トランプ大統領は「NATOのルッテ事務総長とグリーンランドを含む北極圏全体に関する枠組みで合意に達した」と発言したが、この枠組み内での交渉期限を2週間に設定し、国防総省も国家防衛戦略の中で「西半球の利益に同盟国が協力しなければ断固たる行動をとる」と言及した。
参考:Trump’s Moves on Greenland
参考:Trump Sets His Favourite Made-Up Deadline For Details On Greenland Deal
参考:Pentagon shifts defense strategy to focus on homeland, offer more limited support to allies
参考:Trump threatens Canada with 100% tariff over pending trade deal with China
トランプ大統領は西半球における米国の利益に同盟国が協力しなければ断固たる行動
トランプ大統領はグリーンランド問題について「NATOのルッテ事務総長とグリーンランドを含む北極圏全体に関する枠組みで合意に達した」と発言したが、デンマーク側は「トランプの発言は馬鹿げている」「NATOに我々抜きで(グリーンランド問題を米国と)交渉する権限はない」と主張し、そもそも北極圏全体に関する枠組みの中身が何なのか不明で、New York Timesは21日「米国とNATOはグリーンランドの特定地域に限定した主権を米国に移譲し、そこに米国が軍事基地を建設できるようにするという内容を協議した」と報じた。
トランプ大統領はダボス会議からの帰国途中「この合意にデンマークが賛成しているのか?」「グリーンランド構想にはどのような要素が含まれているのか?」と記者から質問され「全員が気に入っていると思う。少なくとも私はそう思っている。2週間ほどで(進展を)を教える」「何だってやりたいことができる。軍事的なことも可能だ。望むことは何でもできるし現在交渉中だ。どうなるか見てみよう」と回答。
再び「グリーンランドの所有権を取得する計画はあるのか?」と記者から問われると「物事を成し遂げようという前向きな精神がある。我々には強固な自由が必要だ。自分たちがやりたいことを正確に実行できる能力を持たねばならない。我々には偉大な軍隊がある。私がその偉大な軍隊を築き上げたのだ」と述べて「2週間」と期限を繰り返し、米国が納得する条件を合意した枠組みから引き出す期間は2週間=2月上旬までで、そこまでに条件で合意できなければ再び脅迫が始まるのだろう。

出典:U.S. Department of Defense
米軍の準機関紙=星条旗新聞も24日「国防総省は国家防衛戦略(NDS)の中でパナマ運河、アメリカ湾、さらにグリーンランドへの米軍および商業的なアクセスを保証すると言及した」「隣国でありNATO加盟国でもあるカナダ、近隣の同盟国やパートナー諸国と協力し、彼らが我々の共通利益を尊重し、それを守るための役割を果たすよう徹底する」「同盟国がそうしない場合、米国の利益を具体的に前進させるため焦点を絞った断固たる行動をとる」と指摘。
要するに「トランプ大統領がグリーンランドの所有権を取得するため武力を行使しないと言ったものの、西半球における米国の利益に同盟国が協力しなければ断固たる行動を、つまり武力行使を含むあらゆる手段を行使する」という意味で、NDSは「欧州防衛に関する責任の大部分は欧州」「米国はそれに限定的な支援を与える」と述べており、欧州が自主防衛体制を確立する2030年代まで「あらゆる理不尽な要求」に屈し続けなければならないだろう。
因みにトランプ大統領はカーニー首相が中国を訪問した直後「カナダが中国との貿易協定に署名するのは良いことだ」「中国と合意できるならそうすべきだ」と述べていたが、24日「カナダは自国を守ることになるにもかかわらず、グリーンランドへのゴールデンドーム建設に反対している」「その代わりに彼らは中国とのビジネスを行うことに賛成票を投じた」「中国は1年もしないうちに彼らを食い尽くしてしまうだろう」「もしカーニー首相が中国が米国へ物品や製品を送り込むための中継地にカナダをしようと考えているのなら大きな間違いだ」「カナダが中国と取引を行うなら全カナダ製品に100%の関税を課す」と言及。
カナダと中国が署名した貿易協定は「電気自動車、キャノーラ種子、鉄鋼、アルミニウムなど限定的な品目の関税」を調整するもので、カナダ・米国貿易担当相のドミニク・ルブラン氏も「我々は中国と自由貿易協定の締結を目指しているわけではない」と説明したが、トランプ大統領にとっては「貿易協定の中身」などどうでもよく「自分の意向に屈しないカナダを攻撃する名目=事実ではなく物語」が欲しいだけなので正論を主張しても無意味だ。
