バイデン政権は19番目のウクライナ支援パッケージを19日に発表、このパッケージにはHIMARS向け弾薬の他にAGM-88HARM、105mm榴弾砲、スキャンイーグルなどが含まれている。
参考:‘Seek and destroy’: New US aid to Ukraine targets Russian artillery
3回連続でHIMARSの提供が見送られているため、ロシア軍が主張するようなHIMARSの損失は発生していない可能性が高い
バイデン政権が19日に発表した19番目のウクライナ支援パッケージは7.5億ドル規模で、HIMARS向け弾薬、AGM-88HARM、105mm榴弾砲×16門、105mm砲弾×36,000発、TWO×1,000発、ジャベリン×1,000発、カールグスタフM4を含む対戦車ミサイル×2,000発、ハンヴィー×50輌、MRAP×40輌、スキャンイーグル×15機などが含まれており、パッケージにAGM-88HARMが含まれると公式に発表したのは今回が初めてのケースだ。
国防総省の高官は記者団に「ウクライナはAGM-88HARMの使用に、ウクライナの航空機へ搭載することに成功した。このミサイルはロシアのレーダーを探し出して破壊することができる。彼らがHARMを組み込んだのはMiGだ」と言及しており、半信半疑だったMiG-29へのAGM-88HARM統合=HAS(HARM as Sensor)モードの運用は事実なのだろう。
さらに興味深いのは米国が初めて105mm榴弾砲を提供した点で、米国は英国提供のL119で使用する105mm砲弾を何度か提供してきたが、ウクライナ軍は旧ソ連製のD-20の代わりにL119を使用して「非常に効果的だ」と述べていたため米国もM119を提供するのかもしれない。
どちらにしても3回連続でHIMARSの提供が見送られているため、ロシア軍が主張するようなHIMARSの損失は発生していない可能性が高く、連日の攻撃で消費される弾薬補充がメインの支援パッケージと言える。
※国防総省のプレスリリースに合わせて一部修正
関連記事:8月だけで3回目、米国が19番目のウクライナ支援パッケージをまもなく発表
関連記事:英国、ウクライナに榴弾砲を提供するためL119を新たに50門調達
※アイキャッチ画像の出典:Public Domain
対レーダーミサイルをウクライナの飛行機に搭載することにやっぱし成功していたのか
ウクライナ結構頭使って戦っている印象
今秋の件しかり今まで供与された兵器の運用しかり
ばかでは戦争を戦えないか・・・
あまりイワンをみくびってはいけないぞ、対空ミサイルを対地転用するくらいの知恵はある
そのうち、CEP1キロメートルの退役ICBMに通常弾頭乗せて大統領官邸を狙うとかの盛大な無駄を思いつくのもイワンの知恵だ
The WarZoneが、国防総省高官の情報として、AGM-88はウクライナ軍のMiG-29に統合されたと紹介しています。
リンク
この記事ポイントは、
①AGM-88は、ウクライナ側からの要請で供与され、ウクライナ側の技術でMiG-29に統合されたらしい
②使用されたのは複座型のMiG-29UBかもしれない
③ウクライナ空軍はAGM-88の成果を上げており、米国は今後もAGM-88を提供するだろう
米国は、AGM-88が戦局をひっくり返すほどの兵器ではない(ロシアを過度に刺激しない)からこそ、提供に積極的になれるとも言えそうです。
AGM-88がロシア軍の防空網をこじ開けて、砲兵の撃ち合いから空爆のワンサイドゲームに変わらないものかと思いますが期待がすぎますかね?
ウクライナ軍の航空戦力が少ないので火力投射量でワンサイドゲームは演出できないと思いますが、局地戦で突破口をこじ開けるのには大きな力を発揮するでしょうね。局地的であれ、空爆でロシア側砲兵を攻撃できるようになるとパワーバランスは大きく変わると思います。
英軍がウクライナへ提供したL119については「各国から155㎜砲が供給されているのに存在意義があるのか」と言われて来ましたが、ウクライナ軍は高く評価していたんですね。
それで興味深いのは、ウクライナ軍が評価した内容が同じ旧ソ連製でも口径の近い122㎜榴弾砲D-30では無く、152㎜榴弾砲D-20の代わりに使用して「非常に効果的だ」とした事です。
L119/M119は射程ではD-20に負けている(※)ので、恐らくはD-20よりも重量が半分以下(※)と言う点を評価したのではと考えています。
だとすると、L119/M119は対砲兵戦では無く、自軍歩兵部隊への直接支援及び敵迫撃砲制圧が主な任務かも知れないですね。
特に、敵迫撃砲制圧に比較的軽量で迫撃砲よりも長射程の105㎜榴弾砲を使うのは結構定番らしく、現在も米英軍等が105㎜榴弾砲を残している理由の一つだそうです。
(※)M119は射程14000m(通常)/19000m(RAP)・重量2050kgに対して、D-20は射程17400m(通常)/24000m(RAP)・重量5700kg。
ずっと妄想していたのですが。
古いAMX-13軽戦車(FL-12砲塔、44口径長105mm)
を砲兵で使用できないかと妄想しています。
仰角が足りないので改修が必要なのと、薬室の改修と、
スペードを付ける必要がありますが。
上手くいけば、ドラムマガジンの12発を1分弱で撃ち切り、
素早く逃げられると思うのですが。
過去に誰もしていない様なので、妄想と思いますが。
AMX-13は、今日NATO加盟国では退役済(現用なのは中南米・アフリカ・シンガポールやインドネシア等)なので、恐らく使えないと思いますよ。
それと、戦車を砲兵代わりに使うと言うのは実例があります。
例えば1964年11月から翌65年にかけて、ヨルダン川のイスラエル側取水設備を巡るシリアとの武力衝突「ウォーター・ウォー」の際、イスラエル軍が105㎜砲を装備したセンチュリオン戦車でシリア軍陣地の砲兵やバンカーに入ったⅣ号戦車を長距離砲撃で撃破した事が有り、この時有るセンチュリオンは11km先のシリア側工場設備に命中弾を与えたそうです。
以前こちらのコメント欄で教えを受けたのですが、ウクライナ軍は戦車をドローン照準で即席短射程自走砲的に運用しているようです。
リンク
ご見解の趣旨とはズレがあるかもしれませんが、ご参考になれば幸いです。
今回の戦争で、砲兵の課題の一つは、明らかに”射程” なので、
元の戦車砲は結構需要があるのではと思っていました。
WIKIによると、南アフリカの105mm榴弾砲G7は、
砲身が52口径長で、ベースブリード弾で射程が32000mだそうです。
西側の105mm戦車砲は51口径長、東側の100mm戦車砲は53.5口径長です。
いずれも前世代のものでしょうが、ただ廃棄処分は勿体無いと思います。
お金のある、米・露・中共軍は別ですが。
AMX-13は古すぎるということで残念でした。
「カールグスタフM4×1,000発ってどゆこと?」と疑問に思い元記事読んだら「カール・グスタフ用の光学追尾対戦車ミサイル」とあって「は!?」となったのでさらに調べてみたらやはり元記事がごちゃ混ぜにしてました。
ウクライナにTOWも送られます。米国防総省のサイトより。
マッコイじいさん「口金さえあえばHARMをMiG-29から発射することも可能じゃわい」