米造船業界は海軍が年2隻発注するバージニア級原潜を年1.2隻のペースでしか建造できず、HIIは9日「Babcockとの戦略的パートナーシップを拡大し、バージニア級原潜の建造能力強化に関する契約を締結した」と発表し、建造作業の一部をBabcockの英拠点に外注することになった。
参考:HII Deepens Partnership with Babcock International Group in Support of Virginia-Class Submarine Construction
参考:HII outsources Virginia-class assembly construction work to Babcock International Group
参考:UK to join US Navy’s Virginia-class submarine assembly effort to speed up construction
機密レベルが最高クラスの原潜技術や情報を「部分的にでもBabcockと共有する」というのは非常に大きな変化
米造船業界は海軍が年2隻発注するバージニア級原潜を年1.2隻のペースでしか建造できず、ダリル・コードル大将は2023年1月に開催された海軍協会年次総会で「私は防衛産業界に対して寛容ではなく、COVID‑19やサプライチェーンといった問題もどうでもいい。ただSM-6や魚雷をスケージュール通りに納品して欲しいだけで約束が守られないという事実は許せない。我々は10隻の潜水艦を発注したのに手元に届いたのは6隻だけで残りの4隻はどこに消えたのか? 私の部隊は既に潜水艦が不足している」と不満が爆発。

出典:U.S. Navy photo courtesy of Newport News Shipbuilding/Released
さらに年10隻のオーバーホール作業もスケジュール通りに進捗していないため、コードル大将は「現在19隻の潜水艦が整備中か整備待ちの状態だ。もし全ての作業がスケジュール通りに行われていれば潜水艦艦隊の戦力は9隻も増えていた計算でこれは相当な数だ」と述べ、バイデン政権は造船業界の基盤強化に資金を投資してきたものの具体的な改善は見られず、トランプ政権は抜本的な造船業界の改革を指示し、Huntington Ingalls Industriesは9日「当社とBabcockは戦略的パートナーシップを拡大し、バージニア級原潜の建造能力強化に関する契約を締結した」と発表した。
HIIとBabcockの契約を端的に言うと「AUKUS協定に基づいてバージニア級原潜の建造にBabcockのネットワークを活用する、つまりBabcockは英ロサイスにある拠点でバージニア級原潜BlockIVの重要な構造物を建造する権限を獲得した」という意味で、HIIも「バージニア級原潜の建造作業を外注するのは初めてだ」「Babcockの高度な専門知識を活用することで当社のサプライヤー基盤が、潜水艦建造能力が強化され、三ヶ国間のAUKUSパートナーシップを支えることができる」と説明している。
HII and @Babcockplc announced today a contract that expands our strategic partnership to further support Virginia-class submarine construction throughput at HII’s #NewportNewsShipbuilding division.
Learn more about the work and our strategic partnership here:… pic.twitter.com/pQ81DeozPq
— HII (@WeAreHII) December 9, 2025
Babcockが具体的にBlockIVのどの部分を建造するのかは不明だが、機密レベルが最高クラスの原潜技術や情報を「部分的にでもBabcockと共有する」というのは非常に大きな変化で、米国と英国の関係が非常に特別であると示唆する内容だ。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Navy photo courtesy of Huntington Ingalls Industries by John Whalen/Released





















毎年、通常型潜水艦を1隻新調する我が国は相当だと思っていましたが、SSNを毎年二隻発注する米海軍のスケールよ。
しかし、必ず毎年仕事があるわけでなく、調達が終わってラインが維持できなくなるような発注方式にも相当問題あるよ。
だけどその内日本もアメリカと似た発注の仕方になるかもしれませんよ?
