米国関連

中国をミサイルで包囲する米陸軍の計画、同盟国の協力が得られない

米ランド研究所は「地上配備型のミサイルで中国を包囲するという陸軍の計画はホスト国の確保に失敗するだろう」と指摘、日本のスタンド・オフ・ミサイル開発を支援して「将来的に長射程対艦巡航ミサイルの導入を促すべきだ」と提案した。

参考:Ground-Based Intermediate-Range Missiles in the Indo-Pacific

日本はロングレンジウェポンを受け入れる可能性が5ヶ国の中でも最も高いが、本質的な課題のせいで可能性は大きく後退している

中距離核戦力全廃条約(INF)の制限を受ける米国は地上配備型の弾道ミサイルや巡航ミサイルの保有に制限を受ける一方で、中国は何の縛りも受けないため膨大な数のミサイル戦力を保有しており、航空戦力に頼らない瞬発的な火力の面では米国を圧倒している。

出典:CCTV中国中央電視台のスクリーンショット DF-17

これを問題視したトランプ前大統領は同条約の破棄をロシアに通告、2019年8月にINFが正式に失効したため米陸軍は極超音速滑空体を弾頭に採用した長距離極超高速兵器LRHW、MK.41とトマホーク+SM-6を組み合わせたMRC、MLRSやHIMARSで使用するPrSMの開発を進めており、このロングレンジウェポンを事前にアジア地域へ配備して中国を包囲したと考えているのだが、この計画の最大のネックは事前配備を受け入れてくれる国が見つかるかどうかだ。

ロングレンジウェポンは台湾有事で使用することが前提なので、当然配備先は中国からの反撃を受ける可能性が非常に高く、生存性を高めるため分散・移動が基本のロングレンジウェポンを「特定の拠点や地域から移動するなと言うのも難しいため、これを受け入れる国は台湾有事の際に自国が戦場になることを覚悟する必要がある。

出典:Voice of America MK.41を使用してトマホークの地上発射をテストする米陸軍

米陸軍はロングレンジウェポンを受け入れてくれる国を見つけるためランド研究所に同盟国や友好国の評価を依頼したが、ランド研究所は「ロングレンジウェポンを受け入れてくれる国はない」と回答した。

ランド研究所の評価対象はオーストラリア、日本、フィリピン、韓国、タイの5ヶ国(安全保障に関する米国の二国間協定が存在する国)で各国の評価は以下の通りだ。

タイ
米国にとってタイはアジア地域における最古のパートナー国だが、中国との緊密な関係を支持する軍部が政府の後ろ盾となっているため米国との関係強化が進展せず、この構造的な問題が解消されないかぎりタイ政府がロングレンジウェポンを受け入れる可能性は極めて低い。

フィリピン
フィリピンの一般的な国民とエリート層は米国との同盟関係を支持しているが、対米関係よりも対中関係を重視してきたドゥテルテ大統領の政策をマルコス次期大統領が継続する限り、米軍のロングレンジウェポンを受け入れる可能性は極めて低い。

韓国
朝鮮戦争時代に韓国は米国との同盟関係を築いたが中国との関係性も重視しており、過去にTHAADシステムを受け入れたことによる中国との摩擦、中国からの圧力、経済的な繋がりに敏感な韓国がロングレンジウェポンの受け入れに同意はずがない。

オーストラリア
オーストラリアと米国の同盟関係は非常に強力で、経済的な結びつきが強かったオーストラリアと中国の二国間関係も悪化の一途を辿っている。

オーストラリアは2021年に米国と新たな同盟(AUKUS)を締結したが、オーストラリア人は歴史的に海外の軍事基地や部隊を恒久的に受け入れることを厭忌し、地理的にも中国沿岸部から離れているためロングレンジウェポンの受け入れに同意する可能性は低い。

日本
日本は日米同盟の強化や国防力の増強に意欲を見せているためロングレンジウェポンを受け入れる可能性が5ヶ国の中でも最も高い同盟国だが、米軍のプレゼンス増加を受け入れ攻撃的なミサイル兵器を国内に配備するという「本質的な課題」のせいで、ロングレンジウェポンを受け入れる可能性は大きく後退している。

