米陸軍は無人機攻撃の脅威に対処するため昨年12月「RTXのCoyote Block2とCoyote Block3を計6,700発調達する」と発表していたが、Andurilも8日「国防総省とRoadrunner-M供給に関する契約を締結した」と発表、再利用可能な徘徊型迎撃弾と呼ぶに相応しいRoadrunner-Mの採用が確定した。
参考:Anduril Industries Awarded Air Defense Production Contract with Department of Defense
参考:Anduril lands $250 million Pentagon contract for drone defense system
安価な無人機を迎撃する手段は着々と実用化に向っている
RTXは国立海洋大気庁がWP-3Dを使用して実施しているハリケーン追跡調査向けに小型無人機=Coyoteを開発、これを偵察・監視用途に米空軍と米陸軍も導入したが、RTXはCoyoteをベースに対無人機迎撃弾=Coyote Block2とCoyote Block3(Block2とは別物で非運動エフェクターを搭載して無人機のスウォーム攻撃迎撃に対応)を開発し、米陸軍は昨年12月「2029年度までにCoyote Block2とCoyote Block3を計6,700発調達する」と発表していたが、Andurilは8日「国防総省とRoadrunner-M供給に関する契約を締結した」と発表した。

出典:RTX Coyote Block2
Andurilが開発したRoadrunnerはジェットエンジンで駆動し、モジュール式ペイロードを交換することで様々なミッションに対応できる無人のVTOL機だが、この設計を流用したRoadrunner-Mは「再利用可能な徘徊型迎撃弾(管理人独自の解釈)」と呼ぶべき存在で、攻撃を受ける兆候があると判断された時点で発射され空中を徘徊、実際に脅威が接近してくれば迎撃に向かい、交戦しなければ自律的に帰還して再使用が可能なため、根本的に従来の迎撃弾とは運用方法の概念が異なる。
Andurilは8日「米軍に高度な防空能力を提供するため国防総省から2.5億ドルの契約を受注した。この契約は無人機攻撃の脅威に対処するためのもので、2025年末までに500機以上のRoadrunner-Mと追加のPulsar(新たな脅威に対応するため迅速な再プログラム可能な電子妨害装置)が納品される」と発表、DefenseNewsは「既にAndurilは対無人機システムの供給について特殊作戦軍と契約を締結(最大10億ドル/最大10年間)している」「今回の契約が特殊作戦軍向けなのか新規事業なのかは不明」と報じており、後者なら契約の主体は米陸軍である可能性が高い。
因みにAndurilはRoadrunnerを発表した昨年12月「米国の顧客向けに小規模(数百機分)な生産が行われている」「Roadrunnerの生産を直ぐに数十万機規模へ拡張する予定だ」と述べたことがあり、安価な無人機を迎撃する手段は着々と実用化に向っている。
関連記事:Anduril、超大規模生産と大量使用を前提にした巡航ミサイルを発表
関連記事:米空軍、無人戦闘機の初回開発にAndurilとGeneral Atomicを選定
関連記事:豪海軍とAndurilがGhost Sharkを公開、開発は予算超過もなく順調
関連記事:Andurilと現代重工業が提携、自立型海軍システムの設計と製造で協力
関連記事:韓国のハンファ、米国のAndurilと組んで米陸軍のUGV調達に挑戦
関連記事:ドローン対策に悩む米陸軍の救世主?1機のUAVで10機のドローン無力化に成功
※アイキャッチ画像の出典:Anduril
空打ちなら帰って来る弾頭ですね。
一見効率的だけど、送り狼を付けられると嫌だな。
これが更に発展したら、戦闘機も撃墜できる様になって、エリア88に出た、架空兵器の対空地雷T10みたいなのになるのか。
なんでエリア88のトンデモ兵器の話になるんだ?あれは発射した迎撃弾を再利用できる物じゃないし、マルチロール機の撃墜目指すなら既存のSAMの改良で良い話だと思うが?
