米陸軍は自走砲「M109A6」から発射した砲弾で巡航ミサイルを撃ち落とすことに成功したと報じられている。
参考:‘Sci-Fi Awesome’—A U.S. Army Howitzer Just Shot Down A Cruise Missile
米陸軍が自走砲で巡航ミサイルを撃ち落とすことに成功、対中国に対する切り札になるか?
米陸軍は今月2日、BAEシステムズが開発した「超高速発射体:Hyper Velocity Projectile(HVP)」を自走砲「M109A6 パラディン(正確言うとM109A6に搭載している39口径の155mm砲を使用したと言う意味)」から発射して、巡航ミサイルの飛行コースを飛んでいる標的機「BQM-167」を撃ち落とすことに成功した。

出典:Lestocq / CC BY-SA 4.0 標的機「BQM-167」
この155mmHVPは一般的な155mm砲弾の射程より3倍以上到達範囲が拡張(※)されており、最高速度はマッハ3~5で誘導システムとフィンを備えているので地上の目標だけでなく空中を移動する目標に砲弾を直撃させることが可能と言われているのだが、1発8万6,000ドル(約920万円)もするため155mm砲弾としては非常に高価な部類に入る。
補足:155mmHVPの射程は数値で明かされていないが仮に155mm砲弾の射程が40kmの場合、155mmHVPの射程は120km前後ということになる。
ただし155mmHVPが高価と言うのは一般的な地上目標を攻撃するための155mm砲弾と比べたらの場合で、米陸軍が運用する標準的地対空ミサイル「PAC-3MSE弾」は1発300万ドル(約3.2億円)と言われており、これに比べれば155mmHVPのコストは1/35で済むため中国が何百発も同時発射してくるミサイルを低コストで処理することが可能になると米陸軍やBAEは考えているようだ。
ただ独自にレーダーシステムを保有しない自走砲が空中を移動する目標を撃ち落とすという芸当は、仮に155mmHVPを入手しても米軍以外には難しいかもしれない。
※2018年に公開されたABMSのコンセプト映像(この映像で示されているのはABMSが実現する機能の一部のみ)
米陸軍の自走砲「M109A6」が空中を移動する目標に155mmHVPを命中=誘導することが出来たのは開発中の「アドバンスバトル・マネージメントシステム(Advanced Battle Management System:ABMS)」の功績と言ってよく、ABMSは陸海空や宇宙に分かれて複数存在するセンサーが収集したデータをリアルタイムに共有・統合可能で、これを元にAIが複数の迎撃手段から最適なものを提示するので地上指揮官は発射操作をリモートで行うだけで良い。
今回の実験では目標近くを飛行する空軍のF-16やMQ-9に搭載されたAIM-9Xや海軍の艦艇に搭載されたMk.45(5インチHVP)も地上指揮官によってリモート発射しており、センサー、シューター、管制の分離が順調に進んでいる様子を伺うことが出来る。
ただABMSの開発は依然として不安要素が多く本当に実用化できるのかは未知数だが、仮に実用化に成功すれば低階層の防空システムに革命が起こるかもしれない。
※アイキャッチ画像の出典:Public Domain M109A6 パラディン
自走砲が旧高射砲のような役割も兼任する時代に・・・。
一つブレイクスルーが起きましたね。
最近の大砲は凄いなあ。射程1600キロの超長距離砲とかもあるらしいし、どんどん進歩するね…
>射程1600キロの超長距離砲…
戦艦の夢、再び!
これはロマン来てるな!
大和建造して欲しいなぁ・・・(無理か)
米帝ってやっぱり頭おかC
技術的デモンストレーションだとしても自走砲からの誘導砲弾でCM落とすとか、何考えてたら思いつくのやら
最初記事タイトル見た瞬間「どんな間違い方してるんだよ管理人w」って思った
閉鎖的な防空システムであっても、火器と索敵は別であったから、思想としては驚く物でもない。
ただ、陸海空全てのシステムを連携させられる構想力は、アメリカならでは。
日本にはない能力だ。
日本だって、陸海空の防空システムを統合するのですがね
次期戦闘機が就役する頃にはモノになっているかと
2030年代頃には色々研究成果が纏まって、一気に世代交代が進むので
別に日本sageって訳じゃないけどそれでもやっぱり先を行くアメリカはスゲェよ
自走砲の存在意義の再確認なるか。
現在保有している自走砲が陳腐化しちゃうなんて考えもしなかった。
これだと陸上だけでなく艦載型も考えられるのでは。
まさかズムウォルト級?
レールガンで弾道ミサイル迎撃まで夢が膨らんでしまう…。
素人軍オタの悪い癖です、すみません!
いやいやいや。
現実味ありますやん。
ヘリが戦車をカモにしようとしても
返り討ちに出来そうね
”安いから”という理由だけでK国から自走砲買っちゃた国々「え?」」
だから、M109を近代化改修しようって言ったじゃん。
K-55A1(M109A2K近代化改修型)「呼んだか?」
詳細な情報が少ないけど、アメリカも新型自走砲(M1299)を開発中みたいだから楽しみにしとけよ
M109A6が凄いのではなくアドバンスバトル・マネージメントシステムのお陰だって書いてるから、韓国のK-9を買ったから損という話じゃないでしょ?
ほら 全然関係な記事まで韓国sageコメが付くでしょ?