上記の分析を踏まえた上でランド研究所は「ロングレンジウェポンを恒久的に前方配備するという同盟国に依存した計画は、これを自発的に受け入れるという国を確保できない問題に直面する可能性が高い」と指摘して、地上配備型のミサイル戦力で中国を包囲するという概念を今後も追求するなら別の対策を講じる必要があると指摘しているのが興味深い。

具体的には対艦ミサイルベースのスタンド・オフ・ミサイル開発を進めている日本を支援し、将来的に米国が開発中の長射程対艦巡航ミサイル(恐らくAGM-158C LRASMの後継として開発が始まっているOASuW Increment2のことだと思われる)を日本にも導入するよう促すことで「台湾有事の際に自衛隊が海上阻止任務で貢献できる可能性がある」とランド研究所は提案している。

出典:ロッキード・マーティン OASuW Increment1に該当するAGM-158C LRASM

つまりLRHW、MRC、PrSMといった攻撃的なロングレンジウェポンの配備を日本に受け入れさせるのは難しいので、日本のスタンド・オフ・ミサイル開発を支援して「対艦ミサイルベースの攻撃的な兵器導入」に慣れされ、同じ対艦ミサイルベースのOASuW Increment2を日本に導入させて台湾有事の際に役立てようという意味だ。

関連記事:米海軍、長距離対艦ミサイルLRASMの後継ミサイル開発に乗り出す
関連記事:米陸軍がトマホークを取得、MK.41を流用したロングレンジウェポンの実用化
関連記事:対中ミサイル網建設は資金の無駄、米空軍が陸軍と国防総省を「愚かだ」と批判
関連記事:ロッキード・マーティン、米陸軍の極超音速兵器「LRHW」を初公開

 

※アイキャッチ画像の出典:ロッキード・マーティン

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コメント

    • ブルーピーコック
    • 2022年 6月 04日

    アメリカ製ミサイルを買わせるよりは、SM-3ブロックIIAのように共同開発の方が日本も受け入れやすいか。問題は日本が開発を主導できるかという点と、アメリカが重要技術の提供を拒むかもしれない点かな。

    20
      • NHG
      • 2022年 6月 05日

      そこでAUKUSの出番
      ところでAUKUSグループ内での知財の共有ってどうなってるんだろう? ライセンス料フリーで使い放題とは思えないけど

      2
      • ネコ歩き
      • 2022年 6月 05日

      SM-3ブロックIIAの日米共同開発は米主導です。そうでなければ参加できなかった。
      生産に当たって、日本側が開発を担当した部分は日本企業が製造し供給していますが、あくまで米企業の下請という契約関係です。
      そうして完成したSM-3ブロックIIAをFMSで調達する、という一見理不尽さを感じるプロセスを経ています。もしかしたら相応の優遇措置を得ているのかもしれませんが。

      開発主体が形式上日本であったとしても米側が核心的必須技術の移転を拒むなら、F-Xの場合と同様に本邦には承服しかねるデメリットが発生します。
      そして米軍の調達を前提としない類似兵器の開発に米側が協力するメリットは薄い。米国製ロングレンジウェポンのFMS調達を押すてことになるでしょう。

      リスクは相応にありますが、本邦独自のスタンドオフミサイル開発は非現実的な状況ではないと思われます。
      そして防衛省が射程500~900kmクラスの対地対艦ミサイル保有計画を独自開発・外部調達両面で着々と進めている状況で、敵基地攻撃能力とスタンドオフミサイル保有は議論が一体化していないように見えます。

      結論として、ランド研究所の提案は本邦にとって余計なお世話かと。

      11
    • ミリオタの猫(ロシア軍、今度こそ架空戦記張りの大逆転をやるのか?)
    • 2022年 6月 04日

    要はこれ、日本が計画中の12式地対艦誘導弾能力向上型等の開発に茶々を入れて、米国製の新型に振替させようって話?
    だったら止めてくれ。F-2開発の時みたいな圧力はもう嫌だ(迫真)。

