アーレイ・バーク級駆逐艦の後継艦、バージニア級原潜の後継艦、F/A-18E/Fの後継戦闘機を同時に開発を進める資金がないので「資金を優先的に供給するプログラムは1つに絞らなければならない」と海軍長官が指示したらしい。
参考:Memo reveals US Navy must pick between future destroyer, fighter or sub for FY23 plan
海軍は予定通り開発を進められるのは3つのプログラムのうち1つだけ、残りのプログラムは開発先送り
米海軍はアーレイ・バーク級駆逐艦の調達を2027年に打ち切る予定で、DDG-X(以前はDDX Nextと呼ばれていた)と呼ばれる新しい駆逐艦を2028年から調達するためプログラムオフィスを正式に設立して7,970万/約87.3億円の開発予算を要求、さらに2030年後半に建造を開始するバージニア級原潜の後継艦「SSN-X」を開発するため2,980万ドル/約32.6億円の予算も要求しており、2030年代に退役が始まるF/A-18E/Fの後継機「F/A-XX(現在は空軍と同じNGADと呼ばれている)」も準備する必要があるのだが、この3つは同じタイムラインで開発が進行するため米海軍は研究・開発費に多くの予算を割く必要に迫られている。
しかし米海軍は発注済みのジェラルド・R・フォード級空母(3番艦と4番艦)やアメリカ級強襲揚陸艦(3番艦)の建造に資金を継続供給しけなければならず、12隻も調達するコロンビア級原潜(SLBM搭載)の取得費用は900億ドル/約9.8兆円を超えると見積もられており、この他にもコンステレーション級フリゲートの調達(20隻)や老朽化した艦艇の維持などに多くの資金が溶けるためトーマス・ハーカー海軍長官(代理)は「DDG-XとSSN-XとF/A-XXの3つを同時に進めるには資金が足りない」と言っているのだ。
長官は海軍に対して「資金を優先的に供給するプログラムを1つに絞れ」と指示して残りのプログラムについては「供給される資金が制限されるので開発が先送りになる」と述べている。
果たして海軍は長官の指示を受けてDDG-X、SSN-X、F/A-XXの中から何を優先するのか今のところ謎だが、アーレイ・バーク級駆逐艦の設計的余裕は食いつぶしているので今後のアップグレードを受け入れるのが難しく、F/A-18E/FブロックIIIの新規調達を打ち切る方針(既存のブロックIIからブロックIIIへのアップグレードは維持される)なのでF/A-XXの準備を始めなければ同機の退役に間に合わなくなり空母航空団の戦闘機戦力はF-35Cのみになってしまうかもしれない。
バージニア級原潜の後継艦はコロンビア級原潜の原子炉と同じものを採用すると噂されており、恐らくコロンビア級原潜の建造が終わると同時にSSN-Xの建造を開始することで原子炉の製造ラインをそのまま活かすことを米海軍は考えているのかもしれないが、資金の優先供給から外れれば絵に書いた餅で終わってしまうだろう。
米メディアは「F/A-XXに資金を優先的に供給することを米海軍は選択するだろう」と予想しているが、もし米メディアの予想通りになればアーレイ・バーク級駆逐艦は艦艇発射型の極超音速ミサイルを搭載するため再び大きな改造(開発を進めている艦艇発射型の極超音速ミサイルはMk.41に収まるサイズではないので別のミサイル発射装置が必要)を行う必要があるのでアーレイ・バーク級駆逐艦フライトIIIAもしくはフライトIVの開発計画がでてくるかもしれない。
関連記事:米海軍、アーレイ・バーク級駆逐艦の後継艦「DDG-X」開発予算を正式に要求
関連記事:次期戦闘機プログラムを水面下でこっそり進める米海軍、今年も研究・開発予算は非公開
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Marine Corps photo by Cpl. Cervantes, Leilani
個人的にはDDG-Xが優先されて欲しいな
アーレイ・バーク級駆逐艦は見飽きた
私も優先は、DDG-Xだと思う。
正直、タイコンデロガ級とアーレイバーク級合わせて更新すべき。
艦載機は、当面F-35Cで凌いで、無人機に引き継ぐ感じかな。
要らないのは、コロンビア級で、ヴァージニア級で代行できるように工夫すべきだろう。
或いは、ICBMを廃して、予算を回すかだろう。
アーレイバーク級の息が長過ぎるのは同意見。
DDG Xの設計の一部は一緒のままがいいとは思うけどね
最優先はやっぱりF/A-XXかな
F-35Cは主力機としては能力不足だしスパホもいつオシャカになるかわからないし
F-35Cは主力機としては能力不足だと仰られていますが、どのような点が能力不足なのでしょうか?
