
と言う名のとおり、誘導弾であることが前提
事実、2020年のBAEのデモも誘導弾
ただ、誘導弾なのになぜ安いのか?については不明
そりゃロケットモーターを備えたStingerよりは砲弾+装薬の方が安いでしょう。
スティンガー 1ユニット 38,000ドル(2017年)
これに対して
エクスカリバー 1発 54,000ドル(2016年)
これにシーカー類が必要
ちなみにエクスカリバー初回ロットは1発20万ドル超
エクスカリバーは要求される計算量が全然違うでしょう。
対地兵器なんだから着弾までの長時間の、大気の濃く挙動の複雑な対流圏を貫いて推力も無しに目標に到達する複雑怪奇で軌道演算をリアルタイムでこなさなきゃいけない。
相手が成層圏以上で純然たる弾道弾や滑空比の低い滑空弾なら難易度は大幅に低い。ウェーブライダー式の高揚力滑空弾やら超低空や超音速の巡航ミサイルが相手となると難しいでしょうがそうした対象はSAMに任せりゃいい訳で。
その名のとおり、対空だけでなく対地対艦兼用
「スティンガーより安い」とされているのは「kinetic railgun version」ですよ?
kinetic の定義にもよりますが、スティンガーと比較してるところからして私は対空用であろうと考えます。
てかエクスカリバーと同等の誘導ができて数分の1のコストなら何としてでもとっととそっちに乗り換えるでしょ…
2020年に公表されたバージョンは、以下の4つ
レールガン用
155mmAGS用
MK45用
155mm榴弾砲用
レールガン用は運動エネルギーが大きいので炸薬なし、つまりキネティック弾が採用された
資料中にレールガン用でも対空、対艦、対地兼用と明記されている
と言うか、2020年の時点では装弾筒が異なるだけで、中身は断面図見ればわかる通り同一
この点でもコストを低減している
ただしこの時はレールガンありきだったので、今回どうなるかは不明
で、仮に安いのはレールガン用のキネティック弾だけ、HEバージョンはもっと高い、と言うのでは、レールガン無き現在、「安いHPV」は存在しうるのか?
そもそも「10万ドル以下」は推定、しかも2020年当時の推定であって、メーカーや軍の見解ではない
たぶんそれが正しいけど。
たぶん発想が逆で、155mm自走砲に対ドローン能力、高射砲能力を持たせたいがあって。それがあれやこれやで肥大化している状態。防空砲を作る、弾道ミサイル落とすまで肥大化中。
砲弾の発射地点を逆算するレーダーとかあるから、中型ドローンとか意外と見えているのかもしれない。
あとスティガーは距離が10キロないので、なんか欲しいというのもあるのかも。
ロシアや中国の動きも楽しみ。
ウクライナ「高価な多用途砲弾なんかいらん、安い普通の榴弾をいっぱいよこせ」
噴進弾(ロケットモーターアシスト)ならともかく、射程距離数倍はちょっと信じられない
技術的なブレイクスルーでもあったのだろうか?
2020年のBAEのデモの資料でも、
155mm榴弾砲で17NM、
5インチMK45 mod2/4で26-41NM
程度に過ぎない(数割増し?)
155mmは通常だと初速は800m/sちょいだろうから、形状(空気抵抗削減)だけで数倍の飛距離は色々問題がある
デカい羽付ければ距離を伸ばすことは出来るだろうけど、遅くなるので弾道弾の撃墜は、、、
通常の弾道コースなら会合ポイントへ先回りすればいいのでいけるのか?
運動エネルギーをぶつけるので炸薬は少量でオッケー、すなわちApfsdsみたいな矢のようなデザインになるんでは。
それが本当にカタログ通りに当たるのかはなんともですが。
初速が2,000m/sに迫ろうかと言う戦車砲なら物理的にいけると思いますが、、、
800m/sちょいだと、速度そのものはもちろん、運動エネルギーとしても足りなくなりそうなので、、、
実際BAEのデモでは、レールガン用のみ炸薬なし、その他は炸薬ありでした
あと、少なくとも当時は誘導弾であることが前提でした
今回は低コストと共にあえてHVPと言う名称を引っ張り出して来ているので、どうなりますかね?