    41
      • hogehoge
      • 2022年 6月 04日

      12SSM後継は、巡航ミサイルのハープーンやトマホ枠なんちょっと違うかと。
      LRHWは日本で言うところの島嶼防衛用高速滑空弾、世界的な言い方だとHGV(極超音速滑空体枠)ですね。

      19
      • 四凶
      • 2022年 6月 04日

       そんな変な邪推するならリンク先からレポート全部読めば良いじゃん。ランド研究所のいち研究員としてのインド太平洋地域での対中目的の中距離ミサイルに関する意見が述べられているだけの話で、茶々入れようなんて話だとは思えん。

      29
        • 名無し2
        • 2022年 6月 04日

        下品な言い方「12式では性能が劣るからアメリカの技術を高額で導入し性能向上を図った上で我が国のミサイル基地を受け入れろ、自主独立など許さんぞJ〇P」
        上品な言いかえ「自由主義陣営は侵略に対抗するため一致団結しあらゆる手段で平和と安定を守る準備と覚悟がありもはや権威主義陣営に勝ち目など全くない」

        14
          • 匿名
          • 2022年 6月 05日

          移動目標が対象の対艦ミサイルと、基本的に固定目標が対象の巡航ミサイルだと、
          用途が異なるので性能の高低ではなく棲み分けな話しだと思います。

          8
    • GK
    • 2022年 6月 04日

    台灣戦争勃発時に日本に知らん顔させない(事実上の参戦を強いる)準備が着々と進んでる…
    日本の左巻きさん方は耐えられるだろうか

    41
      • HY
      • 2022年 6月 06日

      むしろ元気になるよ。あの人たち反対運動が生きがいだから。

      7
        • 京-ta
        • 2022年 6月 10日

        日出生台演習場ってものがあるんですが、沖縄から米国海兵隊が、実弾射撃で来るんですが、見張ると言って演習場の近くに見張り小屋を建てます。2週間ぐらいの演習期間ですが、あの人大半柰運動が生きがいなんだろうなって思います。毎回、小屋を設置したとTV,新聞で報道されます。これを報道する人たちも生きがいなんだろうな。

    • hogehoge
    • 2022年 6月 04日

    民間タンカーベースのアーセナルシップとかで良くないか?ロングレンジなんだし。
    積み替えしないで済むし、コンステレーションに随伴してもらい個艦防空もSeaRAMでも載せたら割と十分だと思うんだが。

    5
      • 名無し
      • 2022年 6月 04日

      向こうも対空母用の長距離対艦ミサイルをそのまま転用して撃てますから、タンカーベースとかだと、結構微妙な感じではないかと。。。別にタンカーベースでも悪くはないんだけど、結局、空母防衛するのと同じ護衛艦隊が必要になってくる。
      なんで、個人的には可潜艦を妄想。。。

      あとは、補給拠点として、在外米軍海軍基地を活用しまくるのが現実的なのかと。

      16
    • あばばばば
    • 2022年 6月 04日

    陸上に配備するより艦船に配備したほうが移動が楽な気がする

    6
      • 浅見真規
      • 2022年 6月 04日

      それ、アメリカが先に造るとブーメラン喰らう。
      射程2000kmの弾道ミサイルの垂直発射管100本備えた中国の巡洋艦を含む中国艦隊がカリフォルニア沖210海里でウロウロされたらアメリカ西海岸の住民はパニックになると思うよ。(既に潜水艦がウロウロしてる可能性もあるけど、潜水艦と違って水上艦にウロウロされると心理的に威圧を感じる。)
      政治的に水上艦の搭載可能ミサイルについて制限を設けるようにすべきで、先に造ったらダメと言えない。

      5
        • 匿名
        • 2022年 6月 05日

        旧ソ連の終焉を目撃した中国が、そんな規制条約を素直に受け入れますかね…??
        むしろ、アメリカには規制を飲ませて自身は極秘開発・配備するまであると思いますが…