高速で飛翔高度が高い機体撃墜すると言った時点で地上から上昇するのと最低でもマッハ2クラスの速度を出す推力が必要でNASAMSまでは行かないがミサイル自体が高価になっておまけに帰還能力すら付与するとかいくらのモノになるのか。
「でもお高いんでしょう?」
とか言いたくなる高品質臭。
昨日のエントリでの、迫撃砲弾にラジコンのプロペラ2つ付けただけのドローンの写真のインパクトが強すぎて。
米国の製造業はともかく、やはり軍事開発の面では世界最高であり、新たな戦場にも対応しつつありますね。
とは言え、これを10万の単位で毎月の様に作れることが、対中国では必要になってくるでしょう。
いくらインテグレートの能力が優れていても必要な部品を自前で作れないんじゃあんま意味ないけどね
冗談抜きでそのための電子部品を中国から買ってくるなんてことになりかねないし
半導体ばっかり取り沙汰されてるけど受動部品のシェアは中国に偏ってるからね
まあ、今はまだ日本もかなりシェア持ってるけど
被害を極小化しないといけない先進国では必要な装備
安価な兵器による殴り合いだけでは発展途上国との戦争に耐えられない
コヨーテとロードランナーってものすごくフレンドリー・ファイヤしそうなネーミングだ
高性能なのは良いけど
本当に再利用可能なのがコストに見合ったモノなんだろうか?
結局、高コストになって安価なドローンの数に押し負ける気がする
現状では会敵したら特攻するので帰って来れませんが、もうちょっと頑張って自爆するんじゃなくて弾を撃って帰還するようにして欲しいですね。
近接信管付きのロケット弾とかを搭載すればイケるんじゃないでしょうか。
はえー面白い物作ってる…
ジェットエンジン+再利用可能の時点で、歩兵が装備するには超高級装備になりそう
調達数から見て中隊~大隊毎に配備を想定してるのかな
動画を観ると。
シャヘドのジェットバージョンが目標のようですが。
シャヘドの単価(プロペラ推進の場合、推定20.000ドル)
と比べて、コスト的に引き合うのでしょうか?。
巡航ミサイルを狙えるなら、引き合いそうな気もしますが。
発射母機が充分な速度が出て安定姿勢で撃てるのであれば、確かスティンガーのミサイル本体の価格が400〜500万円だった筈なのでそれ以下が目標ですかねー。確か、ハイドラ70ロケットの改造品のAPKWS、LOGIRと色々開発してるみたいですが。
APKWSの飛翔体が、確か22,000ドルと聞いています。
素人は、現状これが最適と思っています。
ただし、誘導がセミアクティブレーザーなので、
この部分は要改良とも思っています。
オペレーターとメンテンナンスを考えると、どこまで費用効率が良いといえるか?
まあイスラエルみたいなところで試してくると良いんでしょうけどね。
体当たりができるほど捕捉ができてるなら頭にショットシェルみたいなのつけて散弾攻撃したり、ワイヤーみたいなのを引っ掛けて落としたりできるから価格はどうとでもなるでしょ
まあ迎撃弾のコストの問題は解決できても、根本的に広範囲での探知が難しい(一つのユニットで守れる範囲が狭い)問題は未だ残ったままだけど
志と目標性能の高さは良いですが、いつも通り「お幾らで実現できるんですか?」と言いたくなるなあアメリカ兵器開発。武人の蛮勇には質より間に合う量だし。
そして対応する兵科と追加機能が増えていき、雪だるま式に予算がオーバーするという。
平時のアメリカってどうしても商売っ気が抜けなくて失敗するイメージ。
いや、戦時になってももう昔の馬力と数と破壊力のポテンシャルは出せそうもないかな。
一方ロシアはハッキングした
調べた感じだと、コヨーテブロック2はジェットエンジンを積んだ音速以下の射程距離10km以上のドローンで回収不能な迎撃ミサイルと同じ運用、ロードランナーは同じくジェットエンジンで、亜音速まで速度はでて価格は数十万ドル前半、当たらないのであれば回収可能と言う代物、コヨーテブロック3はエンジン等は詳細不明ですが、一回の飛行で10個の別のドローンを非運動エフェクターで迎撃し使用した後も回収可能と言う代物ですね。
箱に戻るわけじゃないんだ。
まあ、難しいのはわかるけど。