一応形状だけでも音速以下の領域なら空気抵抗は結構変わりますけどね
実験動画もあったけど椎の実型(先端尖りケツが丸い)と流線形(先端丸くケツが尖り)で後者のほうが抗力が大体4割ぐらい?減っていたから、飛ばしたい速度領域で理想的な形状なら効果は割かし高いのかも
後はモデルロケットやってた人が言ってましたが表面の処理、極小の凸凹でも飛行高度(飛距離)はかなり変わるそうですし、実際その人いわく最終仕上げでフッ素コートやったら全然飛距離違ったそうです
そういった細かい積み重ねで飛距離数倍というのはあり得るのかもしれない
写真にある飛翔体の形状をみると、撃ちだす時にサボが必要になるのでAPFSDS弾的な特徴を持つことになりそう。
減口径弾で、装薬を強化して撃ちだす初速をあげてるようですし、通常の155㎜砲弾よりかなりの高初速になるかと。
あとは低抗力形状で速度低下しにくい飛翔体ということで、射程距離がぐーんと伸びる、と。
ただ、口径が随分減るから、AP弾的な使用になるんでしょうね。小さな羽が付いてるから誘導・直撃ありき、と。
常に強装弾使用って感じなので既存の155㎜砲で撃つと砲身命数をガリガリ削りそうですね。
ありがとうございます
減口径弾の理屈としては、装弾筒を分離することにより空気抵抗を減らして減速を防ぐことにあり、同じ装薬、同じ圧力であれば初速が上がることはないと思います
APFSDS弾については、侵徹を有利にするために同じ質量でなるべく細長くすることと、弾着時に侵徹が生じる速度(1,100m/s)を維持するため(減速を抑えるため)の仕組みだと思います
砲身寿命と引き換えになるのは、全くもってそのとおりだと思います
装薬8号以上連発ですかね、、、
すみません、完全に失念していました
減口径弾の効果には、重量軽減があります
装弾筒を含めた質量を小さくすれば、ご指摘のとおり初速を上げることが出来ると思います
大変申し訳ございませんでした
まさか命数が百発程度ってオチは無いよね?
HVPは超高速弾で、動画では高砲口エネルギー砲だと明記しています。
画像で手にする砲弾がHVPならば、形状的に砲口初速が超音速なのは間違いないと思います。衝撃波発生下の抵抗を大幅に低減できたということかと。超音速飛翔の範囲が有効射程なのでしょう。
レールガン用(目標初速2,500m/s)に開発して来たので、元々超音速に対応しています
今回はその弾丸を通常砲で使用しようと言う話です
そもそも155mmの初速は800m/s以上なので、軽く音速を超えています
一方でその強度、最大燃焼ガス圧が400MPaにも満たない榴弾砲では戦車砲(600MPa、1,800m/s)レベルの初速すら物理的に無理だと思います
すみません、改めて2014年のインタビュー時の写真を見て重要な点を見落としていたことに気がつきました
下手すると片手で持てるほど軽々と持っています(このページ2枚目の写真)
モックなので重さまで正確に再現しているかわかりませんが、装弾筒を含めて仮に質量が半減していれば、戦車砲並みの初速も可能?
ただ、炸薬なし/極小だとした場合、質量が小さいと破壊力も小さくなる、、、
対空重視の直撃前提なら問題ないのか?
だけど対地だと効果あるんか?
Multi-Domain Artillery Cannon なので、所謂既存榴弾砲の諸元仕様ではないでしょう。
念頭にあるのは、より高砲口初速を可能とするHVP弾体と専用装薬も使用可能な多用途砲としての仕様を付与する砲システムなんだと思います。
なるほど
HVP自体は既存155mm榴弾砲にも使えるけど性能に制限あり
専用のマルチドメイン砲を使用すれば専用装薬によってその性能をフルに発揮出来ると、、、、
速射性がそんなにあるとも思えない155mm砲で大丈夫なんかいな。
無誘導弾だと宿命として未来位置予測射撃となるから、いくらHE弾とVT信管積んでたって確率論で撃墜することには変わりなく、ある程度の数撃ち込まないと撃墜確率
1以上にできないだろう。
まあ、ドローンだとV1航空爆弾よろしく動きが直線的とか速度が遅くて未来位置予測範囲が狭くて済むとか、ありはするんだろうけど。
第二次大戦の巡洋艦よろしく、多数のコイツを配備して弾幕形成するのかもしれないですね
ただ、それだとコストメリットが相殺されてしまうので確実性の低い高射砲を揃える意味あるの?って感じですが
イタリアでオートメララ製76mm砲を搭載した対空戦車が試作された時、現代戦でこんなもの役に立たないだろうと誰もが思っていた。76mm砲なら3秒に1発ぐらいの速射が可能かつ、センサー及び方向舵をギリギリ組み込めそうなので低空目標の破壊に向いてそうです。
射程が問題なんでしょうね。既存の砲型防空兵器は射程が低すぎるんですわ。また、ミサイルも出来れば節約したい短距離緒用ですら数も限られるのですし…
そうなると、まだ遠距離上にある目標を多少減らせるだけでも意味がある訳でこれで全滅させる必要はないって事ですね。むしろ他の防空資源を節約する&お互いの上空を散開している各砲部隊でカバーしあうみたいな代物なんでしょう。
コストパフォーマンス・数を求められるようになり、先祖返りしていますね。
出来れば凄いけど誘導なしで当たるんかいな
むしろ弾幕はるような安くて量産できるほうが安定しないかな?