        8
          • せい
          • 2022年 6月 05日

          受け入れる受け入れないではなく、相手を悪認定するための大義作り。
          これが弱いと第三者を味方にするのも難しくなる。

          5
        • 京-ta
        • 2022年 6月 10日

        事実認識が違うのでは。
        >>それ、アメリカが先に造るとブーメラン喰らう。

        中距離核戦力全廃条約(INF)の制限を受ける米国は地上配備型の弾道ミサイルや巡航ミサイルの保有に制限を受ける一方で、中国は何の縛りも受けないため膨大な数のミサイル戦力を保有しており、航空戦力に頼らない瞬発的な火力の面では米国を圧倒している。
        中国の方が先に圧倒している。中国が先に作って配備しているのにどうしてアメリカが先に作れるのか。

        >>射程2000kmの弾道ミサイルの垂直発射管100本備えた中国の巡洋艦を含む中国艦隊がカリフォルニア沖210海里でウロウロされたらアメリカ西海岸の住民はパニックになると思うよ。(既に潜水艦がウロウロしてる可能性もあるけど、潜水艦と違って水上艦にウロウロされると心理的に威圧を感じる。)

        それはない。自衛隊や、第七艦隊、第3艦隊が見張っていて不可能。まだ、中国海軍はそのような能力はない。仮定があまりに空想的。結果を導くために仮定を設けている。中国の爆撃機がアメリカ本土上空をうろうろとばれたら、アメリカの住民はパニックになるよ。で、どうして悪いだ。

        >>政治的に水上艦の搭載可能ミサイルについて制限を設けるようにすべきで、先に造ったらダメと言えない。
        アメリカが100持ち、中国は0ということかな。ダメって。普通、軍縮で100対80とかで制限する。

        1
    • ラルフ
    • 2022年 6月 04日

    まあ今開発してる国産の対艦誘導弾もほとんど中国向けの配備になるだろうしそれなら北海道にロングレンジウェポン配備させてロシアにも目を光らせるってのはどうだろう、それで時間経って慣れてきたら沖縄に配備すりゃ良い。というか射程次第だったら北海道から中国狙えるのでは?

    14
    • 58式素人
    • 2022年 6月 04日

    これは、きっと米陸軍の話と思います。
    米海軍が既に、戦略型のトマホーク(確か約154発)を元のSSBNに載せて
    パトロールをしていると思っていたけど、それでは不足なのかな。
    一度日本にも寄港していたと記憶します。

    1
      • 通りすがり
      • 2022年 6月 04日

      艦艇運用はコスパが悪いんだよ。

      格下の相手なら問題ないけど、地理的にも不利で物量を誇る中国相手には陸上ベースのコスパが良いミサイルを数千発レベルで用意する必要がある。

      資金面でも苦しい米軍がコスパの悪い武器で中国と勝負すれば物量で負けるでしょ?

      20
        • 匿名
        • 2022年 6月 05日

        米軍で資金難とは。
        米中の二大巨頭は桁外れですね。

        1
    • 幽霊
    • 2022年 6月 04日

    まあ韓国は台湾有事に介入したら北朝鮮と中国の二正面作戦になるでしょうから介入したくないでしょうね。
    韓国は中国の首都を直接攻撃できる位置にあり長距離ミサイルも配備しているので台湾有事に介入したら即座に叩かれるでしょう。

    13
      • 名無し
      • 2022年 6月 04日

      まぁシーレーン抑えられたら何もしなくても詰みですがね…
      韓国の場合太平洋側も開いてないし

      6
        • 幽霊
        • 2022年 6月 04日

        日米韓合同で航路を守れるなら関門海峡を通り太平洋に出る事は可能かもしれません。

        1
          • 匿名11号
          • 2022年 6月 04日

          関門海峡は前の戦争では真っ先に塞がれたからなあ。

          東シナ海が抑えられた段階では、中国は集中して関門海峡を抑えに来るでしょうから、「同盟国のために死守してくれ」と言われても確約しかねるところです。早期の介入をお奨めしておきます。

          5
            • 幽霊
            • 2022年 6月 04日

            開門海峡の位置的にここを押さえられているなら最低でも九州は中国の手に落ちている事になるのでは?
            陸上兵力ではなく潜水艦で封鎖されたとしてもそれはそれで日米韓は中国の潜水艦を発見できていないという事になりますね。