これは荒れてないけどこういうコメに反応して負の連鎖が起きてコメ欄がメチャクチャにあって見辛くなったり、
不愉快になる。 だから韓国記事だけ規制しても意味ない。他の記事に現れる
ほら 全然関係な記事まで韓国ageコメが付くでしょ?
これは荒れてないけどこういうコメに反応して負の連鎖が起きてコメ欄がメチャクチャにあって見辛くなったり、不愉快になる。
あなただよ。荒れてもいない所でわざわざ反日主義国を庇い立てして、みんなを不快にさせてる張本人は。
これでキミもオットー・カリウスだ!
問題はミサイル発射から迎撃までの間に、起動が間に合うのかという事だが
その辺は手動装填よりも自動装填式の方が有利になるよね
結局オトマティック対空自走砲は、時代の先を行き過ぎてたんですかね?
このミサイルみたいなものを自走砲の砲身から撃てるの?
写真の青いのは打ち落とされたほうの標的機ですね
もはや対空砲とか対戦車砲などの言い方はできないな。万能砲だ
ABMSと聞いて嫌な予感がしたから、ググったらやっぱりこれかよ…先日、このブログで再掲載されていたある記事で紹介されていた「アドバンスバトル・マネージメントシステム(Advanced Battle Management System:ABMS)」絡みの話じゃない?
あの“IT業界のサグラダファミリア”と揶揄されたみずほ銀行の勘定系システムの刷新と統合プロジェクトを遥かに上回るであろう難事業の成果なんだろうけど、果たして実戦で使える様になるまで後何十年掛かるのやら…?
【完成するのか不明、対AWACSキラーを無力化する米空軍の新技術】
リンク
私もABMSの単語で、このブログで8月末に読んだ米空軍に手厳しい論調の、リンク掲載記事を思い出した口で、その旨をコメ欄に書きに来た次第で、同様な先人が居てヨカタw。
ただ私は、両極端な否定肯定が並び出た事に、このネタの面白みを更に覚えた次第で、開発は難易度高くてそのリスク大だが、モノになれば革命的な新兵器を得るハイリターン、との大博打を感じ、軍ヲタとしてロマンを感じたよw。野次馬根性ですね。
全くの同意ですね。
システム全体としては危ぶまれているもののこういった成果一つ一つにまでケチつけたくないなぁと。
ていうか、素直にすごい。
今はなんでも精密誘導の時代
銃弾すら精密誘導できるやつを開発中だしな
対地攻撃とミサイル防御で用途が違うので一概に言えるものではありませんが、同じ155mmのズムウォルト級AGS用LRLAPと比較して価格1/12は大きいですね。
LRLAPと比較して射程が2割短いですが、同じ155mmでどうしてこうなった感はあります。
日本列島を囲むようにして沿岸域に配備すれば陸海空と対応できる
ミサイルよりも低コストで済む、自衛隊も是非とも採用してほしい
まあ、対象となる巡航ミサイルを補足するまでのシステム運用が出来ればの話だけどね
両用沿岸砲ですね。対馬要塞でももう一回作るかw
こうなるとますますハッキングされた時が怖い
昔、自走砲から精密誘導の噴射式砲弾を発射すると聞いたときは、ミサイルなら自走砲じゃなくていいじゃんとか思ってた。
値段が理由だったか。
巡航ミサイルでも、対空ミサイルでも、実はもっと安くできるないものか。
ソフトウェアの勝利だ
日本で実装出来るのかこれ
アメリカでもひーこら言ってるのに
アイアンドームとかSeaRAMが射程10数キロで1発1千万
さて
近未来には、艦艇、航空機、戦闘車両のすべてが情報収集と攻撃の端末になるから、その統合指揮所へのサイバー攻撃とピンポイント爆撃のみで国家間戦争は勝敗が決まるわけだ
王将さえ盗れば他は能無しのガラクタ扱い
肯定的な意見も多いですが
なんか自走砲に必要な機能かと考えると蛇足以外の何物でも無い様に思います
次世代MBTは口径155mmで自走砲と統一すれば必要に応じて間接砲撃から近接防空まで出来るようになるかな?
米軍が一時期そういう方向を検討したが、まだ早かったのか立ち消えしてますね
ただ、兼務兼用による合理化ってのは平時の発想ですから、常在戦場意識の組織ならば単機能の兵器を役割分担して運用するほうを選ぶと思います
砲弾が家一軒建てるより安いなら小さな設備の防衛にも向いてはいるのか?
155mm砲弾の開発が中止になって完全に宙ぶらりん状態のズムウォルト級駆逐艦の砲弾に転用出来ないのかな?
あんま単純思考で凄い凄いと褒めそやしてもねぇ。攻撃側も工夫はするわけだ、例えば巡航ミサイルの蛇行飛行はすでに実装済み、低RCSステルス巡航ミサイル化、「センサー」へのジャミング、「シューター」or「センサー」への事前無人機攻撃…むろんこの実験の成功は祝いたいし今後の発展や普及・波及にも期待はしているが。
Russian 2S35 Coalition SV Self-Propelled Howitzer
これの試作型152mm連装砲でした、コストで断念したようですが・・これをヒントにして単装で一分間16~20発撃てる自走砲で縦2連装砲にして紹介されているHVP撃てたら自走砲の戦闘力は凄い事になりそうですね、コストは海軍でも採用して量産効果出せれば世界も驚きますよ、素人考えですけど。
この技術と兵器を日本も取得し進歩させれば国防がより良くなるのでは。 配備もしやすそう