米海兵隊はスウォーム攻撃に対応した自爆型UAV(もしくは徘徊型UAV)に関する情報収集のためRFI(情報提供依頼書)を発行した。
参考:The US Marine Corps wants grunts packing deadly swarming drones
少人数で構成され分散可能な部隊というコンセプトにぴったりなスウォーム攻撃に対応した自爆型UAV
米海兵隊は大規模で重装甲車両を装備した部隊編成を改め少人数で構成された軽武装の部隊編成に移行中で、その一環として新しい自爆型UAV(もしくは徘徊型UAV)を取り入れるためのプログラム「Organic Precision Fires-Infantry Light」を立ち上げており、今年11月にRFI(情報提供依頼書)を発行した。

出典:Photo by Lance Cpl. Tyler Forti Switchblade
米軍が現在使用しているエアロ・バイロンメント社製の自爆型UAV「スイッチブレード(Switchblade)」は各国が競って開発を進めているスウォーム戦術には対応していないが、発行されたRFIによれば米海兵隊は2人以下で運搬及び運用ができ、最大20kmの航続距離(90分間の滞空時間)、スウォーム戦術、ジャミング耐性、対人を含めた標的に対する攻撃能力を最低限備えている歩兵携行可能な自爆型UAVを求めおり大きな注目を集めている。
米メディア「Defense News」によれば米海兵隊は現在、高価で大型な兵器を使用するにはリスクが高すぎる南シナ海(中国軍が保有する幾つもの攻撃手段によってカバーされているという意味)を想定して少人数で構成され分散可能な部隊に多くの能力を詰め込む方法を検討中で、スウォーム戦術に対応した自爆型UAVは最適な解決案になるだろうと主張している。
スウォーム戦術に対応した自爆型UAVは単純に標的を群れで攻撃するだけでなく、群れのUAVを使用して意図的な爆風パターンを作り出したり人為的な順番で爆発させたりして敵をキルエリアに誘導するためにも使用することができ、群れのUAVを囮にして敵に誤った認識を与え誘導することにも活用できると主張しており、元海兵隊隊員でヘリテージ財団のアナリストを務めているダコタ・ウッド氏は「兵站への負担の観点から言っても伝統的で実績抜群のブローニングM2重機関銃より効果的だろう」と語った。

出典:public domain ブローニングM2重機関銃
ウッド氏は「非常に重いブローニングM2重機関銃は弾薬まで含めると運搬にかかる苦労や兵站にかかる負担が大きいが標的に対する効果は高い。しかし高解像度のIR/EOセンサーを搭載して自爆型UAVがあれば小型なので敵に発見される可能性は低く、標的に攻撃を仕掛けるまでに収集した情報を兵士に与え戦場環境の認識力を拡張することにも役立つ」と説明して、スウォーム戦術に対応した自爆型UAVは「攻撃効果を最大化させるため致命的なダメージを敵に与える事ができる」と言っている。
さらにウッド氏は歩兵が携行可能な自爆型UAVは非常に小さいため海兵隊の小隊は身軽になり自律的な活動範囲が拡張され、これを支える後方支援部隊は負担が軽減されるため「少人数で構成され分散可能な部隊」というコンセプトにぴったりらしい。
露メディアも自爆型UAVは偵察・監視型UAVと遜色のないEO/IRセンサーを搭載しているため標的に対する攻撃(敵兵士や敵陣地への攻撃、敵指揮官の殺害、後方支援の破壊)だけのみではなく、空からの偵察・監視にも使用できるため歩兵中隊の戦場認識力を大幅に拡張することに役立つため、前線の指揮官は無線で伝統的な火力支援を要請しなくても自爆型UAVを使用して敵をピンポイントで排除可能になり戦闘コストと交戦時間を節約できると奇しくも米国と同じことを言っている。
現在の自爆型UAVは滑走が不要な射出式が主流だが、自爆型UAVに搭載されたセンサーを利用した空中偵察に利用したり標的を発見できない場合に備えて再使用出来るようティルトローター式(V-22と同じ)を採用した自爆型UAVが幾つも登場している。ただしティルトローター式は構造上折りたたみに不向きで小型化という点では射出式に劣り、小型化と再使用(垂直離着陸)の両方を兼ね備えたのがクアッドローター式と言えるのだが飛行速度が遅いため今のところ三者三様といったところだろう。
少し話が逸れたが、いよいよ米海兵隊がスウォーム戦術に対応した自爆型UAV採用の検討に入ったため近い将来UAVの大群に襲われたという事例が報告されるはずだ。
※アイキャッチ画像の出典:Photo by Cpl. Jennessaa Davey
上空から自爆兵器が多数襲ってくる戦場
怖いなぁ、米軍とは戦いたくないよw
自爆するハチにたかられるならまだ良いのかもな。自爆する黒い悪魔にたかられる最後とかやだな。
相手に感情なんて一切ないところも虫そのもの。
徘徊型UAVの大群なんて見たら士気ガタ落ちだろうね。
回収機能の追加とか、なんかいつのまにか多機能化してしまって、使い捨てドローンの利点の低コストが死にそう。
沿海域戦闘艦みたいなことにならなければいいけど。
これ索敵から暗殺まで何でも出来そう。
夜にばら撒いて、朝になると町から人が消えているみたいな。
対UAVの対抗手段を持たないと部隊の移動も困難になる?