            4
              • 匿名11号
              • 2022年 6月 05日

              関門トンネルがありますからね。本土の上陸を許すような末期的な状況ではない限り、九州が陥ちることはないでしょう。

              ただ、航路を守れるかというときつい。むしろ、日本の方から関門トンネルを塞いで瀬戸内海を含めた内航路の安定化を図りたいところでしょうね。

              まあもとより、そこまで追い詰められた状況にはなって欲しくはないですが。

              • あらら
              • 2022年 6月 05日

              前の戦争と同じ方法、機雷(B29からの投下)のよる封鎖の進化バージョンですかね

            • 匿名
            • 2022年 6月 05日

            台湾有事の際に真っ先に問題になってくるのは海運への影響だろうけど
            その辺の詳細な検討ってあんまり見ないなぁ

            2
        • もり
        • 2022年 6月 04日

        言うて日米が韓国の太平洋側を故意に封鎖して最悪韓国を中国側に寝返らせる可能性を増大させる事なんかするかな?

        9
    • 匿名
    • 2022年 6月 04日

    日本は島嶼防衛用を名目にして高速滑空弾を開発してるし極超音速誘導弾も開発中で今夏にスクラムジェットエンジンの試験も行う予定
    米軍のプレゼンス増加を受け入れ攻撃的なミサイル兵器を国内に配備するという「本質的な課題」というのが何を指しているのかわからない

    6
      • 通りすがり
      • 2022年 6月 04日

      新たに米陸軍の大規模なミサイル部隊の国内駐留を認める→プレゼンスの増加

      攻撃的なミサイル兵器を国内に配備→日本の意思とは無関係に使用されるミサイルで日本が攻撃を受ける可能性

      この2点を日本が受け入れられるのかが「本質的な課題」だとランド研究所は言ってるんじゃない。

      日本は敵基地攻撃能力の議論が始まった段階だけど、ここまで踏み込んだ議論が国会で行われてないから「ロングレンジウェポンを受け入れる可能性は大きく後退している」と評価してるんじゃない?

      OASuW Increment2は航空機発射型だから、これを日本に導入させれば米軍のプレゼンス増加問題も回避できて、OASuW Increment2の使用に日本の意思が働くから都合が良いんでしょ。

      23
    • ぬるぽ
    • 2022年 6月 04日

    潜水艦に乗せよう
    それも小型のUUVに

    3
    • 浅見真規
    • 2022年 6月 04日

    中国のマネをして短距離弾道ミサイルや準中距離弾道ミサイルを大量に造ってもコストで勝てないので中国の半分以下しか保有できない。いや、半分どころか2割程度かもしれない。

    中国人民解放軍の大量の短距離弾道ミサイルで台湾の滑走路が一時的に破壊されても、習近平の国家主席の次期任期中の2028年までは台湾単独で防衛可能だろう。滑走路破壊に備えて台湾がF-35B輸入して頑張れば、習近平が国家主席引退後に院政で影響力行使する2033年までも台湾単独で防衛可能だろう。しかし、2038年はわからない。海上封鎖されて台湾に武器搬入できなくなるだろうし、経済力・軍事予算で中国がアメリカを上回っている可能性が高いからだ。多分、2043年は無理だろう。中国共産党は1949年に北京政府成立しており2049年は共産党政府成立百周年で2049年までに台湾統一が悲願だ。
    しかし、モノは考えようだ。習近平・現国家主席はともかく、共産党幹部の中にもソフト・ランディング可能なら徐々に民主化しても良いと思う者もいるはず。台湾も中国本土が民主化されれば統一に応じると対話・平和路線を選択すべきだ。

    1
      • 四凶
      • 2022年 6月 04日

      そのF-35Bって垂直離陸を想定した話なのか・・・?

