米海軍のモートン少将は「任務を終えたUUVは移動している潜水艦の魚雷発射管に自力で帰還する能力が必要だ」「この機能が実装されれば全てのSSNはUUVの母艦になる」と述べていたが、2026会計年度予算案の中で自律的な回収に対応したUUV=Razorback MK.20開発が中止されたと判明した。
参考:Navy Cancels Nuclear Submarine Torpedo Tube-Launched And Recovered Underwater Drone
War ZoneはUUVを魚雷発射管からの発射と回収に対応させる取り組みは継続されると予想している
潜水艦に求められる性能や機能は運用国の戦略や戦術に左右されるため「絶対的な答え」は存在しないが、多くの国が支持しているのは伝統的な対潜水艦戦(ハンターキラー)に特化したタイプではなく、対潜戦、長距離哨戒、対地攻撃、特殊部隊の運搬・回収、機雷の敷設など多用途性を備えているタイプの潜水艦で、最近では水中発射方式のUAVやUUVの運用能力まで追加されつつある。
米海軍は攻撃型原潜のデコイ発射装置から発射可能なBlackwingを導入済み、イスラエル企業=SPEARも潜航中の潜水艦から発射可能なNinox103UWを発表、中国もチューブに収納したPeregrine UAVの水中発射に成功し、インドも水中発射方式のUAVを開発中で、ギリシャ海軍も次期潜水艦に水中発射方式の対空ミサイルとUAVの運用能力を要求、さらに米国やフランスは潜水艦をUUV母艦として活用したいと考えており、特にフランスは魚雷発射管を通じて発射可能なUUVを実戦配備中だ。
米海軍のモートン少将はREMUS600ベースで開発したRazorback UUVについて「ダイバーによる水中回収が面倒」「任務を終えたUUVは移動している潜水艦の魚雷発射管に自力で帰還する能力が必要」「この機能が実装されれば全てのSSNはUUVの母艦になる」と述べ、自律的な回収に対応したRazorback UUVの後継機=Medium UUVを開発中で、このプログラムを主導しているスミス少佐は「新型MUUVは数年以内に実戦投入される」と、潜水艦司令官のゴーチャー少将も「太平洋の潜水艦部隊がL3Harris製のUUVを魚雷発射管から発射・回収に成功した」と明かしていたが、どうやら取り組みの一部を放棄したらしい。

出典:Photo by Senior Chief Petty Officer Oliver Cole Yellow Moray UUV
Medium UUVの詳細は提供されていないため謎が多いものの、魚雷発射管からの発射と回収に対応させる取り組みは「Razorback UUVから発展したRazorback MK.20」と「REMUS 600から発展したYellow Moray UUV」の2つ別れ、米海軍は2026会計年度予算案の中でRazorback計画に資金を配分しているもののの、これはドライデッキ・シェルター方式で運用するRazorbackMK.19の継続的なアップグレードのみに投資され、Razorback MK.20については「大幅なスケジュール遅延と主要要件の達成が不可能なため計画を中止した」と説明している。
さらに米海軍はYellow Moray UUVの開発も難航していると認めており、今年2月に実施されたテストではバージニア級原潜=デラウェアの魚雷発射管に自力帰還できず、水上支援艦艇によって回収されたYellow Moray UUVは修理後のテストでデラウェアの魚雷発射管に自力帰還(複数回)することに成功したらしい。

出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 1st Class Scott Barnes Razorback MK.19
War Zoneは「Razorback MK.20の開発中止がYellow Moray UUVに影響を及ぼすかどうかは不明だが、海軍はドライデッキ・シェルター対応の潜水艦以外でもUUVを運用したと考えているのは明白だ」と指摘しており、UUVを魚雷発射管からの発射と回収に対応させる取り組みは継続されると予想している。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Coast Guard photo by Petty Officer 3rd Class Mikaela McGee





