またスパホがオシャカになるとはどういう意味ですか?
F-35に関してはまだまともな対艦攻撃の手段がない点では?JSMはブロック4から対応ですしLRASMもまだF-35には搭載されていませんし…
まあスパホが退役後、トラブルでF-35全機が飛行禁止になった場合、運用できる機体がなくなるからな
常に2機種体制維持が基本だし、F/A-XXが最優先だろな
どれも必要そうだけど俺なら最優先はDDG-Xかな
対中ロとの睨み合いを考えると水上艦戦力は数が心もとなく、数をフォローするはずの質の優位も怪しい
F/A-XXを選択しなかったら暗雲立ち込めるF-35Cとアプデに失敗してるスパホしかなくなるからこっちを選ぶ可能性が高いが、だからと言ってもう古くて改修にも限界があるアーレイ・バークをそのまま使い続ける訳にもいかず、せめて二つに絞るならな
暗雲立ち込めるF-35Cとはどういうことですか?
またスパホってアプデに失敗してましたっけ?
F-35は維持費で目の敵にされてるしスパホはCFTに問題があってまだ未解決だよ
F/A-XXは他国(イギリス等)と共同開発というわけにはいかないのかな?
イギリスと組むとクイーンエリザベス級に合わせる必要もあるし、大型空母運用予定のフランスはFCAS計画進行中だから組む相手なくない?
テンペスト計画に乗っかって艦載機版を自国開発…という話だと思うが
アメリカ的にはNGADベースに同じ様な事をする方がなんぼかマシなはずでその予算すら難しそうなんだよね。
自分はSSN-Xに1票。
中距離ミサイルの普及により、空母はオワコン化すると予想。
そうなれば、空母に搭載する戦闘機や空母を護衛する駆逐艦の優先度は下がる。
そして、今後の海軍力では潜水艦の重要度が高まる。
予算的な理由で、今世紀中にアメリカの空母は6隻体制になるという悲観的予測もあったし、そうなると必然的に水上艦隊の規模も航空戦力も縮小の見込みでしょう、やはり潜水艦の役割は増大する
日本にはかなり不安な展開だけど
隠密行動できる兵器というのはデカいよなあ
空母や戦車は丸見えだからオワコンになってしまいがち
他所のSSBNへ対抗必要なのでSSN-Xが優先されるとみてる
ただし米の洋上戦力が全般的にやべーことになりそう
発達余裕もう完全に食い尽くしたバークどうすんだろ?船体延長して積み増しかね
DDG-Xを一番に開発を優先させるべきだな、さすがにフライトⅣはやりすぎだ
船体も古いし、時期的にこれから開発するのはちょうどいい
次にF/A-XXだ、これからの米海軍ベースの戦闘機は長距離能力と打撃量が重要になり、
F35Cのように単発エンジンでは頼りないから双発エンジンが採用されるだろう
イメージ的にF14のような大型戦闘機
最後にSSN-Xで、ヴァージニア原潜は古くないし、開発中のコロンビア級を元に出来る範囲は共有して
開発すればいいと思う
基礎設計で考えるならそうなるだろうな。
アーレイバーグ(1989年)FA18E(1995年)ヴァージニア(2003年)
現在のアーレイ・バーク級駆逐艦の拡張では電力が足りないだろうから、AN/SPY-6のフルバージョン(RMA*37)は当分は無理?
アーレイ・バーク級駆逐艦フライトIII(5m長い)は建造中で、AN/SPY-6(RMA*24)
3を1にしろよってことは2まで行けるパターン
てっきりマクナマラが墓から這い出してきたのかと思ったよ
潜水艦・水上艦・戦闘機に三段変形する戦闘ロボットの開発か()
或いは、三つの領域で活動可能な万能戦艦・轟天号の建造と()
胸が熱くなるな!
飛行・潜航可能な駆逐艦?!((((;゚Д゚)))))))
マイティジャック
昭和の夢だね
マクナマラが復活したら全部統合できるやろとか本気で言いそうだから怖い
F-4ファントムⅡが優秀過ぎたのがアカンかったんや・・・
たらればを言うならF-14が少し早かったかなぁ。
最初からまともなエンジンとFBWとマルチロールなアビオニクス、
(時系列的にかなり無理があるが)各種複合材を前提に設計されたF-14を見てみたかった。
VF-0かVF-1(但し変形機構なし)かな?
