米空軍は退役が認められたRQ-4/Block30の売却を発表、一方で米議会はF-22A Block20の退役を拒否してアップグレードを行うよう命じる構えを見せている。
参考:US Air Force turns over Block 30 Global Hawks to test centre
空軍の資金開放計画はなかなか思うように進まない、議会はF-22、E-8、E-3の退役にはNO、A-10の退役はOK
米空軍は複数保有する情報収集・監視・偵察(ISR)戦力を整理して将来戦力への投資資金を捻出するためE-8×4機やRQ-4/Block30×20機の退役を提案、議会との交渉は難航を極めたが2022年度の国防権限法(毎年の国防予算の大枠を決める法律)で退役が認められ、昨年12月にE-8の退役作業が今年の9月までに完了すると報じられていたが、RQ-4/Block30の退役作業も既に始まっている。

出典:public domain RQ-4
米空軍は23日、議会が退役を承認したRQ-4/Block30×20機の内5機を製造元のノースロップ・グラマンに売却したと発表して注目を集めているが、売却額やノースロップ・グラマンが引き取った機体をどのように活用するかなどは明かされていない。
一般人が思いつくのは引き取った機体を整備して他の顧客に転売する方法だが、機密の塊でSIGINT機能が搭載された米空軍仕様機を転売するのは不可能に近く、ノースロップ・グラマンは引き取った機体をどのように活用していくつもりなのだろうか?

出典:U.S. Air Force photo by 2nd Lt. Samuel Eckholm
因みに米空軍は今年も訓練用途に限定して使用しているF-22A Block20×33機を議会に提案しているが、議会は逆にBlock20をアップグレードして保持することを義務付けた国防権限法を準備していると報じられており、この国防権限法が成立すると米空軍はBlock20をBlock30/35並みにアップグレードするため18億ドルも資金を投資する必要がある。
さらに33機のBlock20を全てBlock30/35並みにアップグレードするには8年間も掛かるため、アップグレードされたBlock20が全て揃う頃にはNGADの配備が開始されているだろう。

出典:U.S. Air National Guard photo by Staff Sgt. Mercedee Wilds
恐らく米空軍の上層部は「Block20の退役を拒否してもいいのでアップグレードだけは義務付けないでくれ」と祈っていると思うが、議会はE-8やE-3の退役も拒否、A-10退役に同意するとも報じられており、空軍の資金開放計画はなかなか思うように進んでいない。
追記:米空軍は7月末までにRQ-4/Block30×20機をノースロップ・グラマンに売却、新たにセンサーを搭載したのちテストリソース管理センターのテスト業務に使用されるらしい。
関連記事:米議会がF-15C/DやRQ-4/Block30など160機以上の早期退役に同意、但しA-10の退役はダメ
関連記事:米空軍がF-22削減方針を発表、186機→153機へのサイズダウンを予定
関連記事:米空軍がE-8C/Joint STARSの早期退役を開始、来年9月まで議会が認めた4機を処分
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Senior Airman Juan Torres
ロシアはウクライナ戦争、中国はゼロコロナによる経済的混乱でもたついている。
米軍としては今のうちにイノベーションに投資して質的ギャップを保つチャンスなんだけどね。
ラプターのアップグレードに金かけるってことはNGADの進捗に信用おけないってことだよね?
それと、早期警戒管制機の生存性が怪しくなっているため、
衛星コンステレーション計画を進めていますが、
そちらの進捗の保険(戦場認識力の代替確保として)も考えられると思います。
これからはドローンとステルス機のネットワークの時代か…
議会全体と有力議員の地元への利益誘導が原因で、別に国防を考えてなんてのはほとんどない
これで予算も増やさないで、軍の予算を議員の利権にしてるだけ
やっとA10は退役出来るのかな?
