米国関連

トルコ、米国に保有するMLRSやATACMSのウクライナ移転許可を求める

トルコは保有するM270 MLRS×12基、M39 ATACMS×70発、M26 クラスター弾頭搭載ロケット弾×2,524発、2S7ピオンおよびM110で使用可能なクラスター弾頭搭載M509A1砲弾×47,000発のウクライナ移転許可を米国に求めており、この移転に米議会が反対する可能性は限りなく低い。

参考:Congressional Record UNUM PROCEEDINGS AND DEBATES OF THE 119th CONGRESS, SECOND SESSION

議会はトルコが要求するウクライナへの移転を阻止する可能性は低く、8月18日までに移転を阻止する共同決議を採択しないと19日に発効する

米政府は8月6日の議会記録を公開し、国務省が議会に主要防衛装備品の恒久的な移転案に関する通知(DEPARTMENT OF STATE TRANSMITTAL NO. RSAT 26–11496 およびRSAT case 26–11558)を行ったことが判明し、トルコは旧式装備(M270 MLRS×12基)や弾薬(M39 ATACMS×70発、M26 クラスター弾頭搭載ロケット弾×2,524発、2S7ピオンおよびM110で使用可能なクラスター弾頭搭載M509A1砲弾×47,000発)の運用・維持に投じている資金を現在運用中のシステムの近代化や維持に振り替えるため、当該装備と弾薬をウクライナに移転する許可を求めている。

出典:Corporal Max Bryan RLC/OGL v1.0

両院が8月18日までに移転を阻止する共同決議を採択しない場合、トルコが要求するウクライナへの移転承認は19日に発効し、当該装備と弾薬は武器輸出を専門とするトルコのMKE AS、ブルガリアのVTIC International Ltd、米国のPansophico、Patriot Defense Groupを経由してウクライナ政府に移転=再輸出される見込みだ。

ちなみにトルコがウクライナに移転するATACMSは初期型のM39=BlockI(バイデン時代に供給したものと同じ)なので後継のBlockIA、最新のM57E1と比べて射程(最大165km)が短く、レーザージャイロスコープを用いた慣性誘導システムのみでGPSによる精密誘導には対応していない。

出典:public domain

M39はBlockIAやM57E1より命中精度で劣るかもしれないが、M74子弾950個で構成されるクラスター弾頭を搭載し、M74子弾は爆発時に約260個の破片を発生させて最大15平方メートルの範囲に致命的な影響を与える可能性がある。

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※アイキャッチ画像の出典:Photo by John Hamilton

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コメント

  • コメント (6)

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    • あああ
    • 2026年 8月 10日

    西側の正義なんて信じてないだろうし、裏がありそう

    17
      • センツァノーメ
      • 2026年 8月 10日

      今のウクライナに一番必要なS-400は含まれてないですしね…

      4
      • nachteule
      • 2026年 8月 10日

       裏も何も火事場を利用した単なる不用品処分でしょう。トルコのMLRSは導入してから30年以上経っている、S-400の問題と自国防衛産業を考えるなら米国製多連装ロケットシステムの新規導入や維持は魅力では無い。
       国内で装輪多連装ロケットを作り、それに登載する兵器も作れる環境がある。旧来のMLRSと使い勝手が限られるクラスター弾の有効活用して貰える引取先がそこにあるのだからウクライナとトルコに取っては悪い話では無い。

      30
      • 匿名11号
      • 2026年 8月 11日

      別に裏はないんでは。

      機嫌を損ねたところで今のロシアがトルコに何かできるわけありませんからねえ。
      ロシアに対する友誼に基づく忖度よりも、不用品処分という実利の方が上回るだけでしょう。

      9
    • たむごん
    • 2026年 8月 10日

    トルコは、ロシア・イラン・イスラエル・ギリシャなど、色々な動きのある国ですからね。

    単純な装備更新だけなのか、対ロシア含めて深謀遠慮があるのか、なんとも気になるところだなあと。

    11
    • 暇な人
    • 2026年 8月 10日

    米国の兵器は某国相手には使えない可能性が高いのでこの際高く売ってしまおうというわけですね

    10

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