米国関連

ウクライナ軍の目標は年内のヘルソン奪還、東部反撃はロシア軍の移動阻止

CNNは7日、ウクライナ当局者と米国当局者の話に基づき「ウクライナ軍はヘルソン州の大部分を年内に奪還する野心的な目標を掲げている」と報じており、ヘルソンやドニエプル川の対岸にあるノーバ・カホフカの奪還も目標に含まれている。

参考:Ukrainian forces aim to retake Kherson by year’s end as gains made in south, US and Ukrainian officials say

本当の狙いは当事者の一部にしか分からないが、年末は戦況マップの書き換え作業が大量に発生するということだけは十分理解できた

ヘルソン州での反撃についてウクライナ当局はCNNに「ドニエプル川の北岸地域を年内に奪還することが目標で、ヘルソンやノーバ・カホフカの奪還も含まれている」と明かし、反撃を阻止するためロシア軍が南部に戦力を集中するのを防ぐため「東部での攻撃を強化した」と述べている。

出典:WarMonitor バラクレヤの解放

つまりウクライナ軍の反撃は依然としてヘルソン州に限定されており、ハルキウ州のバラクレヤ方面で始まった反撃は「ロシア軍の戦力移動を阻止するのが目的」という意味で、米当局者も「2022年末までにヘルソンを奪還するというのは野心的な目標だが、現在の作戦が上手く進展すれば実現不可能ではない」と述べているらしい。

CNNは「ロシア軍を祖国から追い出すためウクライナ軍は長期に渡る残忍な作戦を計画しており、現在の反撃は来年の春まで続くだろう。一部の反撃は今後何ヶ月間も続く前進のための準備作業に過ぎない」と述べており、我々が目にしている反撃は今後何ヶ月も続く厳しい戦いの序章に過ぎないのだろう。

出典:93-тя ОМБр Холодний Яр

メディアを通じて大々的に「ハルキウ州での反撃は牽制に過ぎない」と喧伝して裏をかく狙いかもしれないが、本当のところは当事者の一部にしか分からない。ただ年末まで「戦況マップの書き換え作業」が大量に発生するということだけは十分理解できた。

関連記事:反撃が順調なウクライナ軍、ミサイルでサキ空軍基地を攻撃したと認める

 

※アイキャッチ画像の出典:Кирило Тимошенко

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コメント

    • ななし
    • 2022年 9月 08日

    >年末は戦況マップの書き換え作業が大量に発生するということだけは十分理解できた

    お、おつかれさまです。。。

    56
    • たまねぎ
    • 2022年 9月 08日

    無理しない程度に毎秒更新をお願いします。

    61
      • ヤゾフ
      • 2022年 9月 08日

      気遣ってる様で一文で鬼畜要求してて草

      56
    • zerotester
    • 2022年 9月 08日

    これも情報戦で、本当のことを言ってるとは限りませんね。ヘルソン正面はコンクリートのトーチカも建設されていて攻め落とすのはだいぶ大変そうです。一方で南部戦線の北側は順調そうなので、管理人さんも書かれていたようにカホフカより北側を包囲殲滅できるかもしれません。

    南部戦線でウクライナ軍は機動戦力が不足していると言われている中、バラクリアは戦車一個中隊くらいと特殊部隊で急襲したそうだし、ウクライナ軍の一番強力な自走榴弾砲であるPzh2000も参加しているので、むしろ装備がよいです。東部戦線は牽制といいつつも実は結構本気なのかもしれません。

    24
      • zerotester
      • 2022年 9月 08日

      追記。防衛研究所の高橋さんがツイートされてますが、もしハルキウ方面の攻勢が成功したらウクライナ側にとってめちゃくちゃメリットがあるんですね。東部戦線の防衛が安定するのでウクライナはよりヘルソン方面に集中することができる。一方でロシアはロシア領内に逆侵攻される可能性が出てくるので戦力をさらに分散することが必要になる。ただしどこまで本気かは高橋さんも半信半疑のようです。

      ロシアの情報源の報告によれば、バラクリアを突破したウクライナ軍は市街地を迂回して進軍し続けているそうで、本気でクピャンスクを狙っているのかもしれません。

      2
        • 鳥刺
        • 2022年 9月 08日

        攻撃参加兵力は、判明分で第25空挺旅団、第80空中強襲旅団(一個大隊欠)、第92機械化旅団(一部?)、第3戦車旅団の一個大隊、ドネツ西岸の掃討に国家親衛隊一個大隊、といった所ですか。今までと比べれば兵力を集中した部類の攻撃ですが、これから50km以上も楔入してクピャンスクを目指すとなると、当面の敵軍との兵力比次第ですが少々冒険かもしれません。バラクリヤ市街の迂回は、市街の掃討に時間と兵力を割くよりも戦術的に有利な地点に先に進出する事を優先している可能性もありますね。