死者の街になる。
高解像度のセンサーを積んでいたらそもそも極端に安くなるか怪しいし、人間が手軽に持ち運べるほど小型だとバンカーや装甲車両相手に効果が見込めないだろうし、いうほど万能ではなさそうな予感。
今週のビックリドッキリメカって一種のスウォーム攻撃だよなぁ
う~ん、なんだか敵味方識別装置を携帯していない個体に無差別攻撃する世界が浮かんできて仕方がないな
アメリカの連中は日本のロボット見てやたらとスカイネットだ~とか訳のわからんことを言っていたけど、こっちの方が数倍スカイネット的な恐ろしさが有ると思う
まあ、夢のあるお話ってレベルのことのようですね。スウォームを行うのはロイヤルウィングマンなど航空機によるものが先行してるはずですが、対地攻撃に本当にAI搭載のUAVで割に合うのかすごく疑問です。
これが一つの頭脳が全体をコントロールするやり方なら良く分かりますけど。。。
現代の散兵歩兵に対して現地判断の誘導、追い込みが有効なのか?
拠点にこもる歩兵に対しては有効かもしれませんが、自然の掩体による歩兵向けではないような気がします。どっちかというとネットワーク戦のサイトになる車両に対してこそ有効で、そうなるとそれなりの火力が必要で、サイズとミサイルとの費用差が問題になってくるのでは?
あるいは拠点防御の対空兵装をどうかいくぐるか。
当然今の段階で検討をやめるなんて必要は無いし、いろいろ進めるべきでしょう。とはいえ、なんにでも手を出せる米帝ならではのお話ということに帰結するかなぁ。
群制御技術はドローンや小型UAVの方が先行してる。米軍は数年前に戦闘機から放出した103機の小型ドローンの群制御に成功してるよ
あれはコメントされているように「群制御」のはず。今回のお題はスウォームなので別ですよね。
怖いなぁ、怖いなぁ。
ふと空を見ると、大量のUAVが襲ってくるんですねぇ
ライフルの登場で戦列歩兵や騎兵が消滅したみたく、このままじゃ戦場に兵士も装甲車も居場所がなくなりそうだ。
それでも最後の決は我が任務である事は変わり無いですけどね。
流石にドローンに夢見すぎ
スズメバチの羽音するように改良したら心理的効果も絶大だな
隠密性や静粛さが強調されがちな兵器だが、逆にそういう効果音が有効な状況は大いにあり得る、デモ鎮圧のようになるたけ負傷者を避けたい場面だの。
ドイツのユンカース急降下爆撃機が独特の効果音をたてて地上兵士を恐怖に駆らせた先例、あれだな
弱小国と違ってアメリカはお高い高級無人機も開発せにゃならんので予算がどんどん溶けていくな
継続火力と瞬間火力を比較されてもなぁ
正規軍相手っていうより、非対称戦で重要目標の暗殺とかに使うんですかね。
スウォームの話って映画やゲームの影響で数十~百機の群れが襲ってくるのをイメージしちゃうけど戦場への運搬や運用を考えると実際には3~4機か頑張ってもせいぜい十数機程度なんだろうなと思ってる
今はそうでも、あっという間に映画のほうが現実になるから
飛行機が出現したとき、
潜水艦が現れたとき、
戦車が使われたとき、どれも最初は貧弱でガタガタなんで疑問符つきまくりだったのだよ
当時の否定派は、今日では先見の明なき者として笑い者
技術が未熟で今は無理とかの話じゃなくて歩兵が何十機も抱えて戦場に行くのは難しいだろうなって話なんだけどな
歩兵としては例の次世代光学照準器SMASHみたいなFCSを普及させて対抗するのがいいのかな。
しかし落としたら落としたで「ここに敵がいるぞー」と気づかれて砲爆撃の標的にされそうな気がして厄介だ。
持ってないと全滅不可避
そんな戦争への準備をしているか チャイナはしてるぞ
過去にとらわれて現実を見ない老人のいるほうが志那に負けるよ
最初の写真に写っているネットは回収用なんですかね?