      4
        • 浅見真規
        • 2022年 6月 05日

        燃料満タンだと兵装ゼロで爆弾搭載しなくても垂直離陸できないらしいので、通常の離陸は短距離離陸で垂直離陸は緊急時の方便・最後の手段みたいです。着陸は比較的問題なく垂直着陸できるらしいです。ともかく短距離離陸・垂直着陸なので滑走路攻撃には強いし、そのうち、エンジン強化して燃料満タンで空対空ミサイル10発くらい搭載して垂直離陸できる改良版が開発される可能性もあるでしょう。

        • 下僕
        • 2022年 6月 05日

        F-35Bは排気が高温で強襲揚陸艦の甲板を耐熱コートしないといけないんでしょう?ハリアーみたいな野戦運用はできない気がする。グリペンとかの方がいい。(よく知らんが)

      • 千葉の猫
      • 2022年 6月 05日

      共産党幹部の中にもソフト・ランディング可能なら徐々に民主化しても良いと思う者もいるはず。台湾も中国本土が民主化されれば統一に応じると対話・平和路線を選択すべきだ。  ってあるけど

      そもそもいるか怪しいし現執行体制において主流ではありえないので居たとして傍流もいいとこだろう
      そんな連中が居る事を仮定して対話平和路線って財産を全額先物取引にぶっこむようなギャンブルだと思うが国家戦略として出来るの??
      台湾側がその方法とったところで大陸中国が断固として占領すると決心すれば戦争になる事はウクライナの事例からして明らかでは

      6
        • 浅見真規
        • 2022年 6月 05日

        >そんな連中が居る事を仮定して対話平和路線って
        >財産を全額先物取引にぶっこむようなギャンブルだと思うが
        >国家戦略として出来るの??

        武力解決一辺倒こそギャンブルでしょ。競馬で勝つ可能性の低い穴馬に全財産注ぎ込むようなものですよ。

        中国本土は経済成長率がアメリカより高いので2040年までにGDPが世界一になる可能性が高いわけで、いくら中国人民解放軍が上陸戦が苦手でも無人兵器大量生産して投入すれば上陸できる可能性は高いでしょう。武力解決一辺倒だと2049年までに九割ババを掴みますよ。

        台湾側が中国本土が民主化される方向に向かうように民主化されれば統一に応じると表明し、台湾の民主化・ソフトランディングの経験から民主化ソフトランディングに協力すると表明すれば、ソフトランディングによる民主化を目指す人物が次の国家主席か次の次の国家主席になる可能性もあると思いますね。尚、台湾独立派は台湾民主化は李登輝や民主進歩党や台湾独立派だけで成し遂げたと考えているようですが、実は蔣介石の長男で独裁政党だった国民党主席で中華民国総統だった蔣経国が民主化への布石を敷いた事も看過すべきではないと思いますね。

        今は習近平の手前、表立って民主化ソフトランディング路線を唱える共産党幹部がいなくとも、本心はソフトランディング可能なら民主化も考慮する者も相当数いるはずです。未来に胡耀邦や趙紫陽やゴルバチョフのような人物が出現する可能性を否定して武力解決のみに限定する事こそ危険です。

    • ポン
    • 2022年 6月 04日

    韓国って場所的に中距離でも事足りそうだけどそんなこともないのね

    1
    • 梅スライム
    • 2022年 6月 04日

    台湾有事は冷戦時代から米中互いに航空基地を攻撃するものだと決まっちゃってるから、日本がLRHWを配備してもしなくてもアメリカの航空拠点になる日本は中国から弾道ミサイル攻撃を食らうのは確定してるんだよね。日本がLRHWを配備すればそれを大義名分に中国が弾道ミサイル攻撃をするだろうけれど、なくても中国はやる。あと敵国条項も大義名分にするだろうし、日本は配慮するだけ無駄。

    ただ、日本がLRHWを配備しなかった場合に、中国からの弾道ミサイル攻撃地域が沖縄だけに限定される可能性は僅かでもあるのかもしれない。沖縄は台湾有事の際の直接的な航空拠点だからLRHW無くとも弾道ミサイル攻撃地域になる。で、日本本土はそれで弾道ミサイル攻撃を免れる可能性が出てくるのかもしれないけれど、沖縄だけ被害を受けるのならいいのかね。本当に沖縄が日本の一部だと思うのなら、日本本土を今の沖縄と同じ危険状態にする覚悟を持つべきじゃないのか。

    28
    • 名無しさんZ
    • 2022年 6月 04日

    日本には無人離島が山ほどあるんだからそれ使お。少子化のおかげで将来的には更に山ほど出来るし。
    遠隔操作にすりゃ良いじゃん
    艦艇から撃つのも無人離島から撃つのも政治レベル的には変わらんて(無責任)

