米国関連

米紙、ゼレンスキー大統領による勝利計画のロビー活動は失敗だった

New York Timesは勝利計画について29日「ゼレンスキー大統領が欧米で繰り広げた6週間に及ぶロビー活動は失敗だった」「ウクライナは秘密事項でトマホーククを要求してきたが全く実現不可能な要求だ」「提示された標的リストは供給できるミサイルの数を遥かに越えていた」と報じた。

参考:With Limited Options, Zelensky Seeks a Path Forward for Ukraine

非現実的で計画の殆どが西側の援助に依存しているというフレーズも聞き覚えがある

New York Timesは「ウクライナの勝利計画に対する反応は鈍く、戦場での課題も山積しているためウクライナはプランBを模索し始めた」と報じ、この記事に登場する米政府高官や米当局者らは計画に付随する秘密事項にも触れており、興味深い主要部分のみを要約すると以下の通りになる。

出典:President of Ukraine

“ゼレンスキー大統領が提案した勝利計画に対する西側諸国の支持は表面的なものに留まり、どの国も長射程ミサイルの制限解除に同意しておらず、ウクライナのNATO即時招待を支持した大国もない。つまりゼレンスキー大統領が欧米で繰り広げた6週間に及ぶロビー活動は失敗だったと言える。軍事アナリストや外交官の中には勝利計画の本当の目的について「国民に出来ることは全てやったとアピールし、戦争終結のため譲歩が必要かもしれないという可能性を示唆することだった」と指摘した上で「(譲歩を迫られる原因は勝利計画を支持しなかった)西側諸国という都合のいいスケープゴートまで国民に与えられる」と付け加えた”

“ゼレンスキー大統領は西側諸国の支援が薄れ、東部戦線やクルスクで敗北を喫し、対ウクライナ政策が大きく変更されるかもしれない米大統領選挙に直面しており、シラキュース大学のウィリアムズ教授(国際関係が専門でRUSI在籍中に国防総省、NATO、英国、カナダの顧問を歴任)は「トランプに頭を下げて勝利計画を推進し、ある種の立場を確立し、今これをやる必要があると言わなければならなかった。少なくとも彼は最大限の努力を行ったが、もう全ての可能性を使い果たしたのだろう」と指摘”

出典:Photo by John Hamilton

“一方で米政府高官は勝利計画について「非現実的で計画の殆どが西側の援助に依存している」と、限定された国にしか提示されていない勝利計画の秘密事項についても「ウクライナは非核抑止力パッケージとしてトマホークを要求してきたが、こんなのは全く実現不可能な要求だ」と明かし、さらに別の米当局者も「ウクライナは長射程ミサイルをどのように使用するのか納得のいく説明をしていない」「提示された標的リストは米国や同盟国が供給できるミサイルの数を遥かに越えていた」と述べている”

非核抑止力パッケージとは勝利計画に含まれる「戦略的な非核抑止力によるロシア軍封じ込め」に関連し、提示された標的リストとは「ATACMSやストームシャドウで攻撃するロシア領内の軍事目標」のことで、米当局者が「米国や同盟国が供給できるミサイルの数を遥かに越えている」と言及したのは「提示された標的リストを全て攻撃するには『中東やアジアの潜在的な問題に対処するのに必要』と推定されるATACMS(ここにストームシャドウが含まれるのかどうかは不明)に手をつける必要がある」という意味だ。

出典:MBDA/Thierry Wurtz/2004

どちらにしても米当局者が「ウクライナは長射程ミサイルをどのように使用するのか納得のいく説明をしていない」と述べているため、ゼレンスキー大統領は「ATACMSやストームシャドウの制限を解除しても戦いはエスカレーションしない=ロシアとNATOの戦いには発展しない」と説得できなかったことになり、非現実的で計画の殆どが西側の援助に依存しているというフレーズも聞き覚えがある。

ウクライナ人ジャーナリストのブトゥソフ氏も勝利計画について「西側諸国への要求は具体的なのに自らの行動については具体的に語らなかった」「ロシア軍の攻勢を止めない限り政治的交渉が不可能なことも説明せず、社会全体を非現実な方向に誘導したかっただけ」「この勝利計画はNATO加盟国を含む西側社会への呼びかけとガイドラインのみで、ウクライナが勝利のため負うべき責任や義務はなく、前線の困難な状況認識もなく、それを修正するための措置もなく本当に無責任な計画」「これは勝利計画と呼べるものではなく何も変わらない」と指摘。