まあ何度も退役が延期されていますから今回も延期になる可能性は少し有るような気もする。
インディアナ州空軍のA-10を21機退役するそうです。
主翼を新造し飛行寿命を延命するプログラムが現在も進行していますし、SDBの統合やミッションコンピュータの更新も進められているので完全退役はしばらく先かと。
しかし、対テロ作戦が終了した以上、A-10の将来性がどれ位あるのか気になりますね(250機以上が現役に残る予定)。
製造元が買ったのは、派生機開発・試験のベースにするとかかしら
日本に売らないかなぁ
うちみたいな海洋国家だと、速度・航続距離的にちっこい無人機じゃ勉強や参考にならないから
このクラスの使い倒して、将来の国産の参考にできたらいいのに
グロホは、機器の保守はアメリカ軍人・軍属が行い自衛隊員は近寄れないから、機械のノウハウを得ることはできないね。せいぜい、飛行系の機器程度じゃないかな。
データもアメリカ軍が取ってから自衛隊に渡すため素の情報ではないわけで、どこまで知見を得られるのか。この辺は、イージスシステムと同じだね。
機械的知見が得られなくても、国内で大型無人機を扱うことにより、運用ノウハウと法律的問題点の洗い出しができるでしょう。
ロロ雑巾のように使い倒して飛べなくなったら、中身をアメリカに返して、航空博物館の展示物か、空自基地の露天展示品にするか、全部をアメリカの砂漠に送るのがよい使い道です
下手に部品を購入して延命を試みるべきではありません。
ミドルスペック・ミドルプライスの無人航空機を今から検討するべきです
賛同したいとこだけど、このクラスの大型航空機はボロ雑巾?に近い状態になっちゃったら少なくとも日本では飛ばすのは難しいかと。
飛べなくなったら、「保守部品が出なかった」「延命工事の費用が高い」などの適当な理由で早期退役させて、比較的安価な無人航空機に乗り換えるべきという意見です。
中露との交戦含む本格的な紛争の際には、米国が使用を制限する可能性を考慮し、地震や噴火などの災害派遣に積極的に利用し、損耗・損失で飛べなくなるまでに、次の無人機を検討し発注まで行うべきです。
徹底的にこき使うという面で、できるなら訓練と称して、警察の交通監視や、税務署の航空調査、海上保安庁の海難救助など、防衛省外の省庁との連携に用いて、協力関係の確認も行えるでしょう。
ちょうど今なら韓国や日本に納品中のブロック30iのパーツがありますし、延命・近代化して中古販売ですかね。
スペアパーツ取り用なのかもね。
>韓国や日本に
なるほど。
議会が軍と装備や予算について熱く議論を交わす国
財務省が…以下略 早く何とかしたいなぁ…
同意です。
財務省もですが、この状況にあってなお非武装中立を主張している売国奴と工作員もなんとかしたい。。
この状況下で、次官人事に手を突っ込んだり、防衛相降ろしを始めたり、と派閥闘争優先で防衛省の足を引っ張る現総理も困り物です。もう少し危機感を持って頂きたい…。
正直、岸防衛大臣は体力的に限界じゃないか?
声は聞き取りづらいし、杖までついている。
本人や周りが続投を希望しても、あの状態では首相の判断が正しく思える。
今の国際情勢で防衛相が急逝してしまったら、それこそ一大事でしょう。
ただ防衛事務次官を年末に改定控えてるこのタイミングで変えたのは、あからさま過ぎたけど。
そもそも、議会が反対する理由が分からない。
地元の雇用、企業からの献金の効果じゃね?
この件に関してはもっと詳しく解説してるブログもあるけど
議会側の言い分もそれはそれで筋が通ってるのがなんというかアメリカらしくて
F-15C、Dが全機退役で
その穴埋めとなる筈のF-15EXの調達は半減、その状態で低稼働率のF-22の数も減らそうと空軍は言ってるけど
けれどNGADはF-22より高額なので、それら減った分の穴を埋める程の調達数にならない事も既に決まっていると
・・・じゃあ米本土防空はどうすんのよと?(F-35がその任務に適うと米議会が見做していないからそうなってるらしく・・・)
議会側にとっては同盟国の防衛なんぞよりも本土の防衛の方が遥かに優先順位が高いのは当然な訳で
その代り、米本土防衛には関係ないA-10を171機から153機に減らす案には同意しましょうと
つまりは米本土防空用、航空優勢作戦用の制空戦闘機をそんなに減らしても大丈夫だという
米空軍側の明確なビジョンと説明が米議会に対して為されていないという事なんだろうけど
アメリカの2面性って面白いなと個人的に思う次第で・・・
>議会側にとっては同盟国の防衛なんぞよりも本土の防衛の方が遥かに優先順位が高いのは当然な訳で
両サイドは大洋で隔てられている上、上下に接している国といえば、同盟国と弱小国しかいないのに、どれだけ心配性なのかと、傍から見てると思ってしまいますね。
>(F-35がその任務に適うと米議会が見做していないからそうなってるらしく・・・)
F-35に至っては、議会側が調達数減らそうとしてるのが、なんとも。
>F-15C、Dが全機退役で
>その穴埋めとなる筈のF-15EXの調達は半減、その状態で低稼働率のF-22の数も減らそうと空軍は言ってるけど
>けれどNGADはF-22より高額なので、それら減った分の穴を埋める程の調達数にならない事も既に決まっていると