関連記事:米国防次官が日韓を訪問、世界基準の国防支出として総額5.0%を要求か
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Spencer Slocum




















次の大統領は苦労しそうですね
トランプ大統領が進めるアメリカ孤立路線を継承するのかそれても各国に頭を下げて国際関係を改善するのか、どちらを選んでも茨の道になるでしょうし。
一連の流れってトランプが暴れてるだけなのか、もともとアメリカ自身にこの手の構想があってトランプが乗ってるだけなのか気になります。
アメリカ自身の構想だった場合、トランプが辞めてもこの流れは変わらないでしょうね。
構想というか土台となる検討レポート(勿論極秘)はあったのでしょうね。もしかしたら冷戦時代の理想的プランかもですが。
トランプがアメリカ最優先に拘りパンドラの箱を開けてしまった、てのが納得し易い。
アメリカが、(特に対中国では)なりふりかまってられないくらいに、余裕がなくなってきたように感じますね。
日米関係に関しては、日米連携してレートチェックやりましたが『2011年東日本大震災後の協調介入』以来でしょうから、日米関係は相対的にそれなりに上手く行えてるのかなと感じています。
(2026年1月25日 為替介入めぐり”日米連携”か…アメリカ通貨当局による「レートチェック」のけん制効果は FNNプライムオンライン)
あらゆる理不尽な要求を受け入れてきた日本を見習ったら良い、欧州は被害者顔するのだけは辞めるべきで過去にどれだけ世界中で好き勝手やってきたのか鑑みて欲しい。
こういう極端でナショナリズムに訴えかける意見も、日欧(西側)分断のプロパガンダなんだろうね
沖縄の先例に倣って軍の司政官だけをいただくかもしれない
完全にファシストですね。
全方向にこういう国になってるわけだからいずれ矛先が日本に向くに決まってる
ミネアポリスの現状とか見てると本当に中間選挙も次の大統領選挙もないかもなぁ
次の大統領はバロン君だったりしてな
厳冬下のミネアポリスに5万人が集まった抗議デモをICEが鎮圧していたというニュースもありますね。
事件への対抗措置として予算案に賛成しないと表明した民主党議員が複数人いるため、また政府閉鎖の公算大だそうです。
トランプがICEの運用を見直す気配はゼロですから、いつまで続くのか読めませんね…。
世界はあと3年もつき合わせられるのか・・・
日本にとばっちりがきませんように
というか日本にとばっちりが来ないということは中国と世界分割のディールがおこなわれたという論証になる
時が過ぎ去るのは早く感じるがトランプの1年は長く感じるわ。
ホンマにどーしよーもねぇやっちゃ…
>「中国は1年もしないうちに彼らを食い尽くしてしまうだろう」
恐らくこれはマジだと思う
連中はイナゴだ
>「米国とNATOはグリーンランドの特定地域に限定した主権を米国に移譲し、そこに米国が軍事基地を建設できるようにするという内容を協議した」
2週間で妥協点が見つかるワケないから、多分軍事行動ありますねこれは……
ただ、アメリカが強いままで居て貰わないと日本の国防と経済にとって不利益だから、グリーンランド程度で機嫌が収まってくれるのなら日本にとっては御の字だ
暫くこっちもグダグダしそうだし…
そうなんですよね、なんだかんだ米国が強い方がトータルで今の日本は特の方が多いですね。
日本の(日米)地位協定的なのでなんとかと思うけど、トランプのご機嫌だけは予測できん
いくらなんでも軍事行動なんてことはないはずだが・・
そうだと良いなぁ(願望)
自衛隊の中で「在日米軍が日本の政府機関を制圧する」というシナリオ研究はされているんでしょうかねえ。
公になったら三ツ矢研究どころの話ではありませんが、やっていなかったら自衛隊に失望します。
ふと今のアメリカの敵はカナダ・欧州・中南米・イラン・中国・国内か……
全ての問題が連鎖的に爆発したら楽しい事になるだろう。考えたくないな
少し前までは「中国が世界の敵」2020年代はじめら「ロシアも世界の敵」と認識していましたが「建前を捨てたアメリカが世界の敵」になる道は予想だにしてなかったですね。
70歳以上の老人トップに世界を決められても、と思いましたが、ヴァンス副大統領が41歳であることから「年齢が問題ではない」という絶望感もままあります。
10年以上前のサウスパークでアメリカ軍がカナダに侵略するという話があったが
まさか真実味を帯びる時代が来るとは思わなかった