ベネズエラ人が撮影した映像には「ブーン」という音が記録されており、その直後に爆発音や目標に着弾したことを示す爆発が見られ、War Zoneも「これは一方通行型ドローンが使用された特徴と一致する」「米軍はベネズエラでの作戦にShahed型無人機を投入した可能性が高い」と指摘した。
参考:Videos suggest stealthy Air Force drone flew recon for Maduro capture
参考:Did The U.S. Use Kamikaze Drones To Strike Venezuela?
今回の作戦においてShahed型無人機が果たした地味な貢献にもスポットライトを当てるべきだろう
統合参謀本部議長のダン・ケイン空軍大将は3日未明に行われたベネズエラへの攻撃について「今回の大胆な作戦は米国にしかできないものだった」「この作戦に異なる20の基地から150機以上の航空機が参加し、F-22、F-35、F/A-18、B-2、B-1、各種支援機、多数の無人機が含まれていた」と説明したが、他にもEA-18G、E-2、RQ-170などが作戦に投入され、複数の軍事拠点を攻撃してS-300V、Buk-M2E、Su-30MK2V、F-16などを破壊した。

出典:DonaldTrump
ケイン大将は「本作戦には究極の精密さと統合が求められ、この凄まじい作戦の複雑さを統合という一言だけでは説明しきれない」「西半球全域から150機以上の航空機が緊密な連携のもと発進し、特定の時間と場所に一斉に集結して単一の目的のために多層的な効果を発揮したのだ」「戦術的な奇襲性を維持しつつカラカスの中心に阻止部隊を送り込むという極めて緻密な目的を達成した」「この精巧な歯車のように機能する組織の構成要素が一つでも欠ければ作戦全体が危うくなっていただろう」「当時、カラカスの空にいた者たちは地上部隊やヘリコプターに乗る仲間たちのために自らの命を捧げる覚悟で任務に臨んでいたのだ」と述べている。
さらに興味深いのは米軍が今回の作戦に一方通行型ドローン=Shahed型無人機を投入した可能性が高い点で、ベネズエラ人が撮影した映像には「ブーン(小型ピストンエンジンが作動する音)」という音がハッキリと記録されており、その直後に爆発音や目標に着弾したことを示す爆発が見られ、War Zoneも「この全ては一方通行型ドローンが使用された特徴と一致する」と指摘し、米中央軍も昨年末「Shahed型無人機の米軍バージョン=LUCASを中東に配備した」と発表済みだ。
WATCH: Multiple videos show drones being used during the U.S. operation in Venezuela. pic.twitter.com/Ef4BLtaKIb
— Faytuks Network (@FaytuksNetwork) January 5, 2026
More footage of the strike on Generalissimo Francisco de Miranda Air Base. https://t.co/DT4SbgPeF5 pic.twitter.com/FyNMoVPPve
— SA Defensa (@SA_Defensa) January 3, 2026
米第5艦隊も昨年末「インディペンデンス級沿海域戦闘艦がアラビア湾でLUCASの発射に成功した」と発表しており、ベネズエラ沖には最低でもフォード級空母1隻、ワスプ級強襲揚陸艦1隻、サン・アントニオ級揚陸艦2隻、タイコンデロガ級巡洋艦2隻、アーレイ・バーク級駆逐艦5隻が展開していたため、LUCASを海上から発射したとしても不思議はない。
仮にLUCASが使用されていたとしても「これがなければ作戦が成功しなかった」「重要目標をLUCASで破壊した」と言うわけではなく、本当に興味深いのは「Shahed型無人機を作戦に統合することで戦術の幅が広がった」という点で、War Zoneも一方通行のドローンの効果について以下のように指摘した。