『安く』『まとまった数を』『早く準備する』って、西側軍事産業が一番苦手なジャンルなので、これも恐らく企画倒れになると思います
ドローンやミサイルを撃ち落とせるような高性能な高射砲がそんなにポンポン用意できるなんて信じられません
ちょっとこれはねー。戦間期に米陸軍が試みていた両用野砲計画の二の舞になりそうな気がするんですよね。結局高くて使いにくいシステムが出来上がるっていう。まあ、当時とは技術水準が異なりますので実用的な範囲に収められる可能性はそれなりにはあると思いますが。
40年〜50年台の15センチ級対空砲が色々試作された時期も彷彿とさせ、まさかこんな歴史を繰り返すとは。
ついでにロマンの塊である高射砲塔も復活してくれ
移動式にするか組み立て式にしないと…
その辺の高層ビルの屋上にOTOMATICの砲塔を設置すれば手軽に出来上がりますぞ。
厚さ数メートルの分厚いコンクリートで作って戦後解体に難儀するような頑丈さが無いとロマンが足りないなぁ
重厚長大なフラックタワーも確かにロマンなのだが(というより実用一辺倒か)、お手軽に作る代わりに隠顕式にして一見普通の街並みのそこかしこから砲塔が現れるのもまた別のロマンが。3つ目の新東京市みたいに地面から対空兵装ビル生やしてほしい。
莫大な電流が流れるレールガンで誘導弾は無理があるだろう
近距離低速目標は155mm砲で、遠距離高速目標は再使用可能ロケットブースターでというところが妥当じゃないかな
現在の大砲をレールガンに置き換えれば装薬が不要になり、装填作業の簡易化や兵站面でメリットが大きい。代わりに電源車両が付随することになり、これに砲撃監視レーダーを追加すれば地対空ミサイルセットそっくりな構成になる。
バカな!直撃のはずだ!
大丈夫?今の米陸軍に「安価な兵器」作れるのか?
「防空以外の用途にも使用されるかもしれない」
お笑いウルトラクイズの人間大砲とかかな
OTOMATICを127mm砲にした方が早く安く出来そう
米軍のことだし仕様凍結せずに作って闇に消えそう
気付いたら対戦車砲になってそう
アメリカの大風呂敷兵器シリーズ、体感9割ぐらい開発中止か量産中止なので堅実に対ドローンだけでやってほしい
Multi-Domain Artillery Cannonが普通に榴弾砲として使えるなら、19式なんて辞めてこっちの方にしねぇかなぁ。乗員はそこまで要らないし少ない乗員保護だけ考えたらより重装甲も可能。C-130で展開出来るなら戦略的機動性に優れるだろうし三次元の巡航ミサイルやUAVに直撃出来るなら陸上目標の直撃なんてもっとハードルが低いように思う。
それにしても生産数が減って高性能なスティンガーの価格はヤバいな3発でAIM-120D一発買えるとか。
なんか用途があれもこれもと欲張りな割に兵器としては安価さを重視とチグハグな印象
メーカーと購入先になる軍の両方で上手く実戦配備時のコンセプトを舵取りできないと虻蜂取らずなものができそう
>全領域のセンサーを統合して収集したデータをリアルタイムに共有・統合
することで目標に応じ砲弾を選択し多用途に対応する砲システムなんで、運用段階での費用対効果面で安価になるということなのかなと。イニシャルコストが許容範囲ならば米軍的にはOKなのかも。
しかし、操砲や装填及び照準等の自動化率を高め射撃レートも上げようという構想なんで、砲車単体だけでも大概の国には高価なものになりますよね。ましてや全領域をカバーするセンサーや照準システムと連動するわけで、対空砲としても使用するには相応の設備投資が必須です。
懐かしいですね
発表された当時は「じ、自走砲で巡航ミサイルを迎撃するとか何かおかしな薬でもやってるのか…?」などと言われていたような思い出がありますが着々と研究が進んでいたのはさすがはアメリカというべきなのでしょうか
この車両だからどうのでなく今や砲兵が連接戦闘の前提なので捜索も照準もレーダー搭載されずとも対空戦闘に加入が可能なのでしょう。だとしたら牽引砲はいざ知らずパラディンでも原理的には可能なはず。しかしパラディンはC130で飛ばせないので陸軍新型のに共通の無人車載榴弾砲を使うって事ですかね。
しかしどう考えても18t未満の装輪よりパラディンのほうが精度では上のはず。例え誘導砲弾だろうとも連射するなら尚更でしょう。砲兵で連接式の対空をやるなら長口径化も合わせて装軌復活で新たに開発促進される分野になりそうな?