出典:Командування Об’єднаних Сил ЗС України

ブトゥソフ氏は「西側諸国の支援に頼るな」「ウクライナで用意出来ないものまで自分たちで何とかしろ」と言っているのではなく、西側諸国には「ウクライナを戦争終結前にNATOに招待しろ」「長距離攻撃兵器の使用制限を解除しろ」「2025年中に戦争を終わらせるためには勝利計画を支持して年内に行動を開始しろ」と具体的かつ実行までの時間枠を指定したのに、勝利計画の中でウクライナの行動に依存する唯一の部分=防衛力強化については「防衛力の不可逆的な強化」という曖昧な表現で濁し、ドローン生産以外「いつまでに何をやるのか」を具体的に説明していない。

軍事アナリストや外交官が「この勝利計画は都合のいいスケープゴートまで国民に与えられる」と述べたのも計画の殆どが西側の援助に依存し、ウクライナの行動結果に依存する部分が皆無なためで「領土放棄を伴う譲歩を迫られるのは勝利計画の内容を西側諸国が支持して実行しなかったからだ」と批判の矛先を外に向けられるためだろう。

関連記事:ウクライナ人ジャーナリスト、勝利計画は無責任な計画で何も変わらない
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※アイキャッチ画像の出典:President of Ukraine

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コメント

    • Mr.R
    • 2024年 10月 29日

    飛行場や弾薬庫はともかく、長距離兵器で狙うべきはウクライナ領土内の軍事目標だと思うんだけど······鉄道橋とかさ

    10
      • nachteule
      • 2024年 10月 30日

       別に無理して自国管理が出来そうな場所のインフラ攻撃せずともロシア国内か近くて奪還とかは到底不可能なインフラやメーカーや基地、集積所とかを的確に攻撃出来るなら前進したとしても物資不足でジリ貧になるだけだし似た効果は出ると思うけど。

      5
    • MK
    • 2024年 10月 30日

    そりゃそうでしょうとしか・・・
    ここにきてだいぶメディアもウクライナイケてない論調が増えましたね。
    年末が山場なのでしょう。

    44
    • 774
    • 2024年 10月 30日

    こんなので批判の矛先は西側諸国にむくんですかね
    欧米に絶望して非難するウクライナ人もいるでしょうけど2年半以上支援を続けた末に出てきた勝利計画が中身の無いものならば西側諸国が支援を縮小するのに理解を示すウクライナ人も少なからず出てくると思うし
    そうなったら矛先はロシアと交渉せず戦争を続けたゼレンスキーに向かいそうなもんですが

    20
      • かぼ
      • 2024年 10月 30日

      西側の支援停止で屈辱的停戦内容になったら当然、その矛先は西側に来るでしょうね
      既にウクライナ民族主義者が支援停止方向な西側指導者に牙を向いてますし
      当然、これからも似たような事は起こるでしょう
      西側の代わりにロシアと戦って血を流した自分達が悪いなんて思うのはほぼ無い気がします

      46
      • 理想はこの翼では届かない
      • 2024年 10月 30日

      ウクライナ国内に対してはプロパガンダを垂れ流しときゃいいと思ってるのではないですかね
      「勝利計画を提示し、熱心に語りかけたが西側諸国は非道にもウクライナを見捨てたのだ!」とか流しまくるのでしょう
      ウクライナが侵略されたのは西側諸国のせいだとしだすとか、徹底的に責任転嫁しだすとかね

      42
        • kasugi
        • 2024年 10月 30日

        責任転嫁ではなく実際にそのとおりでしょ

        中途半端な安全保証で無理やり核を放棄させ、natoをズルズルと東に延ばしてロシアを刺激し、そのくせ決定的な支援はしなかったというのが西側です

        西側が手を講じない限りウクライナには選択の余地がありませんでした

        31
          • 古銭
          • 2024年 10月 30日

          ブダペスト覚書をどう批判したところで米英はそれを守っていますし、そもそも西側諸国がウクライナを守ろうとして結んだものでもありません。
          第三極になろうとして失敗して核廃棄を決めた挙句に保身で反露運動を過熱させたのはクラフチュク大統領ですし、クチマ大統領は核兵器が無くとも東西両方と無難に付き合っていました。
          そしてクチマ大統領より後のウクライナは、有効な軍事同盟が存在しない状況で国内での政治的利益のために東西どちらかに偏った政治を続け、最終的に対露外交が破綻したというだけです。