出典:U.S. Central Command
“一方通行型ドローンは敵の防空網を刺激し、正確な位置を露呈させるための電波放射を誘い出す手段にもなったはずだ。そうなれば他のプラットフォームで攻撃することも、これを完全に回避することも可能になる。米軍は何ヶ月もかけてベネズエラ軍の電子能力の特性(電子戦力組成)をカタログ化してきたが、移動式システムだけは予測不能な要素として残った。これらが一方通行のドローンに反応して電波を放射すれば、迅速に位置を特定することが可能になったはずだ”
“ドローンの構成次第では有人機の生存性を高めるデコイとして運用したり、レーダーや通信システムに対するスタンドイン・ジャミング=近接妨害にも役立っただろう。さらにベネズエラ治安部隊による効果的な反撃の阻止・妨害、明確な脅威に対する攻撃にも使用された可能性がある。カラカスの広大なフエルテ・ティウナ基地で軽装甲車両を含む防衛装備が任務遂行の過程で破壊されている。勿論、国内の主要な通信拠点も米軍の標的となった”
“長距離を飛行可能なドローンだけではなくLaunched Effects=空中発射型効果(有人機から戦場空域に向けて空中発射する徘徊型弾薬のこと)が使用された可能性もある。この作戦に投入された第160特殊作戦航空連隊は何年も前からMH-60から発射効果を利用するテストを行ってきた。いずれにせよ、一連の映像は一方通行型ドローンが初めて実戦投入された可能性を示す明確な証拠だ。作戦の全容が明らかになるにつれ、それらが具体的にどのように運用されたのか詳細が判明するだろう”
F-35がベネズエラ軍の防空システムを制圧したという巷の評価は間違いではないものの「やっぱりF-35があれば敵防空システムを制圧できるんだ」「F-35は最強だ」「やっぱりShahedは弱者の兵器だ」と解釈するのは早計で、作戦目標を達成する上でF-35のステルス能力は「違いを作り出す一要素」でしかなく、今回の作戦においてShahed型無人機が果たした地味な貢献にもスポットライトを当てるべきだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Central Command





















使い捨て無人機の囮としての有用性は揺るがない感じですね。守る方からしたら見逃せばやられるし手を出せば位置が露呈して他の手段でやられる。相手が国境付近に展開しだした時に先手を打たないとジリ貧て事なんですかねえ。
仰る通りですよね。
放置するわけにもいかないですし、対処すれば防空リソースは確実に削られるわけで、何とも厄介で『ジリ貧』というのが仰る通りだなと…。
陸海空の統合作戦に、海空から発射された自爆ドローンが組み込まれているのであれば凄い事だなと。
日本目線で見れば、中国軍が海空から自爆ドローン・無人機を発射してくることを、必ず想定する必要があるとなれば厄介なものですね…。
その内ロシアみたいに電波収集に特化したモデルや短距離ミサイル載せた簡易戦闘機モデルみたいなのも出てきたりしそう。
流石はUSAだと思ったが、ウクライナで学習した成果を実戦に適用したんだろうな、とも思った
アメリカ人の怖い所はこういうシステム創造にある
自分自身も、兵器のスペックばかりに目がいって、システム統合の重要性なんて、このブログに来るまで考えもしなかったな。
当たり前だけど、作戦や武器の運用次第で効果は全然変わってくるので、一つの兵器が戦場の優劣を決めるわけではないんだよな(核を除く)。
戦争が強い国は嫌いな相手からも学ぶし
新しいことを試して取り入れるのが早いですよね
ロシア軍を持久特化のマラソンランナーに例えれば、アメリカ軍は瞬間的な能力を爆発的に発揮する100メートル走に特化した組織だとも言えます。
民主主義国家として持久戦になると国民が煩いので、どれだけコストをかけても瞬間的に戦争に勝利することをドクトリン的に目指しているんですね。力こそパワー、勝利者こそウイナー。いかにもアメリカ的ではありますね。