        5
          • zerotester
          • 2022年 9月 08日

          前進速度を重視しているのは機動よって敵を混乱させて反撃を防ぐという機動戦の教科書通りの動きですが、突破部隊がつぶされた後を担う第二梯団や突破口を維持する部隊がいないと成功しないですよね。そのアテがあるからこそ突出しているのか、搔きまわすだけでこの後退却するのか、単にやりすぎてるのか、非常に気になるところです。

          6
        • 南蛮一の知恵者 朶思大王
        • 2022年 9月 09日

        奉天会戦の第三軍の機動のように、敵の背後に超越前進すると見せかけて、重要拠点の敵軍の動揺を誘う狙いもあるのでは?
        となると、ドネツク北部の友軍と連携してイジュームに圧力をかける線もあると思うのだが、続報が入って来ない。乃木大将の如く電話線を切って進軍中だろうか。

      • TKT
      • 2022年 9月 08日

      警戒の手薄なロシア軍の前哨は、上手く奇襲に成功すれば1個戦車中隊でも制圧できるとして、ウクライナ軍の後詰、予備の大隊や、旅団がいくらいるのかと、どれくらいのロシア軍がこれから反撃してくるかです。

      ウクライナ軍に後詰の予備部隊がまだたくさんあれば、これからさらにイジュ―ムやクビヤンカへの進撃が続くかもしれません。

      あるいは単なる牽制目的の奇襲だったら、逆にバラクリアをこのまま確保せずに、日中戦争の八路軍のように一撃離脱で退却するかもしれません。

      バラクリアにはもともと第1親衛戦車軍がいたが、ヘルソンの方に移動したという話もあり、あるいは新編成された第3軍団は、第1親衛戦車軍の代わりにバラクリアの方面に移動してくるのかもしれません。

      ウクライナ軍に後詰の部隊がなく、逆に大量の戦車を装備するロシア軍の第3軍団が、第1親衛戦車軍の代わりにバラクリアの方に移動、展開してきたら、まあ牽制目的は十分果たしたことになりますが、早く逃げないとヤバいみたいなことになります。

      第3軍団がバラクリア、あるいはセメニフカの方にこなかったら、この方面のウクライナ軍としては一安心ですが、牽制の目的は果たせないことになり、逆にヘルソン州の方のウクライナ軍が不安になるかもしれません。

      あるいは本当にバラクリア、セメニフカ、イジュ―ムの方がウクライナ軍の主力を投入する主攻方面で、ロシア軍の第3軍団もそれを読んでそっちに来たならば、これは一大戦車決戦になるかもしれません。

      5
        • zerotester
        • 2022年 9月 08日

        防衛研究所の高橋さんもツイートしてましたが、ハルキウ方面は限定的な攻撃のつもりが思ったより進めちゃった状態なのか、ハルキウ方面奪還を意図した本格的な攻勢なのかはまだ分からないですね。でも先頭の部隊はガンガン突き進んでおり、その様子から後詰めはいるし反撃も考慮しているんじゃないかと期待したいです。ロシア側の動きはかなり把握できているようなので。第三軍の動きもウクライナ軍はつかんでいると思いますね。

        9
    • すえすえ
    • 2022年 9月 08日

    24時間365日休まずの更新をお願いします!

    11
    • 名無し
    • 2022年 9月 08日

    第3軍団は予定通り東部戦線に回して牽制にきたウクライナに反撃かね。兵隊も結構な数だし重装備も充実だしウクライナ軍もこのまま順調に進撃ってわけにゃいかんのだろうな。

    2
      • 鳥刺
      • 2022年 9月 08日

      東部と言ってもクピャンスクかドネツクかで意味は変わってきますね。クピャンスクに来たなら日和見攻勢で相手の予備を副次的な正面に吸引した事になるので、作戦として成功でしょう。

      5
    • ido
    • 2022年 9月 08日

    管理人さん戦況マップの書き換え頑張ってください。(過労死しない程度に)
    ウクライナが政治的に取り返したいのはマリウポリだろうね。何ヶ月も補給なしに耐えたロシアのウクライナ侵攻のウクライナの反抗の象徴。取り返したら大々的何かするだろうな。年内とは言わずにも何年経とうとも全領土奪還することを応援しています。

