米空軍は、作戦任務を完全に遂行可能なB-1B爆撃機を、ほとんど持っていないと、The National Interestが指摘している。
参考:The U.S. Air Force Has Very Few B-1 Bombers Ready For Combat
機体の寿命が尽きかけているB-1B爆撃機
米空軍は現在、20機のB-2“スピリット”、62機のB-1B“ランサー”、76機のB-52H“ストラトフォートレス”、計158機の爆撃機を運用しているが、中国の軍事力増強に対応するためには、圧倒的に「爆撃機」と「空中給油機」が不足していると結論付けた。
2018年、空軍は議会に対し312個ある飛行隊を、今後10年間で386個飛行隊まで増やすよう要請している。
補足:新設される飛行隊の主な内訳は、戦闘機の飛行隊を現行55から62(+7個飛行隊)へ、爆撃機の飛行隊を現行9から14(+5個飛行隊)へ、空中給油機の飛行隊を現行40から54(+14個飛行隊)へ、無人偵察機の飛行隊を現行25から27(+2個飛行隊)へ、これに伴い4万人の人員も新たに必要とされる。このような計画の予算を20年度会計に反映させるよう議会に要請している。※1個飛行隊は通常25機前後の航空機で編成される。
もし、この要請に議会が承認を与えれば、空軍の爆撃部隊は大きく増強される。
現在、ノースロップ・グラマンが開発中のステルス爆撃機「B-21」で、2030年代までにB-2、B-1Bを退役させ、この新型ステルス爆撃機で更新する計画になっていたため、100機前後の調達が予想されていた。
しかし、爆撃機の飛行隊を現行9から14(+5個飛行隊)へ増やした場合、さらに追加で100機前後の爆撃機が必要になる。
恐らく、B-21を200機前後調達し、B-52Hと合わせて14個飛行隊を構成するもと思われるが、B-21を年間12機づつ製造したとしても、200機を調達するためには16年ほど掛かるため、B-21の調達が完了するまで、B-2、B-1Bの退役を先延ばしし、14個飛行隊を実現するのだろう。
このように空軍は、中国に対応するため爆撃機戦力の増強に乗り出しているが、この計画の屋台骨を揺るがす問題が発生した。
その問題とは、B-1B“ランサー”の機体寿命が尽きかけていることだ。
そもそも、B-1Bは、核兵器や大型の巡航ミサイル運搬用として設計された航空機だが、ソ連の崩壊、冷戦終結など、当初想定された任務の必要性が低下したため、通常兵器が搭載出来るよう改造され、約20年間、本来の任務からかけ離れた、長距離近接航空支援任務へ投入され、アフガニスタン、イラクで酷使を続けた結果、機体の構造的寿命の大半を使い果たしてしまった。
米国下院議会の委員会は「現時点で、作戦任務を完全に遂行可能なB-1Bの数は、一桁に過ぎない」と、B-1Bの状況が悪化していることを認め、さらに、必要な訓練に使用する十分な量のB-1Bがなく「B-1B搭乗員の練度を維持することが難しくなっている」と指摘している。
これから爆撃機戦力を増強しようとしている矢先に、空軍が保有する爆撃機の40%を占めるB-1Bが崩壊しかけているのだ。
現在、B-1Bに搭載されているGE F101-GE-102 ターボファンエンジンの寿命延長作業に乗り出しているが、この作業が終了するのは2040年頃だ。
今後20年間、B-1Bを飛ばすためには、機体構造の大幅な補強が必要で、主に「主胴体、主力付け根部分、可変翼機構、昇降舵」についての補強を行う必要があり、寿命延長作業は2019年末までには開始される予定だが、今の所、いつになれば作業が終了するのは分かっていない。
本来なら、真っ先にB-21で更新予定だったB-1Bだが、爆撃機戦力の増強という方針転換のため、当分の間、空を飛び続けることになったが、作戦任務を完全に遂行可能な状態に戻るは当分、先の話だ。
空軍は爆撃機戦力の増強どころか、当分の間、爆撃機戦力の不足に、頭を悩ませる事になるだろう。
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アードバークを退役させるから…
爆撃機なんて今の時代じゃゴミ
ドローンとミサイルの集中攻撃で人命の損失なく効果的な攻撃ができるわ
政治家ってホント化石みたいな老害ばっかりやね
予算が無限にあればね
爆撃機の投弾量分ミサイル撃とうと思ったら一体何発必要だろう?
あと正規戦で敵対勢力を無力化出来るレベルに使えるドローンなんて無いでしょ
地域紛争のゲリラ攻撃レベルの想定で話してないか?
現現在B-1Bは核兵器の運用能力が無く、ピンポイント爆撃で近接航空支援に使用されているのか。
純粋な爆撃機を持っているのはアメリカだけ。
金持ちならではの悩みですね。