          51
            • kasugi
            • 2024年 10月 30日

            eu,natoへの加盟を声高に訴えながら、汚職で愛想を尽かされて致し方なくロシアにすり寄ったクチマが「東西両方と無難に付き合っていた」とする見解はなかなか新しいですね

            11
              • 古銭
              • 2024年 10月 30日

              東西双方と決定的な敵対をせずにクラフチュク期に受けた大打撃から立ち直ることが出来ましたが、政治家が口に出したことを実現出来なかったら結果は関係ないということでしょうか?

              23
                • kasugi
                • 2024年 10月 30日

                コウモリ外交で火種を撒き散らし、後任の選挙が内戦寸前だったという結果ですよね

                11
                  • 古銭
                  • 2024年 10月 30日

                  ユシチェンコ氏自ら暴力行為の禁止を訴え、早い段階で最高議会が不正選挙を認めて交渉のみで終わったオレンジ革命を内戦寸前だとするのは強引ですし、クチマ大統領の支持率低下は外交政策ではなく強権化と、対立勢力や個人への弾圧や暗殺疑惑が主な原因では。

                  21
            • ポンタ
            • 2024年 10月 30日

            >ブタペスト覚書

            「ウクライナがブタベスト覚書を批准せず、核兵器を保有していれば、ロシアの侵攻はなかった」という言説に対して、核管理の専門家、一橋大学の秋山先生という方が、日本記者クラブ主催の講演会で、ていねいな議論を展開されておられます。(リンク)(25分あたりから)

            要点を転載すると、
            1991年ソ連解体時、ウクライナ国内には約3000発の戦術核、約200基のICBM及び1000発以上の核弾頭が“物理的”に存在していた。このうち戦術核は1992年にロシア軍が自国に引き上げており、既になし。したがってブタペスト覚書の対象はICBMと核弾頭。

            これに対して、ICBMはモスクワの管理のもとにあり、ウクライナ自身は使用できず、さらに核弾頭のほとんどは安全装置の期限切れで安全管理上危険な状態。また核弾頭を安全に管理するための技術・経済資源がウクライナにはなし。現場の人間(軍)は早く何とかしてほしいという状態で、政治家のみが自国に残された核兵器を取引材料にしていた。

            したがって、そもそもウクライナ自身が核兵器の維持管理を行い、保有し続けること自体が非現実的な状況であり、ブタペスト覚書の批准、リスボン議定書の履行により、非核保有国となり、経済的支援を獲得するというのは極めて合理的な選択であったのではないかという議論です。

            16
              • 古銭
              • 2024年 10月 30日

              核保有が現実的ではなかったことにも、合理的な選択であったことにも同意しますが、当のクラフチュク政権は核放棄の決定後に戦略核、あるいは戦略核の燃料等は保持した方が良いのではないかという意見を閣僚クラス(当時首相であったクチマ氏を含む)が何度も公言していました。
              当時の権力構造や、早々に終わった戦術核放棄とは異なり戦略核放棄がクラフチュク政権下では達成されなかったことや、大統領が直々に反露的な民族主義団体を立ち上げてまで保身に走ったことを考慮すれば、クラフチュク政権が続いていた場合に物事が破綻する前に欲を捨てきれたかはわかりません。

              当時の軍は黒海艦隊や核の扱いで外交的敗北を喫したと不満を公言していた人も多いので、過度な評価は禁物だとは思います。

              1
            • ポンタ
            • 2024年 10月 30日

            >ブタペスト覚書

            「ウクライナがブタベスト覚書を批准せず、核兵器を保有していれば、ロシアの侵攻はなかった」という言説に対して、核管理の専門家、一橋大学の秋山先生という方が、日本記者クラブ主催の講演会(「ウクライナ6」)で、ていねいな議論を展開されておられます。

            要点を転載すると、
            1991年ソ連解体時、ウクライナ国内には約3000発の戦術核、約200基のICBM及び1000発以上の核弾頭が“物理的”に存在していた。このうち戦術核は1992年にロシア軍が自国に引き上げており、既になし。したがってブタペスト覚書の対象はICBMと核弾頭。