現実にはそこら辺の技術が実用化された頃には可変翼機というコンセプトが
オワコンになっていたからなぁ
アーレイ・バークさんまた続くとしたら空前のロングランだなぁ
DDG-X 優先でいいと思うんだけど
バークIVは草
ドラクエじゃねーんだぞ
皆てんでバラバラでおもしれーな!
偉いさんの会議はもっと凄いぞ多分
将来的に潜水艦艦隊に絞り、現行の水上艦艇を順次退役させていけばいいだろ(チョビ髭感)
F/A-XXはF-35の拡大発展型で済ます未来が待ってそうですね。
確かに
ホーネットから派生大型化したスーパーホーネットのように
開発すれば時間も金も節約できるな
まあ、双発機が欲しいだろうが
戦闘機かイージス艦か原潜か…うーん悩ましい
とりあえず替えのきかなそうなものに絞るのはどうだろう?
DDG(X)、イージスシステム搭載艦、こんごう型後継艦のデザインを共同研究する案を米国に提案すれば?
日本の新型艦開発は、これまでに先行開発などで、実用化の目処の立っている既存技術を如何に積み込むかですが、
米国の場合、新兵器(この場合は新型艦)開発は、既存技術よりもこれから完成するだろう技術を積む艦艇の開発。
だから、開発費も高騰するし、途中で失敗や、完成したものの使えないなどが多くなる。
それでも、湯水の如く予算があった頃は、並行開発のBプランなどで何とかなったけど、今や一つしか開発出来ないし、ここのところ失敗続きなので、持ち駒も減り火の車状態。
日本と米国では、根本的に開発姿勢が違うので共同開発は出来ないと思います。
こんごうももういい艦齢だし後継艦一緒に開発しようぜ
インフレ率が許容外に高まってしまうから計画を間延びさせる、という理由であるなら真っ当だと思うけど違うだろうな。
貨幣のプール論に嵌っている人はまだまだいっぱいいるだろうからな、米国も。
うーん、一本に絞るんでしょ、候補は戦闘機と潜水艦とイージスシステム搭載艦でしょ、せや、超音速潜水エクラノプランつくろーぜ!(阿呆)
戦力的優先度が高いのはDDG-Xだと思うけどねぇ
次点でSSN-X
航空戦力的にも、最悪F-35Cに統一されてしまっても良いと思うけど
少なくとも、性能に不満があるわけじゃないだろうし
ライフサイクルコストも、追加調達によるスケールメリットで低下するだろうから
そもそも、なぜF/A-18E/Fの後継機がF/A-XXなのでしょうか?
F-35Cではなぜいけないんでしょうか?
F-35は高性能な戦闘機だと思うのですが。
詳しい人教えてください。
武装の搭載量の問題じゃないのCはAよりウェポンベイに詰められないし、ましてこれからは空母をより後方に配置したいから長い航続距離と武装を多く積める新型は欲しいと思うぞ
F-35のウェポンベイはAとCでは大きさは同じだが
小さいのはF-35B
勘違いしてないか?
維持費が高い
航続距離が短い
単発機
ウェポンベイが小さい
ハープーン非対応
対応する新型の対艦ミサイルは未完成
思いつくだけでもこれだけ問題がある
問われてるのは「なぜF-35CではダメでF/A-XXが求められてるのか」なので後2つはおかしいのでは。
流石に新型機が完成するよりJSM統合の方が早いでしょうし、
水上艦がハープーンからNSMに切り替えてる以上、
米海軍のJSMへの評価がハープーンに極端に劣る、って訳でも無いでしょう。
リンク
航続距離が短い(コンフォーマル付きのF/A-18EFブロックⅢより長い)…短いか?
単発機→今更?