第五世代戦闘機への切り替えが世界的に進んでいる状況では、第四世代戦闘機の量をいくら確保したところで、
限定的な戦力強化にしかならないと思いますが。
そもそも、米本土防衛というと本土まで攻め込まれる事態を想定するなら、敵国はアメリカ以上に強敵なわけで、F-15で武装すること自体が問題じゃないかと。
>つまりは米本土防空用、航空優勢作戦用の制空戦闘機をそんなに減らしても大丈夫だという
>米空軍側の明確なビジョンと説明が米議会に対して為されていないという事なんだろうけど
第一の脅威は中国であり、中国軍の太平洋への勢力拡大を防ぐことが最優先課題であり、そのために、NGAD機を開発している訳だから、
台湾・南シナ海有事に使用できる機体の開発を優先すべきで、使用できない機体は後回しだと説明したいだろうな。
ただ、米議会の半分(民主党員)は中国よりロシアだと思っているだろうから、そのあたりに溝が出来てるのだろうか。
(つまり、欧州戦線となれば、F-22にも活躍の場が生まれるという意味で)
F-22をアップグレードして糞高い維持費を浪費し続けるくらいならば、F-35のBlock4でよいのではないかという気も。
実際問題、米本土防空にF-35が能力的に不足と言う事は無いんでしょうし
流石にF-35Block4が完成すれば議会側も他の戦闘機の大胆な削減に同意すると自分も思います
一方でそれまでは議会側が梃子でも動かない可能性も高いのだろうとも
アメリカ本土は東西ともに常に空母艦隊(F-35Cなど)で海上での防衛体制を展開しているので、冷戦が終結し、まだ第一列島線が機能している現時点では本土防空の優先度が低いのでしょう
何処のブログか教えて。。
いい見方だと思います。
確かに、米議会側としては、アメリカ本土防衛の数的戦力を、米空軍から減らすと言われてるも同義なので、
これじゃ議会側は承認できないでしょうね。
献金だのの側面はたしかにあるかもしれないけれど、もっと単純に戦力減らしますと言われたら、州を代表する議員達がこれを承認するのは、なかなか難しい。
空軍側もこれに変わる代替案を出せているとは言い難い。
ただまあ、E-3退役させるかわりにをE-7A導入させるぐらいは認めてもいいとは思いますが…
日本と韓国はグロホ導入マジでミスったよな
まだ長距離無人機の選択肢や実績が少なく、在日・在韓米軍が運用していた実績をグローバルホークが持っていたという当時の事情では、無人機に積極的な関心を持っていればこその選択だったため仕方がないかと
結果としてグローバルホークの問題から無人機導入の難易度が上がってしまったのは不運ですが
買ったはいいけど
高すぎる
スペパーツ高い
米軍の分は退役
最悪のフルコンボ。トライトン買った方が良かったんじゃないかなぁ。
問題はトライトンも今は微妙な時期に入っていること
米軍は生産ライン維持のために年1機の調達のみ
オーストラリアが大金を積んで監視システム型を開発するのを待っている
そうはいっても、米議会の輸出承認から発注・デリバリーが行われるまで7年かかった。(輸入検討を含めると11年)
購入しようと検討している物が、10年後陳腐化しているのか(考えなければならないが)誰にも予知つかないので、仕方ない部分はあるだろう。
他に実績のある長距離無人機が少なく、それでいて在日米軍の運用実績があった時期でしたからね
むしろ積極的に無人機導入を考えていたからこその当時の決定だったわけで
米軍での運用終了を受けて採用を一度は保留したからね。
あそこで損切りできなかったのが残念。
F-22はまだ羽休めできないのか。
地元への利益誘導もあるだろうけど、米国議員の中にもF-22のファンが一定数いそうだな。
最強の代名詞だし。
一応最強の看板背負ってるからねぇ
A-10ですが。
一時期、相当数量を海兵隊へ移管する案がありましたが、
これが復活する可能性はないかなと思います。
海兵隊にしてみれば、制空権下で大変使い易いのではと想像します。
海兵隊本来の揚陸戦のみならず、これから起こるであろう対中共の有事で、
海上でも小目標(義勇?漁船団、等)を相手に出来るのではと思います。
海兵隊は戦車を全廃するくらいだから、本格的な揚陸作戦をする気はないよ。
航空機を増やすなら、ライトニングキャリアの為に、F-35Bでしょう。
>本格的な揚陸作戦をする気はないよ。
何だか、それでは海兵の存在理由がなくなる(笑)気がします。
あと、やりたくなくてもさせられる場合もあるかと。
やるやらないを最終的に決めるのは政治でしょう。
現在、大規模に縮小をかけている様子ではありますが、
その時に海兵が大損害を被らないことを願うのみです。
どうせ退役させるなら、ウクライナで損耗しつつも成果を上げるA-10の姿を見てみたい…
飛行性能は今でも一流なのかもしれませんが、アビオニクス系は20世紀末設計の物が今も続くとは空自のF-15Pre-MSIP機みたいな感じですね。
なぜ改修に巨額な資金が必要かは昔KF誌で読んだ覚えがありますが、借りに購入したがっていた日・豪・イスラエルでも近代化改修が出来ず困っていたのでしょうね。
導入時期的に考えてB30以上だからそれほど困らんと想う。
高精度3次元地図の作成・維持は今後のGISには必須。
地図情報を更新すべき場所を低コストで効率よく検出できるRQ-4は
むしろ民需にこそ需要のあるUAVかもしれない。