            これに対して、ICBMはモスクワの管理のもとにあり、ウクライナ自身は使用できず、さらに核弾頭のほとんどは安全装置の期限切れで安全管理上危険な状態。また核弾頭を安全に管理するための技術・経済資源がウクライナにはなし。現場の人間(軍)は早く何とかしてほしいという状態で、政治家のみが自国に残された核兵器を取引材料にしていた。

            したがって、そもそもウクライナ自身が核兵器の維持管理を行い、保有し続けること自体が非現実的な状況であり、ブタペスト覚書の批准、リスボン議定書の履行により、非核保有国となり、経済的支援を獲得するというのは極めて合理的な選択であったのではないかという議論です。

            8
      • アンゴラ
      • 2024年 10月 30日

      こんなこと聞くと絶対怒られると思いますけど、なんのためのウクライナはロシアから独立したんでしょうか?
      ソ連崩壊以降はずっと辛いことしか起こっていない気がします
      チェルノブイリ原子力発電所事故にちゃんとモスクワ政府が誠実に対応していれば、こんなことにはならなかったんじゃないかなぁ、と思ってしまいます

      5
        • ras
        • 2024年 10月 30日

        ソ連の中でウクライナもロシアも独立した共和国でしたので。EUが解散したら欧州各国が敵対始めるだろうというのと同じ話ですね。

        2
    • たむごん
    • 2024年 10月 30日

    アメリカ大統領選挙リスク・欧州の選挙リスクは、開戦2年目くらい(2023年)から分かっていた事ですからね。

    ゼレンスキー大統領は、トップリーダーなわけですから、外交方針が博打になり国の命運を委ねてはダメなわけです。

    ウクライナ=ウクライナ人は、外国支援により経済を回し・武器支援により戦争継続できており、現実を見なければ大変な事になりますよ…(支援国も民意で動きます)

    28
    • 謎菜史
    • 2024年 10月 30日

    日本のウクライナ応援界隈では今、餓死寸前の北朝鮮軍がt-34/85で突撃している話題で盛り上がっているみたいですので、
    日本限定では「勝利計画」は成功だったみたいですね。

    39
      • Mr.R
      • 2024年 10月 30日

      ウクライナ応援界隈のどの辺りからそんなアホな話が出ているか知りませんが、少なくともマトモに考える頭があれば北朝鮮にドローン等の実戦ノウハウが伝わるリスクを考えると思いますよ。
      ヤフコメやXでアホ言ってる連中と括られるのは心外です。

      25
      • かぼ
      • 2024年 10月 30日

      日本の報道”だけ”見てると「ロシア敗北寸前!」って感じですね
      最近も仕事関連の知り合いに「ロシアって負けそうなんで北に助けを求めて北の兵士がロシア入りなんだって」って話題を振られましたよ
      私は「現代のドローン戦とかの視察らしいですよ」って適当に答えときましたが・・・

      44
        • 通りすがり
        • 2024年 10月 30日

        大日本帝国の報道”だけ”見てると「アメリカ敗北寸前!」って国でしたからね。悪しき風習は今もなお我が国に根付いているようです。

        47
        • nachteule
        • 2024年 10月 30日

         ロシアが負けそうと言っている人を小馬鹿にするような言い方ですが返しの中味からして同じレベルじゃないですか?
         すでに1500人がウクライナに入り10000万人ぐらいが訓練中とのNATO事務総長の発言がある中で話半分にしてもドローン戦視察のレベルじゃ無い。
         それに北朝鮮兵士がウクライナに行くとしてどんな部隊がどれくらいの規模投入され、北朝鮮にとっての利害は何なのかがハッキリしない事には何とも言えない。

         そして何をして負けなのかが擦り合わせしてないなら不毛な話だと思いますよ。経済的にガタガタで将来的が明るく無いなら負けなのか、プーチン大統領が当初掲げた目標を達成出来ないなら負けなのか。どんな終わり方をするにしても犠牲に見合ったリターンが確実になければ負けなのか。あなたが負けじゃないと思う状況でも別の人から見たら負けになる事があると思いますけどね。