ウェポンベイが小さい→F-35Aと大きさは同じなのに、小さいの意味がわからない
ハープーンも後継のLRASMの登場で陳腐化してるからいらなくね?というか、今更ハープーンなんて短足ミサイルなんか戦闘機に載せても意味ないでしょ
返信ありがとうございます。
>航続距離が短い(コンフォーマル付きのF/A-18EFブロックⅢより長い)
F-35Cの航続距離がコンフォーマル付きのF/A-18E/Fブロック3より長いという情報のソースを教えてください。
CFT付きブロックIIIの航続距離自体が判らないのであくまで参考だけど、こういう情報があります。
リンク
中国のA2AD領域内に航空貫通作戦を行うことを考えるとF-35Cでは心許ない。
空軍が行った台湾防衛シミュレーションではNGADの能力が必要(F-22,F-35では能力不足)と結論されてる。
その理由は明かされてないし海軍がどう判断してるかは分からないが、F/A-XXに求められる能力もいずれ同様なものになるんでしょう。
>中国のA2AD領域内に航空貫通作戦を行うことを考えるとF-35Cでは心許ない。
気持ちはすごく分かるんだけど、もうそれは海軍で行えるレベルを超えてると思う。
いざその作戦を行うとなれば、アメリカ本土から、ステルス爆撃機で防空施設を破壊して、そのあとで海軍の戦闘機が参戦すればよいとおもう。
それできるなら、議会に「空母部隊いらなくね?」って言われて
ユナイテッドステーツ級再びになっちゃうからでは
F-111Bが一応着艦は出来たって話だからね。
M2超と可変翼を諦めて今時の技術で大幅に軽量化した
F-111Bを超えるサイズの艦載機、なんてのも不可能では無いと思う。
F-22ですら航続距離不足で台湾有事に役に立たんと言われてる現状、
艦載戦闘機にもそれくらいの飛躍が求められるんじゃないかね。
返信ありがとうございます。
>空軍が行った台湾防衛シミュレーションではNGADの能力が必要(F-22,F-35では能力不足)と結論されてる。
その情報のソースを教えてください。
横失ですがこれの事でしょう。
なお空軍としての正式な見解なのか一中将の私見なのかは
私の英語力では判断しかねます(引用元の記事では「we」という主語を使っていますが)。
リンク
>中国の台湾侵攻(略)を想定したウォーゲームで中国軍の脅威が存在する空域下での任務にNGADは役に立ったが「F-22やF-35に同じミッションを実施させることは出来なかった」と言っており
もし、この記事の事を言っていると把握した上で
「空軍の結論」という部分に異論があるのであれば
最初からその様に指摘するべきだと思います。
既に後々、アレスティングワイヤー装備もカタパルト換装も、折り込み済んで設計。
艦載機の開発遅れから、建造物途中で換装案に浮気し仕掛けたものの、余りの追加費用に諦めた英国と言う先例があるのに、同じコンセプトに行くかね普通。
優先順位を決めて3件分の年度当り開発費支出総額を出来るだけ圧縮しろという話かと。
結果的に優先順位の低いプログラムほど達成時期が遅延することに妥協し開発計画を再検討せよと。
記事から開発資金が対象らしいので調達予算はまた別の話。
戦略上求められる調達開始時期と充当できる年度予算との兼ね合いなんで検討主体は海軍なんでしょう。
さてどういう優先順位になるのか、取り合えず2022年度の予算要求に反映されるのかな。
なんかF/A-XXとF-35Cに関しては空軍とごっちゃになって書いている人がいる感じがする。海軍が空軍と完全に同じ問題を抱えているとは限らないんじゃないか。航続距離の問題に関しては空母を活かせないなら問題外だと思うし、敵の攻撃を防げないなら高価な護衛艦隊はハリボテなのかって話で海軍の存在意義すら問われる話にならないか。F-35Cのコスト問題に関しては、そもそもの空軍との導入数が大人と子供レベルなんだから、そこまで問題になっていないと思うんだけど。
それにしても米国の対中戦略ってどうなのかね、本気でやるなら対ソで大幅なレーガン政権のように軍事費の大幅増なんだけどな。
個人的には次世代装備の実用化を考えたらDDG-Xだと思う、作ってもマトモに運用出来る艦がありませんじゃ意味が無い。
F/A-XXはまだ海軍のステルス運用の実績が少ないから、ステルス機の運用経験蓄積とUAVとの併用を考えた上で先送りして仕様を決めるべきだと思うし、SSN-Xは売りであるモジュール構造を採用したバージニア級のアップグレードで暫くしのいでも良いだろう。
常に2機種体制維持が基本と言う話に関しては、そもそもF-35Cが採用されるまで主力がスパホ単一の時期が6年?近くあったんだから、基本と考えるのはどうなのかね。
制空権重視なら双発ステルスのマルチロール有人機。
制海権優先ならSAM/SSM撃てる潜水空母に一票。。。。