    5
      • 名無し
      • 2022年 6月 04日

      L計画ですかな(ファフナー脳)

      1
    • tarota
    • 2022年 6月 04日

    米空軍、米海軍、米海兵隊は日本に基地あるけど陸軍は無い。その辺の政治力が一番の原因じゃないかな
    そもそも全部移動型なんだから有事の際には運んでくればいい

    10
      • 58式素人
      • 2022年 6月 04日

      概ね、賛成します。
      今、在日米陸軍は座間を司令部とする管理部隊だけですね。
      これは、本来国連軍のためにあるものと思います。朝鮮半島ですね。
      中国と事を構えるにあたり、前線拠点が必要なのだと思えます。

      5
      • 名無し
      • 2022年 6月 04日

      キャンプ座間…

      5
    • 匿名さん
    • 2022年 6月 04日

    周辺国にといわず、台湾に直接輸出すればいい。
    有事の時には、大陸と台湾の間でミサイルの打ち合いをすることになるんだろうから。
    台湾から大陸沿岸部全域を射程に入れておけばいい。

    9
      • ネコ歩き
      • 2022年 6月 05日

      台湾が中国内陸部を攻撃可能なロングレンジミサイルを保有するとなったら、その情報を察知した時点で台湾への武力侵攻開始を決断すると思いますよ。
      米政府にとっては台湾をめぐる対中戦争の準備を完了した後でないと出来ない相談です。
      台湾が独立を目指すか否かが中国側の一線ですので、現台湾政権の建前主張は一国二制度の現状維持です。

        • 匿名さん
        • 2022年 6月 06日

        >台湾が中国内陸部を攻撃可能なロングレンジミサイルを保有するとなったら、その情報を察知した時点で台湾への武力侵攻開始を決断すると思いますよ。

        台湾はすでに北京に届くミサイルを保有してなかったかな。

        1
    • 狂信者
    • 2022年 6月 04日

    中国ロシアとの直接対峙を避け続けているアメリカさん見てたら、わざわざ自国が火の海になる道を選択する道理はないよね
    核弾頭供与するくらいやらないと応じる国はないんじゃないかな

    8
    • 折口
    • 2022年 6月 05日

    違和感があって原文の参考文献箇所だけ見てみると、やはり2020年ごろの情報を中心にまとめているような…。お役所がシンクタンクに発注した事業としての分析なのでこれは仕方ないですが、全体的に情報が古いせいで特に日本や韓国の内政問題の雰囲気を読み外している感じが否めないですね。上のほうのコメントで触れている方が既に居ますが、自分も気になった「米国が新型スタンドオフミサイルの売却を通じて支援すべき」という文脈もこの辺の情報の古さによるところなのかなと思ったり(それはそれとして日本の防衛政策や政治環境への無理解が混じってそうな気はしますが)。

    日本に関して言えば戦後専守防衛の根幹を成してきた拒否的抑止を超えた能力を自衛隊に与えようか否かという議論(敵基地攻撃能力)をこの2年でやっている訳で、米国の戦略兵器の配備の議論を日本国内の敵基地攻撃能力議論抜きに語るのはありえないですよね。まぁ未だに結論が出てない話なので満足な英語文献が無かったというところなのでしょうが。
    個人的には敵基地攻撃能力をさらに発展させた限定的な懲罰的抑止能力として射程5~6,000km台のIRBM(北海道内の演習場に配備して中国内陸部が狙える射程)保有くらいは俎上に乗ってもいいと思うのですが、(拒否的抑止のための体系に属する)現在日本が開発中の長距離ミサイル系統の延長上に米国のスタンドオフ巡航ミサイルがあるものと思ってるのは純粋に間違いだと思います。新型ASMも島嶼用HGVも、南西諸島有事における対艦攻撃や上陸作戦支援用であって敵本土への火力投射は考慮の外ですから。
    米軍には申し訳ないですが、日本国内で移動式キャリアの生存性と展開自由度を維持しつつ攻撃目標にされた際の被害を許容できる配備先は北海道以外にはほぼ無いと思いますし、その意味から言えばLRHWすら射程が足りていません(北海道から撃っても南西諸島は射程に入るけど)。