        負けるかは断定出来ませんが損害が多いのは間違いない。そんなに損害が無いと言うなら、そもそもウクライナの25%とは言わずに半分位は占領してないとおかしいと思います。

        6
          • なんとも
          • 2024年 10月 30日

          戦争の勝ち負け定義の話ですが、少し整理しますとWW1までの勝利は有利な条件での講和をすることです。
          WW1以降は敵国の政治体制を崩壊させる。または、敵の国家としての能力を大幅に削ぐことです。

          フォークランド紛争レベルの小競り合いはともかく、大規模戦争において、WW2を始め例外なく結果はそうなっています。
          ベトナム戦争、アフガン戦争、イラク戦争などもそうです。(朝鮮戦争も講和したのではなく、単に大規模衝突なしの戦争が続いているだけですから)
          ウクライナ戦争でも当初、ロシアの体制崩壊の話が出ていたのは、意識的、無意識的はともかく戦争の現在の常識に照らして妥当なものです。

          振り返って現状は、ロシアはダメージは受けましたが体制はしっかりしています。また、BRICSへの指示も強まっています。
          一方、ウクライナは深刻なダメージを受け、国際的な支持が弱まっています。西側では幾つかの国で政変が起き、全体として、戦争への指示が低下し、武器の貯蔵などにも影響を与えています。直接関係ないですが、イスラエルの暴挙によってダブスタという妥当な批判も受け、影響力も低下しましたしね。

          領土をどれだけ一時的に占領したのかはWW1以降は勝利条件とはなりません。その観点で考えればアフガン戦争はアメリカの勝利と言えるかもしれませんが、実際は敗戦です。現代の戦争における勝利条件、タリバン体制の崩壊に敗北したからです。

          この勝利条件は、歴史的な流れであって、それを外した思考は現実を無視したものとなりがちです。
          その点で行きますと、現在の状況は西側とウクライナは負けつつあるという認識になります。

          18
          • 匿名
          • 2024年 10月 30日

          仕事中の世間話は議論では無く、あいさつのオマケ程度の内容で良いのでは?
          軽い話題から数倍以上の反論が返ってきたら、私なら不味い話題を降ったと後悔します。

          38
          • かぼ
          • 2024年 10月 30日

          仕事絡みの人なので当然ですが議論とかする気も無いので同レベルの差しさわりの無い返答をしますよ
          そもそも一般人は、ウクライナ紛争なんてそんなに興味がないですし
          なんとなくふわっと「ロシアは負けているらしい」って認識
          北派兵のニュースの見出しからの話題ですしね
          あとロシアの敗北条件なんて私が決める問題でも無いし決める気もないですよ
          私の関心事は紛争が何時まで続き、ロシアの停戦条件のどこまでウクライナ・西側が飲まされるのぐらいですね

          13
          • Hakugen
          • 2024年 10月 30日

          戦争目標として掲げたことを、達成できた方が勝ちで、その相手が負け。
          目標を双方ともに達成できなかった場合は、引き分け。

          ということです。

          ロシアの目標は、
          「ウクライナの非武装化・中立化、ネ○ナ×勢力の根絶」
          であり、
          ウクライナの目標は、
          「失地の完全回復、賠償の取得、戦犯の処罰」
          です。

          2
            • なんとも
            • 2024年 10月 30日

            そのお考えですが、戦争を語る視座としてはいささか不適切と思います。

            目標=勝利条件を達成すれば勝ちは、スポーツでは順当です。
            戦争でそれが当てはまることは基本ありません。なぜなら、審判がいないからです。目標を達成できたら勝ちとは行きません。なぜかといえばシンプルで、その目標は双方が勝手に決めた条件でしかないからです。

            その条件がルールに沿っているのか?どうすれば、達成できたのか?国際社会に審判はいません。である以上、双方の同意、または、対戦国の無力化まで戦争は終わりません。

            実際、もし警察も裁判所もなくて、ルールだけがある国があったとしても司法は機能しません。強制力がないからです。

            戦争の勝敗とはそれを踏まえて論じないと現実性はありません。

        • な梨
        • 2024年 10月 30日

        敗北寸前言ってるのはYouTubeとかですね。
        記事とかだとウクライナの’成功例だけ取り上げて損失や失敗は取り上げない感じなのでそこまで興味がなくてヤフーニュースとかチラ見してだけの人からしたら勝ちまくってるように見えるんでしょうね。