使い捨て無人機とステルス機と電子戦機の組み合わせとなると、アメリカと中国しか現状できない手段ですね。
対中国を考えると、既に電子戦機を持っているオーストラリアとの演習を増やすことになるのかな
もがみ改級での成果が上手くこのあたりにつながってくれるといいのですが
プーチン大統領がごまめの歯軋りしてそう
対ウクライナでやりたかったことそのまんまだしな
空戦なら現状でも最強の一角なんでしょうけど、イスラエルの魔改造F-35はともかくとして、米軍のblock3のF-35Aが地上攻撃に活躍したって本当でござるかあ?って気がしますねえ。
しかし、野放図にトマホークの乱れ打ちができていた米軍はもういないのだなあ。
多分ステルスで地上攻撃できるのがF-35しか選択肢がなかったんだと思う
B-2だと過剰&S-300VMでスペック上は好条件なら捉えられるから(F-35はほぼ無理)
イランでは先にS-400が潰されてたから出せたけど
F-35Iやblock4に比べたら貧弱ってだけで、米軍が持ってるF-16やF/A-18と比べるとそもそものポテンシャルが段違いなのでね。
アビオニクスが最新型だとかエンジンが強力なので、爆弾たくさん積めるという意味でなら「つおい」のでしょうけど、ブリカスが、「スタンドオフ兵器使えないので第二次世界大戦の爆撃機と同じ」(実際には誘導爆弾使えるからそこまでは言い過ぎ)と言い放つ程度にはアレなんですよね。
実際の使用環境を失念していませんか?
「地上攻撃にはスタンドオフ兵器を使わなければならない」なんて規則は存在しないので個々の作戦ごとに最適な兵器を用いるのは当然です。
今回の攻撃では第4.5世代機×スタンドオフ兵器よりF-35×誘導爆弾の方が適役だと判断されたわけで、block3のF-35にはそう判断させる大きな優位点があったことは疑いようがないのでは。(米軍以外は真似できない判断だとは思いますが)
英軍の件はF-35以外の戦闘機はユーロファイターしかないのでF-35をめぐるトラブルが死活問題になる一方で、米軍は挙げればキリがないほど多種多様な戦闘機・爆撃機・電子攻撃機を有しているのでF-35がスタンドオフ兵器に非対応であろうが他機での代用や電子攻撃機による支援など代替策が豊富にあるので二国のF-35に対する評価に温度差があるのは自然なことしょう。
>ケイン大将は「本作戦には究極の精密さと統合が求められ、この凄まじい作戦の複雑さを統合という一言だけでは説明しきれない」
一歩間違えたら大惨事。
ヘリボーンした特殊部隊がモガディシュの時みたいになってたらトランプは終わってただろう。
な、何をそこまで驚いているんだ
電子戦機とデコイドローンで炙りだしてSEAD機で防空網を破壊するなんて35年前の湾岸戦争からやってることじゃないか…
実際はドローンだけじゃなくADM-160辺りも一緒に使われたんだろうけど、自爆機能がある分より脅威判定が高くなったのかね
やってることは湾岸戦争と変わらないですよね
当時はF-117とデコイ
今はF-35とシャヘド
バグダット爆撃は最後までステルス機とデコイのコンビでなければ不可能だった
ADM-141ですか。00/10年代にこの手の兵器の存在感がなかったのはなんでだろう。
詳報が出れば出るほど米軍の打撃力がいかに化け物なのかが痛感するのよね…
あとはこの半年間カリブ海で船を襲撃してたのも、攻撃を実施した結果マドゥロ周辺での情報伝達のスピードとか方法をリサーチしてたんだろうなぁって…
市街をヘリが低空飛行してヘリボーンしてるのは他の国では通用せんかったのでは?
MANPADS絶対に撃たれない確信があったのか
米軍のヘリって、MANPADSより、RPGの釣瓶打ちで墜とされる印象。
アメリカと戦争するなら真っ先にスターリンクをミサイルで破壊するしか勝ち目ねえわ。
シャヘド136を機銃で簡単に落とせるとか言う人もいるけどそりゃウクライナみたいにガッチリ備えてる国の話で
普通の国の普段の防空体制じゃSAMや戦闘機使わざるをえない。当然大赤字
「シャヘド型」というのが一般名詞になるのか。
イラン「特許を取っておけばよかったかな」