現在日本でも原子力潜水艦の導入を検討すべきとネットや一部政府関係者の間で話題になってますからね
仮に原子力潜水艦を導入するなら今みたいな潜水艦の発注の仕方は不可能になるでしょうし、潜水艦の配備数そのものを大幅に減らす必要も出てくると思いますから。
これには
アメリカ人は調達速度が上がってニッコリ
オーストラリア人も調達速度が上がってニッコリ
イギリス人は雇用が生まれてニッコリ
みんなハッピー
AUKUSの枠組みならバイアメリカン法とバーンズトレフソン法をある程度無視可能ってことなんですかね
それぞれの理屈は分かるんですが、韓国の原潜を米国で作りつつ米海軍の原潜をイギリスに外注するってのも不思議な感じですよね。
ところでバージニア級って近年は起工から就役まで5年くらいかかってますが、最盛期だと起工から就役まで2年半でやっているんですね。(造船業界の問題で工期が2倍に伸びているという言い方もできると思いますが)英国の造船業界だって決して仕事が早い方ではないですから、同じ5年1隻ペースで年産を+0.8隻しようとすると、4隻を並行して同時に建造せねばなりません。まあ実際は部品やブロックの製造を担って最終組み立ては米国でやるのかもしれませんが、そこまでやっても調達ペースが正常化するだけで、既存のメンテ待ちや新造艦の遅配の問題は解決しません。BAEがどれくらいの覚悟でこの問題に取り組むのか分かりませんが、潜水艦隊の問題を10年程度のスパンで解決しようと思うならまだ不十分なのではと思いました。
韓国の原潜って燃料と技術供与?のみなのでは。
「ひとりでできるもん」で自国建造に拘っているように見えます。
韓国としてはそうでしょうが、アメリカがそのような慈善事業をする義理はないので
アメリカ製造でなければ御破算でしょうね
韓国の原潜の件はまだ大統領が主張しているだけなので掘り下げた解説はあまり出てきていませんが、舞台になるフィリー造船所があるフィラデルフィアはラストベルトの一つであり、特に鉄鋼の街であるピッツバーグは大統領選挙流れを決めた最重要地域の一つでした。ここを制するためにトランプ氏はピッツバーグの鉄鋼産業復活を地元有権者に約束したのですが、鉄鋼のもっとも分かりやすい使い道と言えば造船です。アメリカには仕事のない鉄鋼の街があり、海軍の潜水艦は足りないが造船所を新規に作る資金はない。そしてアジアの同盟国は(なぜか猛烈に)原潜を欲しがっていて、アメリカの軍需産業に投資もしたがっている。ハンファの資金でフィリー造船所を原子力船舶対応に再整備して韓国原潜を建造させるのは、現実可能性を除けばアメリカにとって一挙四得の大岡裁きです。濃縮ウランだけ買ってしまえば後は全部勝手にやれると思っていた韓国にとっては予想外に足元を見られた構図でしょう。
韓国の思惑としては
「原潜保有を認めさせることで、ウラン濃縮を認めさせる(日本は許可されてるのに、韓国は許可されてない)」
これは一定達成されて、ファクトシートで、アメリカは、両国間の原子力協力協定(123協定)に準じて、米国の法的要件を遵守する範囲内で韓国の民生用のウラン濃縮および使用済み燃料の再処理の実施に関する手続きを支持した。
別の思惑としては、「兵器級濃縮ウランを利用できるようになりたい(核保有)」がまことしやかに囁かれてます。
「原潜保有」自体がどれほど目的だったかは分かりませんが、アメリカとしては産業的な面に加え、アメリカは韓国に兵器級濃縮ウランを扱わせることはできないと思ってるでしょうから、アメリカ国内で造船させ、ウランを入れた状態で韓国に引渡し、韓国に濃縮ウランを指一本触れさせないということでしょう。
日本も1隻でもSSGNをターンキーソステムで良いから売ってくれって言ってみれば良いのに。
トマホーク撃つプラットフォームがどうみても足りない。
濃縮ウランを使用する以上、韓国国内で製造はできない気がする。
アメリカの想定は兵器級濃縮ウランを韓国国内では使わせられないから、アメリカ国内で、韓国の投資で、建造所を整備して建造させ濃縮ウランを入れて韓国に引渡し。韓国には濃縮ウランを指一本触れさせない。ということでしょう。
こんなことしてますますアメリカの労働者の質や造船所のレベルが
下がって建造期間が長期化するなんてことにならなければ良いけど
もはやそんなこと言ってられないレベルまで来てるんだろうな
建造期間の長期化もだけど造船所での火災事故も多いなぁという印象