        19
    • かぼ
    • 2024年 10月 30日

    ウクライナ人からすれば、紛争終結の為に選挙で選んだ筈のゼレンスキー政権だったのに
    いつのまにやらドンドンと紛争が拡大激化して完全にロシア戦争状態となり
    西側は西側で援助を渋り、その為にウクライナ軍は苦戦して家族や友人を戦争で失い
    一般人も停電やインフラ破損で苦しい生活
    ロシアを憎み、ゼレンスキー政権を苦々しく思い、西側に失望
    戦後は、西側にとってもロシアにとってもテロ国家に成りかねない暗い状態ですね

    49
      • Mr.R
      • 2024年 10月 30日

      その上国土の約2割を奪われ(最悪もっとかも)、PTSDに苦しんでいたり負傷して生活にも苦しむ状態の兵隊さんが町に戻ってくると。今停戦になったとしてもこの先のウクライナに希望が持てない······
      この状態でも入れる保険があるんですか!? なんて茶化さないとやってられん······

      21
    • 下僕
    • 2024年 10月 30日

    「非現実的」「西側諸国への要求は具体的なのに自らの行動については具体的に語らなかった」「社会全体を非現実な方向に誘導したかっただけ」「都合のいいスケープゴートまで国民に与えられる」
    どこかの国の首相の集団的安全保障構想のようです。

    18
    • 傍観者
    • 2024年 10月 30日

    米英の意図はヨーロッパと露の分断、旧ソ連圏の解体の促進と露の小国への分割。ウクライナの・主権と自由と民主主義を守る・のは建前に過ぎない。必要がある限りウクライナを支援するのは、米英の必要がある限りということだ。今のままウクライナの支援をズルズル続けることは米英の世界戦略の破綻を意味する。米は既に見限った。ウクライナ敗戦の責任はバイデンにありウクライナなど知ったことではない。ゼレンスキー=ウクライナは命じられた仕事に失敗し、ヌーランドは早々と首を切られた。ウクライナは誘惑されて捨てられる。一時は自由世界の輝ける指導者だったゼレンスキー大統領はいまや見る影もない。敗戦で荒廃したウクライナの復興を誰が支えるのか?

    日本はウクライナの轍を踏んではならない。ウクライナは正義でウクライナが勝利するなどと主張した人たちは日米戦争で日本は正義で日本が勝つと主張した人たちに似ている。反省する必要がある。反省できないと同じことを際限もなく繰り返す。

    43
    • nk
    • 2024年 10月 30日

    1年後には継戦するとどういった展望になる可能性が高いか良く考えたほうがいいと思うかな、相当な後退を強いられ現状より人員と物資が枯渇し支援も先細りで交渉力皆無に近くなる可能性が極めて高いとなれば、アメリカ大統領選後に分の悪い終戦でも受け入れるが現実的な所だと思うけどもゼレンスキーは受け入れることが出来るだろうか。
    西側が許すことは無いけども、お勧めのコースは西側裏切りゼレンスキーとアゾフに腹を切らせ、領土割譲で親露属国bricsがウクライナだけのこと考えれば良い選択ではないでしょうか。

    9
    • 敗戦
    • 2024年 10月 30日

    ウクライナ全土の2割程度しかロシアに占領されてないから負けてない
    ような日本のネット界隈が多いが戦争は成長率と同じで今の変化から
    判断すべきでしょうウクライナ軍が殆どの前線で後退してれば敗北と
    なります。