    16
    • パセリ
    • 2022年 9月 08日

    最近の戦況を見るとどうもこういうのは信じられん
    年内は南部は変化なしでルハンスクまでの反攻を狙ってるかもしれんし

    2
    • 折口
    • 2022年 9月 08日

    ステレオタイプなイメージとして、ロシア軍って不意をつかれて初撃をうけるのは結構あるあるな軍隊なのかなと思います。その後、ひとしきり負けてから体勢を立て直して力押しで勝ちまで持っていくというパターンで今まで戦争をしてきた国ですから、やはりこの後の反撃は怖いですよね。

    ただウクライナ側にしても、南部集中みたいな雰囲気を出した上でハリコフ=イジューム間の線で突出したりしているので、侵攻正面がいくつあるのかまだ分からないのが面白いですよね。ロシア軍の主力を構成する部隊に南北戦線間の運動を強いて時間を浪費させたり、次から次に別所で侵攻をしてロシア軍兵力の分散をさせるのが意図なのかなあという雰囲気も感じます。仮の話、すべての前線に均等に兵力が分布するほどロシア軍の戦力を分散できれば、火力の集中も機動力の発揮もなく純粋に兵数が多いウクライナ側が有利になりますし。

    4
    • 名無しのプログラマー
    • 2022年 9月 08日

    クリミア半島というかと思ったらヘルソン
    現実的ですね

    • ゆう
    • 2022年 9月 08日

    ただ、負け戦を感じたら士気が微妙な軍は崩れるのが早いでしょう。
    戦況マップの更新も、赤が増えたり減ったり、でなく、赤が減り始めたら加速度的に減っていくと思う。

    • 通りすがり
    • 2022年 9月 08日

    ここの人らは開戦直後からロシアを追い出すためには日本も積極的な支援を!武器を送れ!
    とか言ってたけど、1ドル144円になってレギュラーガソリンが160円を超える事態になっても、一向におんぶにだっこのウクライナに支援をとか言い続けるの?長期にわたる作戦ってそれ全部西側諸国の負担でしょ?
    地の果ての戦争以前に国民生活と経済ガタガタじゃん。

      • 黒丸
      • 2022年 9月 08日

      隣国のロシアが侵略的な国家であることがはっきりした今
      ロシアがこちらに手を出せない状態になることを目指すために
      今後もウクライナを支援し続ける。
      生活も経済も自由と安全の確保ができてこそ、成立するものだから

      26
      • 匿名11号
      • 2022年 9月 08日

      自分が貧乏なのは、泥棒を野放しにする理由にはならんわな。

      役に立つものなら倉庫保管品や期限切れ間近な武器弾薬だけでも送って、「危険な隣国」はなるべく弱らせないと。

      7
      • 匿名
      • 2022年 9月 08日

      むしろ通貨安は各国がこぞって誘導していて日本が一方的に円高を押しつけられてきたんですけどね
      今はアメリカの思惑で各国がドル高を押しつけられている構図
      欧州は悲惨だけど日本は急激な変化は困るから何かするでしょうが、まあ本気で円安を是正することはしないよ

      4
    • 匿名
    • 2022年 9月 08日

    こういう解説も今となっては全て疑わしく思えてくるな
    進軍の速度からして、ウ軍が一定以上の規模の機甲部隊を投入してるのはまず確実
    機甲戦力はウ軍にとって虎の子中の虎の子である筈なので、緻密な計画と確信に近い勝算がなければここまで敵勢力圏の奥深くまで突入させるとは考えにくい
    ただし、これはただちにヘルソン方面への攻勢が「ただの陽動」や「本命ではない」ことを意味しないとも思うが

    2
    • 匿名
    • 2022年 9月 08日

    えー最新の状況をお伝えします
    ウクライナ軍がivanivkaを解放したと視覚情報付きで伝えられていますが
    ivanivkaが多すぎてどのivanivkaか分かりません

    バラクリヤ北にもイジューム北西にもあるがどうやらイジューム北西らしい

      • 匿名
      • 2022年 9月 08日

      バラクリヤの真北、Volokhiv Yarの北西にあるivanivkaのようです
      素で間違えて申し訳ない
      クピャンスクの西、Volokhiv Yarから北「東」のivanivka「ではない」という情報を勘違いしたらしい

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