そもそも、魚雷発射管は、先から入れられる構造なのか?
魚雷発射管に戻ってくるのは元々無茶な設計だと思う。
水中で海流で動く中、それを魚雷発射管に精密誘導して入れるしかない
しかも水中なので誘導方式も有線誘導か、音響に限られる
意図と狙いはわかるけど、実現ハードル高いよな
「回避、妨害してくる敵の魚雷発射管にピンポイントに魚雷をブチ込め」みたいなミッションインポッシブルじゃなくて協力的な母艦との会合ですからね。
近距離ならレーザーとかも使えるし、最後は有線とかブームとかマニュピレータとか色々手段はある訳で、技術的な難易度は空中給油や艦載機の着艦に近いんじゃないですかね。つまり「簡単ではないけど技術が確立すれば作戦行動として日常的に行えて、技術が習熟すれば半自動で可能」と。
そして「UUVの回収、再出撃」というハイリターンがある以上そうそう断念はしないんじゃないかなぁ。
まあ「無理に魚雷発射管に収容しなくても有線UUVと接続して充電とデータ共有だけして再出撃くらいでええやんけ」みたいな妥協案は色々ありそうですけど。
昔の中魚雷規格(483ミリ)がスイムアウト出来たのだからそれ自体は問題無い。出した後に前を締めて水が抜けなきゃ再装填出来ない。スイムインしてから水を抜く事もできるはず。
ストローを袋から抜くことは簡単でも袋に戻すのは難しいって話では
大きさに余裕がある?原潜ならば。
どうしても発射管からUUVを出し入れしたいのならば、
潜水艦後部に太め(24インチ?)の発射管を復活して、UUVの出し入れには水圧を使わずに
スイムアウト形式で行う形にしてはどうでしょうか?、などと妄想します。
もちろん、通常の魚雷やデコイや機雷も後ろ向きに発射できる形で。
VLSを付けるよりはマシとも思えるのですが。
固定翼航空機に例えれば、空母の艦尾側から着艦するのですから。
だから妄想はいらない
個人的な妄想だという自覚があるなら公共の場に書かないという正しい判断をすべき
やめるのだ そこは魚雷を出し入れする穴なのだ UUVじゃないのだ
「ダメ!そこは不浄の穴!」という謎の言葉が脳内を過ぎるのであった…
しまった既に書かれてたw。
日本は研究しないのかな・・・。違うアプローチで実現させるならそれも見てみたい
魚雷発射管に合わせてサイズを制限されるUUVってどうなんでしょうね
航続距離が短くセンサー類も限定的だと行える任務も限られるのに、母艦に帰還させて回収となると、往復できる狭い作戦半径で何ができるのやら…
建造待ちがズラッと並ぶバージニア級を、これ以上コストをかけずなんとか時代に適合させようという涙ぐましい努力の結果なのかもしれませんが
我が国は中型UUVとそれに随伴する小型UUVの研究を進めているようですが、諸外国の大型UUVに比べるとなんとものんびりしたペースで、国産UAVと同じく今後5年程度ではとてもじゃないが実戦でモノになる感じがしません
お隣の目覚ましいK兵器輸出を見ても、日本は良くも悪くも平和なんでしょう
UAVの航続距離を大きくして自力でUAV母艦がいる安全圏まで戻れるようにしておけば、潜水艦はUAVを投射するだけに留めても問題無いと思いますね。それでも航続距離の長大化=UAVの大型化となるだろうから従来の魚雷発射管から射出というのはハードルが高く潜水艦艦外にコバンザメよろしく装着するのが現実的だと。魚雷発射管から射出するタイプのUAVは使い捨てにするか、あるいはUAV母艦で回収するならば海流を利用して帰投時の航続距離を稼ぐような運用の工夫が必要だと思われます
シーウルフだかで特殊部隊用の小型潜水艦背負う計画あったけど、発射管での出し入れは困難だろうな
533mm魚雷サイズに制限されるし、母艦の発見のおそれもあるからからぁまりいい計画じゃなかったような…
宇宙空母ブルーノアというとんちきアニメではバルバスバウ部分が「シイラ」という潜水艦になって分離するんだけど、今思うと、分離後の母艦の速度がガタ落ちになるよな。
コバンザメ方式ではダメなんだろうか。母艦が原潜なら、充電効率の悪い無線充電でもいけるだろうに。