    韓国に関しても、尹大統領は選挙期間前からずっと「三不は無効、THAAD追加配備を公約する」と言ってきた訳で、そのあたりの事情が全く入ってないのも何だかなあという気がします。まぁ執筆時点で選挙結果が出ていなかったのでしょうし、尹政権がどこまで公約を実行できるかは現時点でも不確定ではあるものの、全くないにカテゴリしてしまうのもちょっと…という感じです。

    20
    • 2022年 6月 05日

    ロシアが怖くて射程300㎞のATACMSすら売れない米国のミサイルなんて頼りにならんわ

    7
    • 2022年 6月 05日

    結局ポチにあらゆるリスクを負担させる流れで泣いた・・・

    • 日本
    • 2022年 6月 05日

    アメリカ人の思惑に振り回させるのはごめんだね。
    長距離兵器は防衛の肝になってくるので、自分達で作ろう。
    アメちゃんは戦時に無人島に展開すれば良いよ。

    1
    • 四凶
    • 2022年 6月 05日

     インド太平洋地域の安定のために友好国単独もしくは米国と一緒に地上発射型中距離ミサイル(GBIRM:射程500~5500km地上発射型巡航・弾道ミサイル)を運用したいがハードル高いよね。

     事前展開と言うよりは中国に近い土地での恒久的な陸上運用で使用するのが一番楽だけどなら、米国の都合だけで運用するならどこかの国に深く依存しない陸上発射以外の選択肢しかない。日本の問題として当事国が開戦してない場合はミサイル使用に関して事前協議が必要だと書いてはあるが、どこの国でも同じでミサイル配備した国から攻撃型のミサイルを米軍都合だけで撃つ事なんて出来ないだろう。

      少なくともAUKUSの枠組みへの参加やは米海兵隊受け入れで10年の期間を要したが成功しており、潜水艦のトマホークが対中目的なら日本より可能性はある。無理に潜水艦にトマホーク搭載せずとも陸上配備のミサイルで狙えるならコリンズ級の無理な要求は回避出来る。ただ射程がMAX5500kmなければ中国には全く届かないという問題を除けばだが。
     MAX射程を満たすミサイルがあるならば中国南部の台湾侵攻に使用される基地は間違いなく射程圏内に納める事は出来る、ザックリした感覚だと国土の25%位は射程圏内に出来るので最大射程のミサイルを作る事が出来るならば交渉の余地はあるだろう。

     日本に関しては防御のイージスアショアよりハードルが高いけど、今年に入って陸上幕僚長がダークイーグル(LRHW)視察はしてるし何かしらの動きはありそう。西日本に現状射程レベルのダークイーグル配備出来れば中国の主要な所は軒並み射程圏内だから反撃能力の議論も相まってかなりのプレッシャーにはなるだろう。
     ただ九州に配備したとして射程圏内にロシア・モンゴル・フィリピンの一部、台湾・韓国・北朝鮮・グアムが完全。MAX射程5500kmだと適当に見てもロシアの半分以上、インド・オーストラリア・アフガニスタン・カザフスタンの一部、中国全土・ミッドウェー・ASEAN全てまで届くとなると、そもそも長射程ミサイルは配備当事国だけの問題では無くなってくるとしか思えない。
     日本が保有するとしたらロシアの超音速兵器のように効果が限定されいて射程1500km以内のミサイルならばまだ周辺国と自国内には納得はされそうだと思うが、米軍的には不満が残りそうではある。
     
     

    • 下僕
    • 2022年 6月 05日

    佐藤正久氏は北海道なら、みたいなことを言ってましたが台湾侵攻軍の航空基地や軍団集積地(港湾等)にとどくんですかね?
    まあ米陸軍が欧州のパーシング2配備と同じく東アジアでも配備が可能という甘い前提でいることには米空軍から批判もあるとここのサイトの記事でもありました。
    しかしSLBMや空中発射式にした場合核兵器と区別が出来ずPLAの過剰反応を招くかもしれない事、地上発射式ほど釣瓶撃ちできない事があると思います。
    どうするのか興味深いです。

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