地対地でも野戦火砲の性能向上はニーズが高いのですからAW部隊の復活よりか自走榴弾砲が長距離AWも可能になってしまう方が現場も対応が容易かも。また配置位置として砲兵は必ず後方にいる。近接戦闘部隊に追随のAW部隊とは異なり残存性は高い。
これは誘導弾ということでよいのでしょうか?
ロケットモーターは付いていないけれど羽は動くようになっていて、
高速で弾が撃ち出された後は、弾自身が羽を操舵して軌道を調整するような。
さすがにそれじゃセンサーや通信機を小さい弾頭に搭載しなきゃならないから無誘導?
それとも発射直前にコース決め打ちで操舵タイミングをプログラムしておく?
新たな防空網の一角を担う=必中を前提とする、なら他の方も指摘されている通り相当数を発射することが前提になり、かえってコストが高くなってしまうような気がします。
なので弾道ミサイルなども狙っていくなんてのは関係者の誇大広告で、実際に期待されているのは榴弾砲が自衛できるようになること程度ではとか思ったり。自前の対空火力で安価なドローンにやられてしまうのを防ぐだけでも十分有用だと思います。
しかし昨今の米軍を見ると本気で全部乗せを狙っていて、コスト高で開発失敗というのも十分あり得る・・・
>新たな防空網の一角を担う=必中を前提とする
逆では?
>MDACは単独で機能することを期待されておらず、既存の防空レイヤーに追加の保護レイヤーを提供する
なのだから、必中は求められてないでしょう。
強装弾に耐える火砲
抗力の低い誘導砲弾
センサーフュージョンで目標情報を共有するシステム
それぞれ言ってることは合理的なんだけど、米帝はどうしていっぺんにまとめて開発しようとしてしまうのか
マクナマラ教でしょうな
先日、他所の記事で陸自が155mm榴弾砲を使って、対空射撃(ドローンを対象)
用の信管を作る話があったと思いますが、それとは趣が違うのですね。
口径155mmだと、発射レートは十分かしら。
昔の五式十五糎高射砲で、約六秒/発だったそうだから、このくらいは必要では。
今、一番発射レートが大きいのは、スウェーデンのアーチャーで8-9発/分、
ドイツのPzh2000で8発/分だそうだから、もう少しレートを上げないといけないのでは?。
タイガー級巡洋艦の主砲が20発/分なので、その位は目指してほしいですね。
第二次世界大戦以降で初めての砲弾形状進化なのでは
量産化すれば通常の155mmと大差ない価格になるだろうし
砲弾を手作業で作ってる現状から機械量産になれば価格は下がるだろうな
射程や速度が限られるのは榴弾だからじゃないかな。
この砲弾は飛翔体の構造を引き裂ければよいという前提なので…重量や形状を大胆に変更する事によって加速や速度維持を高めて脆弱な構造の巡航ミサイルやドローン等をズタズタにしようという事かと。
元々程ほどの対空砲というのがなかなかなくて、近付かないといけないというリスクがあったんですよね。
あと、結構高い上に数が少ないという問題がありました。これならレーダー設備は既存の防空システムを流用する話だし、砲身も自走砲を流用する話になる。また、一番狙われるのは自走砲なので…一部の砲に自衛を担わせる事も出来る。
また、イランが世界中にドローンやミサイルをばら撒く可能性もありますので…対抗手段の数を増やす必要もあるってことかな。
元々ロシアの侵攻を抑えるにはその後ろの火砲に対抗する必要があるが、そうならなかった場合にどう使うのか?という回答でもあるのかも。都市や部隊防空に使えるから無駄にならないと。
しかし、対空用の88mmを地上へ向けて撃った過去から、地上に撃つ為の155mmを空に向けて撃つ時代かw
奇しくも当時と展開が逆になる訳ですね感慨深いものがある。