    18
    • 赤狐
    • 2024年 10月 30日

    俺は前から時々書いていたようにオデッサまで取られて終わりだと思っています。
    これでウクライナは物理的に正規戦継続能力も失いますし、こっそりと大型兵器システム、特に巡航ミサイルや核兵器を持ち込む事も著しく困難になります。この場合は残ったウクライナがあくまでも親欧米でも何ら問題はありません。多少の通常戦力が残った所で核の運用能力は皆無に近くなります。
    キーヴを取るまでロシアの勝ちじゃない的な言説をする人もいますが、ロシア的にはキーヴはもうこりごりだと思うんですね。統治が凄く面倒だし、勇ましい割には戦う気持ちも実は無い人達が多い。商業や政治の中心とは言え、実際外貨稼ぎなどは現在もオデッサを中心とした湾岸部に頼ってるが、ここまでウクライナを引っ張ったのはキーヴ周辺の人達です。
    そしてそういう話になったらハルキウも慌てて乗っかって「俺達も元々ロシアの方が良かった!」と言い出すと思うのですね。キーヴの人達が復興に必要な費用や借金を返すのにまず目をつけそうなのはハルキウですから。
    俺はロシアが何故ハルキウを攻めないのかというのは、何ならこの道筋が実はもう出来てる可能性が高いからでは無いかと思っています。ハルキウ市民にしてもまた中央部以西の人達に引き摺られるのはもう絶対にごめんでしょう。敗戦で終わればですが。
    残った「ウクライナ」はロシアがずっと嫌いだった人達が多い地域で占められると思います。そしてそれについてはロシアは欧米寄りになろうが、最早気にしないと思われます。

    25
      • マンゴー
      • 2024年 10月 30日

      そもそも民族主義者ばかりで欧米の農場みたいなウクライナ西部なんかいらねーよって、メドヴェージェフ氏は言ってるワケですからね……

      24
      • かぼ
      • 2024年 10月 30日

      オデッサまで切り取ってキエフ付近含む西部ウクライナを西側にポイ捨てたら事実上のロシアの完勝でしょうね
      オデッサは戦闘をしなくてもロシア側に逃げ込む予感

      20
      • なんとも
      • 2024年 10月 30日

      自分も非常に同感です。
      別な方がプーチンはクリントン・ドクトリンを踏襲しているのでは?とご指摘ありました。

      ユーゴ内戦と同じことをウクライナについて、ロシアがやってくる可能性は大かと。ドンバスやクリミア。ハルキウ、オデッサ辺りまでは自国勢力とするが、キーウは放っておく、むしろポーランドやNATOに投げる。
      NATOがコソボを放り出したように、ロシアもキーウを放り出す。そして、ウクライナの復興を約束した西側が体面もあって、資金を溶かし、国力が削られるようにする。

      妥当な戦略と思います。

      11
        • かぼ
        • 2024年 10月 30日

        ジョージア(グルジア)での紛争もロシアは勝ったのに南オセチアとアブハジアを切り取って残りは西側に投げましたからね
        皮肉な事にその後ジョージアは、ウクライナ紛争もあって今ではロシア寄りに
        ウクライナの次に危ないのはモルドバかな?

        9
      • Hakugen
      • 2024年 10月 30日

      日本もドイツも、戦後暫くは連合国の進駐軍に占領されてGHQの軍政統治下に置かれました。

      ウクライナも、同様の形になるでしょう。不穏分子は全員逮捕で収容所行き。
      ウクライナの領土は、オーストリアハンガリーやユーゴスラビアのように、分断されるかもしれません。ある部分はロシアの一部になり、別の部分は新たな小国家となる、という具合に。
      複数の新小国家は、個別の独立国になるかもしれないし、一つの「ウクライナ連邦」の構成国になるかもしれない。

      国外逃亡した高官が「自由ウクライナ臨時政府」のようなものを旗揚げする可能性もあるかも。

      1
    • マンゴー
    • 2024年 10月 30日

    具体的な事業計画が欲しいのに、なろう小説みたいな願望寄越されても仕方ないというか……
    これ西側やNATOは困り果ててるだろ

    11
      • かぼ
      • 2024年 10月 30日

      英米はウクライナ人パイロット200人を育成中ですよ
      今はセスナを飛ばせるレベルだそうで
      まあ、F16を使える様になった時、ウクライナ情勢はどうなっているかは知りませんが・・・

      5
        • マンゴー
        • 2024年 10月 30日

        アメリカの広大な農地で農薬撒いて貰うぐらいしか使い道が思いつかない……

        12
        • 2024年 10月 30日

        最近F-16の話題がさっぱりですよね…
        活躍したら大々的に宣伝するはずですし

        6
    • DEEPBLUE
    • 2024年 10月 30日

    ゼレンスキーが選挙をせずに居座り続けている事自体が失敗だからね。

    6
      • かぼ
      • 2024年 10月 30日

      選挙なんてしたら政権崩壊ですからねぇ
      西側が支援してるイスラエルも同じ状態なのが皮肉な話

      9
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